木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年12月31日金曜日

ミスマルカ興国 8巻 読了


ミスマルカ興国 8巻 読了
林トモアキ/著 角川書店/刊 20110101初版552円 角川スニーカー文庫
 強大なグランマーセナル帝国の北方に連なる小国家軍は連合し帝国の軍事侵攻に備えていた。小国の中でも由緒ある歴史を誇るミスマルカ王国の王子マヒロ・ユキルスニーク・エーデンファルトは昼行灯のウツケ者として評判だったが、気さくな性格は国民から慕われ、持ち前の行動力と鋭い思考力で帝国や諸国家軍を時には翻弄し時には味方に引き入れていた。しかし、本格化した軍事侵攻の最中新兵器により小国家連合軍は潰滅、マヒロの父ミスマルカ国王ラヒル二世は己が首を引き換えに国民の安全を帝国軍に保障させる。帰る国も家も無くし肉親を悉く失ったマヒロに更に追い討ちをかけるがごとく、マヒロの教育係やミスマルカ王国宰相や幼馴染さえもグランマーセナル帝國の諜報員であったことが明かされる。失意と絶望のなか王子マヒロのとる行動は!
 大東亜戦争の反省からかGHQの思想操作か“帝國=悪”みたいなイメージがありました。マンガやアニメで敵国がある場合大抵帝國だったりします。味方は共和国とか。日本の国家元首は天皇で世襲制なのを忘れた如くね。そんな風潮の一穴となったのは「銀河英雄伝説」では無いかと思われます。君主制の功罪にしても民主制の功罪も銀英伝作中で語られているので未読の方には是非とも一度は読んでもらいたものです。1960年代~70年代のマンガやアニメの影響を受けると帝國の版図に編入されることよりも自主独立を誇ることが良いみたいなイメージを持ってしまいますが、経済とか社会インフラを考えると帝国に限らず大国の中に入ってしまった方がメリットが多かったりします。かつては情報の伝達速度とか人や物資の移動速度から国家の版図も程ほどの大きさがありましたが、現代の様に情報は瞬時に伝わり個々人が容易に情報の発信受信ができるようになり、人や物資の移動速度も移動範囲も広範囲になった中ではより広域な経済活動が望まれるようになります。例えばEUとかアセアンとかを例に出さずとも、隣国大韓民国で日本ナンバーのトラックがそのまま運転できるようになったってご存知ですか?まだ実験段階みたいですが、これにより一々荷物の積み替えをせずカーフェリーを使った陸上輸送が可能になり、島国日本のデメリットが少しは解消できそうです。ところが笑っちゃうのは韓国のナンバー車は日本国内を運転できないんですよ。色々理由はつけられるでしょうが、経済はWinWinの関係を持たねば長続きはしません。独り勝ちは一時的に儲けたように見えてもトータル的には損をするように出来ています。真の貿易国家への脱皮をしてもらいたいものです。話が経済に流れてしまいましたが、民度が一定の段階(どこがその段階かは知りませんけど)に上がるまでは一部のエリートが国を切盛りした方が政治的経済的に効率が高いはずです。鶏口となるも牛後となるなかれ、とは牛口になれない口惜しさも含んでの言葉だと最近思えてきました。主人公マヒロは牛口とななるのか!?

 さて、2010年冬コミの最終日。自分のブースはほとんど友人に任せ、10時から15時半までひたすら買い漁っていました。「がちょーん」のブースが東456館に在る為、456の大手を廻り、昼過ぎに東123館へ行くと大手が完売御礼を始めており、拙者が並んだ「絶対少女」も途中で完売、「希有馬屋」も後2,3人ってところで完売。456館を一巡りして西館に辿り着いた時には大手のほとんどが撤退していました。廻る順序の選択が購入に大きく影響するし、時間との勝負と云っても過言ではありますまい。で、会場を廻りながらつらつら考えたのが、即売会ではあってもこれこそ教科書で習った“楽市楽座”なのではなかろうかでした。無論コミケというシステムは事前申込制であり、出展料も学生にすれば高い金額を払うわけですが、表面的に見るならば、全国から自分の作った品物を持ち寄り、売り買いをして散るという、正にこれぞ「市場」ではないでしょうか?それとも「楽座}?手工業であるアマチュア作品という関係上従来なら「即売会」という「市場」で完結していたのが、需要と供給の技術的拡大によりアニメショップによる「常設販売」を可能にしたシステムがアキハバラを筆頭しにた全国に散るオタクショップの展開なのでしょう。出版という少量多品種の形態が、大東亜戦争時に思想と経済システムの統制による現在の商業出版にみられる問屋制による配本と流通経路の単純化が、アニメ・マンガにおける同人誌の隆盛により、一見すると傍流ながら、日本史的に見れば本来存在していた出版形態の復活がなされたと考えるにいたり、日本人の「本」好きってどんだけなんだろうと思う次第。で、拙者の「がちょーん」に帰ってくると一冊どころか一品も売れていないのに愕然。まあ、本人が買う努力ばかりして売る努力をしていないのだから当たり前なのですが…。
 今回紹介するのは「極道キャッチ!プリキュア」B5版 表紙込36p サークル「比類なきAKDの館」、新久保だいすけ/著 初日水曜日東O05b です。
 2010年の拙者の中のヒットアニメと云えばハートキャッチ ブリキュア!」。当然プリキュア本を探しました。意外だったのが「俺の妹…」本が多数でていた事。そんなにヒットしていたのか?イカ娘の方か良くなイカ?単に描き易かったのだろうか。
 「極道キャッチプリキュア!!」は事前チェック無く、絵に魅かれて(アニメショップで)入手したました。絵は上手いし、笑いに切れがあるし、著者新大久保だいすけの名が聞いたことのあったような気がしていたので、プロの方だろうとは思っていたのですが、「月刊コミック アライブ」に連載していた四コママンガ「雲田場高校地球侵略部!」の作者さんでした。単行本は買っていませんが、アライブの中では目を通していたマンガでした。アライブは極初期に購入していましたが、近藤るるるの連載は終了するし、雲田場高校も終了したので雑誌自体の購入を止めてしまいました。あとがきによると「雲田場高校地球侵略部!」の連載終了は単行本の売上が悪かったからだったとは!アンケートは良かったそうですが、もしかして拙者のせいッ!?

 内容紹介:敗北から1年。マヒロは帝国領となったミスマルカ統治に協力をしていた。指示のまま仕事をこなす姿にかつての精彩はなく、肩すかしを感じるルナス。そんな時、帝国に反抗するペルーナ城攻略の指令がマヒロに下る!
 内容(「BOOK」データベースより):あの敗北から一年。帝国領となったミスマルカの統括官として、マヒロは日々を過ごしていた。民の安寧のため、帝国の命令に淡々と従うその姿に、かつての快活さや精彩はなく、念願のマヒロを手に入れたルナスも肩すかしを感じていた。そんな時、中原領でいまだ反旗を翻し、篭城戦が展開されているペルーナ城攻略の指令が下される。はたしてその狙いとは?そしてマヒロはいかに動くのか!?大人気ファンタジー第二部、開幕。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):林 トモアキ 新潟県出身、昭和54年9月17日生まれ。新潟工科専門学校自動車工学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2010年12月30日木曜日

進撃の巨人 1巻~3巻 読了


進撃の巨人 1巻~3巻 読了
諌山創/著 講談社/刊 ①20100317第1刷419円 ②20100716第1刷 ③20101209第1刷419円 
講談社コミックス

 「自立した個人の育成」がある意味戦後日本(旧教育基本法)の教育に課せられた使命でした。太平洋戦争の反省と民主主義の根幹には“自立した個人”が必要不可欠です。ところが残念なことに社会体制が自立した個人を支えるだけのシステムを構築するには至りませんでした。太平洋戦争による占領軍、明治維新による急激な近代化等百年間に大きく2回前時代の否定を体験した為に、人間関係と社会関係の構築を馴染ませる事が出来なかったと考えられます。
 「自立」と「自律」、「個人」と「個別」等似ているけど別な意味を成しているにもかかわらず、混同してしまっているのが現在ではないでしょうか。個人の権利とワガママは別物であり、その根幹には「自律された個人」の存在が不可欠です。自立(自律)した個人は知識を与えれば出来上がるものではなく、道徳や慣習といった地域ぐるみの人間関係と家庭教育によって伝達されます。現在日本の社会環境は地域の結びつきを薄め、血族間の結びつきを薄める方向に進歩してきました。逆説的に、人間関係を薄める事により現在の発展があったとも考えられます。でも、人間関係が薄められた時の“負の発展”とも云うべき現象もまた生じています。ここまでは一般的概説。大風呂敷を広げたまま、抽象化された個人と云う者を考えて、孤独死する壮年男性や育児放棄をする女性とか無差別殺人魔とかニュースや新聞を賑わしている話題を取り上げます。
 かつて埼玉の幼女連続殺人事件の時、犯人の部屋いっぱいのビデオやマンガの山をして、ホラ見たことか虚構と現実の区別がつかない人間がいると騒ぎ立てられました。拙者的には真向否定しますが、羊たちの沈黙ではありませんが、常に妄想(シュミレート)することを現実に移し変えるのは簡単です。
 人間はモデルとなる元がなければ想像(創造)する事が難しく出来ています。中には天才もいますけどあくまで例外です。ウルトラマンや仮面ライダーや鉄腕アトムや鉄人28号で育った人間は、正義とか悪とか平和とかの基準をTV番組に拠る可能性があります。特に日本の場合宗教的戒律の影響が諸外国に比べて小さいように見受けられますし、政治的イデオロギーも目に見える形で押し付けられていませんし、前出のように道徳・慣習・規範が戦後年を経るごとに変容しています。
 例えば学校生活では平凡な(レールに乗ったもしくは他律的なとも言い換えられられる)日常と思っていても、社会に出れば自立的に課題・目的・目標を設定し遂行しなければなりません。しかもその評価は相対的なものであり、成功もあれば失敗もあり、運不運が大きく作用します。家庭や学校に守られた平凡な日常世界においては、宇宙人攻めて来ないかなとかスーパーヒーローが現れないかなと妄想していたのが、社会と云う現実に出ていきなり自立(自律)を求められても上手く生きていく事が出来ない人が続出しています。家庭がダメな時に新たな共同体(職場とか宗教とかサークルとか)をつくるか入れるか出来ればよいですが、出来なかった場合、自傷するならまだしも他傷する人が出てきました。宇宙人も攻めてこずスーパーヒーローもロボットも現れなかった時に、とる行動は、自分が正義の味方になるのではなく、悪の手先に成る事でヒーロー(絶対他者)に自己を救済してもらうことではないでしょうか。例えるなら「アンブレイカブル」の世界であり、善人なおもて往生すまして悪人においておやの世界です。突発的に嗚呼人が殺してぇ、と思い立ったら殺しまくっていたとはとても考えられず、その前段階がいったい何だったのか、人の心など言葉で説明はできるわけはありませんが、昭和から平成の時代の中無差別殺人事件が最近増えているような気がします。

 さて「進撃の巨人」の話。各界で話題の作品。ストーリーは根幹はぶっちゃけゾンビ・モノです。天敵に喰われ絶滅寸前に追い込まれた人類が砦に籠り百年、難攻不落と思われた外壁が天敵に落とされ、後を無くした人類が内壁を死守しようとしているのが現在。仲間達が次々と倒れ喰われているなか、主人公にも絶体絶命に陥る。秘められた力が発動し奇跡の大逆転。だがしかし狂乱の極みに至った人間達にしてみれば主人公もまた天敵と同じバケモノにしか見えなかった!
 人類の天敵が“巨人”と云うのも秀逸ですね。怪獣でも良いんでしょうけど、人と同じ姿をした存在が不気味さをいや増します。舞台世界の設定も小出しだし、巨人という存在の謎、主人公達の謎とか伏線が盛り沢山なのも次回への期待が膨らみます。そして、生か死かみたいな二者択一ではなく、絶望の中でただ生きる為だけに、人間のエゴ丸出しの最前線において唯一家族を守るためだけに命を投げ出し喰われて行く人々を描く究極の生き様に、読む人々の琴線に触れるのは当然でしょう。中には絵がダメな人もいるとは思いますが、それは好みの問題なので致し方ないですし、1巻発売時で23歳の著者と云うのも才能の発露と云うか、このストーリーと演出は無茶苦茶凄いですねぇ。これで絵が上手ければ「バクマン。」の新妻エイジと云っても過言ではありますまい。
 まあ、どん詰まりの絶望状況の中で主人公と思われていた少年が巨人に喰われてしまうのも衝撃ですが、2巻終わりがまた劇的な演出で感動。マンガは“絵”じゃないですから、あくまで“図”なんです。それに経験を積めば絵は上手くなります。センスは経験でどうにかなるようなものではありません。
 拙者は何故かこのマンガを秋田書店系と認識していました。コミックスを読んで益々その思いを強くしましたが、この文章を書くにあたり、あれチャンピオン掲載でなくてマガジンだったの?と云うのが正直なところ。不思議です。

 さて、2010年冬コミの2日目。
 見よ東方は赤く萌えている~!(東方不敗風に)
 この場合の“東方”は“東方プロジェクト”です。東2館の横中央通路は“漢祭”。前が詰っているのに押してくる馬とか追い越そうとして混乱に拍車をかける鹿続出。男性ならまだしも女性にいたってはただモミクシャにされながら流されているだけなのを何人も見かけました。
 本日ご紹介するのは「落人舎」(東ロ04a)の「ヘッドボム」Nol.4。えーっと、この本を書いているのは拙者をこの即売会の世界へ引導した袋御面氏が主催しています。ですのでまあ身内の宣伝と思ってください。60年代とか70年代の懐かしい番組とかサブカル系の紹介をしています。
 袋御面氏とは最近はコミケで挨拶するくらいになってしまいました。機会をつくって飲みたいものです。

 1巻内容説明:巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。
 2巻内容説明:巨人が支配する世界。まだ見ぬ壁外の世界に憧れるエレンは、訓練兵となり、仲間とともに巨人に対抗する技を磨く。だが大巨人の出現により、無数の巨人が壁の中に侵入。親友であるアルミンを助けようとするエレンだったが、かわりに自らが巨人に食われてしまう‥‥!!
 3巻内容説明:大巨人の出現により壁が崩壊し、無数の巨人が壁の中に侵入する。ミカサは次々に巨人を倒すがエレンの死の知らせに動揺し、危機に陥ってしまう。そこへ巨人を襲う謎の巨人が登場し、ミカサの窮地を救う。何体もの巨人をなぎ倒し、遂には力尽きた謎の巨人。その正体は‥‥!!(アマゾンより引用)
(別冊少年マガジン掲載・週間少年マガジンにて読切り掲載)

2010年12月29日水曜日

コミックマーケット79カタログ

コミックマーケット79カタログ  チェック終了
 カタログチェックをやっと終えました。読了なんてとてもとても出来たものではございません。
 何故か冊子体とCD-ROM版の両方を購入しています。同じ情報が載っているので“無駄”以外の何ものでもないのですが…。
 凶器に使えるのではないかと云われる冊子体本編だけで1319頁。広告を入れれば1400頁近いのでは?冊子体であれROM版であれ、知り合いのサークルへ行くだけならまだしも、何かしら買おうとなんて考えたらカタログを事前チェックしなければ、会場へ行っても身動きがとれません。ROM版には冊子体と同じサークル紹介カット以外に執筆者名や発行誌名等の情報が付随しているので冊子体以上に重宝します。最近ではノートパソコンやスマートフォンやIPadにデータを入れて確認している人々を見かけます。ケータイで確認できるようになったらコミケにおける情報革命がおきるのではないでしょうか?どこかそういうサイトを作ろうと云う動きはないものでしょうか。さらに新刊情報とか売り切れ情報をタイムラグはあるとしても更新するとか。ツイッターでリアルタイム情報のやりとりが出来るのだから、素人考えでは出来そうな気もします。まあ、どこから金を取るかということなのでしょう。
 カタログ冊子体は約3週間前、ROM版は2週間くらい前に販売されます。それから目を通していくわけですが、普通のサラリーマンにそんな時間があるわけが無い!拙者は睡眠時間削って昼飯時間に眠ってなんとかチェックしております。また、無料配布しているカタログに「企業ブースパンフレット」と云うのがあります。企業が主なので無料配布が可能。コミケカタログがB5版に対し、企業ブースパンフレットはA4版で42頁。 
 そして、本日コミックマーケット79、通称冬コミ2010の初日でした。10時半に国際展示場到着、そのまま行列作って会場突入東館西館企業ブースを巡り昼飯を食べて2時半頃電車に乗りました。
 天候に恵まれ暖かく、晩秋の服装で出かけても暑く感じるほどでした。
 会場内(東ケ10a)でアニメーター「金山明博」氏に握手してもらいました。私の記憶が確かなら超電磁ロボットシリーズ等やその他サンライズ作品において活躍していたアニメーターだったはず。いやはや子どもの頃に見ていたアニメを作っていた人にお会いできるとは、コミケに通う価値があるというものでしょう。
 本日最大の買物は企業ブース「萌えミリタリー同盟」(321)で購入したストライクウィチーズ501大隊キャップ2500円。20年程習志野キャップを被っていましたが、流石にボロついてきたので新しいキャップを物色していた所だったのです。東日本の航空ショーで501大隊キャップを被ってカメラを構えているヤツがいたら拙者です。
 昼飯はビックサイトを出て、シャア専用握りの寿司屋跡入った「築地市場」の「豚しょうが丼(880円)」を食べました。いつものそじ房が満員だったもので。肉のボリュームはあったし、ご飯も良かったし、味噌汁と香の物とポテトサラダ一口が付いての値段なので、美味い食事でした。海鮮系の飯屋なので、今度行ったら鉄火丼とかヅケ丼を食べるつもりです。
 帰りがけに地元のとらのあなに寄ったら、明日明後日頒布予定の同人誌が何冊も並んでいました。会場より割高ですが、搭載量と弾数(資金)と作戦行動時間を考えると店頭購入した方がトータルとして割が良いとの判断。良い時代になったんだかどうだか。

