木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年12月2日木曜日

月光条例 11巻 読了

月光条例 11巻 読了
藤田和日郎/著 小学館/刊 20101123初版419円 少年サンデーコミックス

 拙者仕事で子どもむけ映画会を毎月一回開催しているでござる。来年度は世界の童話・民話を上映しようとしておるが、その中に「白鳥になったあひるの子」と云うのがござる。これってオチをタイトルにしていなイカ?それとも種族を超え、己の力で家鴨から白鳥に突然変異をしたのでござろうか?それともこれぞ神の奇跡、家鴨が白鳥に!?タイトルとか時間で選んだので、内容については企画者の拙者にもわからないでござる。たまに「おこんじょるり」とか「ごんぎつね」や「グスコーブドリの伝記」等、結末が悲劇で終わる作品を上映してしてしまうことがあるので、気をつけてはいるのでござるが。行先不明のミステリートレインならぬ、結末不明のミステリー上映会。来年の上映が楽しみにて候。

 さて、月光条例。童話や民話は口承文学がほとんどです。口伝えなので、その場の雰囲気や語り手の気分によって内容が変わるのは当然のこと。代々語り伝わったとは云え、精々憶えていられるのは祖父祖母世代の記憶であって、祖父祖母が創作したのか教わったのかは確かめようがありません。例えば太平洋戦争中東南アジアの島に立て籠もった日本軍に対し米軍は島の形が変るほど空爆と艦砲射撃をしました。それを見ていた近隣の当時の少年は孫に民話の一つとして語っていたそうです(典拠不明)。己の見たことを正確に伝えようとしても、同じ記憶を持っていないと正確に情報は伝わりません。文字情報であっても精密なイメージは伝える事ができません。況や何人もの人を経て採集された昔話や神話については、最初に語り始めた人の内容とは遠く隔たっているに違いありません。例えば「遠野物語」の作者柳田國男が活字にするときに、どう編集したのかを研究した論文があるほどです。グリムやアンデルセンも同様ではないかと推測できます。
 と、まあ月光条例の中に出てきた「サクシャ」に刺激され連想してしまいました。

 内容紹介:月光の正体に迫る、千一夜編突入!!アラビアンナイトの世界で「長老会」の面々が人質に!首謀者だと思われる月打キャラ・アラディンの要求は願いがなんでも叶う「うちでの小槌」。海水浴に来ていた月光は、鉢かづきを通じてツクヨミから「長老」たちの救出要請を、どーにも乗り気になれない…しかし、鉢かづきの「囚われのはだかの王様は、月光様についてお詳しいでしょう」という言葉を聞き、自分の存在に疑問を持ち始めていた月光は、アラビアンナイトの本の世界へ入る決意をする。一緒に海水浴場へ来ていた仲間達までも入り込んでしまったアラビアンナイト世界で待っていたのは、いきなりの大トラブルで…!?
 編集者からのおすすめ情報:いよいよ主人公・岩崎月光の出生の謎に迫るアラビアンナイト編に本格的に突入します!散りばめられた謎が、どのようにリンクしていくのか…藤田和日郎先生の真骨頂ともいえる展開を、ぜひその目で!!(小学館ホームページより引用)
(週刊少年サンデー掲載)

2 件のコメント:

  1. 通りすがりに書き込み失礼します。
    わたしも月光条例を読んできたのですが、「サクシャ」が話題にあがってきて違和感を覚えてしまいました。
    アンデルセンの作品の場合は、民話に取材したものでなくオリジナル、創作だから、「人魚姫」の「作者」といえるのだけど、グリムや柳田が民話を採集編纂したからってサクシャになるのかしらって思います。「赤ずきん」に作者は存在するのかという問題。
    民話をアレンジ、活字化や、いわゆる「おとぎ話」にした人は、再話作家とでも呼べそうなんだけれど。

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  2.  ブログの管理者akamaty1000です。コメント記入者名が匿名でないと反応しなくなってしまいこのようなコメントを記入しています。
     アンデルセンとグリム・柳田を同列に扱うには無理がありました。童話と民話をひとくくりにしたのが間違いのモトでした。
     12巻を書くにあたりバックナンバーを確認したら、コメントが記載されているのに気がつきました。おつき合いいただきありがとうございます。

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