木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年7月31日土曜日

シュトヘル 3巻 読了

シュトヘル 3巻 読了
伊藤悠/著 小学館/刊 20100804第一刷590円 ビック スピリッツ コミックス スペシャル
 永井豪の新作「激マン!」が『週刊漫画ゴラク』2010年6月4日号より連載開始。前に紹介した「デビルマン対ゲッターロボ」が、へぇーまだ描いているんだ、的な感想しか湧かないのに対し、「激マン!」は永井豪が自伝を元に自分の作品を描き直している展開が新鮮で、作品解説をしつつ“物語る”二重三重構造にもなっており、しかも画面を眺めても気合が他作品よりも入っているように見受けられます。とても楽しめて読めるのですが、惜しむらくは過去の作品にしか頼れなくなったのか、と穿った見方しかできない自分を悲しく感じてしまいます。閑話休題。

 本題の「シュトヘル」3巻の話。1巻目で現代と過去の描写があり、いったどう繋がるのだろうか!と期待させつつ2巻目では過去の出来事のみを描写。3巻目ラストにして、現代と過去の錯綜が一つに繋がる。素晴らしい!今巻までが序章なのですね。物語はこれから始まると云う訳ですか!?現代日本の少年を12世紀の女性に憑依させるその理由がこれから解き明かされるのでしょう。そして歴史に翻弄される人、部族、国々が大河ドラマとなって描かれるわけですね!
 素晴らしい!
 連載を追いかけていては分らなくなりそうなストーリーです。単行本で何度でも読み返さねば。それにしても馬が好きでないと大変そうな紙面です。
(週刊ビックコミックスピリッツ掲載)

2010年7月30日金曜日

神様ドォルズ 7巻 読了

神様ドォルズ 7巻 読了
やまむらはじめ/著 小学館/刊 20100722初版533円 サンデーGXコミックス
 『月刊チャンピオンRED』で永井豪本人による「デビルマン対ゲッターロボ」連載中。東映まんが祭にもありましたねぇ、あれはマジンガーZとデビルマンの共演でしたっけ?話数も進みゴール率いる恐竜帝国とシレーヌ率いるデーモン一族が手を組み五月女研究所へ襲い掛かり、ゲッターとデビルマンと、そして五月女ミチルと牧村美樹もまた共に戦うのであった!メカザウルスとデーモンが合体するように、ゲッターとデビルマンもまた合体!40年前なら燃えるシチュエーションなんだけどなぁ。ヨーロッパに持って行ったら今もフィーバーするかもしれませんが。それに“合体”というより“融合”の方が字面的に正しいのではなかろうか。山本貴嗣のマンガで主人公の名前募集で著者が妙に力を込めていた「一体」さんを思い浮かべます。主人公達が文字通り一体化。ゲッターの著者石川賢へのオマージュも込めているのでしょう。90分程度の単発アニメにすると面白そうかも。声優はオリジナルのアニメの通りで。私的には脚本/田畑由秋、作画/余湖祐輝の「真マジンガーZERO」もオススメ。閑話休題。

 “案山子”と称する木製ボディのロボットを古来より祀る空守村があった。村での家々の派閥勢力争いに加え、閉鎖的村落ならではの数代に渡る複雑な血縁人間関係があり、大学で学ぶため村から出てきた枸雅匡平であったが、村のくびきからは逃れられなかった。むしろ枸雅匡平を中心に事態は回り始めるかのようであった。
 日本においては「家」とは血族集団を表すとともに、血縁によらない共同体をも表します。さらに近親婚まで加わることにより日本史における人間関係がとても複雑に思えてしまう原因でもあるのですが、一見複雑そうな人間関係もいたっても当事者にしてみれば簡単なのかもしれません。集団よりも個人の力量による人間関係の方が結びつきが強いのかもしれません。現在の相撲協会なんかを見ていると眷族やら何やらが蠢いて当事者達ではどうにもならなくなっているのかもしれませんが。
 今巻の目玉は、枸雅詩緒の案山子・玖吼理と日向まひるの案山子・禍津妃の激突!人前に出る事を憚られていた案山子ではあったが、子どもの喧嘩に大人の事情は通用しなかった。逆に云えば何故操者に子どもが選ばれているのかもまたストーリーの謎の一つなのでしょう。
 アニメ化決定と単行本帯にうたわれています。どこの誰が作るのやら。

 内容紹介:まひるの匡平への想いが暴走!引っ込みがつかないまひるの前に詩緒が立ちはだかる!衆人環視の中、東京上空で展開する案山子同士の激しい空中戦はクライマックへ!!!(帯より引用)
(月刊サンデーGX掲載)


2010年7月29日木曜日

天にひびき 2巻 読了

天にひびき 2巻 読了
やまむらはじめ/著 少年画報社/刊 20100731初版571円 OURS Comics
 冷房を動かさず、風通しの良いアパートの4階に住んでいます。成人して初めてと云う位の“あせも”が手の甲から肩にかけて発生してしまいました。もしかしたら何かの皮膚病なのかもしれませんが、たぶんあせもでしょう。汗をかくと塩気が欲しくなります。つけ麺が食べたくなって、以前通っていた「むくろじ」に行ってみました。あれほど美味い旨いと食べていた特製つけ麺が半分も食せずうちに厭きてしまいました。麺が太麺に換わりコシが無くなったような気がするし、スープも以前より辛くはなったけどコクが薄れた気がします。ウーム、多分もうつけ麺を食べには来るまい。その代わり最近通っているのは「つけめん102」です。麺を食べ終わった後、スープにカツオ出汁を並々と注いで飲み干すのが大好きになりました。大抵昼も夜も行列を作っているので、店の前を通って列が作られていない時にだけを見計って入店するようにしています。閑話休題。

 目的を持たぬまま音大でバイオリンを学ぶ久住秋央は、指揮科の曽成ひびきに出会い変っていくのであった。
 音楽は技術であり、演奏者は技術者でもありますが、これが音楽家となると技術+センスが必要となり、このセンスばかりは持って生まれた才能と、運で磨くしかありません。子どもには無限の可能性がありますが、例えば音楽が出来る環境(主に親の財政と支援への理解)を獲得できるかどうかの運もまた重要な要因になります。音楽関係の大学に進学できること自体が凄い事なのに、大半の人は4年間で選別され、音楽業界で食べていけるかどうか分れて行きます。音楽業界と云ってもレコード屋とか楽器店、音楽関係の出版社も広義の音楽業界だしね、とっても広をゴザンス。
 だからこそそこに“ドラマ”がある!著者やまむらはじめの慧眼に脱帽。でも雑誌担当者とすれば先行する作品(のだめ)の大成功があったればこその連載であったと想像してしまいます。
 2巻では急に人間関係の日常が回転していて、なんとなく数話飛ばしてしまったのではなかろうかと考えてしまいました。1巻目は主要キャラクターの紹介に徹していたんですね。
 クラシックだけを聞いているとグッスリと眠れる派なので、それこそ“のだめ”のドラマやアニメのように「音」と「画」が無いと理解できません。「神様ドォルズ」のアニメ化するならこっちをしてくれれば良いのに、と思ってしまいました。

 内容紹介:少年時代…久住秋央は幼馴染の父親がコンサートマスターを務めるコンサートの練習を見に来ていた。だが指揮者の曽成氏とオーケストラの息は全く合わず、休憩時に曽成氏は失踪。そこへ現れた少女が、父の代わりだといきなり指揮を振り始め、奏者達は彼女の振りにのまれ演奏してしまう。コンサートは成功するが、曽成氏は音楽界から退く。そして9年後――――。大学生になった秋央は冷めていたが、あの時の少女、曽成ひびきと再会し、また彼女の魅せる音楽に翻弄されていき……!?音大生達の想いが奏でる音楽青春ストーリー!?(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングOURS掲載)

参考図書:「楽器から見るオーケストラ」 佐伯茂樹/著 河出書房新社/刊 2010.10 2000円(抜)

 


2010年7月28日水曜日

バビル2世 ザ・リターナー 1巻 読了

バビル2世 ザ・リターナー 1巻 読了
野口賢/漫画 横山光輝/原作 秋田書店/刊 20100805初版533円 ヤングチャンピオン・コミックス
 同僚との世間話で果物“ライチー=茘枝”が話題になった。私は社会人になり会社の宴席か親戚の法事で銀座アスターで初めて食した。中学校の国語の授業長恨歌での楊貴妃の好物と記憶している。美味いモノであったが、同僚の「まるで目玉みたいにプルルンとして…」の一言により、私の記憶はマグロの兜煮の目玉の食感と味に上書きされた。これほど見事に記憶が入れ替わった瞬間を体験したのは初めてだ。自分の中の体験でしかなく、自分の感じた驚異を伝えられずにもどかしい。閑話休題。
 新作「バビル2世」の話。先日古本屋で「バビル2世 ザ・リターナー」を初めて見かけ、出版されているのに気がつきました。新刊書店で見たことも無かったので驚きも2倍。一読して手放したのか、何かの間違いで入手したのか手放したのか、前の持ち主が少々気にかかります。
 「バビル2世」と云えば昭和時代に放送されたTVアニメの記憶が鮮烈です。水木一郎が歌う菊池俊輔作曲のオープニング・エンディングは今聞いても背筋が震えます。横山光輝描く原作マンガを何処かで読み(恐らく祖父母の家、従兄弟や叔父が漫画雑誌を置いていた)、何故かパチモノだと思い込んでいました。
 野口賢描く今回の新作は、バビル2世からの輸血により超人化した米軍兵士との戦いを描く第一巻であり、「バビル2世」の続編と云うよりも「その名は101」の続編とも云うべきストーリーですが、40年前ロプロスが核ミサイルにより撃墜されており単純に続編と云えなくなっています。(原作バビル2世では撃墜。その名は101では劇中に囚われの米軍基地から三つの僕を救い出すシーンがありました。)現在に甦った“超能力者”をどう描くのか、あえて今バビル2世をリメイクする作者の心意気を読んでみたいと思います。

 内容紹介:人知れず、しかし確実にそれは起った。アラスカ沖北極海。「ポセイドン」と呼ばれる正体国籍不明の人型巨大兵器と米海軍イージス艦との戦闘勃発。一方、同時刻東京・副都心新宿に一人の少年があらわる。人語を操る黒豹を従えて。救世主か破壊者か。その少年の名は「バビル2世」。突如繰り広げられる戦闘ヘリ・アパッチとの凄絶な市街戦。世界が、時代が今。圧倒的に変貌しようとしていた。
 

