木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影
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2021年10月11日月曜日

白河市歴史民俗資料館

 白河市歴史民俗資料館に入る


 「手打ちラーメン 雅」の隣に建つ「白河市歴史民俗資料館」(無料)に入る。

 小ぢんまりとして昭和時代を思い出す屋内が懐かしさを感じる。

 展示が今流行りとは程遠い、ガラス越しの展示オンリーなのも懐かしさを覚える。

 写真は「人面付弥生土器」。石ノ森章太郎を彷彿させる目の描き方が良い。「福島県指定重
要文化財」になるのもむべなるかな。

2020年1月6日月曜日

応仁の乱 読了

応仁の乱 読了
~戦国時代を生んだ大乱~ 呉座勇一/著 中央公論社/刊 20161025初版2017030513版900円 中公新書
 読むのに時間がかかった。拙者の場合、読むのに時間がかかるのは理解が及ばない事が多いが、今回は面白かった割りに時間がかかった。人物名が読み辛いし似た名が多い。しかも敵味方に分かれて戦っているので、東西陣営に似たような名が乱立して訳が分からなくなってくる。赤松だけは分かりやすかったが。
 さて、応仁の乱を視覚的に楽しめるとしたらば、現在連載中のマンガ「新九郎、奔る!」ゆうきまさみ/著 小学館/刊ではなかろうか。伊勢新九郎、後の北条早雲が少年だった時が正に応仁の乱真っ最中。マンガの連載が始まったのが本書刊行後だから、明らかに本書の影響を受けているであろう印象を受けるが、NHK大河ドラマで武将を扱う際に意外と父母から描くように、子ども時代を丹念に描いている。パトレイバーにしてもバーディーにしても、人物背景を詳しく描き過ぎるのがゆうきまさみの特徴なのかもしれない。北条早雲と云えば司馬遼太郎の「箱根の坂」が有名であるが、流石に少年時代を描いてはいない。それでも前半生をジックリと書いている。単に史実が無いから書きやすかったのかもしれない。
 本書にも書かれているが、応仁の乱以後は戦国武将達が勢力を伸ばして来るので、太平記武将の末裔が活躍する最後の大戦乱のはず。
 信長の野望が好きであれば、何故織田信長が活躍時代が生まれたのか、その萌芽としての時代背景として大いに楽しめる事であろう。
(以下アマゾンより引用)
 内容紹介:室町後期、京都を戦場に繰り広げられた内乱は、なぜあれほど長期化したのか。気鋭の研究者が戦国乱世の扉を開いた大事件を読み解く。

【目次】
はじめに
第一章 畿内の火薬庫、大和
1 興福寺と大和 / 2 動乱の大和 / 3 経覚の栄光と没落
第二章 応仁の乱への道
1 戦う経覚 / 2 畠山氏の分裂 / 3 諸大名の合従連衡
第三章 大乱勃発
1 クーデターの応酬 / 2 短期決戦戦略の破綻 / 3 戦法の変化
第四章 応仁の乱と興福寺
1 寺務経覚の献身 / 2 越前の状況 / 3 経覚と尋尊 / 4 乱中の遊芸
第五章 衆徒・国民の苦闘
1 中世都市奈良 / 2 大乱の転換点 / 3 古市胤栄の悲劇
第六章 大乱終結
1 厭戦気分の蔓延 / 2 うやむやの終戦 / 3 それからの大和
第七章 乱後の室町幕府
1 幕府政治の再建 / 2 細川政元と山城国一揆 / 3 孤立する将軍 / 4 室町幕府の落日
終章 応仁の乱が残したもの
主要参考文献
あとがき
関係略年表
人名索引

 内容(「BOOK」データベースより)室町幕府はなぜ自壊したのか―室町後期、諸大名が東西両軍に分かれ、京都市街を主戦場として戦った応仁の乱(一四六七~七七)。細川勝元、山名宗全という時の実力者の対立に、将軍後継問題や管領家畠山・斯波両氏の家督争いが絡んで起きたとされる。戦国乱世の序曲とも評されるが、高い知名度とは対照的に、実態は十分知られていない。いかなる原因で勃発し、どう終結に至ったか。なぜあれほど長期化したのか―。日本史上屈指の大乱を読み解く意欲作。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)呉座/勇一:1980年(昭和55年)、東京都に生まれる。東京大学文学部卒業。同大学大学院人文社会系研究科博士課程単位取得退学。博士(文学)。専攻は日本中世史。現在、国際日本文化研究センター助教。『戦争の日本中世史』で角川財団学芸賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2019年8月20日火曜日

撤退戦の研究 読了

撤退戦の研究 読了

~繰り返されてきた失敗の本質とは~ 半藤一利・江坂彰/著 青春出版/刊 20150715第1刷1000円 青春新書INTELLIGENCE
 『撤退戦の研究』(二〇〇〇年六月光文社・カッパブックス。文庫版『日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか』二〇〇六年八月光文社・知恵の森文庫)を復刊にあたって加筆修正したもの。
 撤退戦の研究とかっこよく書かれているが、撤退戦を具体的に何を準備してどうしろとは書かれていない。書かれているのは負けた旧帝国陸海軍へ対する恨み節だ。大略に関しては読んでいてなるほどと納得の行く点ばかりであるが、枝葉末節において、ミリタリーは知らないのではないかと思わざるを得ない。対米戦に突入してもなを三八歩兵銃を使い続けたのは弾の在庫が豊富にあったせいだと書かれていたり、零戦の試作機を飛行場へ引っ張っていったのは牛馬であったとか、事実その通りなのであるが、実は九九歩兵銃よりも三八歩兵銃の方が戦場では役にたったらしいとか、何から何まで機械化しつくして軍から牛馬を無くしたのは唯一米軍だけだったことを理解した上での発言なのだろうかと考える。対米戦において無知蒙昧な帝国陸軍であったが、対ソ対中情報戦ではかなり正確な情報をつかんでいたっぽい。どの話も当ブログで紹介した本に書かれていた事だ。
 まあ、何がどうやったって第二次世界大戦時に日本には大戦略を描ける人材がおらず、また政にも軍にも大戦略家を起用できるだけの篤志家もいなかった点においては誰もが一致するのではなかろうか。
 今後の日本は経済的にも撤退戦だと書かれている。拙者的にはもはや企業は国に寄って立つことなく、世界市民として世界に打って出る必要があると思うのだが、二人の著者によるとそうではないらしい。
(以下アマゾンより引用)
 内容紹介:戦後70年の今、あえて問い直す──日本人はあの戦争に「何を」置き忘れてしまったのか!情報を軽視し、成功体験を追いかけ、撤退のタイミングを見誤る…繰り返される失敗の本質を浮かび上がらせ、21世紀を生きる私たちに大いなる示唆を投げかける渾身の対談書。同名の名著に新たに加筆の上、リニューアル復刊!
 内容(「BOOK」データベースより)戦後70年、あえて問い直す―日本人は「何を」置き忘れてしまったのか!現代を生きる私たちにとっての「あの戦争」とは。
 著者について 半藤一利:1930年、東京生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを歴任。主な著書に『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(文藝春秋、山本七平賞)、『昭和史』(平凡社、毎日出版文化賞特別賞)などがある。
 江坂 彰:1936年、京都生まれ。作家兼経営評論家。京都大学文学部卒業後、東急エージェンシー本社マーケティング局長、関西支店長を経て、独立。『冬の火花』(文藝春秋)でデビュー。主な著書に『わが座右の「徒然草」』(PHP研究所)、『新・和魂和才』(NTT出版)などがある。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)半藤/一利:1930年、東京生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを歴任。主な著書に『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(文藝春秋、山本七平賞)、『昭和史』(平凡社、毎日出版文化賞特別賞)などがある
 江坂/彰:1936年、京都生まれ。作家兼経営評論家。京都大学文学部卒業後、東急エージェンシー本社マーケティング局長、関西支店長を経て、独立。『冬の火花』(文藝春秋)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2019年7月19日金曜日

