木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年7月20日火曜日

僕、ニッポンの味方です 読了

僕、ニッポンの味方です 読了
~アメリカ人大学教授が見た「日本人の英語」~ マイケル・プロンコ/著 矢羽野薫/訳 メディアファクトリー/刊 20090329初版1200円
 なんら文学に志の無い人でも一生に三冊は本を書く事ができるとか、どこかで読んだのだか聞いた事があります。一に自伝、ニに仕事について、三に趣味だそうです。今作「僕、ニッポンの味方です」は著者マイケル・プロンコにとっては仕事の本と云う事でしょうか。大学で学生に教えていて見たり聞いたりして色々考えたエッセイでした。
 大雑把に云って日本の小中高で教えているのは「クイズ」であって実学でも修学でもありません。正解が初めからあるものはクイズでしかありません。正解を追い求めるのが学問であって競争をしたり点数をつけたりできません。どうもこの国では「勉めて強いる」事そのものが良いことだと勘違いしているような気がします。ただクイズをいかに要領良く解く事ができるかによる順列によってランク別けをしてある種の分別をしている事が、社会システムに求められているいることは理解できます。そして世の中が上手くいっている理由と云うか、現在のシステムが存続している最大の理由は、学校で要領が良い人は社会でも要領が良い場合を多数見受けられることだと思います。 社会で必要としているのはクイズの“知識”ではなく、知識を生かす“知恵”を磨く事なのではないでしょうか。ではどうやって知恵を磨くのか。今の日本ではクイズで知恵を磨く手段が豊富にあったりします。知恵があれば学歴システムも上手く潜り抜けられるし、クイズも解けない知恵しか無くては磨いても無駄、と云う認識が先に立っているように見受けられます。それもある意味真実の一つではあるんですが、真実はいつも一つ、とは限らないんですけどね。
 英語ではなくて中国語の話なんですが、知人が中国の工場へ出向した時何人か通訳を雇いました。街中で買物したりするのは日本語と中国語の両方で会話できれば誰でも良いが、ビジネスの話や技術的話を通訳するには大学生程度の(幅広い)知識(=おそらく教養)が無いと、知らない言葉を意訳することが出来ないし、こちらの意図を推測することが出来ない、と云っていました。
 知恵があっても必要最低限の語彙を知らねば会話になりません。幅広い教養と云う点では小中高そして大学の授業程度は初級の知識でしか無いと云えます。学問をするためには、さらにその上へ行かねばならないという事です。では“学問”とは何ぞや、定義について少々。朝日新聞の土曜版「磯田道史のこの人、その言葉」に紹介されていた日本史上の偉人の言葉を二つ引用します。
 「学問を致すに、知ると合点との異なる処、ござ候」横井小楠(1809~1869)朝日新聞2010年3月13日土曜版3p
 「学者はなんのためというような目前の利害だけを問題にして研究をしているものではない。」昭和天皇(1901~1989)朝日新聞2010年1月9日土曜版3p
 閑話休題。
 欧米人の目から日本を見ると、他国とは大分違う文化システムで動いている事に気がつきます。日本人が馴れ親しんだ学校の勉強システムも実は日本国内でしか通用しないローカルなショウモナイものでしかないのかもしれません。日本国内で完結するならば問題ないでしょうが、世界へ出るために勉強している“英語”が、世界に出るにはトンでもなく出来の悪い授業だとしたら1億2千万の日本人は挙って要領の悪い事をしているのではないでしょうか。

 内容紹介:世界一英語に自信がない日本人…大丈夫ですよ
「私の英語は、ひどいんです」……そんなことは、ありません!
日本在住20年、日本人と英語の不思議な関係を見つめたエッセイ
明治学院大学で英語を教える著者が、つい文法を気にして英語を話すことをためらってしまう人たちに「日本人の英語は思っているほど悪くない、大丈夫だよ」と語りかけるエッセイ集。17カ国を放浪した経験や日本で20年英語を教えてきた経験をもとにしたエピソードは、読者を英語呪縛から解き放って背中を押してくれる。「もう一度英語をはじめてみようか」と思わせる一冊。
著者は日本テレビ系『世界一受けたい授業!』に2度出演し、「外国人から見た日本の不思議なところ」(社会)の講義を行っており、好評を博している。
 内容(「BOOK」データベースより):日本に住み、英語を教えて20年。「英語は苦手で」「文法がダメなんです」―そんな英語恐怖症からバイリンガルまで、日本人の英語を温かく、鋭く観察してきた著者による好評エッセイ第2弾。(アマゾンより引用)

目次
:第1章 英語を愛する日本人たち(英語のために流す涙
ラーメン店にもプールにもいるバイリンガル ほか)
第2章 世界一英語に自信がない!?(話すのをやめるのをやめてくれませんか?
英語で夢を見る日 ほか)
第3章 あなたの英語はひどくなんかない(英語、それは批判的な言語
英語恐怖症? ほか)
第4章 正しくなくても、大丈夫(発音-「声の習字」
人前で英語を話す不安 ほか)
第5章 文法を手放して、自由になろう(むかしむかし、あるところに…
学問と芸術の女神ミューズ! ほか)(yahooより引用)


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