2010年7月27日火曜日

借りぐらしのアリエッティ 観了

借りぐらしのアリエッティ 観了
 夜帰宅し玄関を上がると足元でセミの断末魔が聞こえて飛び上がった。いつの間にか瀕死のセミに憑かれていたらしい。こちらとしては穏便で出て行ってもらいたいのだが、末期を私の家で迎えようと必死で玄関の中を逃げ惑う。格闘すること数十分、隣の家の玄関にブチ当たり動かなくなった。
 これが小人だったら、追い出すような事は絶対しまい。もし少女であったならプロポーズすらしかねん。
 さて、前置きはこのくらいにして。
 数代にわたり旧家の床下で暮らす小人一家と、少なくとも四代にわたり小人の存在を信じる一家との関係の終焉を描く長編劇場マンガ映画。原作を知りませんが、シチュエーションだけを借用した、恐らく宮崎駿風に換骨奪胎された作品に仕上がっているのだと思います。
 小人と人間の視点の差異を上手く視覚的に表現し、独立独歩を旨とする小人達と、小人の存在に気付き何とかコミュニケーションをとりたいと願いつつも決して小人達を脅かすような事をしない大人の思考を持った教養ある一族、そして子ども的思考(他者を思い遣ることなく、自分の興味の為に一直線に行動する等)しか持たない道化役のお手伝いさんが、庭の広い一軒屋で紡ぐストーリー。小人達には広い世界ながら、人間の視点では狭い世界での出来事でしかないそのギャップを上手く物語ったと思いますが、大上段に宮崎駿論を述べた一シーンだけが不要だと思います。
 物語ではお手伝いさんが悪者っぽくなっていますが、アリエッティと翔との関係は破綻することが前提ですから単に物語りの起承転結の為に描かれたに過ぎません。デザイン画と声優樹木希林が見事にマッチしたために、他のキャラクターを差し置いてあまりにも印象深く感じてしまいました。その分割をくったのが大竹しのぶでしょう。どこかのマンガ雑誌の批評で合わないと書かれていましたが、大竹しのぶの声優は悪くないと思います。アニメーション的には良い出来だと思います。ただ、他の主要キャラクターがキャストとイメージが重なるのに大竹しのぶ役のアリエッティの母ホミリーのデザインが、大竹しのぶに合っていないだけだと思います。俳優を起用することによる弊害だと思います。私的には映画を観ていてアリエッティ一家三人が“吹き替え版”にしか観えませんでした。小人と人間の物語は「とんがり帽子のメモル」に止めを刺すでしょう。
 なんとなくですけど、脚本家は短編向けに書いたけれども長編に書き直したような気配を感じました。BGMに助けてもらっているショットが多々有ります。宮崎駿ならば観客に対し、これならばどうだッ!と果敢に挑むが如きアニメショーンの動きを見せる瞬間がありますが、今回はそんな瞬発力のある映像が見当たらなかったのが残念です。「耳をすませば」の近藤監督はその点見せ場を上手く表現していました。
 宮崎駿の下で何がしかを学び、己の内なる声に従い映像作品をつくろうとするとスタジオ・ジブリから独立するしかならないのでしょう。例えるなら庵野秀明や押井守や細田守達。で、ジブリに残っているのは結局宮崎駿の世界感の再現をしたい人々では無いでしょうか。縮小再生産でしかありませんが、アニメーション制作をする工房においては、一人の輝ける才能を持った人物と、その人を支援する人々といったシステム以外をとりようが無いのかもしれません。実写映画で黒澤組や小津組があっても二代目三代目を生み出すにはいたりませんでした。技術を伝達できても才能は伝達できるものでは無いとしか云いようがありません。
 宮崎駿やスタジオ・ジブリから離れて一映画としてはお金を払って映画館で見て損の無い映画としてオススメします。子どもがいたら是非とも家族で見に行ってもらいたいものです。

(以下yahooより引用)
原題: -
製作年度: 2010年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 94分
 解説: メアリー・ノートンのファンタジー小説「床下の小人たち」を基に、古い家の台所の下に暮らす小人一家の物語が展開するジブリ・アニメ。企画は『崖の上のポニョ』の宮崎駿が担当し、『千と千尋の神隠し』『ハウルの動く城』といったジブリ作品にかかわってきた米林宏昌が監督を務める。舞台を1950年代のイギリスから現代の日本に移した設定と、人間の少年との出会いによって翻弄(ほんろう)される小人の少女アリエッティの運命の行方に注目だ。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 古い家の台所の下に住み、暮らしに必要なものはすべて床の上の人間から借りてくる借りぐらしの小人たち。そんな小人一家の14歳、アリエッティは、好奇心と伸びやかな感性を持つ少女。だが、人間に見られないよう、目立たないよう、つつましさと用心深さを求められる毎日を送っていた。
 スタッフ
監督:米林宏昌
製作総指揮:-
原作:メアリー・ノートン
音楽:セシル・コルベル
脚本:宮崎駿 、丹羽圭子
 キャスト
志田未来(アリエッティ)
神木隆之介(翔)
大竹しのぶ(ホミリー)
竹下景子(貞子)
藤原竜也(スピラー)
三浦友和(ポッド)
樹木希林(ハル)


2010年7月26日月曜日

日本は世界で一番夢も希望もある国です! 読了

日本は世界で一番夢も希望もある国です! 読了
金美齢/著 PHP研究所/刊 20070618第1版950円
 古本屋で途中まで立ち読みをして続きは図書館で借りました。1999年9月に出版された「世界一豊かで幸せな国と、有難みを知らない不安な人々」の改訂・改題版なので時事ネタとしては古いかもしれませんが。2010年の時点でも差ほど2000年と異なることは無いと思われます。
 日本人が崇高な目的を持って努力したわけでも戦略的視野でもって経済を邁進したわけでもなく、気がついたら国際社会でこんな位置にいたってことではないでしょうか?ジャパン・イズ・NO.1なのではなくonly in Japan。国際的国家の位置で上位にあるために周りから地位に伴った義務を果たしてくれと云われても、現在の地位に胡坐をかいているのではなく、戸惑っているのが現状であり、日本の政治家達や官僚に云わせれば「どうして鎖国を止めさせたんだ!」と叫びだしたいのではないでしょうか。
 鎖国を再度しない以上、国際的状況は日々動いていて、その状況に合わせて日本を舵取りしなくてはなりません。でも日本人は豊かな自然に恵まれた国土で、季節に合わせて米を植えて魚を獲って暮らすのが精々であり、なまじ自分達で国際情勢を考え出すと失敗しかしません。だからいっそのこと日産のゴーン氏の様に信用信頼できる人を他から連れてくれば良いのです。
 かつてのローマ帝国も唐もモンゴルの元帝国も世界帝国たる帝国は人材の登用に偏見を持たず、有能であれば外国人だろうと何だろうと活用しました。大日本帝国を名乗っても結局帝国足らずして滅んだのは、五族協和をうたいながらも実践せず偏狭な民族主義になってしまったからでしょう。今からでも遅くはありません。まだ日本に外国人の目から見て魅力があるうちに良い意味で帝国足るよう、日本国籍人の意識を改革する事こそ必要です。米陸軍の日系部隊や独逸系部隊のように、また入り婿や嫁の方が生え抜きの子よりも家を繁栄出来るように、外から来た人たちのほうがコンプレックスから頑張ってくれると思います。
 さて、「目を見張る図書館の充実ぶり」の章で少ないながら日本の図書館で情報を無料で収集できる利点を述べています。ただ小林よしのりの「戦争論」を図書館で読めなかったのは何がしかの恣意が働いているのでは、と苦言を述べています。さらに「アメリカの図書館にはまだ及ばない」の章では先進的なアメリカの図書館の事例が身近な経験則ながら紹介されています。はっきり云いまして日本と米国は比較になりません。相撲とベースボールとどちらが強いかを語るようなものです。日本の出版に関してはonly in Japanであって他のどの国とも比較できません。戦争論に限らず大川何某とか池田何某とか何でもかんでも読みたければ、一つの自治体か県と市町村と連携するかして図書費だけで毎年2億円と1万冊増えていく本を保存できる建物を寄付してから本の選別に注文を出してください。維持費もかかります。日本は本を出版しすぎです。日本を基準にした場合では他の国々の出版点数が少なすぎるとも云えます。一般流通していない同人誌を加えれば概算で年間4万冊が流通(コミケの参加サークルが半年で約1万5千以上、またコミケ落選サークルや不参加サークル、“オタク”以外の同人誌に至っては把握できず)している現状は世界でも類をみません。20世紀の大戦を挟んではいても江戸時代からの高識字率と出版業界の隆盛は、日本こそ電子書籍を必要としていると云わずして、どこが活用すると云うのでしょうか。現にタカダカ新書の読書感想文を書いて尚且つ読んでいるワタシとアナタの関係はネットを無くして存在しえない繋がりではないですか。
 まあそんなこんなで、お金の使い方が上手くない日本人と云うのは、図書館一つとってみてもそうだろうなと思います。

 出版社/著者からの内容紹介:日本は世界第二位の経済大国である。一方で、長く続いた不況や
昨今の「格差社会論」の影響で気持ちがネガティブになり、「豊かさを実感できない」「恩恵に与っているのは一部の金持ちだけ」などと口走る人が出てきている。それをまた煽るかのように、有力メディアが「非正社員やワーキングプアが溢れている日本は、若者にとって夢も希望もない国」と報じる。だが、それは本当か。台湾出身で在日30年にもなる著者は言う。「日本は、世界各国の食が結集する豊かな社会で、あらゆる情報が安い値段で手に入る」「多くの日本人は生き方の選
択肢が無碍に存在し、努力と行動で必ず頭角を現せる環境にある」著者自身、いまどころではない就職難の時代に来日し、数々のアルバイトを必死でこなしてきた「究極のフリーター」である。その著者が声を大にして言う。「幸運=チャンスの女神はあなたたちの目の前を通っています。日本は世界で一番夢も希望もある国です!」
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):金 美齢 1934年、台湾生まれ。1959年に留学生として来日、早稲田大学第一文学部英文学科に入学。同大学院文学研究科博士課程修了。その後、イギリス・ケンブリッジ大学客員研究員、早稲田大学文学部講師などを経て、JET日本語学校校長を務める。現在、同校理事長。評論家。2000年5月~2006年5月、台湾総統府国策顧問。台湾独立を願い、日台の親善にも努め、政治、教育、社会問題等でも積極的に発言。テレビ討論番組の論客としても知られる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
 目次
1 世界随一の豊かな社会
2 情報に満ちている環境
3 あらゆる生き方が許される国
4 快適に暮らせる社会
5 お金に頼らないメリット・デメリット
6 「こだわり」から創造性へ
(yahooより引用)

