木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年9月1日木曜日

いままでありがとうございました。

 このgoogleブログが古いXPには対応してくれなくなり、更新が出来なくなりました。
 古巣のyahooブログに一旦戻って、更新を続けます。
 またお会いできると良いですね。

2011年8月31日水曜日

ナポレオン 1巻 読了


ナポレオン 1巻 読了
覇道進撃~ 長谷川哲也/著 少年画報社/刊 20110913初版562円 YKコミックス
 
 「争ってる場合じゃない!
 ここはひとつ祖国のために
 がんばろうじゃないかァァ~~」
   がしいい

 力強い男たちの握手は抱擁に勝る、と思うのですがいかがでしょうか。
 それにしても“ラザール カルノー”の登場シーンで、何故ワザワザ窓をぶち破って現れなければならないのか?まあ、熱い男の演出なんだろうけど。普通思いついても大河ドラマでは描けないぜ。破天荒すぎるだろう。
 権力を握ったナポレオンを描く「覇道進撃」編。巻数を改め1巻から仕切りなおしです。
 ナポレオンはフランス国家の第一任者となってしまったためか、権謀術数が忙しく、あまり目立っては動けず、替りにナポレオン周辺の人々の活躍を描くようになります。そんなナポレオンの見せ場であったアルプス超えも行軍そのものは目立つエピソードがなかったのか、一掲載話でスンナり終了。ストーリーテラーの視点を山越えを案内した青年にしたのも苦肉の策なのかもしれません。
 内容紹介:「第一執政」から「皇帝」へ… 「兵士」から「元帥」へ… 全ヨーロッパを駆け抜ける青年群像劇! 事実に基いた破天荒な男たちの生き様と死に様…(帯より引用)
(ヤングキングアワーズ掲載)

2011年8月30日火曜日

天にひびき 4巻 読了


天にひびき 4巻 読了
やまむらはじめ/著 少年画報社/刊 20110913初版552円 YKOursComics
 先日帰宅途中のバス車内に大学生くらいの女の子の集団が居りました。イケイケのお姉ちゃん達でなく、かといってアキバやブクロに集う拙者の同類ではない、ある種スチュワーデスの様な隙の無い凛とした姿勢の良い座り方と化粧をしていました。何かお稽古事の仲良しグループかなと推理してみました。師匠のもとへ行くのか、帰りなのか。
 同業者や同好の士が集うと、ある種の雰囲気を醸しだします。行動や思考に類型的パターンを見てしまうからなのでしょうか、ともかくあまり見た事が無い種の人々との印象を持ちました。車内ですることもなく、彼女達の会話が何気に耳に、私だけ松本なのよねぇ、とか、今回は○○さんが来るらしいわ、とか入ってきます。
 今巻を読んだ方はお解りになるでしょう、彼女達は音楽家の卵だったようです。
 “嗚呼、モブの娘達がいる…。”
 失礼ながらそう思ってしまいました。現実的にはこの中から名を馳せる人も出て来るかもしれません。でも「天にひびき」の作中ではモブの一人、良くて同級生や合奏メンバーの一人の役なんだろうなぁ、と考えてしまいます。
 「妄想とリアルの融合!」でしかありません。

 著者の別作品アニメ「神様ドォルズ」が放送中。キョウヘイとアキの高校の先生への初恋物語と哀しい結末の昔語りの回が、恐らく今シリーズ中スタッフが最高に力を入れた回であり、傑作の回なんだろうなぁ、と思った次第。

 さて「天にひびき」の話。マンガに目を通すと俄然クラシックが聞きたくなるのですが、イザ聞いてみるとタルくてカナワンです。映画やアニメに使われた音楽であればワクワクしながら聴けます。「のだめ」のアニメで情景を思い浮かべてとか、楽譜から作曲家の思いを汲み取ってと先生が指導していましたが、結局拙者に音楽的才能は無いというのが実感できます。
 人間やれば何でも出来る、と云うのは“嘘”です。
 才能が無ければ出来ない事も多数あります。
 己に無い才能と有る才能を見つけるにはチャレンジしかありませんが、学校教育こそがチャレンジの方法を教わる機関だと思えるようになりました。教育にはお金が必要ですけどね。