自治体コンプライアンスの基礎 読了

自治体コンプライアンスの基礎 読了
 岡田博史/著 北村喜宣・山口道昭・出石稔/編 有斐閣/刊 20170929初版2600円 地方自治・実務入門シリーズ
 自治体職員による自治体職員向けの専門書。
 昨今コンプライアンスと云われ、各自治体もそれなりに取り組んではいるが、多くの職員に浸透しているかと云われると、実はそんなことはない。コンプライアンスに限らず、法は守って尊ぶものではなく、道具として如何に活用するかが本書の主眼になっていると思われる。
 コンプライアンスは極端な話、各人の生活マナーの延長であって、遅刻をするな、ネットを見るな、犯罪に手を染めるな、等と云うのを保育園の先生ではあるまいし、社会人にいちいち説くのは間違っていると思うが、それは一般論であって、今の時代文字通り箸の持ち方から教えないと、役に立たない新人職員が多数存在する。「自律」云々はその後の話になってしまうのだ。
 そしてコンプライアンスの肝の一つは、根拠は法におく点。案外、慣習や惰性で仕事をこなしており、外部からの指摘を受けて初めて根拠について考えるケースが多々ある。ルールが多くなると不便なのだが、己を守るためにもルール作りが必要であり、そのルールを守り運用するためには常に周りの人々と確認し合う必要が生じる。その為の話し合いをするためにコンプライアンスと云う制度が必要とされているのだろう。
(以下アマゾンより引用)
 内容紹介:自治体職員必読の一冊。自治体職員にとってのコンプライアンスとは何か。また,いかにしてそれを実践するか。ことわざを用いて大枠のイメージを示すとともに,具体例を豊富に紹介することで自治体実務に役立つ知識をわかりやすく提供する。現役職員,地方公務員を目指す学生必携の書。
 内容(「BOOK」データベースより)自治体職員に求められるコンプライアンスとは。著者の長年にわたる経験に裏打ちされたコンプライアンスの理論と実践の最前線を解説。自治体職員にとって判断と行動の基礎となるコンプライアンスを学ぶ必読書。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)岡田/博史:1966年生まれ。1990年京都大学法学部卒業、松下電器産業株式会社入社。1992年京都市役所入庁。2009年行財政局コンプライアンス推進室副室長。2013年行財政局総務部法制課長。2017年より行財政局資産活用推進室長
 北村/喜宣:上智大学法学部教授
 山口/道昭:立正大学法学部教授
 出石/稔 :関東学院大学法学部教授
(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2019年7月18日木曜日

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史 読了

コバルト文庫で辿る少女小説変遷史 読了
嵯峨景子/著 彩流社/刊 20161230初版1800円
 少女小説の定義から始まる、お堅い本。拙者も流石にコバルト前史は知らないが、前史の作家達の名は見たことがある。コバルト以後はほぼ拙者の読書遍歴と重なるので懐かしさを覚えつつ読み勧めるが、炎のミラージュ以後になると離れてしまい、仕事柄背表紙だけは見続けてきているから、なんとなく分かる程度になる。コバルト以外の講談社他の流れもだいたい分かっているが、シリーズの方針や浮沈について興味深く読んだ。
 ちなみに小林深雪はティーンズハートから青い鳥文庫へと移りつつも、ティーンズハートで書いていたシリーズを引き継がれ今も読まれ続けられている。著者の力量は言わずものがな、出版社が講談社だったからこそできたとも云えるだろう。
 拙者の場合コバルト文庫シリーズだから手に取ったのではなく、古くは新井素子から、昨今では高殿円(最早ライトノベルは書いていないが)まで著者で読んでいた。人としての生き様や面白さを追求された作品であれば性差は関係無いと云うのが拙者のスタンスなのである。それでも時代により流行り廃りがあるわけで、個人的嗜好も大なり小なり"時代"に影響されてしまう。
 日本においてはジャンルが細分化されており、活字であっても男女の性差がくっきりと区分され、コバルト文庫シリーズを手にしていない男性が大勢存在するのもまた事実であろう。
 ライトノベルを総括した資料が無い現在、ヤングアダルトモノとして男女共に最長を誇るコバルト文庫シリーズを総括した本書は、日本のハイティーンをターゲットにした小説群の総括とも云えるのではないだろうか。
(以下アマゾンより引用)
 内容紹介
 帯文は新井素子先生!
 常に少女たちの「居場所」となり、「読者」と共に歩み続ける「Cobalt」/コバルト文庫。そんな「コバルト」を追うからこそ見える少女小説史! 雑誌「Cobalt」の前身である『小説ジュニア』から、Web マガジンCobaltまでの時代を追い、各時代の読者と「少女小説」の移り変わりを徹底追跡。学校読書調査や雑誌の読者投稿なども引用し、時代のリアルな空気も読み取れます。80年代のコバルト読者からライトノベル世代の中高生まで、幅広い世代に楽しんでもらえる一冊です。

【目次】

第1章 『小説ジュニア』から『Cobalt』へ
1 少女小説前史――戦前期から戦後概略
2 一九六〇年代のジュニア小説とその書き手たち
3 氷室冴子の登場と若手作家たちの活躍
4 『小説ジュニア』から『Cobalt』への転換
第2章 一九八〇年代と少女小説ブーム
1 『Cobalt』とコバルト文庫にみる少女小説家プロモーション
2 講談社X文庫ティーンズハートの創刊と読者層の拡張
3 拡大する少女小説マーケット
4 学園ラブコメからファンタジーへ コバルト文庫の新たな世代の書き手たち
第3章 ファンタジーの隆盛と多様化する九〇年代
1 ファンタジー小説の流行
2 少女小説レーベルのなかのBL
3 九〇年代の世相と少女小説の動向
4 九〇年代的コバルト読者共同体
第4章 二〇〇〇年代半ばまでの少女小説
1 角川ビーンズ文庫の創刊とその躍進
2 『マリア様がみてる』と『伯爵と妖精』 ゼロ年代前半のコバルト文庫とヒット作
3 少女小説における学園小説の衰退と読者層の変化
第5章 2006年から現在までの少女小説
1 二〇〇六年前後の少女小説レーベルの再編成
2 少女小説ジャンルのなかの「姫嫁」作品の増加
3 ネット発コンテンツと少女小説 ボカロ小説とウェブ小説の動向
4 ライト文芸と少女小説
5 少女小説の未来へ

付録
「コバルト」と各レーベル刊行時期の比較
コバルト50年史
コバルト・ノベル大賞受賞者一覧
 内容(「BOOK」データベースより)『小説ジュニア』から40周年記念まで。「コバルト50年史」チャート!ティーンズハートやビーンズ文庫も!少女小説レーベルの歴史が一目でわかる「各レーベル刊行時期の比較」チャート付き!「読者投稿欄」にも言及。
 著者について:嵯峨/景子 1979年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専門は社会学、文化研究。現在明治学院大学非常勤講師、文化学園大学文化ファッション研究機構共同研究員。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)嵯峨/景子:1979年生まれ。東京大学大学院学際情報学府博士課程単位取得退学。専門は社会学、文化研究。現在明治学院大学非常勤講師、文化学園大学文化ファッション研究機構共同研究員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