2010年7月25日日曜日

されど罪人は竜と踊る 9巻 読了

されど罪人は竜と踊る 9巻 読了
~Be on the Next Vicim~ 浅井ラボ/著 小学館/刊 20100722初版800円 ガガガ文庫
 若く腕利きだけれど生き方が下手なコンビ、ガユスとギギナは行く先々で事件に巻き込まれていった。今回は人間の大量快楽殺人者達<ザッハドの使徒>が大挙してエリダナの街を襲う。エリダナに残っている攻性咒式士で彼らに対抗できる戦力は、合法的に大量快楽殺人を行う“パンハイマ”一党。
 600頁を超えているのに続きモノです。さらに伏線が。今回の事件の伏線なのか、シリーズを通じての伏線なのかわかりませんが、色々と出てきます。
 千利休が秀吉を茶席に迎える時、花器の朝顔を映えさせる為庭の朝顔を全て千切ったように、悪意が満ちた世界で、一筋の希望の光を映し出すことで人の善意を輝かせる、だからこその暗黒ライトノベルの旗手たる所以ではないかと思います。
 いつになるかわかりませんが次巻発刊の期待と今エピソード終結を希望。
 内容紹介:待ちに待った完全新作書き下ろし長編!アナピヤを失いジヴーニャと別れたガユスは、傷心を抱えエリダナの夜を彷徨い、強敵ユラヴィカを失ったギギナは、剣の方向を見失う。そんな中、最悪の殺人者で〈ザッハドの使徒〉であるアンヘリオがエリダナに現れ、血の祝祭を開宴。使徒を迎え撃つために、ついに最凶の咒式士であるパンハイマとその一団が動き、聖女ペトレリカが心を痛める。使徒逮捕のために派遣された特別捜査官が隠す謎とは?(アマゾンより引用)それぞれの思惑から共闘と不和が渦巻くエリダナに、殺人の数を競う使徒の殺人遊戯が開幕する!


2010年7月24日土曜日

ああっ女神さまっ 41巻

ああっ女神さまっ 41巻 読了
藤島康介/著 講談社/刊 20100723第1刷486円 アフタヌーンKC
 魔界の女王ヒルドはクーデタにより失脚。森里とベルダンディー達に助力を求めてきた。ウルド、スクルドを加え四人は映画「死亡遊戯」よろしく、魔族が待ち構える“試練の部屋”へ足を踏み入れる。
 まあ、試練ちゅうたって誰かが死んだり重症を負ったりする話ではないし、予定調和的結末にむけてクエストしているだけなので、波乱万丈には程遠いと云わざる得ないのですが、それはそれとして、女神三姉妹の活躍を楽しむだけで良し!
 内容説明:ごくフツーの大学生・森里螢一と3女神による愛と試練と騒動の同居生活。女神降臨から20年、変わらぬ“女神愛”を発信中!!
3女神の攻撃がことごとく破られる!! 魔界の第2の扉の住人は、すべてを破壊する拳を持った怪腕・スリュム!!(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)

 アニメの話
 「ハートキャッチ・プリキュア」が今期最強。「これがわたし…!?」から「陽の光あびる一輪の花、キュア・サンシャイン!」と名乗りにいたるキュア・サンシャイン登場の回は毎日繰り返し見てしまいました。これほど燃えるヒーロイズムは「ガオガイガー」以来と云っても過言ではないかも。「セーラームーン」から始まる魔法少女戦隊モノの最終最強形態でしょう。7月25日放送分では三人になったプリキュアとダーク・プリキュアの対決、次回予告を見る度に日曜日を指折り数えて待っていました。できるなら三人が窮地に陥った時、キュア・ムーンライトが変身しなくとも良いから参戦して欲しいものです。8月の夏コミではプリキュアがブレイクするような気がします。

2010年7月23日金曜日

XBLADE 10巻 読了

XBLADE 10巻 読了
士貴智志/漫画 イダタツヒコ/原作 講談社/刊 20100709第1刷571円 シリウスKC
 潰滅したと思われていた東京都区内に生存者たちによるコロニーが存在していた。コロニーに身を寄せたハル達一行だが、賀夜が蘇芳に攫われコロニーには略奪者達が迫る。ハルは日本刀と化した真名を担ぎ、一人略奪者達の前に立ちはだかる!
 さて、平和が続いた江戸時代、戦場での刀ではなく、武士が日常身につける装飾品となった日本刀ですが、武器であることには間違いなく、そうした状況の変化が“居合い”という技を磨いていきます。刀を合わせて戦うのではなく、鞘から抜いた一撃で勝負を決める、例えるなら銃の早撃ちみたいなものでしょうか。TV番組「必殺」シリーズの中村=藤田まことが居合いの達人の設定です。が、スポーツと化した竹刀“剣道”には必要は無いし、現在のようにナイフすら取り締まりの対象となる時代には無用となってしまった技術です。ですが日本刀を操る技術としては流派により重要度は違えど必要不可欠な技術でもあります。
 刀を腰に差した状態から抜く時、右足を大きく踏み込みながら抜きます。もしくは刀を抜く右腕のみならず同時に身体の左側(鞘)を後方にずらします。流派によって名称が異なるようですが、私は体を“ひらく”と聞きました。万が一右側に障害物があって刀を振り抜けない場合は、左足を後方に大きく下げて刀を抜きます。また歩いている最中、左足が前にある状態で刀を抜かねばならない場合の対処法など、古武術ではあらゆる場所あらゆる状態で刀を抜く訓練がなされるそうです。
 「XBLADE」の主人公ハルは示現流を元に学んでいます。司馬遼太郎や「修羅の刻」等を読むと示現流は一撃必殺を宗とする流派であり、有名な“トンボの構え”のみならず“居合い”もまた最強の部類に属すると聞きます。どんな足裁きの状態からでも上段からの一撃を振り下ろせるそうですが、残念ながら私は演武の記録映像ですら見た事はありません。
 ここにいたって、真名は“太刀”なのでしょうか?“刀”なのでしょうか?疑問が出てきました。ハルは刃を下にして太刀抜きをしているけど。まあ居合いでは刃をどの方向においても抜く技術を磨くらしいですが。

 内容説明:原因不明の未曾有の大災厄による東京壊滅から4年──。ひとりの少年とひと振りの刀との出会いが、歴史を塗り替える!『外道の書』『美女で野獣』のイダタツヒコと『神風』『アイ~風と水のダフネ~』の士貴智志の異色コラボによる、未だかつて誰も見たことのない超絶剣戟バトルコミックの新境地!(アマゾンより引用)
 帯より引用:東京第十三区編完結!![第三部 失楽園編]序章まで収録の最新刊!
 初の真式化粧応身刀対決!ハルと真名、「ななつさや」総代・蘇芳との対戦!百眼との戦いに敗れた後、「弐式」から「真式」に打ち直された蘇芳の化粧応身刀「冠奈」の新たな力とは!?
(月刊シリウス掲載)

 アニメの話
 「ストライクウイッチーズ2」第一話第二話を見ました。日本刀最強!リアルでは日本刀より同じ長さの鉄パイプの方が強いような気もしますが、信仰として“日本刀は最強”伝説。
 「さらい屋五葉」最終回を見ました。アコーディオンのBGMも時代劇に合いますねぇ。時代劇っぽくないオープニングも好きです。以前CD「TV時代劇グレイテスト・ヒッツ2 」を聞いたら自分のイメージしている時代劇のオープニングとは異なり、案外時代性を映していた事に驚きました。時代劇は史実とは違う事を音楽によって再認識しました。


2010年7月22日木曜日

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 21巻 読了

機動戦士ガンダムTHE ORIGIN 21巻 読了
~ひかる宇宙編・前~ 安彦良和/著 角川書店/刊 20100726初版560円 角川コミックス・エース

 名場面の連続!

 名台詞続出!

 中扉をめくり、あらすじを読み始めると頭の中に鳴り響くあのオープニングBGM。そして耳の底には永井一郎の声。

 「手のふるえが止まりません」

 「照準ゲル・ドルバ」

 「ムサイ退がれ!!」

 「敢えて言おう!カスであると!!」

 「奴との戯言はやめろ!!」

 「あああ アムロ 時間が みえる …」

 ここに至って私の脳内でTV版戸田恵子歌ういまはおやすみか劇場版井上大輔の歌かで逡巡葛藤するが、ページをめくると「♪いつか触れて…」
 そうきたか、安彦良和!!
 まあ、順当な選択であろう。
 今年日中の最高気温をマークした日の夜半、熱さなどスッカリと忘れて黙々と読み込んでしまいました。フルカラー版を見てみたい。
 次巻発売日が待ち遠しい。

 内容紹介:母なる大地コロニーすら兵器となし、殲滅戦につき進むギレンの姿に絶望した公王デギンは和平交渉へと動く。一方WB隊は、ジオン本国へ侵攻する主力艦隊から離れ、ア・バオア・クーへ陽動をかけようとしていた……。(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)


