木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年12月7日火曜日

限界集落温泉 2巻 読了

限界集落温泉 2巻 読了
鈴木みそ/著 エンターブレイン/刊 20101105初版660円 BEAM COMIX
 事業に失敗し夜逃げしたゲームプロデューサーが辿り着いたのは、過疎の村の立退きを迫られた温泉宿“山里館”だった。そこに情緒不安定なネットアイドルが転がり込む事により、売れないマンガ家や売れないモデラー、スタジオミュージシャンが集い、異才を結集して温泉宿を救おうと奔走を始める。手始めはネットで中継する何とか鑑定団の真似事。立退きを迫る村の有力者から有形無形の妨害も始まる。村特有のややこしい人間関係も生じる。そしてネットアイドルは致命的に音痴だった。イベントはどうなるのか?潰れた温泉宿の行方は!?
 “七人の侍”よろしく、袖摺り合った縁で集結した異才のオタク達の活躍を描く第二巻。緻密な設定ながら、エンターテイメントの演出、内部に生じる亀裂、外部からの悪意、全てを呑み込み己自身のイベントを成功に導くことができるのか!
 話の転がし方が上手いですね。いや、やっと著者鈴木みその雌伏の時が終わったと云うべきか。
 次巻が待ち遠しい、大いに期待する作品です。

 内容紹介:ボロボロ温泉&ギリギリ集落、復活を掛けた戦い!!「銭」で話題を集めた鈴木みそが挑む、次なるターゲット。それはド田舎温泉!!(アマゾンより引用)
(月刊コミックビーム掲載)


 以下私的余談。
 昔メイド喫茶のブーム始まりの頃、宿泊してメイドさん達と遊べる旅館と云うのがネットで宣伝されたことがあります。企画だけで終わったらしいですが。アキバのメイド喫茶はメイドもまたアキバを楽しみに来ていてお金も儲けられる、と云うのも売りの一つだと思います。宿泊なんかしたらコンパニオンとしてのメイドさん達の労力たるや並ではありますまい。それこそ風俗と何処が違うのかと云う事になります。松坂慶子と蟹江敬三が出ていた「温泉卓球」なんて人情映画がありまして、卓球の代わりにメイド喫茶みたいのを描けないかってのを考えた事があります。電車男の影響も大きいですね。
 主人子は田舎温泉旅館の一人息子。東京に出てきてアキバに通いながらモラトリアムを謳歌していたが、父親のギックリ腰を切欠に帰省するも温泉旅館は借金まみれ。苦労しながら大学を出してくれた親の恩に応える為にも家を継ぐ決心をするも、客が来ないのではいかんともしがたい。主人公はアキバで通っていたメイド喫茶風に旅館を改装する事を思い立つ。主人公の帰省祝で地元の同級生や商店街の人々が一席設けてくれた時に、借金の申込を仲間内にするが、仲の良かった先輩が商店街復興計画の詐欺をした影響で、誰も主人公の話に耳を傾けてはくれない。気を落とし飲み屋の外で酔いを醒ましていると、かつて憧れていた同級生のマドンナが遅参。ときめく主人公であったが、彼女の背中には赤ん坊がいた。マドンナは東京で疲れて最近帰省したらしい。聞けば東京で接客業をしていたらしく、主人公の旅館改造計画にも手伝うことになる。先ずはメイド喫茶の女の子を集める段取りをするが、過疎の為地元で働ける若い女の子の余剰労働力は無い。かつてのツテを使って東京で募集をかけるも、わざわざ田舎に働きに来るような若い女の子はいなかった。集まってきたのは主人公のアキバ仲間(野郎)ばかり。苦肉の策として外国の女性を仲居業として募集、なんとかメイド旅館を開く段取りとなった。田舎では珍しい開業に地元テレビ局が取材に来てニュースになる。ニュースを見た地元の長老会や商店街の長老達が旅館へ押し寄せ、メイド旅館反対に気炎を上げる。そこにたまたまニュースを見たマドンナの東京時代の不倫の相手が旅館にやって来る。マドンナは恋に破れて田舎に帰って来ていたのだ。赤ん坊を不倫との間に生まれた子と勘違いする主人公。不倫相手は赤ん坊が主人公とマドンナの子と説明されて引き下がる。実は赤ん坊はマドンナの姉妹の子だった。主人公の勘違いとマドンナの想いが交差し、喧嘩別れをする二人。一方メイド旅館の企画は頓挫。そこにミリタリーオタクの提案により戦後一時期流行った軍服を着た女性たちによる接客をすると、長老達に受け、旅館業も地元の支援を取り付けられるようになる。しかし接客業の要はマドンナ。オタク仲間に同級生に促され、マドンナを迎えに行く主人公。告白するラスト。エンディングは盛況な旅館と、東京に戻るオタク達一行。地元の若い連中と反目しながらも一つの事を成し遂げた達成感で、いつの間にか友情らしきものが芽生え、オタク達を駅まで送迎しようとするシーンで終了。
 て、云う企画を考えてみました。100分程度の時間でいかがでしょうか。句読点一つで一シーン。全部で80シーンくらい。しかし、最早メイド喫茶も普通になり、時機に乗り遅れた感が強くてお蔵入りです。


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