撤退戦の研究 読了
~繰り返されてきた失敗の本質とは~ 半藤一利・江坂彰/著 青春出版/刊 20150715第1刷1000円 青春新書INTELLIGENCE
『撤退戦の研究』(二〇〇〇年六月光文社・カッパブックス。文庫版『日本人は、なぜ同じ失敗を繰り返すのか』二〇〇六年八月光文社・知恵の森文庫)を復刊にあたって加筆修正したもの。
撤退戦の研究とかっこよく書かれているが、撤退戦を具体的に何を準備してどうしろとは書かれていない。書かれているのは負けた旧帝国陸海軍へ対する恨み節だ。大略に関しては読んでいてなるほどと納得の行く点ばかりであるが、枝葉末節において、ミリタリーは知らないのではないかと思わざるを得ない。対米戦に突入してもなを三八歩兵銃を使い続けたのは弾の在庫が豊富にあったせいだと書かれていたり、零戦の試作機を飛行場へ引っ張っていったのは牛馬であったとか、事実その通りなのであるが、実は九九歩兵銃よりも三八歩兵銃の方が戦場では役にたったらしいとか、何から何まで機械化しつくして軍から牛馬を無くしたのは唯一米軍だけだったことを理解した上での発言なのだろうかと考える。対米戦において無知蒙昧な帝国陸軍であったが、対ソ対中情報戦ではかなり正確な情報をつかんでいたっぽい。どの話も当ブログで紹介した本に書かれていた事だ。
まあ、何がどうやったって第二次世界大戦時に日本には大戦略を描ける人材がおらず、また政にも軍にも大戦略家を起用できるだけの篤志家もいなかった点においては誰もが一致するのではなかろうか。
今後の日本は経済的にも撤退戦だと書かれている。拙者的にはもはや企業は国に寄って立つことなく、世界市民として世界に打って出る必要があると思うのだが、二人の著者によるとそうではないらしい。
(以下アマゾンより引用)
内容紹介:戦後70年の今、あえて問い直す──日本人はあの戦争に「何を」置き忘れてしまったのか!情報を軽視し、成功体験を追いかけ、撤退のタイミングを見誤る…繰り返される失敗の本質を浮かび上がらせ、21世紀を生きる私たちに大いなる示唆を投げかける渾身の対談書。同名の名著に新たに加筆の上、リニューアル復刊!
内容(「BOOK」データベースより)戦後70年、あえて問い直す―日本人は「何を」置き忘れてしまったのか!現代を生きる私たちにとっての「あの戦争」とは。
著者について 半藤一利:1930年、東京生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを歴任。主な著書に『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(文藝春秋、山本七平賞)、『昭和史』(平凡社、毎日出版文化賞特別賞)などがある。
江坂 彰:1936年、京都生まれ。作家兼経営評論家。京都大学文学部卒業後、東急エージェンシー本社マーケティング局長、関西支店長を経て、独立。『冬の火花』(文藝春秋)でデビュー。主な著書に『わが座右の「徒然草」』(PHP研究所)、『新・和魂和才』(NTT出版)などがある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)半藤/一利:1930年、東京生まれ。作家。東京大学文学部卒業後、文藝春秋入社。「週刊文春」「文藝春秋」編集長、専務取締役などを歴任。主な著書に『漱石先生ぞな、もし』(文藝春秋、新田次郎文学賞)、『ノモンハンの夏』(文藝春秋、山本七平賞)、『昭和史』(平凡社、毎日出版文化賞特別賞)などがある
江坂/彰:1936年、京都生まれ。作家兼経営評論家。京都大学文学部卒業後、東急エージェンシー本社マーケティング局長、関西支店長を経て、独立。『冬の火花』(文藝春秋)でデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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