2011年8月27日土曜日

まおゆう魔王勇者 2巻 読了


まおゆう魔王勇者 2巻 読了
~忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀~ 橙乃ままれ/著 エンターブレイン/刊 20110214初版1200円
 数々の薀蓄を披露している「まおゆう」ですが、図書館(日本の)関しての知識は生兵法だったようです。NDC(日本十進分類法)において「300」と表示してあった場合の読みは「サンルイ(3類)」であって「300番」ではありません。「310」は「サンルイ イチモク(3類1目)」で、図書館業界の人は「サン イチ」と呼びます(方言有り)。(59p)
 NDC規則に書いてあります。NDC規則は公立図書館・学校図書館には必ず置いてあり、また大抵の学校図書館に置いてあるであろう、子ども向け図書館案内の図書にも掲載されています。図書館の一族を名乗る“魔王”ですら大半の公立図書館が根拠としている図書資料の並べ方を知らぬとは…。公立図書館のアピールが足りないのか、公立図書館を利用している人が少ないのか、まあ大学で図書館学のコースをとらねば普通は知らないですけどね。因みに国立国会図書館はNDCを使用しておりません。
 しかし、間違いを指摘するフォロアーと編集が居なかったのは不思議。人材が少ないのでしょう。些細な事ではありますが、2版以降には訂正してもらいたいものです。
 
 個人の意識の変革が国を変え時代を変えて行くコンセプトが同じせいか「ご主人様は山猫姫」と似たような経緯を辿りますなぁ。戦争は外交の一部である、と云う有名な一節がやっと浸透してきたとも考えられます。魁は「銀河英雄伝説」でしょうか、それともシュミレーションのビデオ・ゲームが呼び水となっているのかな?
 著者橙乃ままれはもしかして演劇関係出身なのでしょうか?それとも演劇が好きな人なのか、出来のよい脚本を読んでいるよりも小説っぽくアレンジされているのが不思議です。番外編でCDドラマを出してもらえないものでしょうか。拙者の脳内変換では「ラムネ&40」か「宇宙英雄物語」的配役になっていますぞ。

 内容紹介:「まおゆう」の第2巻が早くも登場!話題沸騰の「まおゆう」。書籍化にあたりトップクリエーターが集結し、「もっと面白く、もっと読みやすく、もっとわかりやすく」を合言葉に、総監修、桝田省治氏の指揮のもと「まおゆう」の魅力を最大限に引き出しました!著者の橙乃ままれ氏自身による加筆修正でさらに面白く、文章が横組から縦組になってさらに読みやすく、水玉螢之丞氏のキャラクター原案とtoi8氏のイラストで登場人物たちがさらに輝き、山北篤氏・細江ひろみ氏による脚注で、経済用語や難しい単語もわかりやすくなりました。さらに、SF界の重鎮、笹本祐一氏、新城カズマ氏による対談を付録として収録! おふたりが鋭く「まおゆう」の世界を斬り込みます。
 内容(「BOOK」データベースより):魔王、魔界の族長たちを緊急招集。モテモテ勇者になんと第三の女。青年商人が仕掛けるマネー戦争、もうひとつの戦い。ついに中央vs南部開戦か!?大ピンチに新たなヒーロー登場。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 橙乃 ままれ:東京墨東下町生息。00年くらいからインターネットで文章を書く生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 1巻目紹介:2011年3月14日月曜日
 http://akamaty.blogspot.com/2011/03/blog-post_14.html

2011年8月17日水曜日

機動戦士ガンダムUC 8巻 読了


機動戦士ガンダムUC 8巻 読了
宇宙と惑星と~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20090425初版660円 角川コミックス・エース
 ネオ・ジオンはフル・フロンタル派とミネバ・ザビ派に袂を分かつ。“ラプラスの箱”を確保するべく軍令を無視しロンド・ベル隊司令ブライトの命により独自に行動を開始するネェル・アーガマのオットー艦長。一方連邦軍はアナハイム社の要請によりネェル・アーガマ追跡部隊を結成。アナハイム社はオットーとガンダム・ユニコーン2番機バンシィを送り込む。そしてバンシィのパイロットは…。ビスト財団クーテタの首謀者にしてアナハイム社の幹部であるマーサ・ビスト・カーバインの圧力に屈した地球連邦議員ローナン・マーセナスは、ジャーナリズムによりマーサの牽制を試みるべくフリーのジャーナリストを呼び寄せる。二転三転の状況は混迷を極め、ユニコーンを父から託されたバナージとジオンの末裔ミネバ・ザビを過酷な現実の渦中へと放り込む。悩み苦しみながらゴルディアスの結び目と化した過去を乗り越え、二人は希望の明日へと向かう事が出来るのか!?
 絶望とか希望とか一言だと楽なのですが、個々人にとってどうかとなると、ケーズバイケーズで一人ずつ異なります。その個々に異なる部分をドラマとして描きながら、全体として一つの物語にしていくには“物語る技術”が必要になると思います。著者福井晴敏と技術と才能たるや、本作を読んで刮目すべし。
 読んでいてついつい「バナージ頑張れ!」って声援を挙げたくなってしまいました。
 アムロが助けに来てくれないかなぁ。でなかったらカミーユあたり。

 内容紹介:所属を超え、怨讐を乗り越え、ついに強襲揚陸艦《ネェル・アーガマ》へと集った運命の人々、それは《ユニコーン》が示した希望が導いた奇跡(ヒカリ)であった。事態の決着へ向けて、バナージたちは最後の探索を開始する。しかしその最中、共有したと信じた希望は、もっとも残酷な形で裏切られることとなる。突き付けられる現実。そして囁かされる可能性を否定する言葉、可能性(ニュータイプ)では人の心を変革することはできないのか―――!?ガンダムサーガ最新作。人の宿業と対峙する第8巻!(カバー裏表紙より引用)
(ガンダムエース掲載)

コミケ申込を出社途中で投函しようとして忘却。帰宅して思い出し、ポストでは消印が間に合わなくなるので本局深夜窓口に投函。一応出したということで…。

2011年8月14日日曜日

ご主人様は山猫姫 8巻 読了


ご主人様は山猫姫 8巻 読了
北域覇王編~ 鷹見一幸/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110810初版570円 電撃文庫

 濡らしてしまった。己の“汗”で。まるで図書館によくおいてあるペコペコの本のように。2011年夏コミも三日目、漢祭の日です。本日電車の中で読んでいたのが山猫姫の8巻。
 昨年の夏コミ、使い古したリュックを使用していたせいか中の同人誌の端が濡れてしまう事件がありました。今回新品のリュックを背負ったのにも同じ様に濡れ、そればかりではなく、まるで真夏の雨天時に合羽を着て十キロ全力疾走したが如く体中が己の汗で上も下も濡れまくり、購入した本を小脇に抱えているだけで湿気を帯びてしまう末期的症状となってしまいました。一昨年までそんなことなかったのになぁ。何がどうしたんだか。
 帝國の北方と南方で生じた反乱は燎原の火の如く燃え広がり、硬直化した官僚体制が本来であれば何事も無く治まるはずの歯車を錆びさせ消火出来ずに右往左往していた。革命の物語でもなく、体制維持の物語でもない、先行きの見えない現代社会において、若者達に贈る応援歌。 北方で尊皇討奸を旗印に無私の心で立ち上がる主人公と、主人公に感化され旗の下に集まる人々。より良き世の中を作るとはどう云う事なのかを問う物語。主人公達とは接点を持たず反乱を起こした南方戦線の状況も切迫し、今後どうストーリーが絡まっていくのかも愉しみです。

