木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年4月3日日曜日

魍魎の揺りかご 2巻 読了


魍魎の揺りかご 2巻 読了
三部けい/著 スクウェア・エニックス/刊 20110325初版533円 ヤングガンガンコミックス
 「スタードライバー」最終話視聴。妻も子どもも顧みない実父の野望を打ち砕き、幼馴染の彼女の為に身を呈そうとしている友人を救い出し、恐らく主人公三人は三角関係のままそれぞれに伴侶を見つけてしまいそうな余韻を残しつつ、学園祭が終わったって感じですかね。壮大なストーリー展開な割にはあっけなかったような気がしました。主人公ロボットと戦った面々が、実は強大なラスボスを封印するための存在であった、と種明かしをした時「ラムネ&40」を思い出したのは拙者だけでしょうか。

 さて「魍魎の揺りかご」。個人で動き回るには広く、世間からは隔絶された客船の中で、人を襲う奇病が発生し、生き残った人々の疑心暗鬼から生じる殺戮。たまたま居合わせた修学旅行中の子ども達のサバイバルが始まる。
 絶望的状況の中での子ども達だけのサバイバルと云えば、拙者がこの世に顕現する以前に連載していた梅図かずお「漂流教室」があまりにも“傑作”として名高く、ついつい比してしまうのですが、沈没しかけている船の中で、主要キャラクター達が見ている描写のみに徹し、全体像を見せることの無い演出はダンジョン巡り的閉塞感を弥増します。どうやら生き残ったキャラクター達は今後も増加しそうであり、背景にある人間関係から「バトルロワイヤル」的状況も加味され、マンガでどこまでサスペンスが描けるのかも見所の一つかもしれません。
 著者三部けいは逃げ場の無い閉鎖空間ネタが好きですね。初連載作となった原作付きの作品「ブラックロッド」も閉鎖都市でしたし、角川もスクウェア・エニックスで発表された作品も舞台が閉ざされています。
 余談ながら『月刊シリウス』連載中の永瀬ようすけ/著「やみのさんしまい」でも漂流教室ネタが使われていました。拙者はゲラゲラ笑ってしまいましたが、シリウスの読者の果たして何人が元ネタがわかるか…。数年後数十年後もマンガに興味を持ち続け、古典を紐解いたときに自分の気が付いていない謎を解明する楽しさを感じて欲しいものです。拙者にとっては「マカロニほうれん荘」がそうでした。
 ダンジョン巡りを実際に楽しみたい方へは、信州長野善光寺堂内くぐりをオススメします。閉所恐怖症や暗所恐怖症の気がある人にはオススメできません。あそこで殺人事件があったり脳溢血や心臓麻痺で倒れても判らんですね。

 内容紹介:一番恐ろしいのは…「人間」。魍魎が巣食う“揺りかご”に生き場を求めた愚者達は、自らその手を血で染め始める。まるで、さらなる“絶望”を望むかのように──…。(アマゾンより引用)
(ヤングガンガン掲載)

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