天気の子 観了
普通に盛り上がる映画だった。
普通に面白いボーイミーツガールの作品だった。
やはり男は女に向かって走らないといかんですよ。だから普通。
普通にハッピーエンドだった。
普通に音楽で盛り上げていた。
新海誠らしさとは何か?
それは“風景”、そして“悲恋”。
でしょ?
ぢゃないの?
「星のこえ」以来の追っかけとしてはねぇ。
拙者にとって新海誠とか押井守は最小公倍数の面白さを求めている。
最大公約数の面白さは宮崎駿や細田守に任せればいいぢゃん。
新海誠まで最大公約数の立場になってしまうのはもったいない。
今まで追っかけて来た存在が売れるのも有名になるのも嬉しい。
だからと云って作家性を失うのはもったいない。
ハッピーエンドは仕方が無いとしても、風景(新海誠らしい演出)まで削ってしまうのは残念。
並みのアニメーションよりも力の入った風景画ではあるが、じっくりと見せる演出を行わないのは、恐らく新海誠自身が描いておらず、簡単に編集で短く出来てしまうから、今風のテンポ良く音楽のリズムに合わせて流れていく小気味良さがあったが、これを新海誠の新境地と見るかどうかなのだろう。
至る所に流れていた予告編だけでお腹がいっぱいだったのだが、観始めると予告編なんかはすっかり忘れ去った。
以下野暮なおはなしになるが、物語の構造解析なんぞを少々。
世界を変えてしまったのか、主人公が変わってしまったのか。
拙者は後者だと思う。
なぜなら、二人は彼岸へ行ってしまったから。
彼岸とは、すなわちあの世。あの世へ行く手前までならば臨死体験として帰ってこれるが、三途の川を渡ってしまえば戻ってくることは出来ない。それは洋の東西を問わず神々ですら超えることの出来ない不可逆的法則。では、彼岸へ旅立った二人がどうして人の世へ戻れたのか?それは戻ってきたのではなく、輪廻のサイクルを進んだのだ。
即ち別の世界に“転生”をした。二人の自我が連続しているから、世界が変わったと認識してしまったのだ。
実は前作「君の名は。」と全く同一の構造でもある。
また、映画公開の7月は梅雨の長雨が例年以上も続いたのが内容とマッチしたのかもしれない。監督の力なのかプロデューサーの力なのかは知らないが天佑を引っ張ってくるのも実力の内なのかもしれない。
主要キャラクターの大半は俳優で、声優は若い刑事役の梶裕貴くらいなのだ。珍しく初期から通して出ていた井上和彦もいない。俳優達も上手いのだが、そこに声優が入ると声優の声だけ段違いに上手くて浮いて聞こえてしまうのが不思議だった。
前作みたいに爆発的には売れないかもしれないが、アニメを知らない人にもオススメできる良い映画だった。
(以下yahooより引用)
キャスト
森嶋帆高:醍醐虎汰朗
天野陽菜:森七菜
夏美 :本田翼
天野凪 :吉柳咲良
安井 :平泉成
高井 :梶裕貴
冨美 :倍賞千恵子
須賀圭介:小栗旬
スタッフ
監督:新海誠
原作:新海誠
脚本:新海誠
音楽:RADWIMPS
解説:『秒速5センチメートル』などの新海誠監督が、『君の名は。』以来およそ3年ぶりに発表したアニメーション。天候のバランスが次第に崩れていく現代を舞台に、自らの生き方を選択する少年と少女を映し出す。ボイスキャストは、舞台「『弱虫ペダル』新インターハイ篇」シリーズなどの醍醐虎汰朗とドラマ「イアリー 見えない顔」などの森七菜ら。キャラクターデザインを、『君の名は。』などの田中将賀が担当した。
あらすじ:高校1年生の夏、帆高は離島から逃げ出して東京に行くが、暮らしに困ってうさんくさいオカルト雑誌のライターの仕事を見つける。雨が降り続くある日、帆高は弟と二人で生活している陽菜という不思議な能力を持つ少女と出会う。
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