 震災の影響で入場者数は減りましたか?と仕事中の知人からメールの問い合わせがありました。例年通り混雑していたと思います。でも朝の入場行列待ちがほとんど無く突入できたのは、人数が減ったせいかもしれません。10時数分に国際展示場到着。いつもの通りドトールでコーヒーとサンドを食べてからビックサイト正面ゲートへの入場待機列に並びました。ものの数十分で動き出したのにはビックリ。山猫姫を読んでいる暇がありませんでした。
 買って買って買いまくり、15時過ぎには撤収。購入するための鉄則は10時から11時に人気サークルは並ばねばだめだと云う事でしょう。ただ、最近拙者の嗜好とコミケ全体の平均嗜好がズレているらしく、以前に比べると容易に買える様になってきたし、以前の“壁”が“島”になろことも多くなりました。
 来週のコミティアへ行くかどうか思案中。

 内容(「BOOK」データベースより):南域の乱鎮圧に苦慮する帝国中央をよそに、北域の晴凛の勢いは止まらない。各地の有力者たちの来訪は後を絶たず、その権勢はまさに「北域王」と呼ぶにふさわしいものであった。私生活では、相変わらず「嫁」と「妻」に振り回される純情ぶりではあるが。その晴凛の活躍に目を留めたシムールのエオル王は、ついに決断する。シムールの未来を託し、晴凛と同盟を結ぼうというのだ。だが、シムールが帝国人と交わるのは前代未聞のこと。もし同盟締結となれば北域の覇権は決したといってもよいのだが、それをよく思わぬ勢力が暗躍を始め!?大人気シリーズ、第8弾。(アマゾンより引用)

2011年8月13日土曜日

戦塵外史 6巻完結 読了


戦塵外史 6巻完結 読了
~双帝興亡記~ 花田一三六/著 ソフトバンク クリエイティブ/刊 20110831初版750円 GA文庫

 まだ最終日のチェックが終わらん。
 本日は短時間しか居なかったのに体力的にも精神的にも疲労が甚だしい。
 疲れがピークに達した時、自販機に120円飲まれた。これはもう帰れというお告げだろうと思って切り上げる。やはり歳なのだろうか。ちょっと前まで飲まず食わずで一日中ほっつき歩いていたと云うのに。

 行き返りの車中で読んだ一冊「戦塵外史」。著者花田一三六のデビュー作にして出世作シリーズ。角川から出版社を替えての刊行。架空の大陸史を断片的に描いているのでネタは尽きないでしょうし、事実あとがきにもストーリーのストックはあると書いてありますが、一先ず筆をおくとのこと。少々残念な気も致しますが、著者花田一三六の作品はなんと云いますか、この「戦塵外史」のシリーズ以外売れている形跡が見えません。それどころか「戦塵外史」ですらもしかしたら初版止まりなのかもしれません。となれば近いうちに復活の可能性もなきにしもあらずと云った所でしょうか。
 架空の歴史ながら、架空歴史だからこそ、史伝や列伝的エッセンスの粋が凝縮しているような上質な読み応えなうを感じさせてもらえます。中国史や西洋史そして日本史にそれぞれのモデルとなった人物やエピソードもあるのでしょうが、「野を馳せる風のごとく」の主人公があまりにも前田慶次に似ている事を除けば、元ネタが気になるような事はありません。単に拙者が無知なのでしょう。
 最強の手札“ジョーカー”。文字通りの“トリックスター”として描かれています。極東幻影騎士団から流れてきたのかな?

 内容紹介:「この世は、ただ一夜(ひとよ)の夢」道化はそっと囁いた……。兄ヴァルキールと妹アイーシア。兄妹皇帝が織り成す峻烈で壮大な運命の物語!戦乱の大陸を舞台に、花田一三六の描く戦塵外史シリーズ、ここに堂々と完結!
 今日も道化の声が都の大路に響く。曰く、「この世は、ただ一夜(ひとよ)の夢」、と。兄の名はヴァルキール。ガゼルーン帝国皇帝である。妹の名はアイーシア。自身の兄に、北の最果てに放逐された前皇帝である。時にヴァルキール二十歳、アイーシア十八歳のことであった。このままヴァルキールが天下を握ると思われたが、狩る者は常に狩られる者でも ある。日々流転し紡がれていく運命の糸は、やがて二人のみならず、大陸全体を飲み込む巨大な潮流を形づくっていくのであった……。響くのは楽しげな道化の囁き。「よい夢を」戦塵外史シリーズ、堂々の最終巻!(アマゾンより引用)

2011年8月12日金曜日

機動戦士ガンダムUC 7巻 読了


機動戦士ガンダムUC 7巻 読了
黒いユニコーン~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20081226初版660円 角川コミックス・エース
 
 「状況に潰されるな。絶望を退ける勇気を持て、君が《ガンダム》のパイロット……ニュータイプであるなら」

 ビスト財団に囚われた主人公“バナージ・リンクス”とロンドベル部隊司令“ブライト・ノア”との一瞬の邂逅でではありましたが、ガンダム・シリーズを通して見れば、ブライトの言葉の重みに涙が零れました。
 本日コミケ初日です。会場の往復時の電車内で読んでました。りんかい線国際展示場駅構内にはガンダムUCOVAの広告が打ってありました。ブライト艦長の声は誰が演じるんでしょうね?このユニコーンに関しては是非とも鈴置さんにやって欲しかった。ブライト艦長のラオ商会との接触、デラーズフリート戦を髣髴させる基地攻防戦。アーケードゲーム「機動戦士ガンダム~戦場の絆~」に登場したと聞くザクⅠ・スナイパータイプの活躍。そしてアムロ、クワトロ=シャア、フォウの支援を受け宇宙へ還るカミーユを描いたZガンダム屈指の名場面に勝るとも劣らない空中モビルスーツ母艦ガルダ強襲戦と燃える展開、オールドファンの記憶を揺さ振る懐かしい場面のオマージュと読み応え最強!

 「《ユニコーンガンダム》は、伊達じゃない……!」

 カッコいい!!
 けど、このセリフの元ネタであるアムロは、ニューガンダムの開発に携わっているからこそ吐けるセリフであって、スペックどころかブラックボックスをただ動かしているバナージでは今一つ心に響かないですな。

 国際展示場駅前のサンクスは最早コンビニとは別物と化してますな。このままアキバ駅前に移設してもなんら違和感がありませんわ。
 本日は素晴らしい夏日となり、至る所で体調不良を起こした人々が倒れておりました。特に初日は女性の参加が多いので目だっていたのかもしれませんが、車椅子で救護所に運び込まれる男性とか、日陰に倒れこんでいたりと、人に迷惑をかけるくらいなら来るなと云いたいですな。万全の体調で挑んでも、途中で不良になる可能性大なわけですから。それとベビーカーで来場するなとも云いたい。子どもを連れて来るなとは云いませんが、出来ることなら物見遊山で幼児を連れてくるようなまねはしないでいただきたいものです。
 会場内では益々外国人(白人系)が目に付くようになりました。壁サークルスタッフにも混ざっていました。黒髪黒目のテレビクルーが移動してきたので何処のテレビ局だろうと注視したらレポーターらしい女性が中国語を話していました。会場内を移動していると結構中国語の話し声が聞こえてくるので、上野アメ横に出没している如何にもオノボリさん的観光客ではなく、来日経験が多いか長期滞在中の東洋人も多数紛れ込んでいると思われます。企業ブースでは白人男性が企業スタッフとしてビラ配りをしていました。
 14時には撤収してます。地元のターミナル駅前のアニメショップ屋を廻っていたら、中学生ぽい三人組の少女の一人が“今日からコミケなんだよ”“コミケって何?”“ほらさっき説明した同人誌って…”。脇から説明したくてウズウズしてしまいました。
 アニメショップでは本日配布の新刊同人誌が出回っています。買い洩らしチェックもしなければ。