2010年7月21日水曜日

れも・ねーど 読了

れも・ねーど 読了 
夏緑/著 メディアファクトリー/刊 20100630初版580円 MF文庫
 主人公が選んだ部活は、様々な部活を渡り歩き、数々の薀蓄を述べるにはとても良い着眼点。
 ヒロイン視点で捉えれば、ライバル視していたアイツが気になりだして、最後には考えているのはいつもアイツの事ばかりと、まるで'70年代の少女マンガのような正統派ラブコメ!なのかなぁ?著者夏緑もやればできるぢゃないですか、って前シリーズも似たようなもんでしたけどね。
 シリーズ展開を期待しつつも、もしも人気が無ければ単発で終了できるように一応完結しています。タイトルには銀河英雄伝説同様巻数が入っていません。でも続刊されれば“2”の文字がはいるのでしょう。ラストには何故ここで披露しなければならないのか、大ドンデン返しがッ!!
 内容紹介:岸海星はごくヘーボンな高校一年生。五月もなかば、委員長は不機嫌な顔。この学園は部活動が必須なのに、海星だけまだどこにも入部してないからだ。でもやりたいことなんてないしー…と思っていたら! 偶然手伝った、とある女子部のマネージャー業務に適性あり!? 快活な小鈴に張りあわれながらも雑務のあれこれにやりがいを感じた海星くん、いざ!小鈴と同じ部に入ることを決めるのだけど!? 「もしかして海星くん、かんちがいしてる?」え? 何が?「あたしの本当の部活は“ここ”じゃなくって……」起死回生でみんなをサポート、爽やかお助けラブコメ堂々スタート。
 内容(「BOOK」データベースより):岸海星はごくヘーボンな高校一年生。五月もなかば、委員長は不機嫌な顔。この学園は部活動が必須なのに、海星だけまだどこにも入部してないからだ。でもやりたいことなんてないしー…と思っていたら!偶然手伝った、とある女子部のマネージャー業務に適性あり!?快活な小鈴に張りあわれながらも雑務のあれこれにやりがいを感じた海星くん、いざ!小鈴と同じ部に入ることを決めるのだけど!?「もしかして海星くん、かんちがいしてる?」え?何が?「あたしの本当の部活は“ここ”じゃなくって…」起死回生でみんなをサポート、爽やかお助けラブコメ堂々スタート。(アマゾンより引用)


2010年7月20日火曜日

僕、ニッポンの味方です 読了

僕、ニッポンの味方です 読了
~アメリカ人大学教授が見た「日本人の英語」~ マイケル・プロンコ/著 矢羽野薫/訳 メディアファクトリー/刊 20090329初版1200円
 なんら文学に志の無い人でも一生に三冊は本を書く事ができるとか、どこかで読んだのだか聞いた事があります。一に自伝、ニに仕事について、三に趣味だそうです。今作「僕、ニッポンの味方です」は著者マイケル・プロンコにとっては仕事の本と云う事でしょうか。大学で学生に教えていて見たり聞いたりして色々考えたエッセイでした。
 大雑把に云って日本の小中高で教えているのは「クイズ」であって実学でも修学でもありません。正解が初めからあるものはクイズでしかありません。正解を追い求めるのが学問であって競争をしたり点数をつけたりできません。どうもこの国では「勉めて強いる」事そのものが良いことだと勘違いしているような気がします。ただクイズをいかに要領良く解く事ができるかによる順列によってランク別けをしてある種の分別をしている事が、社会システムに求められているいることは理解できます。そして世の中が上手くいっている理由と云うか、現在のシステムが存続している最大の理由は、学校で要領が良い人は社会でも要領が良い場合を多数見受けられることだと思います。 社会で必要としているのはクイズの“知識”ではなく、知識を生かす“知恵”を磨く事なのではないでしょうか。ではどうやって知恵を磨くのか。今の日本ではクイズで知恵を磨く手段が豊富にあったりします。知恵があれば学歴システムも上手く潜り抜けられるし、クイズも解けない知恵しか無くては磨いても無駄、と云う認識が先に立っているように見受けられます。それもある意味真実の一つではあるんですが、真実はいつも一つ、とは限らないんですけどね。
 英語ではなくて中国語の話なんですが、知人が中国の工場へ出向した時何人か通訳を雇いました。街中で買物したりするのは日本語と中国語の両方で会話できれば誰でも良いが、ビジネスの話や技術的話を通訳するには大学生程度の(幅広い)知識(=おそらく教養)が無いと、知らない言葉を意訳することが出来ないし、こちらの意図を推測することが出来ない、と云っていました。
 知恵があっても必要最低限の語彙を知らねば会話になりません。幅広い教養と云う点では小中高そして大学の授業程度は初級の知識でしか無いと云えます。学問をするためには、さらにその上へ行かねばならないという事です。では“学問”とは何ぞや、定義について少々。朝日新聞の土曜版「磯田道史のこの人、その言葉」に紹介されていた日本史上の偉人の言葉を二つ引用します。
 「学問を致すに、知ると合点との異なる処、ござ候」横井小楠(1809~1869)朝日新聞2010年3月13日土曜版3p
 「学者はなんのためというような目前の利害だけを問題にして研究をしているものではない。」昭和天皇(1901~1989)朝日新聞2010年1月9日土曜版3p
 閑話休題。
 欧米人の目から日本を見ると、他国とは大分違う文化システムで動いている事に気がつきます。日本人が馴れ親しんだ学校の勉強システムも実は日本国内でしか通用しないローカルなショウモナイものでしかないのかもしれません。日本国内で完結するならば問題ないでしょうが、世界へ出るために勉強している“英語”が、世界に出るにはトンでもなく出来の悪い授業だとしたら1億2千万の日本人は挙って要領の悪い事をしているのではないでしょうか。

 内容紹介:世界一英語に自信がない日本人…大丈夫ですよ
「私の英語は、ひどいんです」……そんなことは、ありません!
日本在住20年、日本人と英語の不思議な関係を見つめたエッセイ
明治学院大学で英語を教える著者が、つい文法を気にして英語を話すことをためらってしまう人たちに「日本人の英語は思っているほど悪くない、大丈夫だよ」と語りかけるエッセイ集。17カ国を放浪した経験や日本で20年英語を教えてきた経験をもとにしたエピソードは、読者を英語呪縛から解き放って背中を押してくれる。「もう一度英語をはじめてみようか」と思わせる一冊。
著者は日本テレビ系『世界一受けたい授業!』に2度出演し、「外国人から見た日本の不思議なところ」(社会)の講義を行っており、好評を博している。
 内容(「BOOK」データベースより):日本に住み、英語を教えて20年。「英語は苦手で」「文法がダメなんです」―そんな英語恐怖症からバイリンガルまで、日本人の英語を温かく、鋭く観察してきた著者による好評エッセイ第2弾。(アマゾンより引用)

目次
:第1章 英語を愛する日本人たち(英語のために流す涙
ラーメン店にもプールにもいるバイリンガル ほか)
第2章 世界一英語に自信がない!?(話すのをやめるのをやめてくれませんか?
英語で夢を見る日 ほか)
第3章 あなたの英語はひどくなんかない(英語、それは批判的な言語
英語恐怖症? ほか)
第4章 正しくなくても、大丈夫(発音-「声の習字」
人前で英語を話す不安 ほか)
第5章 文法を手放して、自由になろう(むかしむかし、あるところに…
学問と芸術の女神ミューズ! ほか)(yahooより引用)


2010年7月19日月曜日

ジゼル・アラン 1巻 読了

ジゼル・アラン 1巻 読了
笠井スイ/著 エンターブレイン/刊 20100727初版620円 BEAM COMIX
 表紙買い。出版社はエンターブレインだし、絵の雰囲気とか色調ペンタッチ、キャラクターの服装から、コミックビーム系の女性作家のアシスタントかご同輩を活用したのであろう事は推理できるので、私の好みの範疇には入るだろうとの希望的観測をする。
 まあ概ね期待通り。第一話のイメージとして思い浮かべたのはTVアニメ「女王陛下のプティアンジェ」。だが内容は推理物ではなく、何でも屋を始めたどこぞのお嬢様による人情話。筋立てから云うと「剣客商売」とか「居眠り磐音 江戸双紙」らと変らないのではないかと思う次第、小説読んでいませんが。パターンの中にオリジナルを入れることこそ難しいのでしょう。
 世間知らずのお嬢様がアパートの大家さんになっているので、てっきり親族が死んで世間に放り出されて遺産のアパートで食いつないでいるのかと勝手に想像してしまいましたが、どうではないようで、実家からの難問もまた持ち込まれる様子。次巻が愉しみです。
 時代背景の研究が足りないのか情景描写が少ないのが残念。キャラクターのUPとセリフでストーリーを進めるばかりではなく、緩急を視覚的にも付けるのがよろしいかと思われます。
 商品の説明:Book Description 「その仕事、私が頼まれようか?」20世紀初頭、ヨーロッパ。主人公の少女の名は、ジゼル・アラン。アパートの大家をしているジゼルが、ある日“何でも屋”を開業。店子のエリックを助手に、さまざまな依頼をこなしていくものの、お嬢様育ちで好奇心旺盛なジゼルは、何かと暴走しがちで――。無理矢理仕事を手伝わされるエリックをはじめ、個性豊かなアパートの住人たちを巻き込んで、ジゼルお嬢様の可憐で、危なっかしい活躍が始まる。新星・笠井スイ、待望の初単行本!(アマゾンより引用)
(Fellows!掲載)

2010年7月18日日曜日

絶対可憐チルドレン 22巻 読了

絶対可憐チルドレン 22巻 読了
椎名高志/著 小学館/刊 30100721初版743円 少年サンデーコミックス 4コマ漫画「増補版サプリメント」総編集つき特別限定版
 フェザーはスタイル良過ぎですな。国外の組織から送り込まれたスパイだから必ずしもチルドレン達と同じ年齢とは限らないのですが。マンガはあくまで“図”の組み合わせなのだし、一人の作者がそうそう何十人ものキャラクターを描き別けができるわけが無いのだと理解しつつも、心が納得していない自分に気がついて驚く。マンガに私は何を求めているというのだろうか。女の子の第二次性長期を描き分ける作品を見てみたいような見たく無いような。
 さて今回のオマケは雑誌や単行本に収録されている四コママンガ「絶対可憐チルドレンさぷりめんと」の総集編、更に少々描き下ろし付き。本編の外伝てき要素プラス補完的要素もあるので、本編と連動して読むのが一番分りやすいのではありますが、まとめて読むとこれはこれで別な愉しみがあるように思えます。折角だから限定版をオススメしておきます。
 内容紹介:新学期、チルドレンの新たなクラスメートになったのはなんとパンドラのメンターたち!!少しずつ、距離を縮めるバベルとパンドラメンバーに「トリプルブースト」能力の解明を目論む「黒い幽霊」の魔の手が迫る!!そして発生した爆破予知現場にフェザーが再び登場して…!?(カバー裏表紙より引用)
(週刊少年サンデー掲載)