 コミックマーケット79カタログ
 内容紹介;2010 年12月29日~31日までの3日間に東京ビックサイトにて行われるコミックマーケット79に参加される方には必携・マストアイテムの、『コミックマーケット 79 カタログ』。
 コミックマーケット 79 CD-ROM カタログ [CD-ROM]
 内容紹介:※本商品はカタログ(本)ではなく、CD-ROM版です
2010 年12月29日~31日までの3日間に東京ビックサイトにて行われるコミックマーケット79に参加される方には必携・マストアイテムの、『コミックマーケット 79 CD-ROM カタログ』。
 〈コミックマーケットとは...〉:1975年に始まり既に30年以上の歴史をもつ日本最大の同人誌即売会。通常は、年2回、夏と冬に東京国際展示場(東京ビックサイト)全ホールを使って開催しており、2010年冬で79回の開催となります。3日間開催の場合、のべ入場者数約50万人、参加サークル数約3万5千、のべコスプレイヤー数約1万5千人という規模で開催されている日本最大規模のイベントです。(アマゾンより引用)


2010年12月28日火曜日

超級!機動武闘伝Gガンダム 2巻 読了

超級!機動武闘伝Gガンダム 2巻 読了
島本和彦とビッグバンプロジェクト(宮北和明)/漫画 今川泰宏/脚本 矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)/原作 角川書店/刊 20101225初版580円 角川コミックス・エース
 
 寒い日が続いているんで豚汁でも作ろうかと材料を買ってきました。最近は冷凍食品で豚汁の具材が有るので他に自分の入れたい具(豆腐とか)を買い足すだけなのでとても楽になりました。さて材料を並べて作ろうとしたら、味噌が無い。普段は即席生味噌を2,3袋入れるのですが、買い置きを使い果たしていたのを忘れていました。が、賞味期限が05.03.15の「マルサン 純正こうじみそ」を発掘。環境が良かったのか腐りもせず、塊りが真っ黒い乾燥して残っていました。鍋に入れてみると汁が黒い!しかし、この香は昔祖母の家で食べた古味噌の味噌汁の香だ!!人工添加物の入っていない天然麹味噌ならではの時間をかけた熟成がなされているのか!!醸すぞ~。

 さてGガンダムの話第2弾。1巻目を入手した古書店に並んでいたので、本来ワンセットで売られていたのでしょう。これ幸いと入手。今巻はネオチャイナのドラゴンガンダム、ネオフランスのガンダムローズとの対決。中華人民共和国に存在すると云う世界的に有名なパチモノ遊園地に“ガンダム”が建設されているとか。とうとうGガンの世界がリアルになったのか!と、世界的に突っ込みがあったらしいですねぇ。パチモノ遊園地もそのくらいの遊び心があったら賞賛されることでしょうに。
 ストーリーはアニメ版をなぞりながらも、著者島本和彦らしいドモンやレインのボケが出され始め、調子が出てきたと云いましょうか、潤滑油が廻ってきたと云いましょうか、いい塩梅になりつつあるように思えます。ガンダム・ファイトもマンガのコマに合った描写になりつつあるし。
 マリアルイゼの設定が若干大人っぽくなっているような気もしますが、そうした方が著者も動かしやすいのでしょう。
 単行本最終コマ、次回へのネオロシアだけに「身も凍る」ファイトと云う(身も心も凍る」では無い点でアオリも注目。
 この調子ならアニメ版では削除された新シャッフル同盟成立のストーリーも描かれるかもしれないので楽しみです。
 内容紹介:熾烈極めるガンダムファイトの次なる地は、ネオチャイナ。ドモンが駆るシャイニングガンダムの前にサイ・サイシーと名乗る男のドラゴンガンダムが立ちはだかるが…!? 話題作、怒濤の第1巻・2巻同時発売!!(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)

2010年12月27日月曜日

超級!機動武闘伝Gガンダム 1巻 読了

超級!機動武闘伝Gガンダム 1巻 読了
島本和彦とビッグバンプロジェクト(宮北和明)/漫画 今川泰宏/脚本 矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)/原作 角川書店/刊 20101225初版580円 角川コミックス・エース
 
 拙者は毎日中学校の脇を通勤しているのでござるが、朝練で聞こえる女子中学生「オー!ファイト、オー!ファイト」の恐らく歩調を合わせてランニングしている掛け声が「O-Pai、O-pai」と聞こえてたまらんでござる。最近は「ファイト・オー! ファイト・オー!」が聞こえてくるのでござるが、「ゲッソー!、ゲッソー!」と聞こえなイカ?TVCM冒頭の掛け声に洗脳されたのかもしれぬ。だいぶ侵略されてしまったようでゴザル。先日最終回をむかえてしまい残念。

 さてGガンダムの話。リアルロボットと云われた富野ガンダムが煮詰まった時、富野ガンダムの路線から決別したガンダム・シリーズ中興の監督今川泰宏が世におくった「機動武闘伝Gガンダム」のキャラクターデザインとして参加していた漫画家島本和彦による「Gガンダム」のマンガ化。
 コミックスの第一巻は原作となるアニメ通りにイタリアのネロスガンダムと闘い、アメリカのガンダムマックスターとの闘いを収録。島本和彦は初期の作品「風の戦士ダン」において原作マンガを描いていはいますが、最近原作者と組んだという話は聞いたことが無く、脚本と作画にわかれた時どのような作品になるか興味が湧きました。残念ながら1巻目ではアニメのストーリーと構図をただなぞるだけに終始して、アニメから入った人には物足りなさを感じてしまいますが、所々に描かれる島本和彦らしいギャグが読み進めるうちに多数使用されるようになっているので、同時発売の2巻目でどう演出が展開しているのかが楽しみです。原作アニメにおいても中盤以降化けた作品でしたので、そんな所ももしかしたら同じなのかもしれません。声もBGMもSEもましてや動きのないコマ割りのマンガなのですから、マンガならでわの特性を生かさねば面白味が半減すると云うものです。ロボットは島本和彦以外が描いているペンタッチですが、キャラクターもどこまで島本和彦自身が描いているものか。いっそのこと“アッガイ・ファイト”からやり直しては!
 2巻目は未購入。なぜならこの1巻は古書店で入手したから!店頭にならんだばかりでもう転売とは!一読して次巻への資金としたか、1巻だけで見切ったか。拙者は古書で揃えるか新刊書に手を出すか思案橋。
 内容紹介:ガンダムファイトの開幕を告げる狼煙が上がる! ドモンが駆るシャイニングガンダムの右手が光って唸る時、シャイニングフィンガーがネオイタリアの街中に炸裂する! 話題作待望のコミックス第1巻、早くも登場!!(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)

2010年12月26日日曜日

絶対可憐チルドレン 24巻 読了

絶対可憐チルドレン 24巻 読了
椎名高志/著 小学館/刊 20101222初版419円 少年サンデーコミックス
 東京都の孤島で発生した自然災害救助に出動したエスパー達が直面する辛い選択と、物語の根幹である超能力者と無超能力者の戦いの未来への予知が関わるシリアスな「マイ・ウイングス」編。常磐ハワイアンセンターもとへスパ・ハワイアン・ガイアへお出かけする「乙女のポリシー」編の二つを収録。両方に関わるニューキャラクター登場。
 明石薫は母が女優姉がモデルなのだから、普通に考えてかなり可愛いのではないかと思うのですが、いかがでせうか。
 初めは笑いが散りばめられた物語も後半に行くほどシリアスとなり、笑えるシーンが全く無くなる展開は珍しくありません。アニメ監督の某富野氏に至っては作中四分の一の後半は全て戦闘シーンと似ているかもしれません。その点今作品は笑いとシリアスが上手い具合に緩急のバランスがとられていて素晴らしい。著者椎名高志の天性の脚本力は賞賛に値します。前巻でも述べた通常なら連載が続くほど絵柄が洗練され頭身が小さくなり易いのに対し、小学生の女の子が中学生となり心身共に成長していく過程を図象である所のマンガで、ここまで描きこみながらもストーリーと演出にも力がこもっているのは絶賛しても良いでせう。
 内容説明:巨大地震発生!! ザ・チルドレン出動!! 特務エスパー“ザ・チルドレン"は災害救助に出動! だが、土砂崩れにより皆本が生き埋めに…!! 絶体絶命の状況の中、助けに現れたのは謎のエスパーの人格“フェザー"!!

2010年12月25日土曜日

あたらしい朝 2巻完結 読了

あたらしい朝 2巻完結 読了
黒田硫黄/著 講談社/刊 20101122第1刷543円 アフタヌーンKC
 母国ドイツに居られなくなり海軍へ入り、シャバのほとぼりを冷まそうとした所、何の因果か地球の反対側の同盟国ニッポンへたどり着いた主人公。
 作者黒田硫黄の病気のため残念ながら断続的な連載となってしまいましたが目出度く完結。主人公が濡れ手に粟とはいかないオチは想定内(空襲で燃えるか、ソ連兵に持って行かれるか、戦後のインフレで紙屑になるか)でしたが、ここまで地道な一般兵士の物語とは思いませんでした。
 地味過ぎてとらのあなやメロンブックスやアニメイトといったアニメショップでは取り扱わず、取り扱っても極少数でともかく店頭入手することができませんでした。最近実家駅前の地元デパート内に開店したジュンク堂にて入手。地域最大の自称は伊達ではないですね。ジュンク堂はアルバイトも含め質が高くまた品揃えが良いけどポイントカード等が無くてちと残念。

内容説明
ヒットラーの台頭、ドイツの暴走、連合国の勝利。無垢なチンピラを叩きつぶさんと時代の荒波がこれでもかと押し寄せる。マックスは無事、「朝」を迎えることができるのか!? これは、1930年代のドイツでチンピラ的青春を謳歌していた若者が、ふとしたきっかけで軍隊に入り、戦火をかいくぐり、戦時をな ぜか箱根で過ごすという、数奇かつありふれた運命を描いた物語。チンピラドイツ兵青春記、幾度もの中断を経て、ここに完結!ドイツの地方都市で楽しいチンピラ的青春を謳歌する若者マックスとエリック。大金をがネコババした2人を待っていたのは、ヤバイ金につきものの成り行き。ビビった2人が逃げ込んだのが、まだ戦争が始まってなかった海軍。2人は時代をナメていたのだ。2年で終わるはずだった海軍暮らし、兵役は延び、戦況はどんどんヤバくなる。寄港先の横浜で遭遇した大爆発事件で、箱根での待機を余儀なくされたマックス達の明日はどっちだ!(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)

2010年12月24日金曜日

野望円舞曲 10巻完結 読了

野望円舞曲 10巻完結 読了
荻野目悠樹/著 田中芳樹/原作 徳間書店/刊 20101231初刷724円 徳間デュアル文庫
 美男美女が国の存亡と己のプライドをかけ、外交と経済と軍事の権謀術数の限りを尽くすスペース・オペラ。どこまで原作者が関わっているのかわかりませんが、原作に田中芳樹が存在しているためか、それとも著者荻野目悠樹による原作者へのオマージュか、日本スペースオペラ界の雄「銀河英雄伝説」を彷彿とさせる完結編の内容でした。
 漢だったら艦隊決戦!
 軍事的浪漫として一軍を率いる夢想をしたりしますが、実際に率いろと云われたら、無理。将どころか艇長とか分隊長も無理。自分の判断で敵も味方も殺してしまうような状況でまともな判断など出来るわけがありません。戦場を生み出さないように全力を尽すべきなのですが、それでは物語にならないので、人々の死に様を通して生き様を描いていくのでしょう。最終的にはハリウッド映画を彷彿とさせる、個人どうしのドツキ合いになるのも致し方ない演出だと思います。松本零士の戦場まんがシリーズにあった、ルーズベルトとヒットラーを決闘させろよ、てこ事です。拙者は軍事行動はソロバンだと思います。階級闘争でもイデオロギーでもなく、単に“お金”の問題。宗教問題であっても民族問題であっても満足に食べていける社会ならば多少の問題はあっても話し合いでなんとかなるのではないでしょうか。反対意見が大勢を占めているのは充分承知しています。映画「武士の家計簿」の中で大村益次郎が語る今後の軍事は補給次第云々ではなく、もっと戦略的意味での“経済”です。例えば現実の米国は21世紀になっても国民が数千人戦場で命を散らしてもビクともしない国力を誇っていますが、日本は米国と違い移民を受け入れていませんから国民の自然増加に任せるしか無い状況で更に少子高齢化している現在、数百人の戦死ですら国内経済に打撃があります。台湾や南朝鮮も似たようなものでしょう。その点北とか中は二束三文赤紙一枚で特攻させても国力に変化が生じないので、戦端を開くのに躊躇しないと考えられます。閑話休題。
 銀英伝以降のスペース・オペラの傑作の一つに「でたまか」シリーズもありますが、今作品との共通項目に電子人格が挙げられると思います。SFの中で延々と語られてきたロボットやアンドロイドといった人間が生み出した人間以上の能力を持つ存在が、ネットワークと云う仮想現実の中で当たり前に存在している世界を、物語創作者ばかりではなく、読者が身近な未来として受け入れている証左なのではないでしょうか。
 統一による安定と、価値観の多様化による危機管理は銀英伝に通底するオチでした。かつての日本の教育基本法と同じ価値観だと思います。
 「双星」シリーズと共に、架空の歴史ながら、時代の流れに翻弄される人々を描いた一大絵巻の傑作をご堪能あれ。銀河の歴史がまた一ページ。

 内容紹介:ボスポラス帝国による圧倒的な軍事力による包囲網。 知将と謳われたジェラルドにも勝つ術のない戦い。 だが、絶対絶命の状況下、エレオノーラは自らの知力と存在を賭けて、立ち上がった──。 執筆開始から約十年──大人気スペースオペラ、ついに最終巻!
 内容(「BOOK」データベースより):ボスポラス帝国の大艦隊が、ついにオルヴィエート本星を攻撃した。しかも、ラムセス星域を消滅させた“思考体”の一派も、活動を始めていた。だが、オルヴィエートの独立をあきらめるわけにはいかない。わずかな艦隊を率いて大宰相ケマル・エヴヂミクに挑むジェラルド。そしてエレオノーラは“嘆きの宙峡”と“金融市場”を武器とした、危険な一手に勝機を賭けた。銀河の命運を決する最後の戦いの結末は…。シリーズ開始から十年を経て辿りついた、あまりにも感動的なラストシーン。巨篇完結。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 田中 芳樹:1952年10月22日、熊本県生まれ。学習院大学大学院修了。1978年在学中に「緑の草原に…」で、幻影城新人賞受賞。1988年「銀河英雄伝説」にて第19回星雲賞受賞。「創竜伝」「アルスラーン戦記」など、多くの人気シリーズがある
 荻野目 悠樹:1965年2月2日、東京都生まれ。横浜市立大学商学部卒業。「シインの毒」で1996年度集英社ロマン大賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)


2010年12月23日木曜日

武士の家計簿 観了

武士の家計簿 観了
 原作新書を発売当時読んだのですが、最早記憶の彼方なれど、映画になるような物語ではなく、どちらかと云うと江戸後期から幕末明治にかけて武士がつけていた詳細な家計簿を元に当時の世相風俗等を紐解くような内容だったはずなので、どのように映画化されているのか興味を持って観に行きました。
 容貌魁偉として描かれる大村益次郎を怪優・嶋田久作が演じていて、凄く合っているように思えました。ワンシーンのみなのが残念。
 昨今「たそがれ清兵衛」以来藤坂周平を筆頭に人間ドラマを中心としたチャンバラ物が流行ってきた感があります。今作品はチャンバラが出てこない時代劇としては秀逸な、ホームドラマに仕上がっていました。
 司馬遼太郎の小説・エッセイを土台に考えると、江戸期の武士はひたすら礼儀の“型”に嵌め込む教育であり日常であったと思われます。日常家族間でも敬語を使い合い、正座のシーンばかりで今の感覚ならば堅苦しいような生活様式も、武士の日常を考えるならば当たり前の映像を当たり前に映していると思えます。
 朝日新聞の評で食事シーンの家族構成が同じ場でありながら時間経過と共に変化させて行く監督の手腕が云々とありましたが、正にそのようです。森田監督はデビュー当時から印象的な食事シーンを撮る事で有名ではないでしょうか。拙者としては和蝋燭が画面上常に使用されている点に注目してしまいました。当時蝋燭は高価な品なので、武士と云えどもそうそう日常に使われていたとは思えませんが、そこは映画的演出なのでしょう。ましてや城内の残業で独り蝋燭を灯す事ができたのか、おそらく資料にも無い事なので有無の証明は出来ないでしょう。猪山家が緊縮財政期に蝋燭から油皿に替りまた蝋燭に戻るのを見て、弁当や日々の食事で貧富を見せているとともに、演出の妙に感じ入りました。
 ホームドラマである以上仕方無い事かもしれませんが、照明によって屋内や屋外が今一つ雰囲気が削がれてしまい残念。セット感丸出し。特に影が…。屋内はもとより、ラストの父猪山直之(堺雅人)を背負う息子猪山成之(伊藤祐輝)の泣かせるシーンなのに、石垣の写る家族三人の影があまりにも人工照明に見えて興醒めてしまいました。最近NHKの時代劇が日本家屋の暗さや照り返しを上手に表現するようになってきているだけに気になってしまいました。照明を気にする方が可笑しいのかも知れませんが。
 拙者が一番美々しく印象に残ったシーンは、タイトルの字でした。昨今の題字の中では一番美麗なタイトルでした。エンディングロールによると題字は村田清雪だそうです。でも何か違和感があり、今更考えると、字が左横書きでした。最早左からの横書きが当たり前に成ってしまうとは、日本文化の断絶も行き着く所までに至った感がします。今後は右書きに違和感を憶える人が日本人を名乗るようになっていくのでしょう。昭和後半に丸文字化が話題になった時に拙者が思い至ったのは、左書きに対応した結果による変化でした、漢字やひらがな片仮名は縦書き文字であり、本来左横書きでは書き辛い字形なのではないでしょうか。さらに最近はケータイ文化の影響か、小説が横書きゴシック・フォトンによる版型となり拙者は読み難くてしかたありません。まあ、コレクションしたくなるような内容の書籍は従来通りなので、今の所実害は無いのですが、電子書籍が普及すると益々増えるであろうと今から杞憂しています。
 エンディングロールに大正大学が出ていましたが、どのような関わりなのか不明、不思議。