 内容紹介:突如として現れ、バナージと《ユニコーンガンダム》を圧倒する黒い《ユニコーンガンダム》。果たしてその正体とは!? 福井晴敏が放つ、宇宙世紀最大の謎を巡るSF大河小説、風雲急を告げる第7弾!
 内容(「BOOK」データベースより):虜囚となったバナージを乗せた戦艦「ラー・カイラム」が寄港したトリントン基地に積年の妄執を決死の志へと変えたジオン残党軍が襲いかかる。混乱の中、ブライト艦長の言葉を胸に再び「ユニコーン」に乗り込んだバナージは、目の前で再び連れ去られたミネバを奪還するため、ついに大空へと飛翔する!黒き「ユニコーン」との対決が待つ高高度の戦場で、バナージがつかんだものとは―!?ガンダムサーガ最新作。激情天駆ける第7巻。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 福井 晴敏:1968年、東京都墨田区生まれ。1998年に『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)

2011年8月2日火曜日

六人の兇王子 4巻 読了


六人の兇王子 4巻 読了
~ヴァレージの都~ 荻野目悠樹/著 幻冬舎/刊 20110630第1刷900円 幻狼FANTASIA NOVELS
 
<魔将(ジェネラーレ・デッラ・モルテ)>・ギヴァは<兇王子(プリンチベ・グワイオ>である。
彼を改造した<家(ラ・ファミリア)>は、世界征服をたくらむ悪の秘密結社である。
<魔将>・ギヴァは、人間の自由のために<家>と戦うのだ!

と、云うわけで<家>は預言の成就を果たさんと世界を混沌へと導くべく、6人の兇王子を各地へと派遣する。しかし人の心を失わなかったギヴァは恋した人と人々を守ろうと、己の呪われた力をふるってしまう。かくして裏切り者のギヴァは共に育てられた5人の兇王子から命を狙われる事になるとになるのだった。
 1冊で他の兇王子を1人ずつ3人を倒した主人公は、過酷な<家>の中で唯一心を許し、兄とも慕う兇王子<教皇(ル・ミグリオーレ・ヴァスコヴァ)>・ヴァレージとの対峙を余儀なくされる。ヴァレージとの対決を避けようとするギヴァに対し、過酷かつ卑怯な罠を行く先々にかけて行く。
 著者荻野目悠樹の全作品に通じるんですが、何故かもうちょっとの所で“燃え”が足りないような気がします。唯一角川スニーカー文庫で展開した「双星記」で盛り上っていたのですが、何がどうしたのか途中で打ち切られてしまいました。どの作品も、緻密な設定とか、豊かな人物造型、そしてドラマチックな展開でありながら、微妙に肩透かしを喰らっているような、変な気分になるのはどうしてなのでしょうか?

 内容(「BOOK」データベースより):“兇王子”ヴァレージに囚われた愛するアンナ・マリアを救うため、実の兄とも慕った彼のいる都市ウムブリアに向かったギヴァ。しかし街では、悪魔が人々に憑依しているという風聞が市民たちの間に広まり、「悪魔狩り」がはじまっていた…。父母との悲しみの別れ、慕った兄との戦い―苦悩するギヴァは、戦乱の世を生き抜くことができるのか。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 荻野目 悠樹:東京都出身。横浜市立大学卒。1996年「シィンの毒」で集英社ロマン大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2011年7月29日金曜日

ミッドウェー戦記 読了


ミッドウェー戦記 読了
豊田穣/著 文芸春秋/刊 19730930第2刷600円
 世にファミコンが出る前夜、シュミレーションウォーゲームなるボードゲームが流行った瞬間がありました。六角形のマス目に戦車や飛行機や艦船や歩兵を並べて将棋のように戦いあうゲームです。ゲーム盤にコマを並べて手計算でやっていました。最近のパソコンゲームで近いのは「大戦略」です。と云うかシュミレーションウォーゲームをパソコンに移植したのが「大戦略」の始まりと云って過言ではないでしょう。その前時代はブラモデルを使って遊んでいたようですし、その祖形は司馬遼太郎の「坂の上の雲」で日本海軍が図上演習として行っていたシュミレーションとも云えるでしょう。ガンダムとかボトムズとかロボットものもありました。ナウシカのゲームに至っては手や足を動かすのに手計算で進めていたそうです。で、拙者は当時「航空母艦」と云う上級者向けのゲームを買ってもらいました。おもちゃ屋主催のシュミレーションゲーム大会で聞いたら、愛好家の大学生が一週間掛かりでも終わらないと云っていたシロモノでした。船を一隻ずつ操り、気象条件が毎時変更され、索敵機を一機ずつ飛ばして、敵を見つけ出し、飛行機を発進させて、敵艦を一隻ずつ攻撃するゲームです。これを全て手計算でやらねばならないんですよ。無理。めんどくさい。先ず相手プレイヤーを見つけるのは無理。その点パソコンゲームの「提督の決断」は手軽で面白い。結局拙者はメイン・シナリオである機動艦隊戦をやらずに今までしまってあります。全てのユニット(駒)を切り取っていません。死ぬまでに一度プレイしてみたものですが、その機動艦隊戦のメイン・シナリオが“ミッドウェー海戦”でした。
 双方合わせて百近い艦艇数、六百機を越す飛行機が戦う、史上最大の航空母艦同士の海上航空作戦です。有史以来複数の航空母艦同士が飛行機飛ばしあって戦うのは日本軍と米軍のみ(イギリス海軍の空母と日本海軍の空母も戦ってはいますが)であり、大多数の日本人は知らないから気にしていませんが、世界的に見ると米国に負けたとは云え(日本海海戦を含め)日本海軍恐るべしとなっているようです。日本周辺の国家が、海上自衛隊の空母所持に対しイロイロと口を出すのは歴史的に見て当然と思われます。
 ミッドウェー海戦の概略は“Wikipedia”で確認していただくのが手っ取り早いのでここでは述べません。
 日本帝国海軍海兵68期のパイロットであった著者豊田穣が、海軍の先輩達に取材して、米国側のもまた取材して、作戦に従事した人々の死に様と生還した人々の生き様を描いた力作。拙者的には今もって戦記小説中では一番読みやすい作家です。東京新聞の記者と作家という二束の草鞋を履き続けた結果ではないのでしょうか。元帝国海軍士官として、ミッドウェーの失敗は“時の運”だと云う立脚点もナカナカ。運も実力の内なのですが。戦略的概観やメカニック的な部分の描写や説明は必要最低限とし、“人”のドラマ部分に重点が置かれて書かれているので、ミリタリー的部分に疎くとも楽しめる小説になっていると思います。