2010年7月17日土曜日

史上最強の弟子ケンイチ 39巻 読了

史上最強の弟子ケンイチ 39巻 読了
松江名俊/著 小学館/刊 30100721初版419円 少年サンデーコミックス
 強さを求めるのならば殺人すらも厭わない武術集団“闇”が全国の博物館美術館所蔵の刀に目を着けた。“闇”の魔手から刀を守るため梁山泊の師匠達が全国に散る。
 兼一を連れ逆鬼、しぐれの二人が向ったのは福島県会津若松城天守閣(作品内に表示はありませんが、あまりにも見慣れた場所なので)。無手と武器、武器と武器の戦いが始まる。そして梁山泊長老と同等であろう一影九拳の一人櫛灘美雲が立ちはだかる。オッパイ成分増量
 yahooブログ「がちょーん」バックナンバーの何処かで書きましたが、授業で剣道・柔道を習って農作業をしたらば、武道(特に剣道)の足運びや上腕の動きは農作業の鍬鋤の動きと良く似ていると思いました。歴史的に考えれば鍬鋤が先にあって、効率的身体の動かし方を習得していく過程で日本刀の反りが生まれてきたのではないかと推理したいところですが、如何せん物証が殆ど無く推測のうちを越える事が出来ません。大陸から渡来したであろう直刀が何故日本刀に成っていったのか、証明が出来たら日本史に、いや今のネット社会なら世界史に、少なくともウィキペデイアに名が残ることでしょう。
 内容紹介:“闇”の武器組から名刀を守るべく、梁山泊出陣!!逆鬼、しぐれと行動を共にする兼一だったが、櫛灘師弟、紀伊陽炎ら無手組&武器組の難敵が続々と襲来し…!?凶刃乱舞、死闘の39巻!!(カバー裏表紙より引用)
(週刊少年サンデー掲載)


2010年7月16日金曜日

星々の夜明け 完結 読了

星々の夜明け 完結 読了
~フェンネル大陸 真勇伝~ 高里椎奈/著 講談社/刊 20100706第1刷1000円 KODANSHA NOVELS
 国を追われた姫様が、大陸を巡り、人々と出会い、医者のように行く先々の国の病を結果的に治し、いつしか人々の口々にその名が称えられるようになった時、姫は追われた己の国に帰って来た。自分自身の過去を見つめるために。
 完結です。
 大団円でした。頭の悪い人はいても、悪人がいないというのはファンタジーとして最高ですね。皆それぞれが最善の方法と信じて己の道を進もうとするが故に陥穽に嵌ったり、他者と競合ってしまう。皆で善い道を選んでいく事こそが最善なのでしょう。
 カバー&本文イラストを一貫して描いた“ミギー”の絵に引っ張られて、本文のセリフと映像的イメージのギャップが最後まで付きまとってしまいました。イラストの人物を幼く受け取ってしまい、主要人物が小学生とか中学生くらいのイメージを脳内に描いてしまいます。でも、深刻そうなストーリーもファンタジーな世界感を押し通せたのは幼くて軟らかいイラストのイメージだからだと思います。もしも文庫本とかでイラストレーターに変更があれば、また異なるイメージで読めるのではないかとも思います。近々外伝短編集発刊とのこと。
 内容説明:大人気“フェンネル大陸”シリーズ完結!
 内容(「BOOK」データベースより):首都で発生したグールの叛乱を機に、ストライフ王国各地で上がる戦いの狼煙。争いを止めたい、真実を知りたい―。兄に命を狙われてもなお、フェンは、暴走する祖国を救うべく奔走する。彼女を襲う悲しき裏切りと、思わぬ別れとは!?王家が隠し続けてきた驚愕の真実とは…!?少女と仲間達の心揺さぶる冒険譚、ここに完結。(アマゾンより引用)


2010年7月15日木曜日

必死剣 鳥刺し

必死剣 鳥刺し 観了
 そのお店で出された鳥刺しを食すと必ず死ぬ…必殺軒鳥刺し!
 さて、 一作品として単体で感想文を書こうとするのですが、思考も文章力も稚拙なのでどうしても他作品と比較した話を書きたくなります。平成になり原作者が死んだせいか山形県の営業が上手いのか藤沢周平の一連の海坂藩シリーズが監督を代え役者を代えて映画化されています。そうすると魁となった「たそがれ清兵衛」の完成度の高さが際立って見えます。流石山田洋二監督と云う事なのでしょうか。大自然の美しさとそこに生きる人々の滑稽さと哀しみを、地に足の着いた日常の中で物語を紡いでいく演出の手腕が偉大といっても良いでしょう。方言を使い、折り目正しく節度を持った侍達も人としての営みは普通にあり、老名優笑いの演技も交え、生活臭さが画面から滲みでていましたし、人の小さな幸せを積み重ねて見せました。
 今回は「必死剣」と云う位ですから“必ず死”にます。死に様=生き様として、鬼気迫る演技を主役豊川悦司が演じ、見ていて本当に顔が怖い。画面に緊張感が流れかっこ良く見えなくも無いのですが、ストーリーに緩急が無く、短編を二時間に引き伸ばしました感が醸されてしまい少々残念。藤沢周平と云うより、主人公のストイックな生き様と剣戟が、漫画家平田弘史昭和期のマンガを見ているようでした。
 海坂藩シリーズは主人公よりも家老の役所が重要ですな。
 (以下yahooより引用)
 解説: 藤沢周平の時代小説「隠し剣」シリーズの中でも、現代に通じる傑作と名高い「必死剣鳥刺し」を『しゃべれども しゃべれども』の平山秀幸が映画化。剣豪であるがゆえに、過酷な運命に翻弄(ほんろう)されていく武士の心情が描かれていく。悲運の剣豪・兼見三左ェ門を演じるのは豊川悦司。三左ェ門の亡き妻のめいでありながら、彼にひそかな思いを抱く女性・里尾を池脇千鶴が演じる。観る者の心を揺さぶるし烈なクライマックスまで、目が離せない。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 江戸時代、海坂藩の近習頭取・兼見三左ェ門(豊川悦司)は、藩主・右京太夫(村上淳)の失政の元凶である愛妾(あいしょう)・連子(関めぐみ)を3年前に城中で刺し殺すものの、寛大な処分によって再び藩主に仕えることに。亡妻・睦江(戸田菜穂)のめいであり、身の周りの世話をしてくれる里尾(池脇千鶴)との日々の中で生きる力を取り戻すが……。シネマトゥデイ(外部リンク)
原題: -
製作年度: 2010年
上映時間: 114分
製作国・地域: 日本
スタッフ
監督:平山秀幸
製作総指揮:-
原作:藤沢周平
音楽:EDISON
脚本:伊藤秀裕 、江良至
キャスト
豊川悦司(兼見三左エ門)
池脇千鶴(里尾)
吉川晃司(帯屋隼人正)
戸田菜穂(睦江)
村上淳(右京太夫)
関めぐみ(連子)
山田キヌヲ(多恵)
矢島健一(矢部孫千代)
油井昌由樹(大場兵部)
つまみ枝豆(福井)
俊藤光利(光岡)
村杉蝉之介(山内)
瀧川鯉昇(安西直弥)
田中聡元(権蔵)
石山雄大(茂吉)
生津徹(常吉)
前田健(喜助)
外波山文明(兼見清蔵)
高橋和也(兼見伝一郎)
福田転球(牧藤兵衛)
木野花(はな)
小日向文世(保科十内)
岸部一徳(津田民部)


2010年7月14日水曜日

あそびにいくヨ! 14巻 読了

あそびにいくヨ! 14巻 読了
~かみさまそこにおらりましか~ 神野オキナ/著 メディアファクトリー/刊 20100731初版580円 MF文庫 放電映像/イラスト
 TVアニメ第一話見ました。端的で宜しいんじゃないでしょうか。絵柄に引きづられてか、ややシリアスっぽい展開になっていたのが少々残念。原作がシリアス展開になっているので、アニメでは可愛ゆさを押し立ててもらいたかった願望が私にはありました。できることなら可愛い宇宙人とのファーストコンタクトのドタバタを描いて欲しいものです。
 さて、14巻。ローマ教皇との会談を企画する高校生の主人公達。ローマ教皇の始まりについては私がチョクチョク当ブログで紹介している「ローマ人の物語」に詳しくかつ分りやすく書かれているので、もし「あそびにいくヨ!」を読んでローマ教皇に興味を覚えたら読んでみて下さい。
 異星との交流も本格化し、主人公達の立場も現状から変化を迎える段階になりました。嘉和騎央の一族の謎とか、地球産ネコ耳人の謎とか、宇宙におけるネコや犬や鳥にトカゲの人達の勢力争いとか、物語上ではてさて決着するのでしょうか。余韻を持たせつつ登場人物達が何時かまたね、って感じで終了するのだけはご勘弁。
 それにしてもMF文庫と云い電撃文庫と云い、本に挟まっている文庫宣伝チラシを見ると見事なくらい萌えな女の子のイラストばっかしですな。何処ぞの読者投稿イラストページを眺めているような気分になります。単行本毎に切り取ってシャッフルしたら何処の出版社の表紙か分らなくなりそう。粗筋と表紙をシャップルしてみるってのもありかも。どれにしても違和感なさそうですなぁ。
 内容紹介:キャーティアと人類の「交換留学」も無事終わり、交流もいよいよ次のステージへと進むかのように思われた――その矢先に、キリスト教の最高位……教皇との会談を打診される。アントニアや日本政府とも協力し、対応の準備をする騎央たち。そんな中真奈美の調子がおかしい。ふとした瞬間に沈んだ表情をしたり、思い詰めた様子の真奈美を気にかける騎央やアオイたちだが、実は真奈美はある「決意」をしていた。そのれは――。一方、キャーティアとの会談を阻止しようとする存在も動き出すが――。TVアニメ化決定の大人気ファーストコンタクトラブコメ、交流も大詰めの14巻!(アマゾンより引用)