(以下yahooおよび公式HPより引用)
原題: -
製作年度: 2010年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 129分
スタッフ
監督:森田芳光
製作総指揮:-
原作:磯田道史
音楽:大島ミチル
脚本:柏田道夫
企画協力:新潮社
プロデューサー:元持昌之
撮影:沖村志宏
照明:渡辺三雄
録音:橋本文雄
編集:川島章正
美術:近藤成之
キャスト
堺雅人(猪山直之)
仲間由紀恵(猪山駒)
松坂慶子(猪山常)
西村雅彦(西永与三八)
草笛光子(おばばさま)
伊藤祐輝(猪山成之)
藤井美菜(猪山政)
大八木凱斗(猪山直吉(後の成之))
嶋田久作(-)
宮川一朗太(-)
小木茂光(-)
茂山千五郎(-)
中村雅俊(猪山信之)
 解説: 磯田道史原作のベストセラー「武士の家計簿『加賀藩御算用者』の幕末維新」を、森田芳光監督が映画化した異色時代劇。代々加賀藩の財政に携わり“そろばんバカ”と呼ばれた下級武士が、妻の支えを得ながら一家、そして藩の財政を切り盛りしていく姿を描く。主演は、『南極料理人』の堺雅人、彼の献身的な妻役に『ごくせん』シリーズの仲間由紀恵。先行き不透明な現代にも通じる、幕末維新の激動の時代をたくましく生き抜いた主人公一家の姿が胸を打つ。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 会計処理の専門家、御算用者として代々加賀藩の財政に携わってきた猪山家八代目の直之(堺雅人)。江戸時代後期、加賀百万石とうたわれた藩も財政状況は厳しく、加えて武家社会には身分が高くなるにつれ出費も増えるという構造的な問題があった。直之は、家財道具を処分し借金の返済にあてることを決断し、猪山家の人々は一丸となって倹約生活を実行していく。
シネマトゥデイ(外部リンク)

2010年12月22日水曜日

おたくの娘さん 9巻 読了

おたくの娘さん 9巻 読了
すたひろ/著 富士見書房/刊 20101209初版580円 ドラゴンコミックスエイジ
 幼い娘にコスプレさせて、コミケに行くなんて男親の夢ぢゃあーりませんか!
 子どもはいないし、子どもどころか嫁さんもいないけど、その気持ちはよーッくわかるぞ!!
 だがしかーし、子どもをコミケに連れてくんな。
 危険だ。子どもが危険のみならず、邪魔だ。少なくとも子どもの手を引いて人ごみは歩くな。小柄な女性ですら目に入らず危ないと云うのに、ましてや子どもなど本当に踏みつけてしまいそうで怖い。少なくとも自分独りで帰宅できる年齢になるまでやめてくれ。
 さて、世界最大規模の同人誌即売会を舞台にした物語。マンガを描くやつ、買うやつ、遊ぶヤツ、寝てるヤツ、3日間で延べ50万人の人を集める日本最大のイベント的な事を云っていますが、踊る阿呆に見る阿呆同じ阿呆なら踊りゃそソンソン。祭に限らず、イベントは参加してナンボです。眺めているだけでは面白くないですよ。そりゃ初心者の方は偵察がてら見るだけでも良いでしょうが、ある程度知ってきたらサークル参加するなり、イベント・スタッフに参加するなりしてみなければ醍醐味は味わえません。買うだけならアキバへ行きなはれ。
 てなわけで「がちょーん」は12月31日金曜日 東地区ハ-43aに参加しますのでよろしくお願いします。
 どのジャンルに限らず作家は己の体験から物語を紡ぎだすモノであり、即売会なんてイベントはネタがイッパイ転がっているので、舞台にしやすいのですが、どうも作品上の即売会を思い描いて参加する人が最近増えたようで、なんだかなぁと云う気がしてなります。夢を持つのは良いですけど、パラダイスを求められては困ります。まあ、思い込みが激しくなければ作品なんてモノは作れないんですけどね。
 内容紹介:夏に続き、冬のコミックマンケットに参加することになった叶たち。そんな中遙は、いつもの男性向のサークルではなく別名義で参加することに。今までの人気を捨て、作家として新たな道を歩もうとするが―!? (アマゾンより引用)
(月刊ドラゴンエイジ掲載)

2010年12月21日火曜日

沓掛時次郎 読了

沓掛時次郎 読了
~劇画・長谷川伸シリーズ~ 小林まこと/著 長谷川伸/原作 講談社/刊 20101122第1刷933円 イブニングKC
 「漫画」が好きならばこの本を読みたまへ。
 物語の面白さ、演出の妙、絵で語るとはこの事だ。 残念ながらアニメショップでは入手し難いです。一般の本屋とか漫画専門店の方が並んでいます。いや、最早アニメショップであっても特化した仕入れをしなければやっていけないと云う事なのでしょうか。確かにアマゾンの方が安くて便利で楽でですから。
 今作品は股旅モノの名作なれど、拙者も名前くらいは知っていましたが、内容までは知りませんでした。拙者も股旅モノで知っているのはTV番組としての「木枯し紋次郎」とか、「座頭市」がせいぜいです。拙者の幼少期が最早時代劇とか義理人情の世界は古いと云う風潮が主流になっており、古き良き日本などというものは脱皮すべきモノと見做されていました。しかし、温故知新と云いましょうか、知識や体験が増える事で“古く”て“無意味”と思われたモノが実は時代を越えて有益なものではなかろうかと考えるようになってきました。しかし草履と草鞋の区別すらつかない時代にになってしまっては、最早手遅れのような気もしないではありません。二十代三十代はともかく、四十代ですら古新聞を満足に縛ることも出来ないのを目の当たりにすると、今の子供達に生活を営む力が無い云々よりも先ず親達に生活力が無いことを実感すると供に、これほど浮世離れした時代に、地に足を着けた物語を紡いでも理解されないのではないかと思います。ライトノベルやケータイ小説が正にそう。現在に生活感が無いわけではありません。環境が変わったと云うべきなのでしょう。
 原作者の長谷川伸は昭和前期に活躍した小説家で、股旅モノというジャンルそのものが長谷川伸から始まったようです。
 小林まことは「1・2の三四郎」「What's Michae?」以来久々に読みました。まさかこうも背景に実写を取り込みつつ、昔のイメージのまま絵柄が洗練されていたとは知りませんでした。

 内容紹介:親子連れに見える三人が、ある旅籠にやってきた。自分達は夫婦ではないという男に主人が真相を問うと、男は一言「そいつはお聞きなさらねぇでくだせえ」と言う。その男の名は、沓掛時次郎。人には言えぬ悲しい因果を背負い、女と子供を連れて旅をする、かつては博徒だった男‐。 義理とはなにか。人情とはなにか。これは日本人が忘れてはならない、美しき愛の物語である。(帯より引用)(イブニング掲載)

2010年12月20日月曜日

ハチワンダイバー 18巻 読了

ハチワンダイバー 18巻 読了
柴田ヨクサル/著 集英社/刊 20101222第1刷514円 ヤングジャンプ・コミックス

 命をかけた試合がとうとう本当に生死のやりとりとなった“死合”へとエスカレート。漢達の凄まじい生き様が描かれる18巻! しかし、ここまで真剣勝負を描かれると読んでいて空恐ろしくなってしまい、物語として楽しめなくなってくるのですが…。 主人公が一言も発していない。いや、冒頭で17巻の流れで発していたか。

 内容説明:驚異の100時間将棋でジョンス・リーに勝利した菅田だったが、鬼将会は圧倒的な棋力と暴力を併せ持つ「鬼」を差し向け反撃を開始!! 最凶の「鬼」へ命を賭けた戦いを挑むのは…!? 男の生き様が鮮烈にハジける、熱狂の18巻!

2010年12月19日日曜日

真月譚 月姫 10巻完結 読了

真月譚 月姫 10巻完結 読了
佐々木少年/著 TYPE-MOON/「真月譚 月姫」製作委員会/原作 アスキー・メディアワークス/刊 20101218初版600円 DENGEKI COMICS
 全ては主人公のモノローグのようであり、時間が悲しみを癒すことなく続いているようでもあり、眠り続ける姫を助け出す王子様の話のようでもあるのですが、目覚め一瞬は幸せであっても、生きた果てには悲劇が待ち受けているとしか考えられず、TYPE-MOON特有の“幸福の先に待ち構えている絶望”が上手く醸し出されていて素晴しい。またマンガならではの叙情的エピローグをこれでもかと云う位描きこんでいて、ある意味10巻丸ごと本編終了後の付けたしと云っても過言ではなく、これぞマンガならではの醍醐味ではないでしょうか。
 帯推薦文by奈須きのこ:「オーバー・ザ・ムーン/ムーンライト」彼女が夢見た御伽噺は、あの月の果ての果てに」少年の頃、もしもの話を聞かされた。救いのない、救いのある、夕暮れのエンドロール、その記憶は、今も胸を抉ったまま‐‐‐。佐々木少年版月姫、ついに完結。七年間の旅の終わり。漫画だけに託された結末がここにある。‐(月刊コミック電撃大王掲載)

2010年12月18日土曜日

境界のRINNE 6巻 読了


境界のRINNE 6巻 読了

高橋留美子/著 小学館/刊 20101222初版419円 少年サンデーコミックス

  お祓い屋・十文字翼と悪魔・魔狭人はファッションが似ているなぁ。だからあえて差別化させるために、作者高橋留美子も対決させたのでしょうか。さらに主人公六道りんねに敵対するニューキャラクター架印登場。巻数が進む度にレギュラーキャラクターっぽいのが出演してくるってのは凄いなあ。ゲストキャラならわかるんですよ。後に再出演してもなっとくがいくのですが、どうみても今後メインストーリーに絡んでくるであろうキャラクター達が6巻であっても登場してくるのは、作者は何巻まで続けるつもりで描いているのかと考えてしまいます。

 桃の缶詰を高級品などと、昔はそうでした。今も国産桃缶は高いのですが、カニ缶の千円とかにくらべるとまだ数百円で比較の問題として安いように思えるし、中国産とか豪州産やギリシア産の桃缶ならば百円が主流でスーパーの店頭に並んでいますから、このコマは笑える読者が何人いることやら。マカロニほうれん荘のシーチキンがどうこうのキンドーさんとヒザカタさんの掛け合いを思い出してしまいました。
 内容説明:記死神・架印 登場、りんね絶体絶命!! 人間の寿命を管理するあの世の名簿係、記死神・架印(かいん)登場!!なんと、りんねの父・鯖人(サバト)は架印に多額の借金をしているという。債権者・架印は担保がわりにと、りんねから大切なものを奪い去り…!?さらには鯖人も加わって、死神・りんね、絶体絶命 大ピンチ!! (アマゾンより引用)(週刊少年サンデー掲載)

2010年12月17日金曜日

ヴォイニッチホテル 1巻 読了

ヴォイニッチホテル 1巻 読了
道満晴明/著 秋田書店/刊 20101205初版552円 ヤングチャンピオン烈コミックス

 大人しか読めないマンガではベテランの域に達している著者道満晴明もやっとこれで一般誌デビューだ、と思いましたが、本書カバー折り返しにあるヤングチャンピオン烈コミックス・ラインナップの著者を眺めると、なんだか大人しか見ることの出来ない雑誌の目次を眺めているような気になります。限りなく黒に近いグレーなのか!?

 拙者の部屋は何処も本が平積みにされており、本の上部は色々なモノが積み重ねられています。その中に洗濯物を畳む場所がありまして、何気に洗濯物の下にある本を手に取ってみたら(新刊書には全て紙カバーをかけてある)著者道満晴明四冊目の単行本「くぢら」19981225初版でした。無論大人しか買ってはいけない本です。現在の方がより洗練されているんですけど、絵柄が良い意味で変わってなくて驚きました。今も昔も男性向けヘンタイマンガなのですが、色艶が無いといいましょうか、根本がナンセンス・ギャグなのか、悶々とした劣情感を持ちにくいマンガになっています。下品な言葉を使用しても生きる事の“切なさ”すら感てしまいます。一般向け作品でこそこの“切なさ”は活かせられると思いますので、今作品には期待できそうです。一般受けするかどうかは請け負えませんが。

 マンガ専門店とらのあなではイラストカード同封。おそらく、生涯で唯一の『1巻』と付く単行本なのでブックオフに売らずに大事にしてやって下さい。」と云う著者メッセージに落涙。よりぬき水爆さん以外の単行本は全部買っていますから、頑張ってください。
 内容紹介:太平洋の南西に浮かぶ小国・ブレフスキュ島。この小さな島のホテルが舞台。陽光降り注ぐ、のんびりした南国ムードの中、エキセントリックな宿泊客達が織りなす悲喜交々人間ドラマ。

2010年12月16日木曜日

東海レトロスペクティブ 読了

東海レトロスペクティブ 読了
野口芽衣/著 マッグガーデン/刊 20101030初版571円 avarus series
 博物館展示品を眺めていると、土器や埴輪の一欠けらから全体が復元されている資料を見ることがあります。全体の9割以上を石膏で補充してあるのって、創作なのではないのでしょうか。群馬のとかる古墳時代の資料館に四股をふんでいるように復元された力士埴輪が展示してあったので、係りの方に、何故このポーズに復元したのか聞いてみたら、他の場所から出た埴輪を参考にしたとのこと。埴輪が量産品で広範囲に流通しているものだとは知らなかった拙者は衝撃を受けました。古墳時代はあまり地域間の移動が無く、埴輪等も自給自足経済の地域毎の一品作品だとばかり考えていました。古くは縄文時代から糸魚川流域の翡翠が全国(どころか中国にまで)に流通していたり、日本列島に住んでいた人はどの時代も普通に旅をしていたようです。何故拙者は人々が移動していないイメージを持ってしまったのでしょうか。拙者が何によってイメージを植え付けられたかが気になりだしました。ともあれ、発掘を主とする考古学者の皆さんは欠片から全体像を導き出すだけの知識と想像力を持っていると云う事でしょう。
 今作品「東海レトロスペクティブ」は進路に悩んでいる高校生が、たまたま近所の発掘に参加する事で新たな世界を知る成長物語になっています。発掘を始める前に先ず草むしりのシーンから始まるのを見て、著者野口芽衣は経験者に違いあるまいと思いました。果たしてあとがきマンガに考古学専攻と描いていました。発掘するのは鎌倉期の窖窯(アナガマ)。窯の歴史や窖窯の解説だけで1話以上描けられる薀蓄があるだろうに、いともあっさりとマニアックな専門知識は披露せずストーリーが進み、てっきり考古学の薀蓄マンガだとばかり思って表紙買いをしたので、当てが外れました。おそらく編集戦略だったのか、掲載頁数が事前に決定されていたために脚本上削られてしまったのか、残念。

 内容紹介:器用ゆえに、進路に迷う高校生・飛鳥。実家の合宿センターにやってきた考古学を専攻女子大生・香乃らに誘われ、なりゆきで発掘調査の手伝いをすることになったが…。(アマゾンより引用)
(月刊コミックブレイド アヴァルス掲載)

2010年12月15日水曜日

Nシップ 読了


Nシップ 読了
M.WOLVERINE/著 イカロス出版/刊 20101030初版952円

 先だって東京ビッグサイトで開催された「トレジャーフェスタin有明4」に行って来ました。ワンフェスより規模が小さくて入場料が高い分、一般参加者が少なくじっくり見て歩く事が出来ました。写真はマイ・ブームな日本製人工衛星。萌えフィギュアが前面に立っているだけで“メイド・イン・ジャパン”テイスト全開ですな。

 さて「Nシップ」。
 「がちょーん」yahooブログ2007年5月22日に紹介した「砂漠のウサギ-1941年6月の戦い-」 (http://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/47737496.html)と同一世界の設定による架空戦記。アイルランドをイメージしてしまう“フェアリーランド王国”が第二次世界大戦に参戦するストーリー。フェアリーランド王国は女性の出生率が高く、女性兵が軍の中核を担っていた。「砂漠のウサギ」が陸軍の話であったが、今巻は海軍における潜水艦の話と、アフリカ植民地における空軍での話の2話収録。
 どの作品も同人誌で発表されており、コミックマーケットの常連でもあり、今月末の通称冬コミ、コミックマーケット78にも三日目「2010年12月31日 東京ビッグサイト 金曜日 東地区 "エ" ブロック 45a グループダンジョン」にて参加と著者M.WOLVERINEのホームページ「うるぶらんど」(http://www.linkclub.or.jp/~wol/wolveland_index.htm)に紹介されていました。拙者かならず訪ねます。さてこの「がちょーん」も同日に参加します。出し物は自画像で使用しているフィギュアの写真集第二弾。詳しくは後日発表します。
 戦争マンガを描く作家は兵器にこだわる人が多く、どちらかと云うと劇画的な“絵”を描きやすいのですが、著者M.WOLVERINEは“萌え”が流行る以前から“まんが”的な絵柄で戦争マンガを描いてきており、時代がやっと追いついてきたような気がします。絵柄とは反してミリタリー的こだわりとコミカルな戦場物語には一見の価値あり。

 内容紹介:M.WOLVERINE(えむ・うるぶりに)氏のマンガ『Nシップ』と『南アフリカ・サーカス物語』を同時収録した単行本。表題作『Nシップ』はヨーロッパの架空の島国「フェアリーランド王国」の海軍に所属する潜水艦の物語。乗員が全員女性という中に一人着任した男性の艦長を中心に、「ワイルドハニーパイ」級潜水艦N-7号の戦いを描く。名作潜水艦映画『Uボート』もかくやのアクション・シーンに加え、女性数十人の中に男性一人というシチュエーションで描かれるドタバタ劇も楽しい佳作となっている。同時収録の『南アフリカ・サーカス物語』は、フェアリーランド王国の南東アフリカにおける植民地、南アフリカ自治領を舞台とする航空戦記。架空の物語ながら登場する機体は実在のもので、モラーヌ・ソルニエMS.406やバッファロー、レッジアーネRe2000といったマイナー機が活躍する。秘められた過去を持つ女性エース・パイロットの運命は……?過去に同人誌で発表された2作品を、加筆修正を加えて完全収録。フェアリーランド王国の戦いに注目せよ!(アマゾンより引用)