2011年7月21日木曜日

狼と香辛料 17巻完結 読了


狼と香辛料 17巻完結 読了
~Epilogue~ 支倉凍砂/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110710初版530円 電撃文庫
 出題
 「神様のメモ帳」「うさぎドロップ」「ダンダリアンの書架」「ゴシック」「紅」「レオン」の作品群の概括をせよ。ただし必ず白黒劇映画「ペーパームーン」を見てから述べよ。

 さて「狼と香辛料」の完結篇。 貨幣経済が勃興しはじめた大陸西方、若き行商人ロレンスと古き神々として拝まれてきた来たものの時代の流れにはいかんともしがたく守護してきた村を放棄した美少女の姿をとる歳を経た狼の化身ホロの行商の旅を描きつつ中世の経済を丹念に描いたライトノベルの異色作。物語設定と共にキャラクターの造型も人気を得てアニメも第一期第二期と放送されました。アニメも中々にクオリティが高かったと思われます。因みに現在の拙者のBGMは「TVアニメーション『狼と香辛料』.S.T. ~狼と旅の音楽~」です。
 今17巻の内容は下記紹介の通りです。二人は仲良く一緒に暮らしました。めでたし、めでたし。で終わった16巻の後の話。蛇足と云えば蛇足ではありますが、めでたしめでたし、さらにめでたし、でファンにとっては嬉しい限り。折角だからアニメ版も第三期として完結して欲しいものです。

 内容紹介:『太陽の金貨』事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブは、ホロからの手紙を手に、北へと向っていた。その旅の途中、錬金術師ディアナも同じ馬車に乗り込んできて―――。
 果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことができたのか?第16巻の後日譚を描く書き下ろし中編「Epilogue」のほか、「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編3編を収録。
 第12回電撃小説大賞<銀賞>を受賞するや、剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結!二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けてください。(カバー折り返しより引用)

2011年7月7日木曜日

ミスマルカ興国物語 9巻 読了


ミスマルカ興国物語 9巻 読了
林トモアキ/著 角川書店/刊 20110701初版590円 角川スニーカー文庫
 TVアニメ「夏目友人帳」第三期初話を見る。一期二期と変わらぬ(ちょっと低下してるか?教育的配慮から若手を起用しているのかな?)作画・脚本・演出で嬉しいかぎり。
 
 舞台を帝國中枢に移し、帝國内での勢力闘争やいろいろな内情を紹介しつつ、主人公マヒロ王子の活躍を描く新章。これで人類の生息域の大半を見て歩き、各地域の人々の内情を読者に紹介したのではないでしょうか。「でたまか」のように人類の生存を賭けた戦いへ挑むのか、「お・り・が・み」から端を発したサーガに終止符を打つのか楽しみです。

 内容紹介;ついに帝都入りしたマヒロ。シャルロッテ皇女のもと、帝国の不穏分子たる貴族たちを探るが、その中でも勢力を誇る四大大公もまた、マヒロに近づこうと動き出すのだった。策謀渦巻く宮廷で、マヒロの運命が揺らぐ!(アマゾンより引用)

2011年7月4日月曜日

機動戦士ガンダムUC 6巻 読了


機動戦士ガンダムUC 6巻 読了
~重力の井戸の底で~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20081026初版660円 角川コミックス・エース
 「ターンエーガンダム」23話「テラスの遺言」を見ました。「ソシエの戦争」「アニス・パワー」「ディアナ奮戦」「ハリーの災難」と中盤の展開には感動しました。どこかのアニメ雑誌でのインタビューだと思いますが、戦争と云う非日常を描くのではなく、日常の延長線上にある戦争を描きたかった云々の意味がこの5つの話を見てやっと分りました。何と素晴らしいストーリー。今この時代だからこそ、もう一度リメイクして欲しい作品です。劇場版とかに濃縮するのではなく、一年を通して約50話として描く事により主人公の周辺の人々を描いてこその“物語”ではないでしょうか。現在行われている1クールで人気化出れば2クール目みたいな描き方では決して人間の物語を描くことは出来ません。無論全てをそうしろと云っているのではありませんが、手段の多様性は残したほうが次代へ繋げ易くなると思います。しかし、いつの間にハリーはディアナが入れ替わった事を知ったのでしょうか。拙者が見落としているのか、ストーリーが端折られているのか、その辺りもリメイクすることで解消してほしいものです。

 さてガンダム・ユニコーンも6巻目。
 地球連邦軍強襲揚陸艦ネェル・アーガマを発進したバナージ・リンクスの操縦するユニコーン・ガンダムは戦闘時単機大気圏に突入、燃え尽きる直前敵対するネオ・ジオン軍偽装貨物船ガランシェールに回収される。一方ネオ・ジオンの姫ミネバ・ザビは連邦軍パイロット:リディ・マーセナスと共にネェル・アーガマを脱出。有力な政治家一族であるマーセナス家に身を寄せるのであった。
 地球に降り立った三人に待ち受けていたのは、個人ではどうにもならない現実と云う巨大な壁であった。地上においてネオ・ジオンを支援するイスラム系の人々。事態の打開をはかるためマーセナス家当主ローナン・マーセナスはロンド・ベル隊のブライト・ノア司令と接触、“ラプラスの箱”奪回を目論む。ビスト家をクーデタで支配したマーサ・ビスト・カーバインは捕虜とした強化人間を手駒としようとしていた。
 かつて宇宙育ちのアムロがカミーユが地上で経験したであろう人との出会いや社会の矛盾や教訓を、ガンダムの流れを逸脱することなく、それでいて福井晴敏らしさを失わず、物語として盛上げていく手腕たるや、驚嘆する次元へと昇華しているのではないでしょうか。起承転結で考えれば次巻からは“転”の章でしょうか、期待で胸が膨らみます。

 内容紹介:《ユニコーン》が示した次なる座標は地球連邦政府首都・ダカールだった! ラプラス・プログラムが示した地に《ユニコーン》を立たせるべく、イスラム系反政府勢力のダカール襲撃計画に協力するバナージたち。 しかし積年の怨讐は、巨大MA《シャンブロ》が吐く炎となって暴走を始める!首都を飲み込む炎を前に、バナージが選び取った行動とは……!? かつてない一大スペクタクルに息を呑む、新・宇宙世紀神話第6弾!(角川書店HPより引用)
(ガンダムエース掲載)