2010年7月13日火曜日

プレデターズ 観了

プレデターズ 観了
 森の中をマン・ハンティングするのは金が無いけど派手なアクションをかませられる自主制作系の定番な設定なのですが、一作目のシュワルツネッガー主演版は筋肉ムキムキで銃をぶっ放す野郎共が一人また一人と姿の見えない敵にやられていくのは「エイリアン」と同じ展開なのに、どこかカッコ良さがありました。シリーズ化により同じモチーフが繰り返され陳腐化。エイリアンVSプレデターVS地球人の三つ巴が目新しさを感じさせましたが、それもシリーズ化。
 さて、以下ネタバレでいきます。
 今回の「プレデターズ」は予告編で日本人のヤクザらしいキャラクターが日本刀を振り回す映像に興味を覚えて映画館に足を運びました。
 なるほど一作目への上手いオマージュ。ネイティブ・アメリカンの役所を今回はヤクザが演じたんですね。まあ日本刀一本で真向からプレデターと闘って勝てないまでも負けなかった演出にはニヤリ。ヤクザ強えェ。ロシアのスペツナズ級じゃん。背広姿で登場しながら、ジャングルでの革靴の不利を考えてすぐさま裸足になるのも凄い。バーバリアンの強調なんでしょうが、裸足の方が不利だと思うけど。監督とか脚本家はどんだけヤクザ映画が好きなんだろうかと思いますね。
 予告編の映像は、予告編用の映像でした。本編を見た後では下記のyahooから引用した「解説」文も「惑星に集まったエリート傭兵(ようへい)部隊」がプレリリース用の設定だと分りますので、脚本が結構書き直されているんだと思われます。
 タイトル「プレデターズ」の意味をセリフで解説させる演出は上手いと思いました。
 サバイバルゲームやガンエフェクトが好きな人にはオススメ。
 (以下yahooより引用)
 解説: アーノルド・シュワルツェネッガー主演の『シュワルツェネッガー/プレデター』を、舞台を惑星に置き換えてリメイクしたSFアクション。惑星に集まったエリート傭兵(ようへい)部隊が地球外生命体・プレデターと死闘を繰り広げるさまを描く。主演は、『戦場のピアニスト』のエイドリアン・ブロディ。製作を『スパイキッズ』シリーズのロバート・ロドリゲスが担当し、『アーマード 武装地帯』のニムロッド・アーントルがメガホンを取る。新種のプレデターのデザインにも注目。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: ある惑星にやって来た傭兵(ようへい)のロイス(エイドリアン・ブロディ)。ロイスをはじめとする囚人や軍人、工作員などから成る集団は、地球外生命体に選ばれた戦闘のエリートたちだった。しかし、実は自分たちが新種のプレデターに狩りの獲物として呼ばれたこと知り……。シネマトゥデイ(外部リンク) 

原題: PREDATORS
製作年度: 2010年
上映時間: 107分
スタッフ
監督: ニムロッド・アーントル
製作総指揮:アレックス・ヤング
原作:-
音楽:ジョン・デブニー
脚本:アレックス・リトヴァク 、マイケル・フィンチ
キャスト
エイドリアン・ブロディ(ロイス)
ダニー・トレホ(クッチーロ)
トファー・グレイス(エドウィン)
ローレンス・フィッシュバーン(ノーランド)
アリシー・ブラガ(イザベル)
ウォルトン・ゴギンズ(スタンズ)
マハーシャラルハズバズ・アリ(モンバサ)
オレッグ・タクタロフ(ニコライ)
ルーイ・オザワ・チャンチェン(ハンゾー)



2010年7月12日月曜日

ご主人は山猫姫 5巻 読了

ご主人は山猫姫 5巻 読了
~辺境中堅英雄編~ 鷹見一幸/著 アスキー・メディアワークス/刊 20100710初版590円 電撃文庫
 電撃文庫のあらすじは表紙カバーの返しにあり、店頭でビニールに包っていると内容が分かりません。シリーズや作家買いならば問題ありませんが、少ない情報量で表紙買いや霊感買いをする場合には他ライトノベルよるも賭率が高まってイマイチだったりします。
 才を生かすには天地人が揃う必要があります。また天地人を引き寄せる運もまた必要です。辺境最北端の都市侘瑠徒へ流れて行った泉野晴凛は良き上司に恵まれ、遊牧民族との融和も進展していた。しかし中央政府での腐敗が進み、上司月原弦斉は失脚。晴凛も汚名を着せられ追われてる身となるも、仲間の助力により侘瑠徒を奪取し「尊王討奸」の旗を掲げるのだった。ストーリーはもっと複雑ですが、まとめるとこんな感じでしょうか。人を動かすには実績と実直と熱意だよって云うのがこの著者鷹見一幸の一貫したテーマになっているような気がします。
 物語だと部族や部隊が数百数千の単位で戦いに馳せ参じてくれますが、実際に戦闘となってしまえば、必ず怪我人や死人が出るわけで、本人への保障や家族への保障さらに感情的問題を考えると多少の事は犠牲にしても戦争(殺し合い)はするもんじゃないな、と思います。子どもの頃は戦闘で白黒つけるのが一番手っ取り早くて分りやすいと考えていたのですが、今考えると子どもの浅知恵というものだったと理解できます。戦いのそもそもの芽を潰してしまうのが上策、戦うのが下策と二千年以上も前からちゃんとテキストにも書いてあるんですけど、理解するには体験体感しないことには人は学べないのでしょう。でもまあ、それでは娯楽作は出来ませんから壮大な戦闘シーンを描くのは有りだとも思います。
 内容紹介:ついに侘瑠徒防衛戦が始まった。伏龍の嫌がらせで帝国軍の足並みが乱れるも、劣勢は覆せず追い込まれていく。晴凛の超絶した弓技により、かろうじて敵の攻城平気を食い止めているが、敵は三万の大軍。落城は時間の問題だった。一方、孤立無援の侘瑠徒にヤキモキしている少女が一人。タッケイ族のシャールである。「未来の旦那様が一大事」とばかりに、一人でも出陣すると息巻いていた。援軍はまかりならぬというお触れと強情な妹との間に挟まれ、族長のスンタタは脂汗を流すしかなく――。強運に恵まれてきた晴凛たちだが、さすがに今度ばかりは!?大人気シリーズ、第5弾!(カバー返しより引用)


2010年7月11日日曜日

コンビニDMZ 4巻 読了

コンビニDMZ 4巻 読了
竿尾悟/著 少年画報社/刊 20091224初版571円 YKコミックス
 DMZ=DeMilitarizedZone非武装地帯。ヨーロッパの一角で連邦軍・反乱軍・民兵の三つ巴の戦いの渦中に国連とNATOの介入でDMZ(非武装地帯)を確定し日本式コンビニを出店。戦場という非日常とコンビニという日常のギャップにブラックユーモアを散りばめてのストーリー。店長川口洋一の下、店員雨宮淳(♀)鳳石勝(♂)の三人がコンビニDMZポイントチャーリー店を襲う数々の難問に挑戦する。たまに出張あり。
 雨宮さんって本当にお色気担当だったんですねぇ。はっ!バイト二人の名前ってもしかして漫画家仲間から持ってきたのか!?
 先日四方田犬彦/著「『七人の侍』と現代――黒澤明 再考」を立ち読みしていたら、あたりまえですが、世界各国で「七人の侍」に対する捉え方が違うと書いてありました。古典名作の一つとなっているのか、身近で感情移入できる作品として捉えているのかですね。ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争地域の人々には身近な映画で、現在収監中の戦争犯罪者も自国民側からすれば、敵勢力化で孤立し虐殺される民間人を七人の侍よろしく助けにいっただけなのに、と云う比喩にすら使われているみたいです。立ち読みなのでうろ覚えですが。折を見てじっくりと読むつもりです。
 今巻は川口店長コンビニDMZポイントブラボー店に出張。鳳石のセリフに「DMZって支店どれだけあるんだろ」てありますが、ブラボーなら二号店、チャーリーなら三号店なんじゃないですかね?アルファー店が何処かにあるはずですが。四号店の“D”から始まる言葉ってなんでしたっけ?因みにこういった記号は日本にもあります。「さ」は「さくら」の「さ」とか五十音をどの単語で呼ぶか決まっています。図書館等に備えている記号・単位事典に載っていたはず。
 軍隊の戦略の語源はラテン語から来ており云々というのが「ローマ人の物語」にありました。コンビニをコンビニたらしめているのは文字通りの「ロジスティック」にあり、集荷配送こそが命です。宅配便を頻繁に使うと案外送料というのは高くつくものだと実感しました。それでも自分が荷物を持って行き来するよりはどれだけ安くて早いのかも分りました。それもこれも社会インフラと律儀な国民性の賜物でしょう。戦争という状況のなかで物資輸送がどういうものか、配送員達の話も描いてみると面白いのでは無いでしょか。などと思いつつ既に連載は終了。次巻完結。
 「コンビニDMZ」こそ実写海外ロケで作ってもらいたいものです。しかも実際のモデル地で。どちらの勢力も親日的の様な気がするし。メインキャラクター以外は現地調達、でも全員が普通に日本語話しているの。「もやしもん」の実写ドラマ第一話があれだけの完成度だったのだから、「コンビニDMZ」も充分作れると思いますよ。
 内容紹介:品質抜群!鮮度良好!!品揃えもバッチリの日本のコンビニが非武装地帯で大活躍!いわゆる最前線(笑)で店を切り盛りするのは川口店長!今回は某有名非武装地帯に川口店長が緊急出動!そこで出会ったのはなんと…!?ミリタリー&ギャグの新境地を拓いた竿尾悟の最新作今巻は特製ステッカー付き!(カバー裏表紙より引用)
 (ヤングキングアワーズ掲載)


2010年7月10日土曜日

マップスネクストシート 10巻 読了

マップスネクストシート 10巻 読了
長谷川裕一/著 ソフトバンク クリエイティブ/刊 20100720初版600円 Flex Comix
 ナユタとミュズは伝承族ズザンガディスクの策略により“さまよえる狩人”達とともに、銀河に帰還したゲンとリプミラと邂逅した。そこにズザンガディスクに反対する伝承族が襲撃をかけてくる。今まで闘いあっていたミュズとリプミラは手を取り合って伝承族に立ち向かうのであった!
 戦闘と謎解き、の繰り返しが続く第10巻。緊張の連続。謎の解説を単なる説明にせず、戦闘で画面を盛上げつつ、セリフの掛け合いで盛上げていく手腕の上手さに脱帽。富野(ガンダム)の演出に学んだのでしょうか。著者長谷川裕一は本当にネタが尽きませんね。
 内容紹介:ついに姿を現したズザンガディクス。さらに迫り来るは、かつてのブゥアーをも凌ぐ巨大な伝承族。絶体絶命の危機の中、ミュズは第一のコンパスの力を解放する!そして変化し始めるミュズの体。一体何が起こるというのか!?えっ!? ミュズのロリロリボディが大人に!?(アマゾンより引用)
(FlexComixブラッド掲載)

