燕見鬼 読了
~諸怪志異 4~ 諸星大二郎/著 双葉社/刊 20051112第1刷762円 アクション コミックス
中国宋の頃、通称燕見鬼は師匠の五行先生から「推背図」と言う書を託され江南へ旅立つ。推背図を狙う者共と戦い、その地に生きる人々の困窮を見る。
「諸怪志異」の4巻目です。1巻と3巻が手元に無いので不確かですが、1巻2巻は中国の不思議な出来事を描いた短編連作で、狂言回しと云うか解説者として五行先生が出てきます。脇役として弟子の燕見鬼は子供時代の幼児阿鬼(鬼=中国では幽霊、を見る力がある)として登場。3巻から長じた燕見鬼のファンタジー武侠アクション長編になります。ただし4巻目の途中で終了。敵に奪われた推背図を取り返しに向かうシーンで終了(単行本描き下ろし)。雑誌連載の終了は一章分前の、敵に推背図を奪われたシーンにて終了(WEEKLY漫画アクション1999.9.14号)。おそらく打ち切りになったのでしょう。時代背景を考えると、この後水滸伝と繋がってもおかしくないし、活劇部分に力点がおかれた壮快なアクションなので、打ち切りになってしまったのが何とも残念。
4巻には初出『ネムキ』の「土中の怪」と、初出『アクション・ピザッツ』の「麗卿」も収録。共に五行先生と阿鬼が出演。 古代日本を描いた「海神記」といい、「西遊妖猿伝」といい長編はことごとく打ち切りになっているのが残念で成りません。ドラマ化や映画化にもなり、マンガの賞もとっているし、コアのファンも数多いにのに、上手くメジャーにブレイク出来ないのも残念。独特の絵に原因があるようにも思えますが、この絵が無ければ魅力は半減してしまうし、なんとも痛し痒し。講談社で復活した「西遊妖猿伝」のように「海神記」や「諸怪志異(特に推背図編)」も復活をしてもらいたいものです。
因みに「燕見鬼」を掲載していた『WEEKLY漫画アクション』は2003年9月30日発売の10月14日号にて一端休刊。1967年創刊の老舗雑誌であり「クレヨンしんちゃん」等ヒット作も多数抱えながらも発売部数の低迷は覆せなかったようです。現在は隔週刊で復活中。
出版社/著者からの内容紹介:好評中国伝奇シリーズ、実に6年振りの、完全書き下ろし58ページを含む新刊!時は北宋末期、五行先生の一番弟子、燕見鬼の大活躍!謎の予言書『推背図』を巡り、燕見鬼と、魑魅魍魎や盗賊との争奪戦!! (アマゾンより引用)
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