2010年12月14日火曜日

化物語 上巻 読了

化物語 上巻 読了
西尾維新/著 講談社/刊 20061101第1刷 講談社BOX

 100年前の12月14日日本で始めて動力飛行機が飛びました。以来人々は星の海へ飛び立とうとしています。
 写真向って右は国立科学博物館に展示中の「はやぶさ」。現在上野の国立科学博物館は「飛べ!100年の夢 空と宇宙展~日本の航空・宇宙100年記念~」を2011年2月6日(日)まで開催中。「はやぶさ」の記録をTV番組で見た時には涙がボロボロ落ちました。そう、宇宙戦艦ヤマトを観た時と同じ涙です。もしかしてシナリオがあるんじゃなかろか、と考えてしまうほどの困難な試練を乗り越えて帰還、地球突入直前に伝送された半分写った地球、そして流星と化す「はやぶさ」に涙を流さずして、何に流す!「あかつき」が予定通りに行かなかったのが残念ですが、必ずや周回遅れでも使命を果たす事でしょう。なんと云っても“メイド・イン・ジャパン”ですから。「あかつき」の模型も展示されていました。そして太陽風を受けて飛翔する「イカロス」。40年前50年前の少年達が心躍らせたSFの世界が現実となりつつある。いや、当時の少年達が夢を諦める事無く実現させたと云うべきか。

 さて、「化物語」上巻の話。
 えー、アニメと一緒くたに話させていただきます。本来なら本は“本”、アニメは“アニメ”なのですが、私の頭の中では現在本もアニメも一緒に脳の中で渦巻いています。
 上巻に収録されているのは、アニメで云うと1話から8話、「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」の3つのストーリー。
 まるで会話劇のような小説をよくあれだけぞ映像化したものだ、と感心しました。拙者はアニメから入って小説を読みました。会話劇だと演劇みたいな演出が簡単だと覆われますが、安易な方向に流れず、あえて活劇的に映像化した英断に敬意を表したいくらいです。小説を読み終わったら当然のように、またアニメ版を見たくなりました。見ました。ダイジェストで。いやはや素晴らしい。見ていて飽きませんね。飽きるどころか、見るたびに新たな発見があります。ましてや今回原作小説を読んで映像を観てやっと地の文章に書かれていた心情から表情の変化の意味が理解できたような気がします。どのセリフを生かすか、脚本家は悩み抜いたことでしょう。
 イラストは箱にしか描かれていないのに、イラストレーター・VOFAN氏(台湾)のイメージをよくぞここまでアニメ用に作り変えることが出来たものだと感心を通り越して感動すら憶えてしまいます。
 エンディングの「君の知らない物語」は以前yahooのブログに書いたとおりCDを購入しまして、今もって毎日聴いております。アニメ・エンディングを見ると戦場ヶ原が歌っているようなイメージを持ってしまいますが、フルバージョンを聴くと失恋歌であり、恋が成就する戦場ヶ原の曲としてはいかがなものかと思っておりましたが、TV放送終了後配信にて公開された13話からの羽川がエンディングに出てくると、そう、歌詞のイメージがそのまま胸を打ちます。
 9話以降は下巻の話でした。ちょっと先走りすぎました。
 下巻が読み終わったら、またお会いしませう。

 出版社 / 著者からの内容紹介:西尾維新氏の新境地!ある日、阿良々木暦めがけて降って来た女の子、戦場ヶ原ひたぎには、体重というものがなかった!?新しい時代の、青春怪異譚。
 内容(「BOOK」データベースより):阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ヶ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった―!?台湾から現れた新人イラストレーター、“光の魔術師”ことVOFANと新たにコンビを組み、あの西尾維新が満を持して放つ、これぞ現代の怪異!怪異!怪異。
 内容(「MARC」データベースより):阿良々木暦を目がけて空から降ってきた女の子・戦場ケ原ひたぎには、およそ体重と呼べるようなものが、全くと言っていいほど、なかった-!? 『小説現代増刊メフィスト』掲載の3作に加筆訂正・改題のうえ単行本化。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):西尾 維新 1981年生まれ。第23回メフィスト賞受賞作『クビキリサイクル』に始まる“戯言シリーズ”を、2005年に完結(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2010年12月13日月曜日

プリンセスハーツ~これが最後の恋の巻~ 読了

プリンセスハーツ~これが最後の恋の巻~ 読了
高殿円/著 小学館/刊 20101201初版533円 小学館ルルル文庫
 今巻にて盤上にほぼ手駒が出揃って、後はジルとルシードの共通目的パルメニア国を蹂躙し、何故ジルを替え玉にしたのかを解明するのみ!他にも謎は多々ありますが…、まあ、弥が上にも昂揚するストーリー展開となってきたですよ。軍勢が動き出し、策略と陰謀が交差して、そう、まるでゴール直前の長くて急な坂道を上がり切ったような感じ、後はゴール目掛けて転がり落ちて行くだけみたいな。
 今巻主人公の二人が顔を合わせていないのだけが残念。
 内容説明:王宮ラブロマン、いよいよ最終章へ突入!パルメニア王冠を目前についにシングレオ騎士団攻略へ歩を進めたルシード。世界会議の舞台で自分の正体を知る他国王たちに挑むジル。“あの夜"の約束を胸に、それぞれの戦いに乗り出した二人だが、大公夫婦のいないアジェンセンにはオズマニアの脅威が迫り……!? さらに姿を消していたマシアスも再登場! ジルとルシードに協力していた理由もついに明らかに……! 王宮ラブロマン、いよいよ怒濤の最終章へ突入!


2010年12月12日日曜日

ロビン・フッド 観了

ロビン・フッド 観了
 ネタバレ注意報発令。
 大作ですな。
 シャーウッドの森で活躍を始める由来を描いたような活劇。従来のロビン・フッドの話を頭に入れて見ると少々面食らいます。「グラディエーター」同様我々の知っている歴史から微妙に針路を外れていって、本来の歴史ではなさそうな所へ着地してしまいますが、映画が終わった後の歴史なぞ知らん!と割り切った姿勢に好感が持てます。
 前半と後半で展開が二分してしまいます。前半はややコミカルに進み、後半は馬がズラリと並んでドドドと駆けぬけて、弓矢がビュンビュン飛んで当たった矢が本当に痛そう。有象無象が頭勝ち割られて血飛沫を上げる大スペタクルです。拙者のように時代にかかわらず戦争スペクタクルが好きな人にはオススメ。ラッセル・クロウ演じる落ち着いた感じのタフで愛嬌のあるロビン・フッドがかっこよく、マリアンのツンデレ振りが素晴らしい。この演出こそツンデレの鑑では無いでしょうか。見知らぬ二人が出会って拒絶から互いに認め合う中になり、最後には生死を共にするまでの絆を作り上げる。この二人に焦点を決めて映画を完成させれば良いのに…。はい、脚本は大味です。
 いや、名も無き弓兵だったロビンがシャーウッドの森に根を下ろす為には、父親とか己の秘密を持ち出さねば話を上手く纏められないのは解ります。だからと云って国政を左右するに至るのはいかがなものでしょうか。ロビン・フッドに愚汪と云えども同士討ちをさせない選択は正しいと思いますし、そうなると必然的に外国が敵となり、外国の敵との戦いがクライマックとなれば主人公が軍隊を率いざるを得ないのも消去法から理解でますが、作中詳しく説明していると尺が長くなりすぎて、こんなストーリーになったのでしょう。森に巣食う孤児達をラストに取って付けたが如く、クライマックスに参戦させているのもなんとも、デレクターカット版では説明しますよと云っている様で、盛り下がります。実は拙者の中ではエンディングのイメージ・ボードをアニメーションにしたみたいな映像が一番面白かったような気がしています。いっその事十字軍遠征を描けば良かったのに!でもそれは「キングダム・オブ・ヘブン」で描いているか。リドリースコットによる「王子の優雅な生活(仮)」の映像化希望。
 リドリー・スコット監督の昔の尖がった部分(映像)が懐かしい。

原題: ROBIN HOOD
製作年度: 2010年
別題: -
製作国・地域: アメリカ/イギリス
上映時間: 140分
 解説: 伝説の義賊、ロビン・フッドの物語を『グラディエーター』のリドリー・スコット監督と、ラッセル・クロウの黄金コンビが手掛けた歴史スペクタクル大作。12世紀のイギリスを舞台に、勇猛果敢なヒーローの戦いぶりを活写する。出演者も『ベンジャミン・バトン 数奇な人生』のケイト・ブランシェットや、『シャーロック・ホームズ』のマーク・ストロングら名優が勢ぞろい。映画の前半と後半で描かれるイングランド対フランスの壮絶な戦闘シーンは必見だ。
シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 12世紀末、ロビン(ラッセル・クロウ)は十字軍の兵士としてフランスでの戦闘に加わっていた。ある日、イングランドの騎士ロバートの暗殺現場に居合わせた彼はその遺言を受け、ロバートの父(マックス・フォン・シドー)に遺品の剣を届けると約束する。やがてノッティンガムの地を踏んだロビンは、ロバートの身代わり役を頼まれ……。
シネマトゥデイ(外部リンク)

スタッフ
監督:リドリー・スコット
製作総指揮:チャールズ・J・D・シュリッセル 、マイケル・コスティガン 、ジム・ウィテカー 、ライアン・カヴァナー
原作:-
音楽:マルク・ストライテンフェルト
脚本:ブライアン・ヘルゲランド
キャスト
ラッセル・クロウ(ロビン・ロングストライド)
ケイト・ブランシェット(マリアン)
マーク・ストロング(ゴドフリー)
ウィリアム・ハート(ウィリアム・マーシャル)
マーク・アディ(クック修道士)
オスカー・アイザック(ジョン王)
ダニー・ヒューストン(獅子心王リチャード1世)
アイリーン・アトキンス(アリエノール・ダキテーヌ)
ケヴィン・デュランド(リトル・ジョン)
スコット・グライムズ(ウィル・スカーレット)
アラン・ドイル(アラン・ア・デイル)
マックス・フォン・シドー(サー・ウォルター・ロクスリー)
レア・セドゥー(-)
マシュー・マクファディン(-)
ダグラス・ホッジ(-)
ロバート・パフ(-)
ジェラルド・マクソーリー(-)
サイモン・マクバーニー(-)

2010年12月11日土曜日

鉄腕バーディーEVOLUTION 6巻 読了

鉄腕バーディーEVOLUTION 6巻 読了
~画集「別冊ゆうきまさみ」付き初版限定版~ ゆうきまさみ/著 小学館/刊 20101205初版895円 ビッグ コミックス

 現在発売中の『ヤングキングアワーズ』2011年1月号の「それでも町は廻っている」が“べちこ焼き”の話だった!アニメと上手くタイアップしておりますなぁ。でもどうせなら別バージョンのオチにしてくれるとか、何か捻りの一つも欲しい所。骨董屋の静ねーちゃんが大活躍は同じだけれども、声が動きが効果音があって音楽までついている方が良いに決まっているぢゃありませんか。「アリョーシャ!」飛ばしてるなぁ。

 さて、「鉄腕バーディー」
 中杉小夜香編ひとまず決着。この後どうかかわってくるのか楽しみです。そしていよいよ宇宙連邦捜査官バーディー・シフォンが追いかけていた犯罪者クリステラ・レビの真相の一端が明らかに。それは宇宙連邦と云う社会システムの根幹への謎でもあった。
 物語がやっと語りだされた感じがします。アニメが別物として出来が良かった為にモチベーションが高まったのでしょうか。自分自身の作品でもアニパロでないと筆が進まないとかだったら、ちょっと…。
 広角レンズ的演出の多用は、どうした影響によるのもでしょうか。いまさらエヴァンゲリオンでもないでしょうし。
 初版限定版の付録は装丁の豪華な“ゆうきまさみ”の小学館での軌跡。週刊少年サンデーで発表されたカラーイラストおよび習作の数々。高橋留美子でもこういうのやってくれないでしょうかね。ゆうきまさみデビュー30周年記念は小学館ばかりではなく、先月発売された角川書店の「月刊ニュータイプ」2010年12月号でも高校の後輩京極夏彦との対談など組まれています。学生当時面識は無いのだそうですが、同じ高校の先輩後輩で他にも出版業界の有名人を輩出しているらしいです。以前業界で同窓生等が多いのは、デビューするためのノウハウを共有できるためだとかなんとか読んだ事があります。何に書かれていたのか。拙者の記憶によると新井素子と花井愛子が高校の同窓だったと紹介されていたかな。でも新井素子は父母が出版社の編集者だったような。有名所ではマクロスの慶応付属の同級生達とか。高校時代面識の無いゆうきまさみとか京極夏彦と云うのは、もしかすると担任が同じだったとか。作文授業に強い先生がいたり、美術に達者な先生がいたりはしないのでしょうか。マスコミ関係に強いなんらかのノウハウがあるような気がするのですが。

 内容紹介:バーディー、ついにレビとの邂逅果たす!!中杉の記憶を宿す殺戮ロボットの暴走を止めようと病院へ向かう、つとむ。その場で、バーディーが追うテロリスト・レビとの遭遇を果たす。殺戮ロボットの製造に関与した父への怒りを宿し、己の命を絶とうとする中杉。彼女につとむの叫びは届くのか…!?そして、レビの策謀の核心とはなんなのか…!?
 編集者からのおすすめ情報:第6集は、バーディーがテロリストサイドと接近、物語が加速します!80Pのカラー画集(カラーイラストや初公開の設定メモ・らくがき)付き初版限定版も、オススメです!(アマゾンより引用)
(週刊ビッグコミックスピリッツ掲載)

2010年12月10日金曜日

ゴッドバード 1巻 読了

ゴッドバード 1巻 読了
長谷川裕一/漫画 「勇者ライディーン」(東北新社)「超電磁ロボ コン・バトラーⅤ」(東映)「超電磁マシーン ボルテスⅤ」(東映)「闘将ダイモス」(東映)/原案 ジャイブ/刊 20101213初版562円 CR COMICS
 「勇者ライディーン」生誕35周年記念企画だそうです。スーパーロボット大戦等でしか知らなかったり、ライディーンの名前だけを借りて全く別のストーリーだったアニメはこの際置いといて、子門真人が歌うオープニングと神谷明の絶叫が、そしてスーパージェッターの声に二枚目悪役が異様に嵌った方の元祖「勇者ライディーン」のリスペクトでもリファインでもない、35年の月日を経て現代に甦る正統派「勇者ライディーン」の物語。しかもコンバトラー、ボルテス、ダイモスの姿も!そう、休刊してしまった雑誌『スーパーロボットマガジン』で連載していた「超電磁大戦ビクトリーファイブ」の続編でもあるのだ!!
 テレビチャンピオンで優勝してしまうくらいの知識と、ガンダムの世界観をオリジナルにまで作り上げてしまう、F90ガンダムに関してはオリジナルよしもクロスボーンの方が面白いと断言できるし、ガンダムVSイデオンの面白い物語を作ってしまうほどのの脚色力が、いよいよ長浜スーパーロボットの物語を語りだすのだ!!
 これを読まずして何を読むと云うのかッ!
 そして敵もシャーキン、ガルーダ、ハイネル、リヒテルと市川治大集合。でも作中で描いているのは著者長谷川裕一本人ではありませんよね?明らかに絵が違う。そこだけがちょっと残念。でもその分演出やストーリー展開に力が入るのならば致し方無き事か。まあ、いつものことながら“絵”が滅法粗いですけどね。
 第一巻で張られた伏線がどのように展開していくのか、著者長谷川裕一の今までの作品を見ていれば、嫌でも期待が増すと云うのものではありませんか。
 内容紹介:ライディーンと妖魔の大戦から35年後の平和な世界。ごく普通の中学生・囀 晶が住む街は、突如現れた化石獣によって破壊されてしまう。その時、晶の心にライディーンの操縦者だったひびき 洸から声が届く。「俺の代わりにライディーンを駆れ」と…。一方、かつて洸と戦い敗れたプリンス・シャーキンも復活していた―――。 古の巨神がよみがえり、少女の戦いが始まる!!(アマゾンより引用)
(月刊COMIC RUSH掲載)

2010年12月9日木曜日

まかでみックス せぶんす お兄ちゃんと呼ぶんじゃねえッ!  読了

まかでみックス せぶんす お兄ちゃんと呼ぶんじゃねえッ!  読了
榊一郎/著 エンターブレイン/刊 20101210初版580円 ファミ通文庫

 金星探査衛星「あかつき」の失敗は真に残念でした。失敗を報道する新聞やTVニュースでは使われたお金が250億円とかなんとか下世話な話をしておりますが、このような時こそ昭和天皇のお言葉「学者はなんのためというような目前の利害だけを問題にして研究をしているものではない。」を肝に銘じるべきではないのでしょうか。ロケット開発は失敗してナンボだ、とあさりよしおとのマンガにもありました。軍事技術へ転用しない世界唯一の宇宙開発技術は、世界中がマネをしたくても出来ないモラルの高さと、自動販売機があふれかえり老若男女が個人コミュニケーターを操る羨望される未来社会の成果であり、追われる立場となった日本の開発力の基礎と応用の実験場でもあります。自分達の将来への投資にみみっちい事を書くな!と云わせていただきましょう。

 さて「まかでみックス せぶんす」。
 主人公周防千里は、兄妹で神隠しに会い妹を失った過去を持っていた。(ハッ!どこかで読んだような内容。)学園の寄宿舎生活も夏休みに入り、学生達は帰省をはじめる。色々と悩みを抱えながらも実家にたどり着いた千里の前に、失踪したはずの妹が立っていた!一方、アバロン学園都市の教職に就いた前シリーズ主人公羽瀬川拓人は、周防千里の神隠し事件を調べているところで、意外なラインとの繋がりを見つけ出し絶体絶命の危機に陥る。今巻のアクションは久々にタクトが活躍。周防編がどこまで続くのか!?
 
 内容紹介:お兄ちゃん、その子は良くて私はダメなの?久しぶりに実家に帰ることになった千里。アバロン学園に入学した経緯もあって、複雑な気持ちの彼だったが、アジャスタントも一緒となってはアンニュイな状況に浸っているヒマもなく、彼女達を同伴する理由作りだけでも疲労困憊したりして。しかも、帰宅した千里を待っていたのは父と義母に加えて、いるはずのない妹、万尋だった――。「おかえり。お兄ちゃん」一体何がどうなってる!? 暴走するネオ・ハイブリッド学園ラブコメ、衝撃の第7弾!!


