木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2019年7月26日金曜日

世界一訪れたい日本のつくりかた 読了

世界一訪れたい日本のつくりかた 読了
~新・観光立国論【実践編】~ デービッド・アトキンソン/著 東洋経済新報社/刊 20170720発行1500円
 プレゼンとはかくあるべし、と云わんばかりの本。
 マーカーは邪魔だと思うけど。
 世界的潮流に乗っかって、日本に観光客をバンバン呼んで、お金を落としてもらって、日本経済は潤うし、お客は楽しめるし、リピーターを増やせばもっと儲かるし、ウインウインの関係で八方丸くおさまってとってもハッピー、が本書の筋だと思う。
 では具体的にどうすれば人を集める事が出来るのか、が本書の肝。
 超高級ホテルが少ないのは確かにその通りでせう。だって、日本では天皇や将軍だって贅沢していなかったんだから。貴族はもちろん武士だって、世界的に見れば貧乏だったんだよ。だから贅沢な人に対するサービスなんて元から無かった。かなり以前にブログに書いたような気もするが、何かの本に、ホテルに備え付けの冷蔵庫の中の飲み物が何故高いのかが書かれていて、初めて理解することが出来た。サービスには階層毎に同じものであっても値段が違うのだ。特にイギリスでは。だからイギリス出身の著者には万人に同一サービスであることへが不思議なのだろう。断言できないが、日本においては天皇であっても規定のサービスしか受けられないだろう。それが良い事なのか悪い事なのかはさておき、世界を相手に客商売をするならば、金に糸目をつけない人にはそれだけのサービスを提供して払ってもらおう、と云うのが観光立国なのだそうだ。
 日本でカジノ(賭場)をひらこうと自民党が頑張っているが、TVのニュースでは何故賭場をひらく必要があるのか全くわからない。しかし本書を読んで初めて判った。海外の裕福なセレブ向けの「カジノを含む統合リゾート」をひらく事で収入を増やすのが目的なのだ。
 知人にこの話をしたら、別に海外の金持ちに来てもらわなくていいじゃん、と云われた。
 しかしそうすると人口が減少し税収が減り、輸出産業がさして儲からなくなる時代に日本が今の豊かさを維持できなくなるから、既に自動車産業よりもお金が動いている観光業に乗り遅れないようにしようと云うのだ。
 政府も自民党もそんな話はしていない。いや、もしかすると政府のホームページには書かれているのかもしれないが、拙者が目にしている一般的マスコミではそんな話は見ていない。そもそも政府も自民党も国民に説明する気もなければ責任も感じていないのかもしれないし、マスコミも追随しているのだろう。それは拙者だけではなく、拙者の周りも同じような状態に置かれていることはサンプルが少ないが、想像出来る。
 確かに本書を読むとカジノの必要性を感じざるを得ないが、かと云って世界中にすでに存在しているカジノを含む統合リゾートを作ってどうする、日本の自然・気候・文化・食と絡めて統合リゾートを作るのならば、日本にしか無いオンリーワンの統合リゾートを作ったほうが良くないか?と思わなくもない。だからと云ってカジノ以上に金を稼ぐ装置は提言できないが。
 カジノにおけるマイナス面をコントロール出来るし他国においては出来ているから、システムをそのまま移植して上手く運営しようとも云っているようだが、パチンコや競馬や競輪と云ったギャンブル大国日本で著者が云う様なコントロールを国がすると思ったら大間違い。アレンジが得意な日本人は換骨奪胎してマイナス面を増大する方に拙者は賭けても良い。
 それとは別に、日本の良さとは何かと考えると、欧米人が求めている日本は欧米的価値観とは異なりながら、欧米に勝るとも劣らない先進国であると云うことではなかろうか。ディズニーランドを受入ながら、日本風にアレンジして世界中にファンを広げつつあるように、カジノを含む統合リゾートをアレンジして世界的な集客マシーンにすることも可能だろうが、それって世界から見て魅力的な集客マシーンなのだろうか。既存のシステムの一歩先を踏み出さねば世界競争に勝てないような気がする。本書にも書かれているが、既存の政府や国会では現状維持が精一杯で新たな事には手をつけられないか、大やけどをするだけだろう。
(以下アマゾンより引用)
 内容紹介:【観光業を大進化させたベストセラー『新・観光立国論』著者の“最新”提言!】過去数年で、日本は「観光の後進国」から「発展途上国」になりました。さまざまな実績が出始めており、街で外国人観光客を見かける機会も増えました。しかし、日本の潜在能力を考えると、まだまだこんなものではありません。日本は、やるべきことをやりさえすれば、「世界第5位の観光大国」になれる潜在能力があります。本書では、日本が「6000万人の外国人観光客」を招致できる真の「観光先進国」になるためにとるべき方策を、あますところなく解説します。
■どう分析するか?
→フランス人よりもドイツ人を呼ぶべき理由
→観光収入の9割は「これ」で決まる
→日本の「地の利」が最強な理由
■何を整備するか?
→「サービス」の概念を根本から改めよう
→日本人だけが気づいていない「観光資源」とは
→カジノは最強の「集金システム」である
■いかに発信するか?
→「翻訳」はもう止めよう
→外国人には「意味不明」な写真とは
→「&Tokyo」がダメなわけ 他
 内容(「BOOK」データベースより)「6000万人」の外国人を呼び、「15兆円」使ってもらう具体的な方法が、この一冊ですべてわかる。渾身のデータ分析と現場での実践が明らかにした「日本が進むべき道」。
 著者について:デービッド・アトキンソン:小西美術工藝社社長。小西美術工藝社代表取締役社長。三田証券社外取締役。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年に同会長兼社長に就任。日本の伝統文化を守りつつ、旧習の縮図である伝統文化財をめぐる行政や業界への提言を続ける。2015年から対外経済政策研究会委員、京都国際観光大使、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議委員などを務める。2016年には財界「経営者賞」受賞。『新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『国宝消滅』『新・所得倍増論』(いずれも東洋経済新報社)、『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』(講談社+α新書)等著書多数。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)アトキンソン,デービッド:小西美術工藝社代表取締役社長。三田証券社外取締役。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。裏千家茶名「宗真」拝受。1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年に同社会長兼社長に就任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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