週刊 ダイヤモンド 2010年 9/25号 読了
ダイヤモンド社/刊 第98巻39号通巻4348号657円
知人から「週刊ダイヤモンド」でアキバの特集をやっているよ、と聞いて数ヶ月、すっかり忘れていた所にネットで紹介記事を読み、あわてて図書館へ行きました。
「週刊ダイヤモンド」に行く前に、表紙写真右脇のページをご覧下さい。子ども向け写真絵本「JRまわるまわるやまのてせん」砂田弘/文 吉岡清彦・堀田順/写真 小峰書店/刊 1988年3月25日第1刷です。二十数年前のアキバの風景が写っています。看板を見ると未だ“マイコン”や“ビデオ”の文字があります。「週刊ダイヤモンド」の表紙も魚眼レンズを使用し画角が広範囲ですが、左半分がほぼ絵本と同じ2010年の場所を写しています。平成も最早22年が終わろうとしており、昭和を知らない若者達がアキバを闊歩するようになってしまいました。嗚呼、と溜息しかでてきません。でも拙者の父母は木造建築だった頃の東京ラジオデパートの話をしていますから、拙者如きが溜息をついているような場合ではない、とも思えます。爺の感慨は置いといて、「アキバ変態(メタモルフォーゼ)」の記事。
目次に書かれている特集紹介記事を引用します。「秋葉原の街は、幾度となく崩壊の危機を迎えてきた。ラジオ、家電、パソコン、それぞれの商材のブームが去るたびに街の勢いも止まるかと思われたが、そのたびにより不死鳥のごとく生まれ変わり、変態(メタモルフォーゼ)を続けてきたのである。」
今のアキバを歩くと、嫌でも外国人が目に付きます。更にアキバには不似合いで新宿や渋谷が似合いそうなバカップルとか。るるぶ片手にアキバを歩くな!と云いたい所ですが、新たなアキバのコンセプトこそ“リアルな観光”なのでしょう。
「週刊ダイヤモンド」の特集だけあって切り口は“経済”です。ビジネスとしての“萌え”産業とは何なのか、どういう事なのかを解りやすく説こうとしていますが、書かれている事はアキバの観光案内と秋葉原の歴史、注目のお店や老舗で生き残ったり注目のお店や経営者の紹介です。
萌え産業は云わば音楽産業とか映画産業や出版産業と同じで、ビジネスとして手堅く“商い”をしようとしても無理だと思います。経済には門外漢の拙者からすると“投機”だと思われます。独特の商慣習やプロともアマともつかない胡散臭い連中が有象無象によってたかって何かをしている、けれど何をしているのかは渦中の人たちすらよく理解していないのではないかと、曖昧模糊としています。良い例がコミケでしょう。コミケの記事もありますが、動いているマネーは何十億円でしょうが、ビジネスとして展開できるのかと云うとさにあらず。コミケットが企業体化し、出版関係の企業がブースを出すようになりました。小学館等大手も参加していますが、結局運営の主体はかつてのコミケ参加者が企業に入ったり企業を起こしたりして舞い戻ったと理解できます。他から参入している企業は、旅行代理店のJTBとか都バスくらいではないでしょうか。コミケとアキバはイコールではありません。重なっているだけです。
従来の家電屋としてのアキバは最早見る影もありません。大規模郊外型家電屋に取って代わられ、たいていの物はネットで購入できるようになりました。それでもマニアやオタクがアキバを目指す理由こそが“リアルなアキバでしか手に入れることの出来ない何か”であり、各専門店ならではの品揃えと商品知識、接客サービスなのでしょう。
特集記事の冒頭にはドラゴンボールの格好をした外国人パトリックがモデルとして出演しています。アキバ紹介のTV番組にも度々出演するので、ユーチューブにも良くのっています。肩書きを見たら東京大学大学院在籍とあり驚愕。専攻は何なんでしょうか。
アキバの凄い所は、宣伝していないのに世界中からアキバを目指して来ることではないでしょうか。アニメやマンガにしても日本が世界中に宣伝したり売ったりしていないのに(アメリカに売った作品がヨーロッパに転売されていたそうです)、気がつくと周りが騒いでいたから便乗したようなものでしょう。アニメショップの集積地となったアキバも戦略があってこうなったのではなく、結果として“なってしまった”感しかありません。結局ポスト・アキバとか萌えの次に来る物は何かと問うた所で解る訳も無く、極一部の運の良い人が女神の前髪と掴むか、コツコツと何かを続けてきた人が日の目を見るかだけだだけなのでしょう。
内容紹介
特集
アキバ変態(メタモルフォーゼ)
不死身の街 驚異のビジネスモデル
Prologue
Interview オタク研究家パトリックの外国人観光客突撃インタビュー
アキバ最新お薦めスポットMAP
分野別国内オタク/萌え市場規模
Part 1 萌え
萌え系ビジネス勝利の5法則
その1 ライトオタク>オタク
その2 1000人>1000万人
その3 リアル>ネット
その4 亜流>本流
その5 早い>安い
Interview 岡田斗司夫●オタキング代表、大阪芸術大学客員教授
AKB48躍進の陰に"TO"あり
Special Interview 渡辺麻友●AKB48チームB所属
「コミケ」の熱い夏
Part 2 変態
ブームを着替える不死鳥の秘密
つくばエクスプレスvs常磐線
不死身の街・秋葉原 変態の歴史
Comics [ゲームセンターあらし]「こんにちは☆秋葉原」の巻
再開発で誕生したオフィス街
Interview 白石晴久●富士ソフト社長
ポストアキバはどの街だ!?
西のオタクが集う日本橋の実力
Part 3 聖地
「老舗vs新興」電気街の栄枯盛衰
「パーツ街」の底力
厳選 アキバ鉄道スポット
特集2
コンサル活用の光と影
コンサル活用の弊害
「経営陣の免罪符」に1億円! 仕事は人材派遣、成果物は空論
成功するコンサル活用術
丸投げ禁止、細切れ発注など失敗しないノウハウは存在する
Column ミーシー、フレームワーク…コンサル用語を理解しよう
Interview 湯浅智之●リヴァンプ・ビジネスソリューションズ取締役
拡大するコンサル市場
米規制を引き金に再編進む 専門業務の受託に拡大余地あり
緊急レポート
永田町ライヴ!
後藤謙次●政治コラムニスト
"小沢封じ"を狙う菅首相の興味深い人脈
企業レ
この雑誌について
情報で勝負するビジネスリーダーの雑誌
(アマゾンより引用)
0 件のコメント:
コメントを投稿