2011年6月24日金曜日
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 4巻 読了
ゲート―自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり 4巻 読了
~総撃編~ 柳内たくみ/著 アルファポリス/発行 20110630初版1700円
3巻までコンスタントに出版されていた所で4巻目に少々時間がかかってしまいました。ネット発表分を見た事はありませんので、もしかして今までは既発表分の手直しストック分であったのがいよいよ作家としての生みの苦しみを味わっているのか、と考えていたのですが、震災による影響の手直しだったようです。その分内容的にはガジェット部分も含めて充実しているのではないかと思います。
戦場において重要なのは兵器や兵士のみならず、兵站こそが要であることは少々ミリタリー知識を持つものならば自明の事なれど、では何がどう重要なのかを説明するのは少々難しい。「A君(17)の戦争」では戦略部分での兵站を実に丁寧に説明しておりました。本作では物語の展開リズムからかそのあたりを端折っているように思えます。ファントムⅡ6機を特地で運用って、経費がいったいどのくらいかかるか計算しているのでしょうか。偵察と爆撃が主任務で、ドラゴンが相手ならばレシプロ機で充分のような気もします。恐らく著者柳内たくみは陸自出身でしょうから、航空自衛隊の内情を詳しく調べず、見た目で書いているような気がします。制空権が確保できれば輸送機をガンシップに仕立てた方が効率は高いのでは。現実世界ではチヌークを1時間飛ばすのにドラム缶2本とか陸自の人が説明していたように覚えています。国土防衛の人数すら少ないのに特地にどんだけ人数を派遣しているんでしょうかね。そのあたりは具体的に描写が無いので残念。大戦略と云うゲームがあります。様々な国の兵器を生産して攻め込むゲームですが、兵器生産もさることながら、作った兵器を如何に運ぶのが大戦略のキモのような気がします。侵攻作戦の難しさは信長の野望であれ三国志であれ、国が小さく金と食料と兵士の補充がままならない時の苦しさと云ったら、これこそ軍師の腕の見せ所的な面白さではないでしょうか。提督の決断においては、戦争開始時が最大戦力であり、生産力が倍するアメリカに対して時間が経過するほど不利になる一方なので、最大戦力を如何に米国本土にぶつけるかが司令官の腕の見せ所。軍令部の命令に従っては勝てる戦も勝てなくなりまする。
さて、 特地では帝國が皇帝派と皇太子派に分裂し内紛を開始。自衛隊は親日本の皇帝派と結託、皇太子軍に対し自衛隊の戦いが始まる!一方主人公伊丹は二つの世界を結ぶ『門(ゲート)』に異変が生じていると現地の神様より託宣され、調査に出かける。彼らを待ち受けていたものは…!5巻の出るのが楽しみッ!!半年は待たせず出版して欲しい物ですが、内容が薄くなるのは頂けませんなぁ。
内容紹介:『特地』でゾルザル軍の殲滅に乗り出した日本自衛隊。その一方、世界各地では『門(ゲート)』の存亡を巡り、あらゆる思惑が交錯し始める。事態打開の鍵を握るのは『門』を開く能力を授けられた魔導師レレイだけだった。果たして伊丹と異世界美少女らは彼女を護れるのか。そして『門』はどうなってしまうのか―――?
かつてないスケールの超エンタメファンタジー!陰謀巡る第四章、開幕!!
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