木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年11月4日木曜日

王子の優雅な生活(仮) 3巻完結 読了

王子の優雅な生活(仮) 3巻完結 読了
紫堂恭子/著 朝日新聞社/刊 20101130第1刷円 ASHAHIコミックス
 
 アニメショップの老舗アニメイトでは毎月2回『きゃらびい』というショップ広報誌が無料で発行されています。下旬発行誌にはマンガ発売一覧が掲載されており重宝しておりました。最近忙しくて10月下旬号の入手が出来ませんでした。抜かった!最近のマンガは少数部数発行の品が増えてマンガ専門店の店頭だけでは網羅することが出来なくなりました。なんとかして次の手を考えなくては。閑話休題。

 クーデターにより小姓一人だけを連れ森に逃げ込んだアンドレア王子。箱入り息子のため世間の常識には疎いが、常識に囚われない柔軟な思考と持ち前のポジティブシンキングで、素直に他者の意見を聞き入れ正しき行いをしようとする姿は人々を魅了し、アンドレア王子の下に人々があるまろうとしていた。
 貴種流譚のオーソドックスなストーリーであるがゆえの安心感と安定感がコメディタッチをより盛上げます。ある意味人を超越したアンドレア王子が主人公のため、恋愛を王子で描く事ができず、ギルバート森林官と幼馴染の悲恋を舞台設定の一つとして取り上げているのが、水戸黄門みたいでなんとももどかしい面がありますが、そこは紫堂恭子の手腕によって巧みに演出されています。
 時代とか舞台とか言明されていませんが、中世期のヨーロッパを模していると思われます。その中での王は貴族同士の連立政権みたいなもので、必ずしも王が強大な権力を持てたわけではありません。しかもアンドレア王子が逃げ込んだ森は王領森林であり、王の土地であるのとともに通常の開拓等からは守られており、周辺住民の王族への親しみが深いのも著者紫堂恭子の舞台設定の妙といえるでしょう。
 後半やや駆け足の面が無きにしもありませんが、読者層へのマーケティングから云って戦記好きの野郎達が消費者では無い以上、国取り物語は蛇足であり、今作品のもう一人の主人公であるギルバートの悲恋に決着がついた後日譚として捉えるならば、スピード感のある良い結末をむかえられたのではないでしょうか。

 内容紹介:思わぬクーデターから始まった逃亡生活の中で、国のあるべき姿を学んだアンドレア王子、圧政に苦しむ民を、大胆不敵かつ華麗奔放に救う噂が広まり、王都からも少しずつ味方が終結する!そんな王子の活躍に、アガレス新王はついに直属部隊を差し向け、王子捕縛のため横暴な策をとるが……。王都奪還をかけた最終決戦、天はどちらの王に味方するのか!?堂々の完結!!(カバー裏表紙より引用)
(Webコミック「ホラー&ファンタジー倶楽部」掲載)
 

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