2010年12月8日水曜日

みくもとかさね 1巻 読了

みくもとかさね 1巻 読了
山崎峰水/著 少年画報社/刊 20101215初版571円 Ours Comics
 「おとめ妖怪 ざくろ」第10話~かげ、追々~と「侵略!イカ娘」第10話~てるてる坊主じゃなイカ?(他2本)~を録り損ねた。イカを見るために一週間過ぎるのが楽しみにしていたのに。喜び勇んで帰宅して、TVを前に意気消沈。ネットで公開されているのはわかっているし、オカルト学園とかネットで見たけど、拙者の自宅は“ダイヤルアップ”なのぢゃ!出かけねば見ること叶わじ。ブログを毎日UPなんかしてヒマこいているように思えるでしょうが、普通にサラリーマンやってますんで、ネット環境の整った場所に出かけるのは運が良くて2週間後…。普段「おとめ妖怪 ざくろ」の裏番組となっている「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」第10話~俺の妹がこんなにコスプレなわけがない~を見ることが出来ただけでも怪我の功名と思うしかあるまい。

 さて「みくもとかさね」。初めに見たときは大塚某が原作している新シリーズのオカルト・マンガかと思ってしまいましたが、雑誌掲載時にグイグイと読まされて単行本が出たら買いに行ってました。
 ホット&クールな男子高校生コンビによる、妖怪退治アクション。特殊な能力があるわけではなく、普通の人には見えないモノが見え聞こえない声を聞く二人は、出会うべくして出会い、此世と常世の架け橋となる。弓道部員の神鳥美雲は家業もまた弓具店であり退魔の矢を作る祖父を持ち、井上累は兄妹で神隠しに会い妹を失った過去を持つ。
 一話完結型の物語構成。第一巻では何と云っても「大百足」の話が圧巻。
 人間は想像力に富む生き物ですが、意外と即物的に出来ており、見たことの無いモノは想像できなかったりします。イメージが掴めないのでしょう。想像力を広げる為には何か具体的なモノを参考にせざるを得ず、逆に辿れば何をモデルにしたのかを理解しうると云う事です。そんな中で全国各地に存在する“百足”の伝説、特に山にとぐろを巻く程に巨大な百足と戦ったり退治されたりする話はイメージが掴めず困惑しっぱなしでした。しかし本作品の様な解釈ならば宜なり。
 今後二人の因縁が関わってくるのは当然として、物語がどう転がっていくのか、今巻は“序”の部分でしか無いと思えるので期待できそうな予感がします。

 内容紹介:霊感高校生。神鳥美雲は或る日、緑色のひとつ目の霊が取り憑き、そしてついには、その霊が弓道部の練習中に美雲を操り、女子部員に矢が当たりそうになる事件がおこる…。そんな時、美雲の前に怪しげな転校生・井上累が現れ、おかしな現象の説明を始めるのであった……。山崎峰水が贈る、渾身の伝奇ホラー第1巻。(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングOURS掲載)

2010年12月7日火曜日

限界集落温泉 2巻 読了

限界集落温泉 2巻 読了
鈴木みそ/著 エンターブレイン/刊 20101105初版660円 BEAM COMIX
 事業に失敗し夜逃げしたゲームプロデューサーが辿り着いたのは、過疎の村の立退きを迫られた温泉宿“山里館”だった。そこに情緒不安定なネットアイドルが転がり込む事により、売れないマンガ家や売れないモデラー、スタジオミュージシャンが集い、異才を結集して温泉宿を救おうと奔走を始める。手始めはネットで中継する何とか鑑定団の真似事。立退きを迫る村の有力者から有形無形の妨害も始まる。村特有のややこしい人間関係も生じる。そしてネットアイドルは致命的に音痴だった。イベントはどうなるのか?潰れた温泉宿の行方は!?
 “七人の侍”よろしく、袖摺り合った縁で集結した異才のオタク達の活躍を描く第二巻。緻密な設定ながら、エンターテイメントの演出、内部に生じる亀裂、外部からの悪意、全てを呑み込み己自身のイベントを成功に導くことができるのか!
 話の転がし方が上手いですね。いや、やっと著者鈴木みその雌伏の時が終わったと云うべきか。
 次巻が待ち遠しい、大いに期待する作品です。

 内容紹介:ボロボロ温泉&ギリギリ集落、復活を掛けた戦い!!「銭」で話題を集めた鈴木みそが挑む、次なるターゲット。それはド田舎温泉!!(アマゾンより引用)
(月刊コミックビーム掲載)


 以下私的余談。
 昔メイド喫茶のブーム始まりの頃、宿泊してメイドさん達と遊べる旅館と云うのがネットで宣伝されたことがあります。企画だけで終わったらしいですが。アキバのメイド喫茶はメイドもまたアキバを楽しみに来ていてお金も儲けられる、と云うのも売りの一つだと思います。宿泊なんかしたらコンパニオンとしてのメイドさん達の労力たるや並ではありますまい。それこそ風俗と何処が違うのかと云う事になります。松坂慶子と蟹江敬三が出ていた「温泉卓球」なんて人情映画がありまして、卓球の代わりにメイド喫茶みたいのを描けないかってのを考えた事があります。電車男の影響も大きいですね。
 主人子は田舎温泉旅館の一人息子。東京に出てきてアキバに通いながらモラトリアムを謳歌していたが、父親のギックリ腰を切欠に帰省するも温泉旅館は借金まみれ。苦労しながら大学を出してくれた親の恩に応える為にも家を継ぐ決心をするも、客が来ないのではいかんともしがたい。主人公はアキバで通っていたメイド喫茶風に旅館を改装する事を思い立つ。主人公の帰省祝で地元の同級生や商店街の人々が一席設けてくれた時に、借金の申込を仲間内にするが、仲の良かった先輩が商店街復興計画の詐欺をした影響で、誰も主人公の話に耳を傾けてはくれない。気を落とし飲み屋の外で酔いを醒ましていると、かつて憧れていた同級生のマドンナが遅参。ときめく主人公であったが、彼女の背中には赤ん坊がいた。マドンナは東京で疲れて最近帰省したらしい。聞けば東京で接客業をしていたらしく、主人公の旅館改造計画にも手伝うことになる。先ずはメイド喫茶の女の子を集める段取りをするが、過疎の為地元で働ける若い女の子の余剰労働力は無い。かつてのツテを使って東京で募集をかけるも、わざわざ田舎に働きに来るような若い女の子はいなかった。集まってきたのは主人公のアキバ仲間(野郎)ばかり。苦肉の策として外国の女性を仲居業として募集、なんとかメイド旅館を開く段取りとなった。田舎では珍しい開業に地元テレビ局が取材に来てニュースになる。ニュースを見た地元の長老会や商店街の長老達が旅館へ押し寄せ、メイド旅館反対に気炎を上げる。そこにたまたまニュースを見たマドンナの東京時代の不倫の相手が旅館にやって来る。マドンナは恋に破れて田舎に帰って来ていたのだ。赤ん坊を不倫との間に生まれた子と勘違いする主人公。不倫相手は赤ん坊が主人公とマドンナの子と説明されて引き下がる。実は赤ん坊はマドンナの姉妹の子だった。主人公の勘違いとマドンナの想いが交差し、喧嘩別れをする二人。一方メイド旅館の企画は頓挫。そこにミリタリーオタクの提案により戦後一時期流行った軍服を着た女性たちによる接客をすると、長老達に受け、旅館業も地元の支援を取り付けられるようになる。しかし接客業の要はマドンナ。オタク仲間に同級生に促され、マドンナを迎えに行く主人公。告白するラスト。エンディングは盛況な旅館と、東京に戻るオタク達一行。地元の若い連中と反目しながらも一つの事を成し遂げた達成感で、いつの間にか友情らしきものが芽生え、オタク達を駅まで送迎しようとするシーンで終了。
 て、云う企画を考えてみました。100分程度の時間でいかがでしょうか。句読点一つで一シーン。全部で80シーンくらい。しかし、最早メイド喫茶も普通になり、時機に乗り遅れた感が強くてお蔵入りです。


2010年12月6日月曜日

SPACE BATTLESHIP ヤマト 観了

SPACE BATTLESHIP ヤマト 観了
 はっきり云いまして、バカにしておりました。果たしてお金を出してまでみるべきものなのだろうか、と。映画館に足を運ぶと、擦れ違った同年輩っぽい中年男性が、真田さんの役ハマッてたよなぁ、語っているのを聞き普通に映画として面白そうだと思いました。そして冒頭の地球最後の艦隊戦に敗北する沖田艦長と、沖田艦を逃すため盾となり轟沈する古代守(堤真一)艦長率いる“ゆきかぜ”。あまりにも有名な、そして拙者にとって見飽きたと云っていいほどの場面ですが、落涙しました。男だったら艦隊決戦!!

 以下ネタバレ。
 ささきいさおのナレーションがすばらしい!
 CGによる宇宙の表現が美しい!
 宮川泰の音楽が心に染入るようです!
 冒頭の艦隊戦での有名な「バカめ」とか、真田技師長の「こんなこともあろうかと」(実は本編中一回した使われていなかったらしい)等々有名なセリフなどガジェットな部分が削られていたのは残念ながら、柳葉敏郎の真田志郎も巧いと思いましたが、拙者としては緒形直人の演ずる島大介役が主人公古代進の親友にしてライバル感が上手く醸せていてこれまた巧いと思いました。見ていて池内博之演じる空間騎兵隊長斉藤始の仁王立ちで落涙するのは当然として(真田さんは何故爆破スイッチを顔にまで上げねばならぬのか、いや見せ場なんですけどね)、西田敏行演じる徳川機関長のラストに感動。ブラックタイガー隊山本がああなるのはわかっていましたし、加藤が帰艦せず持ち場を死守したのが意外でした。そしてアナライザーが一番の驚きです。こんな見せ場があったとは!!一番役柄がアニメと異なるのが黒木メイサの演ずるパイロット森雪。古代進と恋に堕ちるまで、新作ギャラクティカのスターバックかと思っちゃいました。
 特撮部分の作り方のスタンスが、艦載機パイロットのヘルメットの照明を筆頭に、ガミラス艦載機の空母発進からヤマト来襲時の飛行感とか、宇宙戦闘艦の描写の仕方とかが、新作ギャラクティカっぽいのがなんとも。格納庫とか艦内で照明を背景の細部にまで当てるのはいかがなものか。見易さを優先してしまったのかも知れませんが、もうちょっと職人芸に走っても良かったような気がします。ガミラスとイスカンダルの関係は、一作目公開後に出たノベライズ版を踏襲したものと考えれば無理なく描かれていると思いますし、ストーリーとしては第一作宇宙戦艦ヤマト+さらば宇宙戦艦ヤマトの名場面で構成され、約140分の中に凝縮する以上見せ場や起承転結を考えればかなり圧縮された展開ではないでしょうか。演出上作中の時間経過が観客には伝わらなかったのであえて地球滅亡まで1年とかしなくても良かったと思います。新作日本沈没時に事務所遠慮してラブシーンを映像化できなかった、と聞きましたが、今回は子どもと一緒でも見られるように美しくラブシーンも描かれており、その点でもちゃんとした普通の“映画”でした。
 しかし、ひたすら酒かっくらってばかりいる映画でしたなぁ。日本帝国海軍では日本酒を常備しており、普通に酒が飲めたそうですが、米海軍では一切のアルコールを認めていないそうです。文化の歴史が違うと云えばそれまでですが、西暦2199年においても“飲みにケーション”ですか。
 子ども向けノベライズを読むと、沖田艦長没直後のシーンはファーストと同じく入室した佐渡先生は取り乱す事無く一礼をするのですが、劇場本編にそのようなシーンはありませんでした。時間制限のため削られたのでしょう。至極残念です。
 疑問点を一つ。ラスト場面のガミラス巨大宇宙船は惑星破壊ミサイルを分離して地球軌道上に残っていましたが、あの後どうなったのでしょうか?
 劇場の大スクリーンで波動砲の威力を、そしてドルビーサラウンドでの宮川音楽を是非とも楽しんでください。 

 解説: 国民的アニメの金字塔として、1974年の放送当時から長年にわたって愛されてきたテレビアニメ「宇宙戦艦ヤマト」を実写映画化。地球からはるか彼方のイスカンダル星を目指し、古代進ら宇宙戦艦ヤマトの乗組員たちが戦いの旅を繰り広げる。監督は、『ALWAYS 三丁目の夕日』の山崎貴。主人公の古代進を木村拓哉、女性パイロットの森雪を黒木メイサが演じる。日本最高峰のVFXチームを率い、最新技術を駆使した圧巻のCG映像が見どころ。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 2194年、外宇宙に突如として現れた敵・ガミラスが地球への侵攻を開始し、人類の大半が死亡してしまう。5年後、地球が放射能で汚染される中、かつてエースパイロットとして活躍していた古代進(木村拓哉)は、はるか彼方のイスカンダル星に放射能除去装置がある事実を知り、宇宙戦艦ヤマトで仲間と共にイスカンダル星へ向かう。
原題: -
製作年度: 2010年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 138分
スタッフ
監督:山崎貴
製作総指揮:-
原作:西崎義展
音楽:佐藤直紀
脚本:佐藤嗣麻子
キャスト
木村拓哉(古代進)
黒木メイサ(森雪)
柳葉敏郎(真田志郎)
緒形直人(島大介)
西田敏行(徳川彦左衛門)
高島礼子(佐渡先生)
堤真一(古代守)
橋爪功(藤堂平九郎)
池内博之(斉藤始)
マイコ(相原)
矢柴俊博(南部康雄)
波岡一喜(加藤)
三浦貴大(古屋)
斎藤工(山本)
山崎努(沖田十三)
(以上yahooより引用)

2010年12月5日日曜日

イエスタデイをうたって 7巻 読了

イエスタデイをうたって 7巻 読了
冬目景/著 集英社/刊 20101124第1刷514円 ヤングジャンプ・コミックスBJ

 NHKTVドラマ「坂の上の雲」第二部日英同盟を観ました。TVドラマだけど凡百の映画よりも“映画”を見たような気になりました。今回は秋山兄弟よりも広瀬武夫を中心としたストーリーでしたが、おそらくペテルブルグで実際に撮ったのでしょう、見事な映像と演技でした。今までの大河ドラマ主役の人々を並べているだけの事はあります。宮殿や海軍学校がロシアにしてもイギリスにしても実際に100年前から差ほど変わっていないまま活用されていますから、歴史の重みと云うか重厚さがTVモニターを通じて感じられるような錯覚をします。ファッションから小物まで見事に百年前が表現されていました。日露戦争後もイギリスからの軍艦購入は続き、第二次世界大戦時の帝国海軍中一番活躍したのがイギリス製の最老朽戦艦「金剛」だった事がイギリスの優秀性を物語ると思います。しかし、原作の「坂の上の雲」内にあんなに広瀬武夫の話があったんだっけかな?それとも忘れているだけなのか。正岡子規役の香川照之の横顔が、教科書に掲載されていたオリジナル正岡子規の横顔ととても似ているようで驚きました。そうそう下唇を出して短く髪を刈上げたこんな感じ。イヤハヤ巧い役者ですね。
 ついでに日曜洋画劇場「GOEMON」を見てしまいました。監督が海外(おそらくヨーロッパ)の方が評価高いんですよね云々インタビューに答えていたと思います。ヨーロッパは主として芸術としての映画を評価しますからオリジナル溢れる映像を評価するんだそうです。対してアメリカや日本は売れてナンボがバロメーターですから、かっこ良く云えば大衆芸術として、下世話に云えば商品としてどうかが評価になるのでしょう。拙者としてはストーリーの筋立ては悪く無いし、一枚絵として捉えるなら美しいし、カット毎の演出も良い出来だと思うのですが、総合的評価となると“映像芸術”であって“映画”としてはどうなんでしょうかと捉える次第。同じようにCGで舞台を作り人間を使った「300」は“映画”でしたが…。
 
 さて「イエスタデイをうたって」の第7巻目。とあるブログの感想文で、単行本で追いかけているので前作までのストーリーを忘れたけど進展していないのでなんとなく云々、とかなんとかありましたが、拙者も全く同様にして同感。三角関係四角関係が続くながらも四季は移ろい、それそれの人物達にそれぞれの環境の変化や状況の変化が生じ、新に好意を寄せてくれる人も登場し、微々たりながらも人々の関係が進んでいくのでした。見せ場が無いのが見せ場なのか、それでも飽きさせず読ませる演出に驚嘆します。脚本・設定・演出、そして何と言っても「絵」で読ませているのでしょう。

 内容説明:季節は巡っても、この想いは変わらないと信じていたい。待ち続けてきた陸生と少しずつ変わろうとするしな子。二人の関係が変化していく。一方、晴は雨宮からのアピールに戸惑いながら、陸生との距離をつかめずにいて…。(アマゾンより引用)
(ビジネスジャンプ掲載)

