D-五人の刺客 読了
~吸血鬼ハンター32~ 菊池秀行/著 朝日新聞出版/刊 20170930第1刷740円 アサヒ文庫ソノラマセレクション
今回は短編連作。これを短編連作と云って良いのだろうか。まあ、一つの話の中に五つの起承転結が入っているから、形式的には短編連作なのだが、最強無双を誇る我らが不死身の吸血鬼ハンター“D”が活躍するのだから、五人いっぺんに襲って来ても負ける事が無いわけだし、それが各個に戦ったら勝つに決まっているぢゃん、と思わなくもない。
30巻以上もシリーズを続けているので、著者にも危機感みたいなものがあるのだろう、マンネリを脱する意味でも目先を変えてみたのだろうし、著者も新たなモノに挑戦してみたかったのだろう。その辺りの話はあとがきに詳しく書かれている。
著者の心意気を酌んで、なお、書き方が他になかったか、もう少し考えても良かったのではなかろうかと思わなくも無い。せめて一話分くらいは一人称で記述してみるとか。そして連作の結末がなんとも肩透かしになっていると、思うのは拙者だけだろうか。
238pで740円(税別)。二昔前の新書の値段ではなかろうか。その分刷数が少ないと考えられる。ライトノベル以前のライトノベルとして、吸血鬼ハンターDにはこれからも頑張ってもらいたいものだ。
(以下アマゾンより引用)
内容紹介:<神祖>が残した六つの道標を手に入れると、不老不死になれるという。五人の貴族が守る六つの道標を求めて血眼になる人間たちの中に、Dの姿があった。貴族を退けて、全ての道標を手に入れるのは誰か?
そして、すでに不死なるDは、何故この戦いに身を投じたのか……?吸血鬼ハンターシリーズ最新刊!
内容(「BOOK」データベースより)夏でも雪と氷河に覆われる“北部辺境区”で、Dは戦闘士バレンから「“神祖”が残した六つの“道標”を辿れ」と告げられた。道標を手に入れると、貴族にならずとも不死になれるという…。それを狙う者、そしてそれを護る貴族たちとの闘いに、Dは自ら身を投じていく。“神祖”の目的は何か?六つの道標の先にあるものとは!?
著者略歴
(「BOOK著者紹介情報」より)菊地/秀行:1949年、千葉県に生まれる。青山学院大学卒業。1982年『魔界都市“新宿”』でデビュー後、“吸血鬼ハンター”“魔界都市ブルース”“妖魔戦線”“魔界医師メフィスト”シリーズ等を精力的に執筆。日本推理作家協会会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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