 世間話
 明日7月11日日曜日は参議院選挙なんですが、有権者の方は是非投票所に足を運んでください。権利とか義務とか申しません。投票権1枚の税金は1万円近くかかっています(詳しい金額を忘れましたが)。使わないと1万円をドブに捨てる事と同じです。白紙で結構なので投票して下さい。白紙もまた民意です。


2010年7月9日金曜日

ヴァムピール 5巻 読了

ヴァムピール 5巻 読了
樹なつみ/著 講談社/刊 20100623第1刷571円 アフタヌーンKC
 人間に寄生し生気を食する存在ヴァムピール。ヴァムピール界の三巨頭“リュカ”“カンタレッラ”“男爵”。彼らの行動や思惑が現世に生きる人々を惑わせ絶望へと導くのか、それとも…?
 さて、翻訳小説の中のジャンルに映画化されたインタヴュー・ウィズ・バンパイアに代表される“吸血鬼”モノがあります。人の世にありながら、薄い現実の膜のすぐ向こう側にある闇の世界、少年サンデーで連載中の“ダレンシャン”も児童文学でありながらもそのジャンルでしょうか。歴史の無い(移住者の白人達にとっての)USAならではのファンタジー感覚だと思います。なんとなく著者樹なつみもその系統の小説を嗜んでいたんだろうなぁ、と推測してしまいます。でも、骨子としては前シリーズの「悪魔聖典」を少女マンガから青年マンガに転換してみたように見受けられます。初めは病んだ人間の暗黒面を、ヴァムピールに力を得た主人公達がどうにかしていくストーリーかと思っていたのですが、どんどん違う方向に進んでいった“エピソード4 運命の貴方”編終了。この後どう進展して行くのか興味津々。
 内容説明:爆破事件でサビーヌと完全同化したリュカは、男爵の求めに応じて、笙の浄化者・笛吹を消そうと動く。一方、ヴァムピールを倒せるのは半死人である自分 のみと知った伶は、リュカとの完全同化に同意したサビーヌの真意を測りかねていた。サビーヌを殺せるのか? この手で……。だが事態は伶の逡巡を許さない! 戦慄のサスペンス・ファンタジー第5巻、「運命の貴方」編、完結!(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)
 
 アニメの話。
 オイらのエリアでは「刀語り」「学園黙示録」「黒執事Ⅱ」が同時刻放送。嗚呼どれも見たい。オイらは未だにVHS録画なのだ。当然アナログ。今回黒執事Ⅱは第二話で、第一話は良い意味で裏切られました。CMやアニメ雑誌の事前情報では、新たなご主人、新たな執事、新たな使用人達、かと思いきや、ゲストか?と匂わせて思いっきり前作の続きだったとは!?続きの第二話も見たい!でも刀語りも今まで通して見てきたから欠けたく無いし、学園黙示録は評判良さそうだし。
 嗚呼なんてこった!!


2010年7月8日木曜日

ドリフターズ 1巻 読了

ドリフターズ 1巻 読了
平野耕太/著 少年画報社/刊 20100721初版562円 YKコミックス
 待ちに待っていた1巻が出ました!
 全員集合ではなく、元ネタの黒人グループでもなく、異世界に召喚された“ドリフターズ(漂流者)”達が、その世界の命運を握っているらしい…。そんな世界の命運とは別の所で織田信長と那須与一そして島津豊久が“国獲り”を開始する。
 戦場が好きなんですねぇ、この著者は。初単行本「コヨーテ」が成人男性向けなのにエロより戦場描写の方に力が入っているのではと思わせるような作品でした。そして残念ながら未完で終わってしまいながらもカルトな人気を誇る、戦国武将の名を冠したキャラクター達が同人界の天下獲りを目指す「大同人物語」。ゲームを紹介するマンガは置いといて、さらにアニメ化にもなり世界的にブレイクした「ヘルシング」。今連載にも期待がつのると云うものです。
 召喚、国獲りとなれば「アーサー王に会った男」やらバロウズやら古典的と云っても良い設定ですが、更にビデオゲームの影響か歴史的著名人が時代を超え召喚されて集結。ある意味スーパーロボット大戦。しかも日本ばかりでなくハンニバルやスピキオまで!だが敵はこれまた強い歴史的ヒーロー&ヒロインズ。宇宙大作戦の中でも地球人の精神分析をするために歴史的著名人を集めてみたり、永井豪の作品にもシーザーやら歴史人物を登場させましたが、主人公は別にいての脇役あつかい。しかし今作品は歴史的著名人そのものがどうやら主人公らしいのが素晴らしい。演出描写やセリフの一言一言にセンスを感じる著者の、単なるパロディではないストーリーテラーとしての才能もまた今作品で発揮されるのではないかと益々期待。
 島津と云えば鎌倉御家人から明治まで生き残った名門。因みに生き残った名門はもう一家あります。現福島県相馬市の相馬藩です。相馬野馬追いが有名ですね。元々は千葉県の鎌ヶ谷あたりに住んでいた相馬一族が源平合戦時鎌倉方に付き、奥州征伐の勲功として相馬市周辺をもらったのが始まりみたいです。何時の頃か千葉の本家を引き払って福島に総出で移住してしまったとか。相馬氏の活躍する話も誰かにやってもらいたいところですが、島津程の活躍が無いのが残念。相馬つながりで江戸時代最強の(戯け)テロリスト相馬大作でもいいや。
 表紙(カバーに隠れている所ね)の「やべえ~無え」はセリフでは無く、作者の心情でしょう。確かに違和感がありませんな。
 内容紹介:A.D.1600年天下分け目の関が原… 敵陣突破の撤退戦“島津の退き口”“捨てがまり”で敵将の首を狙うは島津豊久!!生死の狭間で開いた異世界への扉… 現在では無い何時か、現実では無い何処かへ戦国最強のサムライは新たな新世界へ招かれる!!(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングアワーズ掲載)


2010年7月7日水曜日

テラオ 3巻 読了

テラオ 3巻 読了
~The next generation machine~ 近藤るるる/著 エンターブレイン/刊 20100707初版580円 BEAM COMIX
 離島の分校に赴任した小学校教師石原は、妙に島民と馴染んだロボット“テラオ”と出会う。テラオはゲームソフトのデータを現実化する能力があるようだが…。テラオを狙った黒いテラオが登場。テラオはいったい何モノなのか!?
 掲載誌がゲーム雑誌だし、ゲームソフトを現実化するロボットが登場するので、現実のゲームが色々と物語上に登場しますが、最早わからん。シュミレーション・ボード・ゲームから信長の野望や大戦略をやって、サターンで終了した私としてはいにしえのゲームは知識としてそれなりなれど、サターン以降のゲームは全然わかりません。と云うか平成以降を知らないと云ってよいでしょう。でも著者近藤るるるのストーリーテラーとしての腕が、ゲームを上手く物語りに絡めながらも、物語のメインはあくまで登場人物達のストーリーになっているので、ゲームを知らなくてもマンガとして充分楽しめます。素晴らしい。
 ところで、前作「たかまれ!タカマル」の影が至る所に現れるのは何かの伏線なのでしょうか。今後どのように関わってくるのか愉しみ。蓮沼先生は回をおうごとに胸だ大きく育っていませんか?成長期なのか、恋する乙女の成せる技なのか!?
 『ヤングキングアワーズ』2010年7月号より著者近藤るるるの新連載「アリョーシャ!」開始。元アサシンの女子高生と同級生ドジッ娘コンビがどう展開するのか。主人公は戦闘値が高く、金髪、寡黙でハラペ娘となると、魔術師の少年の家に居候するとベタだのう。
 内容紹介:黒テラオ襲来!?平和な小笠浦諸島に突如現れたテラオと同タイプの次世代機【TERA-O-E】こと黒テラオ! 両腕にマシンガンを搭載された黒テラオの目的はテラオは破壊することであった!! さらに黒テラオを生み出した謎の組織は小笠浦を飢餓状態にして……!? ますます目が離せない第3巻です!(アマゾンより引用)
(週刊ファミ通掲載)


2010年7月6日火曜日

虚数霊 2巻 読了

虚数霊 2巻 読了
むらかわみちお/著 メディアファクトリー/刊 20100630初版590円 MFコミックス
 今巻は本業の骨董にまつわるストーリーを四つ収録。
 ストーリーはシッカリしているし、演出も緻密でセリフも読みごたえがある過ぎるほど。情報量多すぎ。作者に語りたい事が沢山あることを画面から感じられますが、ここはあえて削除をしてもう少し素っ切りとすると、もっと物語が動くのではないかと思います。一コマや一ページをザックリとして、その分話数を多くするとか。もしかすると編集から長期連載の確約を得られず、その分凝っているのかもしれませんが。
 レナの過去に関わる骨董とは別の(もしかするとこちらがメインストーリーか?)伏線がチラホラ。
 前にも書いたかもしれませんが、骨董は骨董としての“品”と情報としての“品にまつわる物語”の二つを必要としているのかもしれません。道具としてなら使い勝手や見た目さえ良ければいいのに、由来があると“価値”が出るのはその証左ではないでしょうか。近代になり無名の職人の品より、作家としての“名”を冠した品に価値が出るのも需要が成した結果でしょう。昨今のマンガでは、その価値に気がつき利用したのを織田信長と堺の商人、てことが主流のようです。
 内容紹介:震災により首都東京が崩壊した近未来。旧東京・北千住で骨董屋を営む女主人レナと少年サトルは知人の遺品にあったレコードと出会う。聞くものを死に誘うそのレコードにこめられた想いを二人は追いかける。想いを残されたレコードが語る真実とは?雑誌連載分+旧版に大幅な加筆・補筆をして収録(帯より)
(コミックフラッパー掲載)




