木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年11月25日木曜日

石原豪人 読了

石原豪人 読了
[新装版]~「エロス」と「怪奇」を描いたイラストレーター~ 中村圭子/編著 河出書房新社/刊 20040730初版20100830新装版初版1600円 らんぷの本
 40年代に少年時代を過した者にとって少年マガジンや妖怪怪物本のイラストを見れば必ず懐かしさに声を上げることでしょう。怖いのにまた見てしまう恐怖に魅かれるイラストの数々。しかし、大人の目で当時のイラストを見てみれば、確立された技術力に裏打ちされた「絵」としての美しさに魅了されます。内容もさることながら、子供心にもそんな「絵」としての上手さにに心惹かれたのではないでしょうか。
 石原豪人は大正12年(1923年)生まれ、17歳で大陸に渡り現地召集もされ兵役を経験、現地除隊後帰国。この辺りの波乱万丈な物語は「箆棒な人々」に詳しく掲載されています。果たして本当のことなのかは本人が知るのみ。帰国後は映画の看板描きから絵に携わる仕事に携わり、昭和二十年代末から挿絵家としてデビュー。以後平成10年(1998年)に死ぬまでイラストを描き続けます。
 これほど少年誌少女誌で読者に影響を与え、ホモ雑誌SM雑誌、昭和60年代以降のサブカル系に至る幅広い画業にもかかわらず、その業績をまとめた書籍が無く、本書河出書房新社のらんぷの本が唯一ではないでしょか。
 そのセンスたるや、現在においても何ら古臭さを感じさせず、写実性とは異なるイラストとしての美しさを表現しているような気がします。
 本書に竹熊健太郎と『クイック・ジャパン』創刊編集者の赤田祐一のインタヴューも掲載されています。本書と共に「箆棒な人々」の石原豪人と竹熊健太郎の対談を読む事をオススメします。

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