2011年6月24日金曜日

ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 4巻 読了


ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 4巻 読了
~総撃編~ 柳内たくみ/著 アルファポリス/発行 20110630初版1700円
 3巻までコンスタントに出版されていた所で4巻目に少々時間がかかってしまいました。ネット発表分を見た事はありませんので、もしかして今までは既発表分の手直しストック分であったのがいよいよ作家としての生みの苦しみを味わっているのか、と考えていたのですが、震災による影響の手直しだったようです。その分内容的にはガジェット部分も含めて充実しているのではないかと思います。
 戦場において重要なのは兵器や兵士のみならず、兵站こそが要であることは少々ミリタリー知識を持つものならば自明の事なれど、では何がどう重要なのかを説明するのは少々難しい。「A君(17)の戦争」では戦略部分での兵站を実に丁寧に説明しておりました。本作では物語の展開リズムからかそのあたりを端折っているように思えます。ファントムⅡ6機を特地で運用って、経費がいったいどのくらいかかるか計算しているのでしょうか。偵察と爆撃が主任務で、ドラゴンが相手ならばレシプロ機で充分のような気もします。恐らく著者柳内たくみは陸自出身でしょうから、航空自衛隊の内情を詳しく調べず、見た目で書いているような気がします。制空権が確保できれば輸送機をガンシップに仕立てた方が効率は高いのでは。現実世界ではチヌークを1時間飛ばすのにドラム缶2本とか陸自の人が説明していたように覚えています。国土防衛の人数すら少ないのに特地にどんだけ人数を派遣しているんでしょうかね。そのあたりは具体的に描写が無いので残念。大戦略と云うゲームがあります。様々な国の兵器を生産して攻め込むゲームですが、兵器生産もさることながら、作った兵器を如何に運ぶのが大戦略のキモのような気がします。侵攻作戦の難しさは信長の野望であれ三国志であれ、国が小さく金と食料と兵士の補充がままならない時の苦しさと云ったら、これこそ軍師の腕の見せ所的な面白さではないでしょうか。提督の決断においては、戦争開始時が最大戦力であり、生産力が倍するアメリカに対して時間が経過するほど不利になる一方なので、最大戦力を如何に米国本土にぶつけるかが司令官の腕の見せ所。軍令部の命令に従っては勝てる戦も勝てなくなりまする。
 さて、 特地では帝國が皇帝派と皇太子派に分裂し内紛を開始。自衛隊は親日本の皇帝派と結託、皇太子軍に対し自衛隊の戦いが始まる!一方主人公伊丹は二つの世界を結ぶ『門(ゲート)』に異変が生じていると現地の神様より託宣され、調査に出かける。彼らを待ち受けていたものは…!5巻の出るのが楽しみッ!!半年は待たせず出版して欲しい物ですが、内容が薄くなるのは頂けませんなぁ。

 内容紹介:『特地』でゾルザル軍の殲滅に乗り出した日本自衛隊。その一方、世界各地では『門(ゲート)』の存亡を巡り、あらゆる思惑が交錯し始める。事態打開の鍵を握るのは『門』を開く能力を授けられた魔導師レレイだけだった。果たして伊丹と異世界美少女らは彼女を護れるのか。そして『門』はどうなってしまうのか―――?
 かつてないスケールの超エンタメファンタジー!陰謀巡る第四章、開幕!!

2011年6月22日水曜日

されど罪人は竜と踊る 10巻 読了


されど罪人は竜と踊る 10巻 読了
~Scarlet Tide~ 浅井ラボ/著 小学館/刊 20110622初版838円 ガガガ文庫
 惨殺に継ぐ惨殺、暴力と陵辱、瞬間的な死こそが理想的と思えるほどの阿鼻叫喚。地獄に投げ込まれる存在が人ならば、投げ込む存在もまた人なり。人ならぬ存在により凄惨な死を与えられるならば、まだ諦めもつくものながら、同胞なるが故に嫌悪感もまたひとしお。
 暴力描写を目的に文章を書く人もいらっしゃるようですが、物語が目的ではないので、大抵ストーリーに破綻を生じます。著者浅井ラボはその伝で云うならば、暴力描写が目的ではないと云えます。そうなると何が目的でこれほどまでの地獄を詳細に描かねばならないのでしょうか?よほど己が存在した事に不満を憶えているのでしょうか。
 拙者は何故か9巻10巻で一つの章になると思い込んでいました。だって10巻はこんなに分厚いんですもん。嗚呼それなのに、物語はさらなる混迷へ。初めから名を告げられながら、数々のキャラクターにその名を呼ばれ、今回の物語の中心人物と思われながらも今だ物語りに登場しないキャラクターが一人。次巻に登場するのか否か、物語が終着するかも分らず、物語は混迷を深めていくのでした。

 内容紹介:待望、完全新作描き下ろし長編の続編! ペトレリカを誘拐したアンヘリオに続いて使徒たちもエリダナに集い、殺人数を競う悪夢の遊戯が開幕! 暴走するパンハイマによって死刑を宣告された奴隷頭たちが、猟犬となって街に放たれる。復讐鬼となったロレンゾも参戦し、エリダナは各勢力が入り乱れる鮮血の戦場に。暗躍するアンヘリオの邪悪な遊びは、ガユスと恋人にも降りかかっていく。エリダナを蹂躙する使徒に対峙するのは、凶王ザッハドを餌にした特別捜査官の罠。しかし、祭司に導かれた使徒たちも罠を食い破らんと猛襲。未曾有の殺戮劇場、勝利の凱歌は誰にあがるのか。
 内容(「BOOK」データベースより):ペトレリカを誘拐したアンヘリオに続いて使徒たちもエリダナに集い、殺人数を競う悪夢の遊戯が開幕!暴走するパンハイマによって死刑を宣告された奴隷頭たちが、猟犬となって街に放たれる。復讐鬼となったロレンゾも参戦し、エリダナは各勢力が入り乱れる鮮血の戦場に。暗躍するアンヘリオの邪悪な遊びは、ガユスと恋人にも降りかかっていく。エリダナを蹂躙する使徒に対峙するのは、凶王ザッハドを餌にした特別捜査官の罠。しかし、祭司に導かれた使徒たちも罠を食い破らんと猛襲。未曾有の殺戮劇場、勝利の凱歌は誰にあがるのか。(アマゾンより引用)

2011年6月21日火曜日

奥州藤原三代―北方の覇者から平泉幕府構想へ 読了


奥州藤原三代―北方の覇者から平泉幕府構想へ 読了
斉藤利男/著 山川出版/刊 201105201版発行800円 日本史リブレット人023
 歴史の初歩を知るにはとても手に取りやすく分りやすい日本史リブレット・シリーズです。世界遺産に登録されて観光地としてやる気満々の平泉の話です。平安時代から鎌倉時代の転換期において、日本国内でも辺境と云われる奥州に半独立国として約100年に渡り大和朝廷以外で唯一“都市”を生み出した奥州藤原氏の拠点平泉。現代においても僻地であるが故に注目度も低く、学術調査も遅々として進んでいませんが、ここ2、3十年の間に発掘調査により度々平泉像の変更が成されています。かつて発行された「とんぼの本」などに描かれた復元想像図等と比べると、その変化に驚きをきんじえません。
 奥州藤原氏初代清衡誕生の時代背景から、頼朝による滅亡までをコンパクトにまとめつつ、平泉の発達を多角的に分りやすく述べていて面白いですね。NHKの大河ドラマ「炎立つ」を見たくなりました。さらに「義経」ですね。
 1181年の千曲川の戦い(横田河原の戦い)と、その後の奥州藤原氏の会津侵攻の話を詳しく書いた史書か時代小説は無いものでしょうか、拙者にとってそそられるモノがあります。

 出版社 / 著者からの内容紹介:近年の研究の発展によって明らかになってきた平泉政権・平泉文化の他に類例のない性格と、その主=奥州藤原氏の実像に焦点をあわせ、奥州藤原三代の歴史を訪ねる。
 内容(「BOOK」データベースより)平泉の夢と北の歴史の可能性。平泉の文化と奥州藤原氏の歴史は、古代末期の日本社会がもっていた多様で豊かな可能性を示すものでした。平泉文化は、京都文化の単純な模倣でなく、日本国の枠を超えた「東アジアのグローバルスタンダード」というべき国際性を有していましたし、奥州藤原氏もまた、日本国から自立して北方世界を支配した、「北方王国」ともいえる権力でした。本書は、近年の研究で認識が一新した奥州藤原氏と平泉の世界を訪ねます。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 斉藤 利男:1950年生まれ。東北大学大学院文学研究科博士課程後期単位取得退学。専攻、日本中世史。現在、弘前大学教育学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2011年6月15日水曜日