2010年7月5日月曜日

燕見鬼 読了

燕見鬼 読了
~諸怪志異 4~ 諸星大二郎/著 双葉社/刊 20051112第1刷762円 アクション コミックス
 中国宋の頃、通称燕見鬼は師匠の五行先生から「推背図」と言う書を託され江南へ旅立つ。推背図を狙う者共と戦い、その地に生きる人々の困窮を見る。
 「諸怪志異」の4巻目です。1巻と3巻が手元に無いので不確かですが、1巻2巻は中国の不思議な出来事を描いた短編連作で、狂言回しと云うか解説者として五行先生が出てきます。脇役として弟子の燕見鬼は子供時代の幼児阿鬼(鬼=中国では幽霊、を見る力がある)として登場。3巻から長じた燕見鬼のファンタジー武侠アクション長編になります。ただし4巻目の途中で終了。敵に奪われた推背図を取り返しに向かうシーンで終了(単行本描き下ろし)。雑誌連載の終了は一章分前の、敵に推背図を奪われたシーンにて終了(WEEKLY漫画アクション1999.9.14号)。おそらく打ち切りになったのでしょう。時代背景を考えると、この後水滸伝と繋がってもおかしくないし、活劇部分に力点がおかれた壮快なアクションなので、打ち切りになってしまったのが何とも残念。
 4巻には初出『ネムキ』の「土中の怪」と、初出『アクション・ピザッツ』の「麗卿」も収録。共に五行先生と阿鬼が出演。 古代日本を描いた「海神記」といい、「西遊妖猿伝」といい長編はことごとく打ち切りになっているのが残念で成りません。ドラマ化や映画化にもなり、マンガの賞もとっているし、コアのファンも数多いにのに、上手くメジャーにブレイク出来ないのも残念。独特の絵に原因があるようにも思えますが、この絵が無ければ魅力は半減してしまうし、なんとも痛し痒し。講談社で復活した「西遊妖猿伝」のように「海神記」や「諸怪志異(特に推背図編)」も復活をしてもらいたいものです。
 因みに「燕見鬼」を掲載していた『WEEKLY漫画アクション』は2003年9月30日発売の10月14日号にて一端休刊。1967年創刊の老舗雑誌であり「クレヨンしんちゃん」等ヒット作も多数抱えながらも発売部数の低迷は覆せなかったようです。現在は隔週刊で復活中。
 出版社/著者からの内容紹介:好評中国伝奇シリーズ、実に6年振りの、完全書き下ろし58ページを含む新刊!時は北宋末期、五行先生の一番弟子、燕見鬼の大活躍!謎の予言書『推背図』を巡り、燕見鬼と、魑魅魍魎や盗賊との争奪戦!! (アマゾンより引用)

2010年7月4日日曜日

屍鬼 8巻 読了


屍鬼 8巻 読了
藤崎竜/漫画 小野不由美/原作 20100707第1刷438円 ジャンプコミックス   
1巻の奥付発行日が2008年7月8日(http://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/archive/2008/07/22)だから、もう丸2年も経っているんですね。なんか最近連載が始まったような気がしていたのに。成人したサラリーマンの人々には同意が求められそうでですが、中高生の読者には、何言ってやがんだい、と云われるのでしょう。でもね、大人になればわかるから。 月刊連載を2年で8巻と云うのは、結構早いペースではないかと思います。「海皇紀」なんて例もあることにはありますが。原作があり、ストーリーを考える必要が無い分、演出や作画に時間を割けられるのではないでしょうか。そしていよいよアニメ化。4日後の7月8日木曜日の深夜にフジテレビにて放送だそうです。新聞のテレビ蘭には木曜日よりとか書かれているんですが、曜日をそのままビデオ予約に入れると痛い目にあいます。こういった場合どうなんでしょうかね。 アニメがどの様な展開になるか楽しみです。フジテレビ深夜放送ならば今まで個人的に面白いか面白くないかはあっても、一定のクオリティはありましたから期待して良いと思われます。 さて、コミックス8巻においては村の大半が“屍鬼”と入れ替わり、今迄描かれていなかった屍鬼のトップ達が登場。そして物語を引っ張ってきた医師と僧侶の運命の明暗が…。 掲載誌『ジャンプSQ』で毎回50ページ以上描きながら、ストーリー展開のリズムがコミックス一冊分を一章単位と捉えればなんとなくわかるよううな気がしてきました。アニメを見る前に、もう一度頭から読み直してみたくなったのですが、埋もれた既刊が何処へいったのやら。本屋に立ち読みへ行った方が早そう。
 内容説明:いつまで「その時」を待てばいいのか…。外場村で確実に勢力を拡大し、包囲網を狭めていく屍鬼に尾崎は苛立ちと焦りを隠せない。そしてついに桐敷千鶴が医院に現れた時、尾崎は予め準備しておいたある罠を仕掛けるが…。(アマゾンより引用)

2010年7月3日土曜日

鉄腕バーディーEVOLUTION 5巻 読了

鉄腕バーディーEVOLUTION 5巻 読了
ゆうきまさみ/著 小学館/刊 20100705初版524円 ビッグ コミックス
 かつてバーディーと死闘をえんじたアンドロイドのボディに、千川つとむの高校時代の同窓生中杉小夜香の記憶が移植される。アンドロイドは中杉小夜香の感情に従い千川つとむに会いに行く。捜査が手詰まりとなっていたバーディーとつとむは県十三博士の誘いにのり、小夜香の記憶を持ったアンドロイドのリハビリに付き合う事になった。 アニメ版の影響を受けたか、妙な競争心を出したのか、元々隠していた“やりたいこと”をやりはじめたのか、ともかく、込入った勢力や人間関係を丁寧に描写しつつ、アクションもと盛り沢山の内容なために、主人達が活躍する暇が無くなるほど。ストーリーを詳しく描きこむのが良いのか悪いのか。バランスの問題だとは思いますが、宇宙勢力の歴史と政治問題と、宇宙の歴史と無関係ではない地球の歴史、そして地球人、地球への移植者、地球各国の様相とファーストコンタクトと活字であってもシリーズ物になりそうな内容を、浪人生千川つとむと、つとむの体に成る事になった宇宙刑事バーディーとのドラマまで描くには相当なページ数になりそうですねぇ。 
 内容説明:無敵の二心同体SFアクション、ついに核心へ…!!宇宙連邦の捜査官・バーディーに誤殺され、二心同体となってしまった平凡な高校1年生・千川つとむは、時を経て浪人生に。そのつとむが高校時代から想いを寄せる中杉小夜香が、交通事故に遭ってしまう。彼女の意識を回復させるため、奇しくも、バーディーが追うテロリスト・レビが統べる病院内で、連邦製の殺戮ロボットに記憶を移植する実験が行われる。殺戮兵器の製造に関与した父親、そしてその実験体とされた自分自身も許せない、中杉。その贖罪の意志を抱え、暴走する殺戮ロボット。中杉の思いと対峙するつとむは…そして、その暴走の場で、つとむと邂逅するのは…神の御業か悪戯か? ここに、役者は揃った…!  編集担当者からのおすすめ情報:ヤングサンデー版「鉄腕バーディー」からの長期連載となる本作ですが、ついに物語は核心へと向かいます。ヒロイン・中杉小夜香の哀しき宿命を背負って繰り広げる殺戮兵器のアクションと、それに対峙するつとむの姿は、必見です!(アマゾンより引用) (週刊ビッグコミックスピリッツ掲載)

2010年7月2日金曜日

ヴィンランド・サガ 9巻 読了


ヴィンランド・サガ 9巻 読了


幸村誠/著 講談社/刊 20100623第1刷571円 アフタヌーンKC 主人公トルフィンはイギリス遠征中のデンマーク王スヴェン暗殺の容疑により、デンマーク王子が一人クヌートのもとを出奔。何をどうしたのかデンマーク半島の根本あたりのケティル農場で奴隷生活(主に開墾)をおくっていた。 アフタヌーンは毎月購入しているので、連載にも目を通してはいたのですが、単行本巻末の解説を見て初めて主人公がデンマークに居ると知りました。てっきりブリテン島の何処かで奴隷になっているとばかり思い込んでいました。あらためて読み直すと本編の中にも年号と場所の表示がありました。如何にちゃんと読んでいないか、ですね。 人生の目的を失った主人公が今後どう歴史の渦中に舞い戻るか愉しみです。   


 内容説明:アシェラッド亡き今、トルフィンは戦場を離れ、いつしか奴隷として生きるようになった。森を切り開き麦を作る、静かだが無気力な毎日。人生で初めて友人と呼べる者が現れ、力を合わせて朝から晩まで農場で働く。そんな時、彼は農場主の息子にまるで遊びのようにして殺されかけ、気付く。本当は死にたくないのかもしれない、と。彼は希望を取り戻し、新たな人生を生きることができるのか。新章〈奴隷編〉開幕!(アマゾンより引用)(アフタヌーン掲載)

2010年7月1日木曜日

謎の彼女X 6巻 読了

謎の彼女X 6巻 読了
植芝理一/著 講談社/刊 20100623第1刷571円 アフタヌーンKC
  ヒロインそっくりのアイドルと入れ替わり。
 なんとマンガ的には王道のラブコメ展開。植芝理一がこんなマンガを描くなんて!?
 デビュー作「ディスコミュニケーション」の最初の扉絵には、著者植芝理一が構想するシリーズの主人公達が描かれており、確かに「謎の彼女X」らしいキャラクターもいます。推測すると、この「謎の彼女X」もシリーズ3作目とも考えられるわけで、前2作品とどう繋がるのか楽しみでなりません。果たして全シリーズが公開されるのかどうか不確かではありますが。
 内容説明;椿の級友・上野が風見台駅で痴漢をハイキックで失神させる卜部を見たという。半信半疑の椿は放課後コンビニで卜部と遭遇するも、何かヘン。あげくの果てにハイキックでKOされてしまう。そこへ現れたのはなんともう一人の卜部! 実はハイキック卜部は、かつて椿が写真集を買った、あの卜部そっくりアイドル・今井百夏だったのだ! 「あんたアイドルになりなさいよ」。百夏は卜部にトンデモない計画を提案するが……!?(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)

 TV話
 「閃光のナイトレイド」終了。オリジナル作品で頑張る意味では頑張った作品だと思うが、設定に足を引っ張られ過ぎたキライがある。第一話のようにアクションに主体を置き娯楽要素を入れればと思うが、尺を合わせるためにストーリー展開を急いだのだろう。全52話の一年を通してじっくりと描いて欲しいストーリーであった。