 内容紹介:少年時代、幼馴染みの美月の父がコンサートマスターを務めるオーケストラの練習を見学しに来た久住秋央。識者の曽成が失踪し、娘の少女が代わりに見事に指揮して見せた現場を目の当たりにし、衝撃を受ける。9年後、音大のヴァイオリン科に進学した秋央は、その娘・曽成ひびきと再開。すっかり音楽に冷めていた秋央だったが、再び彼女の“音楽”に魅了され、いつか彼女の振るオケのコンマスを務めたいと思うようになり、音楽にのめり込んでゆく。そんな中、担当教授・如月の提案で、病で静養中のかつての恩師・榊の下をひびき達と共に訪れるのだが……!?音大に集う者達の青春群像激第4巻!!(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングOURS掲載)

2011年8月29日月曜日

まかでみックス ないんす 完結 読了


まかでみックス ないんす 完結 読了
~王子様と呼ぶんじゃねえッ!~ 榊一郎/著 エンターブレイン/刊 20110811初版600円 ファミ通文庫
 「仮面ライダーOOO」最終話見ました。何が“仮面ライダー”なのか頭を捻るばかりですが、それはそれとして、風来坊な主人公“ヒノ エイジ”の成長の物語としてとても楽しく拝見できました。“命”をくどくどと定義する事無く、セリフで説明しなかった点がまた素晴らしく、偶然の産物なのかもしれませんが、脚本力と映像の勝利ではないかと思います。結局“社長”は謎の存在のままだったのがちょっと残念。会社に不信感を持ったゴトウやダテが調査するとか、ドクターが訳知り顔で説明するとか、もう少し社長の背景を披露しても良かったのではないかと思われます。が、本筋には関係が無いので削ったのでしょう。
 “W”といい“響鬼”といい“仮面ライダー”っぽくない(平成ライダーは全てそうですけど)けどドラマが面白いのが良い。間髪入れず新ライダー“フォーゼ”が始まるようですが、一先ず期待。

 さて「まかでみックス」も9巻にて最終刊。「まじしゃんず・あかでみい」に撒かれた伏線の結末が、今刊で結実する!拙者としては一発ネタに近いものを感じるのですが。
 それにしても羽瀬川三兄弟(一人従姉)が三人とも始原的神魔創造者だったとは、いったい何時からそんな設定にッ!?今巻においてのみ“世界創造”をするのならば一人で充分なはず。三人であるのは現在過去未来の運命の参姉妹の要素をもってきていると穿っています。もしかして今後の伏線?
 何はともあれ大団円

 内容紹介:まかでみフォーエバー!モニョモニョなことを経て瀕死のクフィールを救うことができた千里。己のなすべきことを知った彼は、あらためて妹・万尋と対峙しようと決意するのだった。一方、ガストン教授の遺言に導かれた拓人たちも対〈女神〉の切り札を発見!
劣勢を覆す光明が彼らに集まりつつあった――って『誘拐されたスオウ王国の王子を保護して一億円GET!』ってこれ俺じゃねえか!しかも犯人がクフィ!?暴走するネオ・ハイブリッド学園ラブコメ、怒涛の最終巻!!
 内容(「BOOK」データベースより):モニョモニョなことを経て瀕死のクフィールを救うことができた千里。己のなすべきことを知った彼は、あらためて妹・万尋と対峙しようと決意するのだった。一方、ガストン教授の遺言に導かれた拓人たちも対“女神”の切り札を発見!劣勢を覆す光明が彼らに集まりつつあった―って『誘拐されたスオウ王国の王子を保護して一億円GET!』ってこれ俺じゃねえか!しかも犯人がクフィ!?暴走するネオ・ハイブリッド学園ラブコメ、怒濤の最終巻。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 榊 一郎:1998年『ドラゴンズ・ウィル』でデビュー以来いくつものヒットシリーズを生み出している人気作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2011年8月28日日曜日

トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン 観了


トランスフォーマー/ダークサイド・ムーン 観了
 この映画売れているんですか…
 へエー…
って云うのが見終わってからの拙者の偽らざる感想です。
 カットは目まぐるしく、それでいてセリフも多く、字幕を読まねばセリフを理解できない身としては辛い。吹き替え版にした方が理解度はあがるでしょう。でも程なくしてTVで放映されるものだし、わざわざ放映される吹き替え版にしなくとも、と考えての字幕版。
 セリフが多いから画面だけで理解が進まないのかと云うと、さに有らず。ストーリーはいたってシンプルにしてマッチョ。前作ではメガトロンの師匠が出てきたので今回はコンボイ司令の師匠が出てきただけで、コンボイ司令の役は更に重く、人間側主人公の役は軽くなりました。
 3部作すべてを映画館でみたのに、BGMが印象に残っていないのが不思議。もし拙者が口でストーリーの説明と場面状況の説明を始めたら、効果音とBGMはアニメ版を口ずさむことでしょう。
 レナード・ニモイ大活躍。声だけですが。
 声つながりで、「ヤッターマン」のドクロベエ他、声優として活躍した滝口順平がお亡くなりになられたとか。合掌。

以下yahooより引用
原題: TRANSFORMERS: DARK OF THE MOON
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: アメリカ
上映時間: 154分

スタッフ
監督:マイケル・ベイ
製作総指揮:スティーヴン・スピルバーグ 、マイケル・ベイ 、ブライアン・ゴールドナー 、マーク・ヴァーラディアン
原作:-
音楽:スティーヴ・ジャブロンスキー
脚本:アーレン・クルーガー
キャスト
シャイア・ラブーフ(-)
ジョシュ・デュアメル(-)
ジョン・タートゥーロ(-)
タイリース・ギブソン(-)
ロージー・ハンティントン=ホワイトリー(-)
パトリック・デンプシー(-)
ケヴィン・ダン(-)
ジュリー・ホワイト(-)
ジョン・マルコヴィッチ(-)
フランシス・マクドーマンド(-)
ピーター・カレン(-)
ヒューゴ・ウィーヴィング(-)
レナード・ニモイ(-)
 解説: あらゆるテクノロジー機器にトランスフォーム(変身)する金属生命体と人類の攻防戦を、スティーヴン・スピルバーグ製作総指揮、マイケル・ベイ監督のタッグで描くSFアクション超大作のシリーズ第3弾。最終章となる本作では、物語の主戦場を宇宙まで広げ、トランスフォーマーたちによる地球侵略を圧倒的なスケールで活写。社会人になった主人公をシャイア・ラブーフが熱演するほか、シリーズ初のフル3Dによる映像世界も見ものだ。
シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 1969年7月20日、アポロ11号は月面着陸に成功し、ニール・アームストロングとエドウィン・オルドリンは人類で初めて月に降り立ったが、全世界が見守ったこの歴史的偉業の陰で、NASAとアメリカ政府は、ある事実をひた隠しにしてきた。実は月の裏側には、彼らよりも先に未知の宇宙船が不時着しており……。

2011年8月27日土曜日

まおゆう魔王勇者 2巻 読了


まおゆう魔王勇者 2巻 読了
~忽鄰塔(クリルタイ)の陰謀~ 橙乃ままれ/著 エンターブレイン/刊 20110214初版1200円
 数々の薀蓄を披露している「まおゆう」ですが、図書館(日本の)関しての知識は生兵法だったようです。NDC(日本十進分類法)において「300」と表示してあった場合の読みは「サンルイ(3類)」であって「300番」ではありません。「310」は「サンルイ イチモク(3類1目)」で、図書館業界の人は「サン イチ」と呼びます(方言有り)。(59p)
 NDC規則に書いてあります。NDC規則は公立図書館・学校図書館には必ず置いてあり、また大抵の学校図書館に置いてあるであろう、子ども向け図書館案内の図書にも掲載されています。図書館の一族を名乗る“魔王”ですら大半の公立図書館が根拠としている図書資料の並べ方を知らぬとは…。公立図書館のアピールが足りないのか、公立図書館を利用している人が少ないのか、まあ大学で図書館学のコースをとらねば普通は知らないですけどね。因みに国立国会図書館はNDCを使用しておりません。
 しかし、間違いを指摘するフォロアーと編集が居なかったのは不思議。人材が少ないのでしょう。些細な事ではありますが、2版以降には訂正してもらいたいものです。
 