2010年12月4日土曜日

ハリウッドではみんな日本人のマネをしている 読了

ハリウッドではみんな日本人のマネをしている 読了
マックス桐島/著 講談社/刊 20091120第1刷838円 講談社+α新書
 ビデオ&DVDデータ等を眺めていると日本未公開の映画のなんと多い事か。映画館で公開される洋画は全体の極一部にしか過ぎないのだと云う事に改めて気がつかされます。劇場公開作品を追いかけるだけでも大変なのに、有象無象の映画を追いかけるなんて一日24時間しか無いのだから物理的に不可能としか云いようがありません。映画も商品なのだから、売れなければ日本に持ち込んだ会社が潰れます。海外から買ってくる場合、当然日本で売れる作品のみを買い付けてくることになります。それでも売れるかどうかは公開しなくては解りません。日本で公開される、と云う行為だけでも、既にディーラーのフィルターを通して上澄みだけを、玉石混交の玉だけを取り出して来ていると考えられます。その逆もまた然り。海外に輸出されているのは、日本国内でのフィルターを通した後の品なのでしょう。
 本書の中で、ハリウッドの映画現場で映画学校の日本人留学生を重宝していると書いてあります。でも、国内ではなく、あえて世界を相手にしようとわざわざ国外へ出るような人間を考えれば新進気鋭に富むチャレンジ精神が爆発しているようなキャラクターなのではないでしょうか。その点アメリカ本国の学生が、現場で使い物にならないのは、日本国内においてもマンガや映画の専門学校に通う学生の大半が他では使い物にならないような、満足にバイトも務まらないようなキャラクター達であることを思えば当たり前だと云う事に気がつきます。
 すなわち本書のコンセプトは、著者がアメリカで見た“クール・ジャパン”の上澄みだけを選りすぐって並べた、日本人にとってとても気持ちの良くなる内容と云う事です。
 それでも鏡としてアメリカに映る“日本”と云う存在を見直した時に、コピー商品と粗悪品の代名詞であった「メイド・イン・ジャパン」の数々が、農協観光で世界中に顰蹙をかった世界の田舎者が、今や耐久性や性能で世界で一番信用されるブランドとなり、アンケートなどで観光客の好感度が常に上位に選ばれたりと、昭和のある時期を知る世代としては隔世の感があります。
 先進国内では唯一の非キリスト教国家であり、非白人の国であり、世界最古(に結果として成ってしまった)の王家を頂く国、千年におよぶ歴史を内包し、植民地化されることなく、独自の文化を継承しながら、もしかすると民生テクノロジーに関しては世界No.1であるかもしれない、サムラライとニンジャの国“Japan”。ほぼ同じ価値観を持つ先進国同士の中で唯一エキゾチック感を醸しながら、安心と安全と快適性を保障された国だからこそ諸外国に人気があるのではないかと思う次第。
 先日会社の同僚がポルトガル旅行のお土産として「カステラ」を買ってきてくれました。ポルトガルの空港で購入したそうですが、日本のカステラそっくりで驚きました。中に解説書があり、日本語で書いてありました。カステラは戦国時代ポルトガルから伝わったと言われていますが、材料の入手条件などから日本の風土に根ざした菓子となってしまい、またポルトガルでもかつて日本に伝わったであろう菓子とは別物になってしまったそうです。そこでポルトガルの若者が長崎の老舗カステラ屋で修行して帰国したのが、空港で売っていた「カステラ」でした。さあ、この「カステラ」は何処の国の食べ物だ?
 別な同僚がパリで日本食を食べたくなってラーメン屋に入ったんだそうです。出されたのはモヤシがイッパイ入ったラーメン。でもそのラーメンは明らかにインスタント食品で、モヤシもモヤシ臭いものだったそうです。ラーメンとビールで二千円くらい。世界中で日本食の誤解が広がっているような気がします。だいたいカツオ出汁とコンブ出汁の区別がついているのでしょうか?そもそも出汁を使っているのでしょうか?等など疑問百出です。拙者は海外に出た事無いけど、知人の話を聞くと、日本食の認定を政府がしたがる気持ちも解るような気がしてきました。いやいや、ワールドワイドな食とは現地化してこそではないか、カリフォルニアロールを見よ、異なる文化が出会って新たな文化が生まれるのだ、と云う気もしないでもありません。
 話が食へ行ってしまいましたが、ハリウッドで日本を重視するのは、SONYを筆頭にジャパン・マネーが流入しているのもあるでしょうし、何より日本がハリウッド・ムービーの大市場となっているからだと思います。アメリカ本国で売れても世界で売れなければ、ハリウッドの大作は制作費の回収は出来ません。アメリカで人気が出たと云うより、現在では日本で受けたと云った方が世界市場での通りが良いのだとか。その辺の話が本書では紹介されていないのが残念です。折角日本人でありながらハリウッドのプロデューサーの肩書きを持っているのであれば、ハリウッドの裏話も聞きたい所です。でもその手の話が無いのが逆に不思議に思いました。

 内容説明:日本のソフトパワーが遂にアメリカを変えたハリウッドのセレブのあいだではいま、日本人の「心」をコピーするのが大流行。アフター5も「TOKYOスタイル」が定番に。日本が世界の中心になる日も近い!
 内容(「BOOK」データベースより):日本化する米国人。世界の文化の中心もJapan。「いま日本で流行っている物は何?」が合い言葉。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):マックス桐島 1956年、神奈川県に生まれる。日本人有数のハリウッド・プロデューサー。DENピクチャーズ社長兼CEO。上海SJSスタジオ・マネージングパートナー。現在までに、大手スタジオ作品1本を含むハリウッド映画14作品をプロデュース。「ブルーヒル・アベニュー」でアカプルコ国際映画祭最優秀映画賞受賞。UCLA映画学科で映画制作を専攻したあとハリウッド俳優に。その後、ハーバード大学でビジネスを学び、1990年、映画ビジネスを始める(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)


2010年12月3日金曜日

週刊 ダイヤモンド 2010年 9/25号 読了

週刊 ダイヤモンド 2010年 9/25号  読了
ダイヤモンド社/刊 第98巻39号通巻4348号657円
 知人から「週刊ダイヤモンド」でアキバの特集をやっているよ、と聞いて数ヶ月、すっかり忘れていた所にネットで紹介記事を読み、あわてて図書館へ行きました。
 「週刊ダイヤモンド」に行く前に、表紙写真右脇のページをご覧下さい。子ども向け写真絵本「JRまわるまわるやまのてせん」砂田弘/文 吉岡清彦・堀田順/写真 小峰書店/刊 1988年3月25日第1刷です。二十数年前のアキバの風景が写っています。看板を見ると未だ“マイコン”や“ビデオ”の文字があります。「週刊ダイヤモンド」の表紙も魚眼レンズを使用し画角が広範囲ですが、左半分がほぼ絵本と同じ2010年の場所を写しています。平成も最早22年が終わろうとしており、昭和を知らない若者達がアキバを闊歩するようになってしまいました。嗚呼、と溜息しかでてきません。でも拙者の父母は木造建築だった頃の東京ラジオデパートの話をしていますから、拙者如きが溜息をついているような場合ではない、とも思えます。爺の感慨は置いといて、「アキバ変態(メタモルフォーゼ)」の記事。
 目次に書かれている特集紹介記事を引用します。「秋葉原の街は、幾度となく崩壊の危機を迎えてきた。ラジオ、家電、パソコン、それぞれの商材のブームが去るたびに街の勢いも止まるかと思われたが、そのたびにより不死鳥のごとく生まれ変わり、変態(メタモルフォーゼ)を続けてきたのである。」
 今のアキバを歩くと、嫌でも外国人が目に付きます。更にアキバには不似合いで新宿や渋谷が似合いそうなバカップルとか。るるぶ片手にアキバを歩くな!と云いたい所ですが、新たなアキバのコンセプトこそ“リアルな観光”なのでしょう。
 「週刊ダイヤモンド」の特集だけあって切り口は“経済”です。ビジネスとしての“萌え”産業とは何なのか、どういう事なのかを解りやすく説こうとしていますが、書かれている事はアキバの観光案内と秋葉原の歴史、注目のお店や老舗で生き残ったり注目のお店や経営者の紹介です。
 萌え産業は云わば音楽産業とか映画産業や出版産業と同じで、ビジネスとして手堅く“商い”をしようとしても無理だと思います。経済には門外漢の拙者からすると“投機”だと思われます。独特の商慣習やプロともアマともつかない胡散臭い連中が有象無象によってたかって何かをしている、けれど何をしているのかは渦中の人たちすらよく理解していないのではないかと、曖昧模糊としています。良い例がコミケでしょう。コミケの記事もありますが、動いているマネーは何十億円でしょうが、ビジネスとして展開できるのかと云うとさにあらず。コミケットが企業体化し、出版関係の企業がブースを出すようになりました。小学館等大手も参加していますが、結局運営の主体はかつてのコミケ参加者が企業に入ったり企業を起こしたりして舞い戻ったと理解できます。他から参入している企業は、旅行代理店のJTBとか都バスくらいではないでしょうか。コミケとアキバはイコールではありません。重なっているだけです。
 従来の家電屋としてのアキバは最早見る影もありません。大規模郊外型家電屋に取って代わられ、たいていの物はネットで購入できるようになりました。それでもマニアやオタクがアキバを目指す理由こそが“リアルなアキバでしか手に入れることの出来ない何か”であり、各専門店ならではの品揃えと商品知識、接客サービスなのでしょう。
 特集記事の冒頭にはドラゴンボールの格好をした外国人パトリックがモデルとして出演しています。アキバ紹介のTV番組にも度々出演するので、ユーチューブにも良くのっています。肩書きを見たら東京大学大学院在籍とあり驚愕。専攻は何なんでしょうか。
 アキバの凄い所は、宣伝していないのに世界中からアキバを目指して来ることではないでしょうか。アニメやマンガにしても日本が世界中に宣伝したり売ったりしていないのに(アメリカに売った作品がヨーロッパに転売されていたそうです)、気がつくと周りが騒いでいたから便乗したようなものでしょう。アニメショップの集積地となったアキバも戦略があってこうなったのではなく、結果として“なってしまった”感しかありません。結局ポスト・アキバとか萌えの次に来る物は何かと問うた所で解る訳も無く、極一部の運の良い人が女神の前髪と掴むか、コツコツと何かを続けてきた人が日の目を見るかだけだだけなのでしょう。

内容紹介
特集
アキバ変態(メタモルフォーゼ)
不死身の街 驚異のビジネスモデル

Prologue
Interview オタク研究家パトリックの外国人観光客突撃インタビュー
アキバ最新お薦めスポットMAP
分野別国内オタク/萌え市場規模

Part 1 萌え
萌え系ビジネス勝利の5法則
その1 ライトオタク>オタク
その2 1000人>1000万人
その3 リアル>ネット
その4 亜流>本流
その5 早い>安い
Interview 岡田斗司夫●オタキング代表、大阪芸術大学客員教授
AKB48躍進の陰に"TO"あり
Special Interview 渡辺麻友●AKB48チームB所属
「コミケ」の熱い夏

Part 2 変態
ブームを着替える不死鳥の秘密
つくばエクスプレスvs常磐線
不死身の街・秋葉原 変態の歴史
Comics [ゲームセンターあらし]「こんにちは☆秋葉原」の巻
再開発で誕生したオフィス街
Interview 白石晴久●富士ソフト社長
ポストアキバはどの街だ!?
西のオタクが集う日本橋の実力

Part 3 聖地
「老舗vs新興」電気街の栄枯盛衰
「パーツ街」の底力
厳選 アキバ鉄道スポット


特集2
コンサル活用の光と影

コンサル活用の弊害
 「経営陣の免罪符」に1億円! 仕事は人材派遣、成果物は空論
成功するコンサル活用術
丸投げ禁止、細切れ発注など失敗しないノウハウは存在する
Column ミーシー、フレームワーク…コンサル用語を理解しよう
Interview 湯浅智之●リヴァンプ・ビジネスソリューションズ取締役
拡大するコンサル市場
米規制を引き金に再編進む 専門業務の受託に拡大余地あり

緊急レポート
永田町ライヴ!
後藤謙次●政治コラムニスト
"小沢封じ"を狙う菅首相の興味深い人脈

企業レ
この雑誌について
情報で勝負するビジネスリーダーの雑誌
(アマゾンより引用)

2010年12月2日木曜日

月光条例 11巻 読了

月光条例 11巻 読了
藤田和日郎/著 小学館/刊 20101123初版419円 少年サンデーコミックス

 拙者仕事で子どもむけ映画会を毎月一回開催しているでござる。来年度は世界の童話・民話を上映しようとしておるが、その中に「白鳥になったあひるの子」と云うのがござる。これってオチをタイトルにしていなイカ?それとも種族を超え、己の力で家鴨から白鳥に突然変異をしたのでござろうか?それともこれぞ神の奇跡、家鴨が白鳥に!?タイトルとか時間で選んだので、内容については企画者の拙者にもわからないでござる。たまに「おこんじょるり」とか「ごんぎつね」や「グスコーブドリの伝記」等、結末が悲劇で終わる作品を上映してしてしまうことがあるので、気をつけてはいるのでござるが。行先不明のミステリートレインならぬ、結末不明のミステリー上映会。来年の上映が楽しみにて候。

 さて、月光条例。童話や民話は口承文学がほとんどです。口伝えなので、その場の雰囲気や語り手の気分によって内容が変わるのは当然のこと。代々語り伝わったとは云え、精々憶えていられるのは祖父祖母世代の記憶であって、祖父祖母が創作したのか教わったのかは確かめようがありません。例えば太平洋戦争中東南アジアの島に立て籠もった日本軍に対し米軍は島の形が変るほど空爆と艦砲射撃をしました。それを見ていた近隣の当時の少年は孫に民話の一つとして語っていたそうです(典拠不明)。己の見たことを正確に伝えようとしても、同じ記憶を持っていないと正確に情報は伝わりません。文字情報であっても精密なイメージは伝える事ができません。況や何人もの人を経て採集された昔話や神話については、最初に語り始めた人の内容とは遠く隔たっているに違いありません。例えば「遠野物語」の作者柳田國男が活字にするときに、どう編集したのかを研究した論文があるほどです。グリムやアンデルセンも同様ではないかと推測できます。
 と、まあ月光条例の中に出てきた「サクシャ」に刺激され連想してしまいました。

 内容紹介:月光の正体に迫る、千一夜編突入!!アラビアンナイトの世界で「長老会」の面々が人質に!首謀者だと思われる月打キャラ・アラディンの要求は願いがなんでも叶う「うちでの小槌」。海水浴に来ていた月光は、鉢かづきを通じてツクヨミから「長老」たちの救出要請を、どーにも乗り気になれない…しかし、鉢かづきの「囚われのはだかの王様は、月光様についてお詳しいでしょう」という言葉を聞き、自分の存在に疑問を持ち始めていた月光は、アラビアンナイトの本の世界へ入る決意をする。一緒に海水浴場へ来ていた仲間達までも入り込んでしまったアラビアンナイト世界で待っていたのは、いきなりの大トラブルで…!?
 編集者からのおすすめ情報:いよいよ主人公・岩崎月光の出生の謎に迫るアラビアンナイト編に本格的に突入します!散りばめられた謎が、どのようにリンクしていくのか…藤田和日郎先生の真骨頂ともいえる展開を、ぜひその目で!!(小学館ホームページより引用)
(週刊少年サンデー掲載)

2010年12月1日水曜日

聖なる花嫁の叛乱 6巻 読了

聖なる花嫁の叛乱 6巻 読了
~亡国の御使いたち~ 紫堂恭子/著 ソフトバンク クリエイティブ/刊 20101120初版円571円 Flex Comix
 聖なる花嫁を追ってきた三方の追撃部隊に囲まれ絶体絶命の危機に陥って、さあどうなる!ってところで掲載誌を移動したので、どうなるものか想い病んでおりましたが、見事と云うか伏線が上手い具合に絡んでまいりました。己が宿命と戦う八犬伝の様でもあり、君の名はの様に擦れ違う男女を描くようでもあり、体に印を持つ者達それぞれの人生が錯綜する大河ドラマの様相を呈しております。これぞファンタジーの王道。
 
 内容紹介:ついに、移籍後初の単行本である第6巻が、新キャラも入って登場です!「花嫁」を狙う3隊の傭兵隊の一つに交渉を申し出るエリセ。その「七頭の大蛇」隊の隊長にも神聖文字のあざがあった。エリセの前に、あざを持つ者が8人中4人も集結した!一方、緋の貴婦人の執拗な追跡をまくために、一計を案じるヴァン。美青年リオンが、本物より麗しい「花嫁」にされて……!?(アマゾンより引用)
(FlexComixフレア掲載

2010年11月30日火曜日

ADAMA 5巻 読了

ADAMAS 5巻 読了
皆川亮二/著 講談社/刊 20101119第1刷600円 イブニングKC
 帯の推薦文に声優古谷徹の推薦文が。ジェネラル・ジンの声には確かに古谷徹合いそうですね。ここであえて、タキシード仮面の声で読んでます(笑)、と書かれた文言が気になりました。セーラームーンの最初の敵幹部は宝石の名を冠したキャラクターだったので、“宝石使い(ジュエルマスター)”に連想してのことなのでしょうか。
 ストーリーはマカオのカジノを舞台に敵組織であるシャニの首領ジェネラル・ジンと共同戦線を張る「アレキサンドライト・ワード/秘めた思い」。そして現在の宝石生産地であるアフリカを舞台に、悲惨な境遇に貶められている少年兵を描く「ダイヤモンド・チャイルド」の二編を収録。特に「ダイヤモンド・チャイルド」に至っては、直接“宝石使い”の物語に絡むストーリーではありませんが、その内容に至っては圧巻としか云いようが無く、エンターテイメントに徹していながらも作者の腹の中でグツグツも燃え上がる熱いマグマの脈動を伝える展開となっています。映画「ブラッド・ダイヤモンド」もついでに見るのをオススメします。
 奥付には無いのですが、表紙には「脚本/岡エリ」の名前が。この場合書誌情報としてはどうすれば良いのでしょうかね?