トッカン 読了


トッカン 読了
~特別国税徴収官~ 高殿円/著 早川書房/刊 20100625発行1600円
 時間が無いとか頭が痛いとか云いながら、小説を立て続けに読んでいるように見える拙者ですが、読む時間と書く時間そしてUPする時間は必ずしも一緒ではありません。書こうとかUPしようと思っていて時期を逸する事も多々あります。「ダブル・フェイス」は全巻購入読破しているのにUPに欠巻があっただなんて、バックナンバーをカウントして初めて気がつきました。
 「トッカン」です。ライトノベルを主戦場としていた著者高殿円としてはアウェのジャンルのような気がしますが、読んでビックリ!勢いがあって面白い!!例えるならば大沢在昌の「走らなあかん夜明けまで」のようなノンストップ・アクションを思い描きます。しかし、税金を集める公務員の話ですので、ハラハラドキドキするアクションシーンはほとんど無く、どちらかと云えば「ナニワの金融道」的な金と人間の裏表を描いています。それなのに、読後の感想はアクション映画を見たような興奮を感じますので、著者高殿円の畳み掛けるような演出と文体が主人公のぐー子の波乱万丈に感情移入させられてしまうのでしょう。
 私が映画プロデューサーだったら映像化権を一先ず買っときますよ。ただし、この物語の“勢い”は著者高殿円の手腕と活字によって生じているので、よほど腕のある脚本家を起用しないと、漫然とストーリーを追いかけただけでは、単なる火曜サスペンス劇場に成り下がるでしょう。読んでいて主人公の直属の上司・鏡雅愛(カガミ マサチカ♂)の声と顔がどうしても堤真一になってしまうのは、一番最近に観た映画がプリsンセス・トヨトミだったからでしょうが、著者高殿円は誰をイメージしていたのか気になるところ。
 地方出身の女性(鈴宮深樹25歳)が繁華街東京の中心・京橋で四苦八苦しながら成長する姿に拍手喝采。
 当ブログ掲載の「トッカン」の表紙はやや色が濃く、「国税滞納」の文字がはっきり見えますが、店頭ではこれほど良くは見えません。スキャンの色調や印刷の具合なのでしょうが、装丁デザイナーの意図としてはこちらの方がイメージに近いのでしょうね。

 内容紹介:税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう、みんなの嫌われ者――徴収官。そのなかでも、特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。東京国税局京橋地区税務署に所属する、言いたいことを言えず、すぐに「ぐ」と詰まってしまう鈴宮深樹(通称ぐー子)は、冷血無比なトッカン・鏡雅愛の補佐として、今日も滞納者の取り立てに奔走中。 納税を拒む資産家マダムの外車やシャネルのセーター、果ては高級ペットまでS(差し押さえ)したり、貧しい工場に取り立てに行ってすげなく追い返されたり、カフェの二重帳簿を暴くために潜入捜査をしたり、銀座の高級クラブのママと闘ったり。 税金を払いたくても払えない者、払えるのに払わない者……鬼上司・鏡の下、ぐー子は、人間の生活と欲望に直結した、“税金”について学んでいく。
* 仕事人たちに明日への希望の火を灯す、今一番熱い職業エンターテインメント!
 内容(「BOOK」データベースより):税金滞納者から問答無用で取り立てを行なう、みんなの嫌われ者―徴収官。そのなかでも、特に悪質な事案を担当するのが特別国税徴収官(略してトッカン)だ。東京国税局京橋地区税務署に所属する、言いたいことを言えず、すぐに「ぐ」と詰まってしまう鈴宮深樹(通称ぐー子)は、冷血無比なトッカン・鏡雅愛の補佐として、今日も滞納者の取り立てに奔走中。納税を拒む資産家マダムの外車やシャネルのセーター、果ては高級ペットまでS(差し押さえ)したり、貧しい工場に取り立てに行ってすげなく追い返されたり、カフェの二重帳簿を暴くために潜入捜査をしたり、銀座の高級クラブのママと闘ったり。税金を払いたくても払えない者、払えるのに払わない者…鬼上司・鏡の下、ぐー子は、人間の生活と欲望に直結した、“税金”について学んでいく。仕事人たちに明日への希望を灯す、今一番熱い職業エンターテインメント。
 出版社からのコメント:ミステリマガジン2010年8月号では、『トッカン―特別国税徴収官―』の小特集で、『トッカン』のクロスレビュー、著者インタヴュー、『トッカン』のその後がわかる書き下ろし短篇などを掲載しています。併せてお楽しみください。
著者について
1976年兵庫生まれ。2000年に第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞し『マグダミリア 三つの星』でデビュー。ファンタジイを中心に『銃姫』『プリンセスハーツ』など40冊にのぼるライトノベルを上梓する人気作家。他にノンフィクション『オーダーメイドダーリン』や漫画、芝居、映画の原作も手掛ける。2010年、初めてのハードカバー『トッカン―特別国税徴収官―』を上梓。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 高殿 円:1976年兵庫生まれ。2000年に『マグダミリア三つの星』で第4回角川学園小説大賞奨励賞を受賞しデビュー。ファンタジイを中心に40冊にのぼるライトノベルを上梓する人気作家。他にノンフィクション『オーダーメイドダーリン』や漫画、芝居、映画の原作も手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
(ミステリマガジン掲載)

2011年6月10日金曜日

七姫物語 第六章完結 読了


七姫物語 第六章完結 読了
~ひとつの理想~ 高野和/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110610初版710円 電撃文庫
 田中芳樹の「七都市物語」を髣髴させるタイトル。七つの都市国家と各都市が掲げる象徴としての姫巫女の物語。一番弱小の新興都市を足がかりに野望を持つ二人の青年が市井の少女を担ぎ出し、世に打って出る
ストーリー。
 戦乱あり暗躍ありの国家間の興亡を描いていますが、姫巫女を頂点としてしまったせいか、なんと云うか少年漫画的な闘争と云うよりも、少女漫画な姉妹喧嘩的展開のような気がします。その点が従来のライトノベル戦記とは違う立ち位置でありながら、歴史絵巻的に“世界”を描こうとしているところに着目していましたが、著者高野和も描き辛くなったのか着地点を見失ったのか、もしかしたら本業か別の顔を持っているせいなのかもしれませんが、第五章を刊行してからだいぶ時間が経てしまいました。拙者はてっきり第五章で投げ出し未完の大作となった思っていました。
 結末が有るようで無い様で。少女の成長を描いたと云う点では“ある”と断言できます。一つの物語を終わらせた、その行為を賞賛したいと思います。

 内容紹介:遠くまで来ました。でも、もっと先を見てみたい──。
 七つの宮都市が割拠する東和の地は、時代の変革期にあった。 争う理由を探し出し、異なる未来図に戦いを仕掛ける一宮、二宮の大連合軍。 双子都市に向けられた中央の大軍に、各地方都市の寄せ集め軍は結束を示す。動乱の最中で、各都市が掲げる平和の巫女姫達は、それぞれの意志を語る。定まらぬ世界のかたち、幾重にも交差する姫影、夏草が匂い立つ季節の中で、複雑に混じり合うのは東和の模様。 そして、一番小さな最後の姫、東和七宮空澄姫が見る世界と人々、その眼差しと笑顔のための物語。第六章開幕。(電撃文庫HPより引用)

「がちょーん」バックナンバー
七姫物語第四章夏草話 読了(http://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/40167539.html)
 全巻読んでいるのに、当ブログで紹介しているのは4巻目だけでした。オイオイ暇を見て読み返してみませう。