木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年3月7日月曜日

劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜 観了


劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜 観了
 良い映画を見終わった帰り道と云うのは至福の喜びですなぁ。正に余韻に浸ると云う言葉が的を得ていると思えます。「劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」は鼻歌交じりにスキップして帰りたくなる、心浮き浮きな帰り道でした。
 ですが、「劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」が良い映画であったのかと云うと、良かったとは断言しがたい一面もあります。なにより第一に前後編なので、前編を見ていないと設定や人間関係に理解できず、またTV版マクロスFとは大幅なストーリー変更があったとは云え、TV版全26話を見ていないと世界設定や人間関係を理解できるとは言い難いと思われます。またマクロス・シリーズをある程度把握していないとストーリー的に楽しめるかどうか。無論マクロスF前史を知らなくとも大丈夫なように作られてはいますが、可変翼の宇宙戦闘機がロボットになる理由とは劇中で語られていません。況や宇宙船がロボットに成る理由とは!
 TVでが学園青春モノっぽく描かれていたのが、楽屋恋物語、天才子役だった歌舞伎の御曹司と移民船団のネットワークで成功している現役アイドルと新人アイドルとの三角関係、を描いたようなストーリーになってしまいました。
 話は飛んで、邦画は“ミュージカル”と云うジャンルを成し得る事が出来ませんでした。しかし、物語と音楽と踊りが日本に無かったわけではなく、能も浄瑠璃も歌舞伎も歌と踊りが見せ場の一つです。ところが映像の発展に対し何故か物語と歌のジャンルが大々的に育つことはありませんです。舞台であれば宝塚にしても劇団四季にしても興行的に成功した運営をなされています。声優は“俳優”業の副業的存在として発生した面があります。現在もまた声優だけで生活している人は希で、ラジオのパーソナリティーや舞台を普通に行っています。声優学校での訓練もまた“声”だけではなく俳優としての勉強を為されていると聞きます。声を稼業にしている“声優”が歌うのはある意味当然の業務だと思われます。
 映画でミュージカル映画が作られてはいましたが、ジャンルとして定着するには至らない中、TV番組中で歌と映像がミックスしたジャンルがNHKのみんなのうたを筆頭にした幼児向け番組とアニメでした。TV番組においてオープニング・エンデングはスタッフ・テロップと共に、本編を完結かつ魅力的にまとめた映像と印象深い音楽や歌と結合された作品を作り続けてきました。またTVアニメ作品はアニメ本体では制作費の回収をする事が出来ない条件下で制作されてきたので、オープニングやエンディングの曲を売る必要もあったのではないかと考えられます。本編中にもキャラクターによる挿入歌が繰り込まれていました。
 それら脈々と受け継がれた大衆文化の文脈の中で、アニメにおけるロボット戦争モノ+恋愛三角関係+歌と云う三つのコンセプトを高々と謳い上げ、成功させた作品が「超時空要塞マクロス」です。
 以後「マクロス」は同様のコンセプトでシリーズ化され、25年の時を経て作られたのがTV放送された「マクロスF」であり、「マクロスF」の人気をして劇場化したのが前編「イツワリノウタヒメ」そして後編が本作品「劇場版 マクロスF 恋離飛翼〜サヨナラノツバサ〜」でした。
 本作のヒロイン二人がステージの上で歌い舞い踊る!その背景として宇宙移民船団が異星の生命体に襲われ、二人が慕う青年が戦闘機のパイロットとして戦うと云った方が良いでしょう。戦闘シーンは何をやっているのかワカらん。最早目が追いつかず。
 マイケル・ジャクソンのスリラーをして映画のようなミュージック・クリップと云われましたが、本作品はストーリーのあるミュージック・クリップ、と云った方が良いかもしれません。
 超時空要塞の羽田健太郎も素晴らしい作曲家ではありますが、なんと云っても菅野ようこと云う歌謡曲からオーケストラ組曲まで縦横無尽に作曲演奏できる稀代の音楽家を、河森正治が得ることが出来た、その運命の出会いを絶賛するしかありません。
 ジェリルとランカの歌が好きな方と菅野ようこの好きな方にはオススメ、必見の価値あり。映画館の大音量で楽しまなければ損をします。映画館の規模にもよりますが、音響と椅子が良い所ならばお金を払うだけの価値はあります。拙者はマクロスFのネットラジオを視聴しているので、アルトやランカの声を聞くと最近ではラジオのイメージに引きずられてしまうようになり、劇場でも笑いたくなってしまいました。
 ネタバレで云わせてもらえば、思い続けた初恋が実る瞬間を描き、初恋が破れる瞬間を描いた素晴らしい作品であったと思いますよォ。でもアノ終わり方では、続編への布石にしか思えませんでした。
 マクロスシリーズの最終シーンはリン・ミンメイの天使の絵具のコンサート・シーンしか無いを思われますが、いかがでしょうか?

以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 115分
スタッフ
監督:河森正治
製作総指揮:-
原作:河森正治 、スタジオぬえ
音楽:菅野よう子
脚本:吉野弘幸 、河森正治
キャスト
中村悠一(早乙女アルト)
遠藤綾(シェリル・ノーム)
中島愛(ランカ・リー)
小西克幸(オズマ・リー)
神谷浩史(ミハエル・ブラン)
福山潤(ルカ・アンジェローニ)
豊口めぐみ(クラン・クラン)
三宅健太(ボビー・マルゴ)
小林沙苗(キャサリン・グラス)
保志総一朗(ブレラ・スターン)
井上喜久子(グレイス・オコナー)
杉田智和(レオン・三島)
 解説: 人気SFアニメ「マクロス」シリーズで、2009年に公開されて大ヒットした『劇場版マクロスF~イツワリノウタヒメ~』から続く完結編。軸となるテレビ版ストーリーを大幅に改変し、二人の少女の歌声に秘められた謎をめぐる死闘を描く。監督は、テレビシリーズ第1作目からスタッフに名を連ねる河森正治。「マクロス」史上かつて類を見ないハイクオリティー映像で繰り出される激しいメカアクションと、テレビ版とは異なる新たな結末は必見。
シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: 銀河移民船団「マクロス・フロンティア」に住むパイロット志望の少年、早乙女アルトは、歌姫のシェリル・ノームとスターを目指すランカ・リーと出会う。しかし、二人の歌声には、船団の脅威となる重機甲生命体「バジュラ」の謎が秘められていた

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