 内容紹介:謎めく能力をあやつる最強の“宝石使い”ジェネラル・ジン。その秘密の一端がついに明らかになる!!(カバー裏表紙より引用)
 依頼を受けたマカオのカジノで待っていたのはジェネラル・ジンとの直接対決!さらに少年兵問題などを含む宝石界の闇・紛争ダイヤを描いたシリーズ最大の戦いも収録(帯より引用)
(イブニング掲載)

2010年11月29日月曜日

ハガワの異常な愛情 読了

ハガワの異常な愛情 読了大羽 隆廣/著 芳文社/刊 20100831初版590円 芳文社コミックス
 作者の前知識無く、表紙惹かれる何にかがあったのと、幸い袋に入っていなかったため中身をピラ見て少なくとも水準以上のクオリティと、何やら薀蓄っぽさ(作者の拘り)を感じたのとで購入。最新刊コーナーではなかったが、まさか8月発売の本とはしりませんでした。何故か脇に並んでいて、もともと購入をしようとしていた道満晴明の新刊を買い忘れてきました。
 ストーリーは期待通り。昆虫好きなマンガ家“羽川タロウ”に何も知らない担当者“水田礼子”が付き、マンガ家に振り回されつつ昆虫の素晴しさを読者に伝える黄金パターン。ただし、マンガ家と雑誌担当者という設定を生かしきれず、製作者サイドも何か思ったのか、ラストエピソードとして水田礼子に新たな人生を歩ませてしまいます。何となく未消化のようで気になります。
 第二話蟻地獄ですが、アリジゴク(ウスバカゲロウの幼虫期)には肛門は無く排泄をしないと描かれており、確かに昆虫図鑑等にも定説として書かれているのですが、最近小学生だか中学生だかの夏休みの自由研究で賞をとったレポートの中にアリジゴクが液体は排出していると云うものがあったそうです。私が習った多くの先生方も、教科書を鵜呑みにするな常に疑ってかかれ、と良く云っていましたが、確かにその通りなんですねぇ。自分の目で確かめるのが大事と云う事なのでしょう。
 昔自宅のトイレの窓枠にトックリバチが巣を作りまして、作中に紹介されているキアシトックルバチではなかったのですが、それは見事なトックリを三つ四つとあれよあれよと云う間に作り上げ、タマタマ拙者の目撃時に幼虫の餌にする毛虫を抱えてきてスルスルスルとそれは手際よく壷の中に入れてしまいました。毛虫が生きたまま幼虫に喰われる!と思った瞬間気持ち悪くなり、巣を壊してしまいましたが、棒で突っつくくらいでは壊れずハンマーと金属棒をタガネにして壊しました。それ以来壷は作られていません。
 昆虫のTV番組や薀蓄話は面白く聞けるのですが、実物を眼にすると、あまりにも精巧に作られたマシーンぽい生物(ナマモノ)なので、じっくり見ていると気持ち悪くなります。子供の頃はそんなこと無かったんですけどねぇ。
 内容紹介:アレを愛しすぎた男の波瀾万丈記!「眠れる昆虫魂を民草に呼び起こすのがボクらの使命だ!!」と息巻く、昆虫愛好漫画家・羽川タロウの度を超えた愛と、それに力一杯つきあわされる担当編集者・水田礼子。この物語は彼らの異常な日常の記録である。(アマゾンより引用)

2010年11月28日日曜日

よつばと! 10巻 読了

よつばと! 10巻 読了
あずまきよひこ/著 アスキー・メディアワークス/刊 20101127初版600円 DENGEKI COMICS
 5歳の“よつば”ちゃんはお父さんとの二人暮し。お隣さん家にお邪魔したり、お父さんと友達と遊んだり毎日が大忙しです。 各地各界で大絶賛の第10巻目。著者あずまきよひこは本当に良く幼児を観察しているなぁ、と感心することしきりですわ。 魅力を語ろうとすればするほど失敗するような気がするので、とにかく読め!ともかく買え!損はしないぞ。
 世間話。
 小倉神社の帰り道、国道49号線を猪苗代湖から郡山市へ向け走行中、常磐熱海駅周辺の旧49号との分岐点にある白河ラーメン「麺屋 正遊」に寄ってみました。知人K氏による上手いとの評を今回小倉神社へ連れて行ってくれた相棒が憶えていたからでした。白河ラーメンは東京ラーメンと同じ醤油ラーメンです。メニューは中華そばとチャーシューメン(大盛りあり)の二種類のみ。拙者はチャーシューメンを頼んでみました。チャーシューの他はノリ、ナルト、ホウレンソウ、ネギ、のシンプルにしてオーソドックスな構成。手打ち中華そばと暖簾に書かれている通り、麺が手打ちならではの不揃い。拙者的にはやや柔らか過ぎの感じがしました。味もとてもシンプルな醤油スープですが、なんと云っても水が美味しいので、スープがすっきりと醤油の味をストレートに伝え、なんとも懐かしい感じがしました。冬季限定メニューとして味噌ラーメンが12月から始まるらしいので、相棒が車を出してくれるなら食べに行こうと思います。

2010年11月27日土曜日

ミニスカ宇宙海賊5 白銀の救難船 読了


ミニスカ宇宙海賊5 白銀の救難船 読了

笹本祐一/著 朝日新聞社/刊 20101130第1刷1000円 ASAHI NOVELS
 シリーズ第5巻。1巻2巻3巻はシリーズながら、エピソードは完結しています。4巻目で続きモノとなり、5巻目でも終わらず6巻に続いてしまいました。話が広がっちゃったんでしょうね。
 現在は殖民惑星の名門高校ヨット部練習船オデットⅡ世であったが、かつては海賊船としてまた惑星間戦争時に使用された軍艦でもあった。赤色巨星を超新星化するらしい謎の組織の暗躍は、オデットⅡ世をも狙ってきた。女子高生ヨット部員でありながら現役の海賊船長“加藤茉莉香”は部員と配下とそして同業者を引き連れて謎の敵が陣取る赤色巨星へと向かうのであった。と云うのが4巻までのストーリー。5巻では敵の存在が確定されただけで、ストーリー的には進展無し恒星軌道上での戦術的艦隊戦を繰り広げる話でした。
 2011年テレビアニメ化だそうです。祝! でも、未知の相手との読み相とか、囲碁や将棋のような限定された航路をとっての駒の進め方などの小説ならではの部分が削られてしまうとかと、やや不安と寂しさを感じてしまいますが、代わりにどのような見せ場作ってくれるのか楽しみになります。
 内容紹介:偽の黒鳥号を陽動に使って超新星爆弾の脅しをかけ、かつての白鳥号、今のオデットII世を手に入れようとする敵の意図と正体は!? 茉莉香が指揮する弁天丸は星系連合軍と海賊が共同で警戒網を張る赤色巨星の空域へ向かい、茉莉香の母・梨理香はオデットII世に乗り込んで、囮役を引き受ける。新旧キャプテン母娘の華やかな共同作戦が始まった──アニメ化決定の快調シリーズ、書き下ろし第5弾。

 内容(「BOOK」データベースより)偽の黒鳥号を陽動に使って超新星爆弾の脅しをかけ、かつての白鳥号、今のオデット2世を手に入れようとする敵の意図と正体は!?茉莉香が指揮する弁天丸は、星系連合軍と帝国艦隊との連携作戦で赤色巨星の空域へ向かい、母・梨理香はオデット2世に乗り込んで囮役を引き受ける。新旧キャプテン母娘の華やかな共同作戦が始まった。アニメ製作進行中の快調シリーズ、書き下ろし第5弾。  著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)笹本 祐一:1963年東京に生まれる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2010年11月26日金曜日

神曲奏界ポリフォニカ ザ・ブラック 読了

神曲奏界ポリフォニカ ザ・ブラック 読了
米村孝一郎/著 大迫純一/原作 フレックスコミックス/発行 ソフトバンク クリエイティブ/発売 20101120初版571円 Flex Comix
 約一年と半年ぶりとは云え、著者米村孝一郎の作品を毎年読めるのは喜ばしい。月刊誌ながらも連載は不定期。それでも今年は3,7,9、11月と隔月刊掲載。今巻の見せ場である街中でのアクションシーンの背景が著者らしい細やかさが欠けているのは、やはり時間が足りないのでしょうか。早く読みたいけど、質が高さを要求するなら時間が必要。このアンビバレンツは致し方ないとは云え焦燥感で胸を掻き毟りたくなります。 舞台は人間が精霊と契約をかわす「神曲奏界」。人間と精霊を繋ぐ重要なファクターが「音楽」なのですが、この「ザ・ブラック」の世界はリアルにハードボイルドなので、神曲奏界である必要があるのか!?と思えてしまいます。単身楽団がいよいよ開封!そして人を見守る精霊達の姿が。今後の展開が愉しみです。 本書あとがきで初めて知りましたが、原作者「大迫純一」氏が死去されたそうです。黙祷。

  内容紹介:多角的にシェアードワールド展開中のポリフォニカワールド!ルシャゼリウス市警察"精霊課""刑事・マティア&マナガのコンビが難事件に挑むハードボイルドな作風で人気の"黒"のポリフォニカをコミック化!  ある閑静な住宅街で殺人事件が発生した。被害者ソガノ・キャリアダの娘・マカリーンに目撃され、殺人現場から消えたのは、かつて被害者の契約精霊だったというレオンガーラ・ジェス・ボルウォーダンだった。キャリアダの葬儀に現れ、再び消えたレオンを追う精霊課刑事マナガとマティア。果たして彼は犯人なのか――!?(アマゾンより引用)(Flex Comixネクスト掲載)

2010年11月25日木曜日

石原豪人 読了

石原豪人 読了
[新装版]~「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター~ 中村圭子/編著 河出書房新社/刊 20040730初版20100830新装版初版1600円 らんぷの本
 40年代に少年時代を過した者にとって少年マガジンや妖怪怪物本のイラストを見れば必ず懐かしさに声を上げることでしょう。怖いのにまた見てしまう恐怖に魅かれるイラストの数々。しかし、大人の目で当時のイラストを見てみれば、確立された技術力に裏打ちされた「絵」としての美しさに魅了されます。内容もさることながら、子供心にもそんな「絵」としての上手さにに心惹かれたのではないでしょうか。
 石原豪人は大正12年(1923年)生まれ、17歳で大陸に渡り現地召集もされ兵役を経験、現地除隊後帰国。この辺りの波乱万丈な物語は「箆棒な人々」に詳しく掲載されています。果たして本当のことなのかは本人が知るのみ。帰国後は映画の看板描きから絵に携わる仕事に携わり、昭和二十年代末から挿絵家としてデビュー。以後平成10年(1998年)に死ぬまでイラストを描き続けます。
 これほど少年誌少女誌で読者に影響を与え、ホモ雑誌SM雑誌、昭和60年代以降のサブカル系に至る幅広い画業にもかかわらず、その業績をまとめた書籍が無く、本書河出書房新社のらんぷの本が唯一ではないでしょか。
 そのセンスたるや、現在においても何ら古臭さを感じさせず、写実性とは異なるイラストとしての美しさを表現しているような気がします。
 本書に竹熊健太郎と『クイック・ジャパン』創刊編集者の赤田祐一のインタヴューも掲載されています。本書と共に「箆棒な人々」の石原豪人と竹熊健太郎の対談を読む事をオススメします。

2010年11月24日水曜日

箆棒な人々 読了

箆棒な人々 読了
~戦後サブカルチャー偉人伝~ 竹熊健太郎/著 太田出版/刊 19980807第1刷1800円 
 目次
現世はすべて神の遊戯 康芳夫 対談 7-106
画怪人かく語りき 石原豪人 対談 107-192
憎むな!殺すな!赦しましょう! 川内康範 対談 193-272
ダダの細道 糸井貫二 対談 273-338

 雑誌『クイック・ジャパン』に連載されたインタビューをまとめた本。
 1998年の時点での本として認識してください。現在は河出文庫で入手可能。
 康芳夫は今で云えば“イベント・プロデューサー”ですか。モハメド・アリの世界ヘビー級公式戦やアリVS猪木異種格闘試合のプロモーターであり、ネッシー捕獲探検隊、謎の猿人類オリバー君来日イベント、ノアの方舟探索プロジェクトを企画、また「家畜人ヤプー」の出版プロデューサーでもある人です。'60年代後半から'70年代に少年時代をおくった人ならば、康芳夫は知らなくとも、これらイベントの数々には心ときめかしたのではないでしょうか。
 石原豪人はイラストレーターとして有名。彼の絵は必ずどこかで目にしているはずです。詳細は後日。
 川内康範はこのブログを読むであろう人々にとって「月光仮面」を作った人であり、「レインボーマン」「ダイヤモンドアイ」に携わり「コンドールマン」にも関係しているのかな。さらに小説家や作詞家でもあり、森進一の「おふくろさん」騒動でこの人まだ生きていたのか!と思った方々も多かったことでしょう。また政治活動にも関係しており、多才にして多方面で大活躍した人であります。信念の「生涯、助っ人」はまた墓碑にも書かれたとか。
 糸井貫二は通称「ダダカン」として知られており、やはり'70年代のサブカルに興味がある人々にはパフォーマーとして名だたる存在です。拙者も何処かで聞いた記憶があるのですが、詳しく知ったのは本書が始めてでした。
 タイトル「箆棒な人々」の"箆棒"につていまえがきで著者竹熊健太郎自身による解説がなされているので、以下余談ではありますが、"永田式翻訳術"(予備校講師)で考えると、"箆棒"は強めの副詞であり「鬼の様に」と訳してしまえば意味は通じるわけです。「鬼の様な人々」。
 ここに出ている人々は“鬼の様な”生き様の人々なわけです。多くの人々の記憶に残り、少なからずの人々の生き方に影響を与えた人々でもあります。日本の正史に名は出てこないけれども、大衆史の中には必ず顔を出す人々であり、ある時代を体現する人々でもあります。彼らへのインタビューは、著者竹熊健太郎が子どもの頃に不思議に思った出来事や印象に残った何かを紐解く作業でもあります。それ故にインタビュアーの気迫も尋常でなく、凡百のインタビュー集とは一線を画す出来の良さなのです。インタビューに対談している人が凄い人生を送っているのは当然として、インタビュアーもまた対象者に喰らい付いて行くのが素晴らしい。ただこの素晴らしさは行間にあるものなので、具体的に何が凄いかは指摘できかねます。
 竹熊健太郎と云えば「サルでも描けるまんが教室」が有名。漫画家相原コージとともに、己自身をキャラクターとしてマンガ界に打って出るストーリーを縦軸に既成のマンガや出版業界のウンチクを語る作品でもありあました。機会無くブログ上で紹介していませんが、是非とも人にオススメしたいマンガでもあります。「バクマン。」を先取りしたような内容であり、「まんが道」に影響されたと何処かで発言していたような気がしますがさてはて。
 雑誌『クイック・ジャパン』の創刊に至る経緯もあとがきに掲載されているので、興味の有る方には一読をオススメします。拙者にとって『クイック・ジャパン』は消えた漫画家を追いかける取材記事が、地に足をつけたルポルタージュとしてとても面白く、初期に購入していました。また著者竹熊健太郎によるエヴァンゲリオン監督の庵野秀明ロングインタビュー「庵野秀明パラノ・エヴァンゲリオン」「スキゾ・エヴァンゲリオン」もこのブログ「がちょーん」の中でも度々引用させてもらっています。サブカルチャーを扱っている『クイック・ジャパン』ですが、アキバ系よりも下北・吉祥寺系へと流れていったので、拙者も離れてしまいました。
 物語とは「生き様」を描く、と云うのが拙者の主題であり、マンガであれ映画であれ「生き様」がどう描かれているかが拙者の観点になっています。その意味で、現実の人でありながら、まるでドラマの主人公の様な波乱万丈の人生を送る人々の背中は見る価値があると思います。己がそんな人生をおくれないからこその興味も湧いてきます。
 70年代サブカルチャーに興味の有る方には是非ともご一読をオススメしたい。


 北朝鮮の韓国砲撃が23日に為されました。川内康範の「憎むな!殺すな!赦しましょう!」を今こそ実践するべきだと思います。ただし川内康範自身が述べている通り、逆恨みを防ぐ為にも喧嘩相手は徹底的に叩きのめす必要があります。


2010年11月23日火曜日

秘身譚 1巻 読了

秘身譚 1巻 読了
伊藤真美/著 講談社/巻 20101117第1刷581円 講談社コミックス
 物語が開始した一コマ目でいきなり殺されてしまったカラカラ帝。表紙でちょっと無念の活躍をさせてもらっていますが、愚帝とも賢帝だったのかもしれないとも云われている皇帝です。ストーリー中にも出ているカラカラ帝の功績の中で最大のものは風呂場を作ったことではなく、帝国に住む人々全てに市民権を与えてしまったことでした。例えるなら現在のアメリカ合衆国で移民の人々全てに市民権を与えてしまったようなものでしょうか。もしくは在日の人々に日本国籍を無条件で与えてしまうような。現代の価値基準で考えるならば博愛精神に基く素晴らしい政策としてノーベル平和賞も夢ではないかもしれません。ですが21世紀においても国籍修得はなかなか難しい条件なのは何故かを考えたとき、約2000年前にそれほどの政策を実行してしまったが故にローマ帝国の滅亡を早めたのではないか、とも云われています。しかし、当時の人々にこの政策がもたらすデメリットを理解できなかったらしく、カラカラ帝を謀殺したマクリヌス以降撤回する皇帝はいませんでした。
 ローマ皇帝は終身制であり、引退してもらうにはクーデターか暗殺以外の方法がありませんでした。リコール制度が無かったせいなのですが、東洋的王権制度の中では当然のような気がします。ですけどローマ皇帝はこのカエサル=“皇帝”の翻訳のしかたがイマイチなのですが、共和制時代に元老院とは別にローマ市民による直接投票によって決められた執政官が母体になっており、任期が一年と決まっていて、行政を行うには任期が短く、巨大な版図となったローマを仕切るには時代遅れのシステムと成ってしまったため、長期的視野で政策を執行できる機関の創設をユリウス・カエサルの手で作り出されようとしていました。元老院で承諾をとろうと議場に入ろうとしたその時、有名な暗殺があったわけです。初代皇帝アウグストゥスはジュリアス・シーザー(英語読み)=ユリウス・カエサルの養子であり、カエサルの弟子であるアントニウスや政敵ポンペウスを打ち破っての皇帝就任をしています。東洋における王権のような血筋の正当性などよりは実力がモノを云う“政治”でありました。その制度を色濃く受け継ぐのがアメリカ合衆国の大統領制度かと思われます。
 マクリヌスが作中の演説の最中先帝の肩書きを述べる中に「最高神祗官」を入れているのもユリウス・カエサルが最高神祗官の肩書きを持っていたことに由来します。さらに「護民官」についても面白い由来なので調べてみてください。
 ローマ帝国の“帝国”たる所以は“皇帝”も含め民族や血筋によらず個人の実力によって運営された事ではないかと思われます。以上ほとんどのネタが塩野七生著「ローマ人の物語」。

 マクリヌスがカララカ帝を倒した、まさにその時地中海東岸に栄える属州都アンティオキアが物語りの舞台となります。ローマから派遣された兵でありながら、アンティオキアの闇経済をまとめあげる“グナエウス・ドミティウス・ポリオ”と彼と共に住む“エラ”。二人を中心に町の実力者達の思惑と、皇帝位を巡る暗闘が始まる。そしてエラに秘密も…。
 絵良しストーリー良し設定良し、薀蓄語るもよし、時代を越えて人の生き様や業を語るも良し、壮大な大河ドラマの幕開けのような気がします。拙者も素晴らしいマンガの幕開けに立ち会えて幸運です。
 時代は異なりますがヤマザキマリ/著「テルマエ・ロマエ 」や岩明均/著「ヒストリエ」の併読をオススメします。

