木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年11月8日月曜日

ラブやん 14巻 読了

ラブやん 14巻 読了
田丸浩史/著 講談社/刊 20101022第1刷533円 アフタヌーンKC
 
 拙者はまたもや「黄泉の眠り」に突入。日没まで動けず。夜に歯医者の予約をいれていたので、無理無理にでも体を動かしたのが良かったのか、なんとか大丈夫そうです。いやはや久々にきたなぁ。※黄泉の眠りとは:疲労のあまり体が動かなくなる現象。どこか不健康な生活になっていると成りやすい。
 拙者がくたばっている間も地球は回っているわけで、宇宙戦艦ヤマトの名物プロデューサー西崎義展死亡。功績は様々あれど、果たして彼は勝ち組だったのか。昔話や教訓話であるような、宝物を見つけたばかりに金持ちになってしまったばかりにその後の人生を全て棒に振ったような感じもなくはありません。押井守の勝つために戦え式に考えると、映画を作り続けられた面で考えれば勝ちと云えなくもありませんし、結局ヤマト以外の映画を作れなかったのならば負けのようにも思えるし、ご本人にとってヤマトが重荷だったのか誉だったのか聞いてみたくもありますが、本人にとってもその双方の面があったことは想像に難くありません。新聞によると小笠原村父島の二見港内に停泊中の調査船「YAMATO」(485㌧)から転落。同船には9人が乗っており、ってもしかしてドキュメント・名探偵コナンの撮影かい!て突っ込みたいくらい見事な死にっぷり。映画公開を直前に名プロデューサーが転落死に見せかけられた殺人事件、みたいな。だいたい調査船「YAMATO」って、もしかして以前西崎が所持していたクルーザーかな?

 さて「ラブやん」。
 サンタさんへのお願いの副作用で若返り、少女の姿になってしまったラブやんにカズフサの目が釘付けに!
 毎回同じ事を書きますけど、読んでて痛いんですよねぇ本作品。一見変わらない日常を繰り返しているようですが、幼馴染は結婚するは子どもは生まれるは、カズフサは歳をとる一方だし、それは天使であるラブやんも同様。永遠のパラダイスでは無い世界で今だけを楽しんでいるような、アキハバラを歩いていると普通にそこかしこで見かける人々のようでいて、さらに拙者の事を描かれているようでいて、このマンガは心臓に悪いっス。さらに、例えば76p3コマ目のセリフ「少年と少女(三十路手前)が!!初々しさを漂わせつつキャッキャウフフと…」とあるように、以前の作中にも老人と老婆が少年少女の姿に戻って野原で日暮れまで遊び続けたり、学園喫茶のように教室を再現したお店を描いたり、過ぎ去った日を夢見た時点でロスト・パラダイス現象にしかならないわけです。パラダイスは過去ではなく未来にしか無いと実感できればよいのですが、“ラブやん”と云う超常の存在が過去を取り戻せるのではないかという可能性を生んでしまうのが、この物語のミソになります。そのあたりは作者が意識しているのか天才が無意識に為せる技なのか、例えば第96話「追憶売ってます」って筋肉ムキムキ男が火星へ飛びそうな題ですが、催眠術により自由に夢を見せてくれる店へ行っても郷愁を誘う世界を描かないのが素晴らしい。余談ですが、片腕サイコガンのマンガ「コブラ」の第一話も似たような話でありまして、99話で披露されています。
 表紙の少女は今巻には出ていません。

 内容説明:ロリ・オタ・プー、三重苦そろった大森カズフサの恋をイイ感じにすべく、ラブ時空から愛の天使ラブやんがやってきたけど、結局ダメダメにというお話!酒飲み話など非公式な席では大絶賛されるも、なぜか全メディア黙殺の問題作!愛の天使・ラブやんはサンタの力でロリ化してロリやんに。一方、ロリ・オタ・プー のダメ人間、三十路突入した大森カズフサは猫耳少女を夢見て――!? 連載100話を突破したダメ人間の一大サーガの最新刊は、単行本描き下ろしページに加えて、本誌掲載企画「ラブやん成り上がりすごろく」も再録!!(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)

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