 内容説明:賢帝が治むる「人類が最も幸福であった時代」から数十年が過ぎた紀元3世紀。世界最強の帝国・ローマは、政治の腐敗、蛮族の進入、続く外征で疲弊し、ゆっくりと、だが確実に、その力を失い続けていた。そして東方にて起こった皇帝・カラカラの暗殺により、全ては大きく変わり始める――。中世ダークファンタジー「ピルグリム・イエーガー」の実力派が、幻想とロマンに満ちた古代世界を描く!“良き死出の旅を――”紀元217年、皇帝カラカラの暗殺を機に、世界最強の帝国ローマは大きく揺らぎ始める。帝位を簒奪した新帝マクリヌスは、東方の要アンティオキアで地位を安定させるべく、街を闇から牛耳る軍士官、Cn・D・ポリオを逮捕せんと画策するが‥‥? 爛熟と退廃そして神秘と幻想に満ちた古代地中海世界を、美麗なビジュアルで描く、歴史ロマン幻想譚、堂々の開幕!!(アマゾンより引用)
(『マガジン・イーノ』(月刊少年マガジン増刊)掲載)

2010年11月22日月曜日

ミツヨシ完結編 下巻完結 読了

ミツヨシ完結編 下巻 読了
上山徹郎/著 集英社/刊 20101124第1刷762円 Jc.com
 積みっぱなしの未読雑誌を読んでいたのですが、『マガジンSPECIAL 1996年1月号』<奥付には週刊少年マガジン1月9日号増刊 平成8年1月9日発行(臨時増刊)第38巻3号>277pの柱に「ウワサの埋蔵金テッテイ検証! 福島県郡山市の西端、小倉神社の境内脇に不思議な石碑が建っている。小倉は会津蒲生氏時代の金鉱採掘現場。金山では藩に秘密で金塊を隠し、小倉の地に埋めたと言い伝えられている。石碑の文字は隠し場所を示す暗号か。」と書かれていました。拙者郡山市には少々縁がゴザル。されど今まで聞いたためし無し。郡山市の西の市境は猪苗代湖上となり申す。蒲生氏時代の会津藩の藩域に入っている可能性大。地元の知人に聞いてみよう。でも猪苗代周辺は最早中通りではないからなぁ。閑話休題。

 「隻眼獣ミツヨシ」完結です。
 残念ながら壮大な背景世界や人間関係、幕府やら各御家の背景社会舞台設定等は描かれることなく、虫幽士を率いる真田家の者も登場せず、主人公ミツヨシの姉妹間の確執の解消と将軍家お世継ぎの祠千代との関係に終始。虫幽士とも決着をつけ、あくまで主人公視点でのオチが着いての物語完結と相成りました。“絵”と演出の実力から云って時代劇では無い時代劇“風”剣戟アクションの傑作になる可能性があっただけに、少々残念。著者の意識が既に他へ向ったか、出版社の意向か、人気がそれほど出なかったのか、何れにせよ天地人のタイミングを外した惜しい作品になってしまいました。

 内容説明:伝説の伝奇アクション、堂々完結!!
さらわれた祠千代救出のため大酒城に辿り着いた密厳。再会を果たす2人を最凶の虫幽士・殺助が襲撃! 仲間の虫を喰らい力を増した殺助に対し「隻眼」を封じられた密厳に勝機は…!?(アマゾンより引用)
(Jc.com掲載)

2010年11月21日日曜日

PEACE MAKER 6巻 読了

PEACE MAKER 6巻 読了
皆川亮二/著 集英社/刊 20101124第1刷600円 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
 決闘者(デュエリスト)No.1を決める天下一武闘会もとへ「G・O・D(ガンズ・オブ・ドミネイション)」決勝戦に参加するため“赤の国”に渡ったホープ・エマーソン達一行。だが決勝参加するはずのピート・ガブリエルの姿が見えなかった。ホープ達と別行動をとったピートの身に何か!?そして世界中から集った猛者達の目標は現チャンピオン“銃神”にしてホープの兄“コール・エマーソン”だった。参加者独り一人もまた人間。その背には様々な人生を負っていた。しかし決闘者(デュエリスト)の宿命として敗者には死あるのみ。頂点に立つのは誰か!!
 8人の出場者がそれぞれにトーナメントに至る人生の過程を描く第6巻。著者皆川亮二のストーリーテラーとしての才能とマンガ家としての演出力が冴え渡り、涙なくしては読めない展開になっています。登場キャラクター毎に詳しく語りたい所ですが、語るとネタバレになるし、かと云って今巻の良さはトーナメントに出場したキャラクター達が個々に描きこまれているわけで、なんとも痛し痒し。
 余計なことながら現在拙者のBGMは「The Magnificent Seven Original Motion Picture Soundtrack」すなわち荒野の七人オリジナルサウンドトラック2004年発売版です。バーンスタインの曲が冴え渡る傑作映画音楽ですが、「PEACE MAKER」には合っていませんでした。拙者の選曲ミス。

 内容紹介:決闘チャンプの証明書を7枚集めた“GUNMAN”達によるトーナメント戦“G・O・D(ガンズ・オブ・ドミネイション)”がついに開幕!ビートは期限内に7枚目の証明書を手に入れ、無事“赤の国”へと辿りつく事ができるのか!?(帯より引用)
(ウルトラジャンプ掲載)

2010年11月20日土曜日

ナポレオン 14巻 読了

ナポレオン 14巻 読了
~獅子の時代~ 長谷川哲也/著 少年画報社/刊 20101113初版543円 YKコミックス
 下町のナポレオンと云えば、はあ、どうでもよろしい。拙者焼酎は体に合わず、飲むと腹が下るでゴザル。でも梅酒はいくら飲んでも大丈夫。不思議ですねぇ。
 アフリカ遠征中のナポレオンの戦術的失敗であるアクル攻城戦を中心に描く14巻。戦略的にはアクルを蹂躙できなくとも問題なかったらしいですが、どうしてそうなるのかは分りませんでした。
 アフリカのイスラム教徒達を無慈悲にもひたすら殺しまくるフランス軍を描いています。ただこの1700年代においてもローマ帝国崩壊後北アフリカから海賊達が地中海のイタリアを中心に南フランスやスペインを襲っており、男も女も攫っては奴隷にしています。ですからコルシカ島出身のナポレオンがイスラム教徒に対し憎悪を持っても中立的意識や好意的な感情を持っているとは到底考えられません。それどころか一千年に渡る恨み辛みを今こそ晴らしてやろうとばかりに、殺しまくったのではないでしょうか?いわんや地中海沿岸出身の一般兵士や下士官にいたっては、喜び勇んでナポレオンの命令に従ったことでしょう。知識から得た拙者の想像に過ぎませんが。
 そんなキリスト教圏とイスラム教圏の人々が現代においても反駁しあうのは致し方ないことかと思われます。現代において調停役を買えるのは、世界史に関係していない唯一の先進国である日本しか無いと思いますが、各国間の利害関係を調整し政治工作を施すほど日本が国際関係に馴れているとは考えられず。また、先進国以外の国々の頭の中は未だ19世紀とか18世紀と変わりないことは東アジアの隣国を見れば分る通り。後進国をなだめすかせるには理論や利益誘導とは別に、使う使わないは別にして暴力を前提に会話せねばなりません。約束破ったらお前ら皆殺し、が国同士の契約です。そんな野蛮な、と思うかもしれませんが、これが野蛮と云えるのは日本国内に居る人だけでしょう。話が脇に逸れすぎました。
 漢達の野望をそしてロマンを描く「ナポレオン~獅子の時代~」、次巻はいよいよナポレオンにとってのルビコン川を渡ることになるのか!?
(ヤングキングアワーズ掲載)


2010年11月19日金曜日

ねこむすめ道草日記 5巻 読了

ねこむすめ道草日記 5巻 読了
いけ/著 徳間書店/刊 20101201初版590円 RYU COMICS

 TVアニメ「神のみそ知るセカイ」第7話 Shining Star 視聴。「神のみぞ知るセカイ」はギャルゲーに命を懸けている主人公・桂木桂馬が、神からのメールを受信しクエストの契約の返信をしてしまう。神との契約の内容は、現実の少女達の心の隙間に入り込んだ悪霊“駆け魂(カケダマ)”を捕まえることだった。監視兼助手として送り込まれたエリュシアの力を借り、少女達の心の隙間を埋める為ギャルゲーで培った知識を駆使するのであった。
 アイドル少女“中川かのん”の心の隙間を埋めるため、彼女に近づく主人公。中川かのんは己に自信を持てず存在感が薄いのではないかと思い込み、透明人間と化す力を持つようになっていた。5話6話と続き7話目が中川かのん編の完結。冒頭、デビュー当時3人組だったの中川かのんは、かつて3人でコンサートを開き武道館を満員にする夢を語り合っていた。そして3人が道端で自分達のデビュー曲をアカペラで歌うシーンへ。楽器の音に負けている歌が多い昨今、あえて“声”だけで歌わせた監督高柳滋仁と脚本家倉田英之に大賛辞を送りたい。そして歌う声優達にも拍手。
 物語は進み、中川かのんは武道館でのソロ・コンサート直前に自信を無くし控え室から逃走。主人公の尽力で自信を取り戻しコンサートは無事に開かれるわけですが、はっきり云って第7話は主人公の影は薄く、アイドル中川かのんのコンサート・シーンをじっくり魅せる話でした。監督の趣味なのか脚本家のやりたかったことなのか、かつてアイドルにカリスマがあったころの残滓を感じさせる、おそらく今季放送の「神のみぞ知るセカイ」の中で屈指の演出となったことでしょう。
 マクロスがクリーミーマミが目指し、愛してナイトやヨッキュンが、そしてかんなぎのオープニングがもしかしたら一番エキスを充実したであろう、アニメで描こうとして描ききれなかった歌謡曲の世界が、この「神のみぞ知るセカイ」で描き切られようとは!倉田英之屈指の脚本ではないでしょうか。
 かつてアイドルに憧れた世代が制作するアニメやゲームの中にしかアイドルが存在できなくなった21世紀に乾杯。
 
 さて「ねこむすめ」の話。
 中扉の赤鬼に抱えられた黒菜の絵が、なんだか『こどものとも』に少女と鬼の表紙の絵本があったような気がします。赤毛のおんなの子。なんだったっけかなぁ、想い出せん。
 小さな町で生きる人々と妖怪たち。親和性の高い子ども達とも仲良くなり、古くからの妖怪達とともに、都市伝説から生じる新たな妖怪達も増え、日々が過ぎていくのでありました。
 お堂を住処にし、人間に誘われお神楽へ遊びに行く。他国の化物達は神聖な場所を嫌うものなのですが、日本の化物は気にしていないのか、柳田國男が唱えるように剥落した神々なのでしょうか。おそらく、善悪二元論で語るものではなく、光と闇の違いはあっても世界の一部であることに代わりは無いと云う事なのでしょう。
 カッパのイケノはゲコゲコ云っていたら、体色と相まってカエルと区別がつかないジョ。まあキャラを立てるためのギミックではあるんですけどね。
 ボーナスト・ラックはシークレットを含めると4本入っています。
 とらのあなではカラーイラスト付き。
 
 内容紹介:春~夏へ季節は移り…妖怪たちの日々はゆるゆると巡っていきます――。さりげなく描き下ろしマンガ3本入ってます♪(アマゾンより引用)
(COMICリュウ掲載)

2010年11月18日木曜日

D-悪夢村 読了

D-悪夢村 読了
~吸血鬼ハンター22~ 菊池秀行/著 朝日新聞社/刊 20100930第1刷560円 朝日文庫ソノラマセレクション
 新聞によると拙者の地域の日出は6:21分。拙者は低血圧で毎朝風呂に入って暖気しないと動けないので6時には風呂に入っています。夏場ならシャワーでも良いんですが、こう寒くなると湯船に入らないと体が温まりません。風呂を沸かす時間も日に日に増しています。
 ♪朝寝・朝酒・朝湯が大好きで、そーれで身上潰~ぶした。と小原庄助さんは謡われています。昔は井戸や川から桶で水を運び薪で湯を沸かしました。それに費やす労働力はバカになりません。それに照明手段も蝋燭か油、もしくは囲炉裏であった当時、光を得るための燃料代のコストがバカ高くつくので、お金の無駄遣いを無くすには太陽が出たら働いて沈んだら寝る生活をしなければなりません。そんな時代に朝から湯に入ったり酒を飲んでいたらお金が出て行くばっかりで、入ってきやしません。小原庄助さんって結構良いご身分だったんじゃないんですか?人の上に立つには使われる人の倍働かねばならないのは今も昔も同じです。物持ち金持ちは者も物も自分で管理監督しなければ、人は働かないし物は無くなっていきます。朝寝ていたら管理できませんから。まあ、身上潰れますわな。小原庄助さんは福島県の人らしいですが、因みに拙者が知っている岡山の庄屋の家に、家主は早起きをしろと云う代々伝わる歌があるそうです。早起きしないとスズメが蔵からお米を運び出すんだそうです。で、その家族には口伝でスズメとは一家以外の他人の事だと。庄屋は江戸時代においては一企業と同じであり、それでいて幕府や藩の御用を務める役所の一端でもありました。庄屋の蔵には年貢もあれば家の蓄えもあり、それら公私の管理をしなければならなかったと云う事です。
 朝湯は入れるし、夜しか自宅にいないけど、電気代は毎月千数百円しかかからないし、拙者は現代に生まれ育って本当に良かったとつくづく思いますね。
 ちょっと話がずれましたが、本来朝寝朝酒朝湯をしていれば家が潰れるのですが、朝寝朝酒朝湯を満喫する人々がいました。所謂西洋の貴族達や日本の平安時代の貴族達です。庶民には高くて手が出ない蝋燭や灯明をふんだんに使い、日夜宴会を開く。夜宴会をするのですから、朝早く起きれるわけもないわけです。しかもその照明代も宴会費もすべて領民の税から出ているのですから、領民にとってはたまったものではありますまい。オラ達の血税を吸い上げる鬼ども、この“吸血鬼”めら!と云ったかどうだかわかりませんが、数多くの妖怪・モンスター・化物達がより自然的存在なのに対し、吸血鬼は人間的高貴さを身にまといます。このイメージはブラム・ストーカー以後の事であるのは明白で、文学よりも映像として流布された感がありますが、何故世界中の人々に受け入れられるに至ったのか?を考えると、どこの地域の人々も“そんなもんだよな”と共通のイメージがあったのではないでしょうか。広辞苑の「吸血鬼」の項目を見ると②他人を搾取するなど、むごい人。と書かれていますので、拙者の独りよがりな考え方だけでもあるまいと思う次第。

 高度に発達した現代文明以後地球の支配者となったのは吸血鬼“貴族”達であった。以後吸血鬼達は1万数千年に渡り地球に君臨し宇宙を支配し次元を超えたが、その絶頂期は過去のものとなり衰退をはじめる。地上から貴族達の姿は消え人類が地球の支配者に戻ったかのように見えたが、辺境の各地には貴族達の遺伝子操作や度重なる実験の果て伝説の魔獣もかくやと思われる魑魅魍魎が跋扈し人間達を襲っていた。そして、未だ己が種族の栄華を忘れられない貴族や、一度は着いた永久の眠りから目覚めてしまった貴族が、食料たる人類に牙を向く事があった。普通の人々には抗えぬ力を持つ“貴族”に対抗する為に、超戦闘力を備えた“ハンター”を雇うのであった。史上最強の知恵と力を備える“貴族”を専門に狩るハンター、「吸血鬼(バンパイア)ハンター」を!
 えー、吸血鬼(バンパイア)ハンターDも22巻目です。最早人々から依頼が無くとも吸血鬼狩りを趣味で行う人になっています。必殺仕事人が金で働くハードボイルドな殺し屋から、何時の間にか人情話に変ってしまったような、そんな感じがします。“D”もいったい何処から現れるのだか、貴族に襲われ難儀をしている人々の前に、突然劇的に登場して、敵も見方も美貌の虜にした挙句皆殺しにし、生存者数人に微笑んで去って行く通り魔!?になっていませんか?確かに伝説のハンターですわ。
 “D”の出生の秘密が、ほんの僅かですが少しづつ滲み出ているようです。著者菊池秀行も書くたびに思い付くのではないでしょうか。しかも親の影を追いかけているようでいるので、最終回は「私がお前の父だ!」「ノーッ!!」とか演出してくれるのだろうか、なんて考えていましたが、最早親父は居ないんじゃないかみたいな事を匂わせはじめました。もしかしてアヤフヤのままで終わろうとしているのでは?栗本薫のように、命有る限り書き続けるけど、途中で終わったらゴメンで済ませて、みたいナ。

 内容紹介:山津波で宿を追われた旅人たちが辿り着いた村は、かつて貴族と外宇宙生命体とが死闘を繰り広げた古戦場であった。過去を留めたまま眠りについていた村は、旅人を迎え、突如、血を求めて目覚めた。そして雨に煙る村に不気味な人影が現われるや、旅人は音もなく消えていく。パニックが頂点に達した時、Dが現われた。圧倒的な人気を誇る〈吸血鬼ハンター〉シリーズ、書き下ろし最新刊、第22弾登場。
 内容(「BOOK」データベースより):山津波で宿を追われた旅人たちが辿り着いた丘の上の村は、かつて貴族と外宇宙生命体とが死闘を繰り広げた古戦場であり、“神祖”が作った実験場に隣接していた。過去を留めたまま眠りについていた村と貴族の城塞は、旅人を迎えて突如目覚め、村にOSBを素材にした合成生命体が徘徊しはじめる。一行のパニックが頂点に達した時、Dが現われた。圧倒的な人気を誇る“吸血鬼ハンター”シリーズ、書き下ろし最新刊。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):菊地 秀行 1949年、千葉県に生まれる。青山学院大学卒業。1982年「魔界都市“新宿”」でデビュー後、精力的に執筆。日本推理作家協会会員。SF・ホラー映画愛好家としても有名である(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)