 個人の意識の変革が国を変え時代を変えて行くコンセプトが同じせいか「ご主人様は山猫姫」と似たような経緯を辿りますなぁ。戦争は外交の一部である、と云う有名な一節がやっと浸透してきたとも考えられます。魁は「銀河英雄伝説」でしょうか、それともシュミレーションのビデオ・ゲームが呼び水となっているのかな?
 著者橙乃ままれはもしかして演劇関係出身なのでしょうか?それとも演劇が好きな人なのか、出来のよい脚本を読んでいるよりも小説っぽくアレンジされているのが不思議です。番外編でCDドラマを出してもらえないものでしょうか。拙者の脳内変換では「ラムネ&40」か「宇宙英雄物語」的配役になっていますぞ。

 内容紹介:「まおゆう」の第2巻が早くも登場!話題沸騰の「まおゆう」。書籍化にあたりトップクリエーターが集結し、「もっと面白く、もっと読みやすく、もっとわかりやすく」を合言葉に、総監修、桝田省治氏の指揮のもと「まおゆう」の魅力を最大限に引き出しました!著者の橙乃ままれ氏自身による加筆修正でさらに面白く、文章が横組から縦組になってさらに読みやすく、水玉螢之丞氏のキャラクター原案とtoi8氏のイラストで登場人物たちがさらに輝き、山北篤氏・細江ひろみ氏による脚注で、経済用語や難しい単語もわかりやすくなりました。さらに、SF界の重鎮、笹本祐一氏、新城カズマ氏による対談を付録として収録! おふたりが鋭く「まおゆう」の世界を斬り込みます。
 内容(「BOOK」データベースより):魔王、魔界の族長たちを緊急招集。モテモテ勇者になんと第三の女。青年商人が仕掛けるマネー戦争、もうひとつの戦い。ついに中央vs南部開戦か!?大ピンチに新たなヒーロー登場。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 橙乃 ままれ:東京墨東下町生息。00年くらいからインターネットで文章を書く生活を送る(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

 1巻目紹介:2011年3月14日月曜日
 http://akamaty.blogspot.com/2011/03/blog-post_14.html

2011年8月26日金曜日

勇者の娘と出刃包丁 1巻 読了


勇者の娘と出刃包丁 1巻 読了
和六里ハル/著 双葉社/刊 20110811第1刷600円 ACTION COMICS
 実写TV番組「勇者ヨシヒコと魔王の城」面白いですな。なまじマンガ原作でドラマ化した番組よりも面白いと思います。予算が少ない事を逆手にとり、舞台的演出でもって役者の演技を売りにするのが戦略なのでしょう。カメラのカットを細かく切らず、UPとかズームを多用せず画面を固定しているのが良い例かと。「戦国鍋TV」とかの流れでしょうか。制作者サイドは「モンティパイソン」を目指しているような気がします。RPGゲームのパロディながらやっていることは「西遊記」とか「水戸黄門」のパターンを踏襲しているのもワザとでしょう。時代劇のセットに西洋ファンタジーの衣装に違和感を感じるのは昭和の時代を経た人々の感性であって、平成育ちの視聴者には関係無いのかもしれません。そこがツボになっているのかな?和式時代劇も西洋ファンタジーも平成育ちの人々にはどちらも異世界なのでは。
 興醒めなリアルな話をすると、一神教を信じない生き物は言語を使用し意思疎通が出来たとしても“人間”ではありません。光と闇の戦いは西洋ファンタジーに限って云えば神の教え(=法)を信じる“ロー”の陣営と神の教えを信じない混沌とした“カオス”の陣営との戦いであり、勇者は神に祝福された存在です。その伝で云えば一神教の国ではない日本は“カオス”の陣営と云う事になります。日本国内に居る限り全然関係の無い話なのですが、“カオス”の陣営ではない国々の中で唯一“ロー”の国に準じて扱われている稀有な国と見ることも出来ます。日本のRPGゲームが全般的に欧米で受けない理由もなんとなくわかるような気がします。閑話休題。

 さて「勇者の娘と出刃包丁」。近藤るるるクリソツな絵でもってエロマンガ界に衝撃を与えた著者和六里ハルも、いまだ似ているとは云へ、かなりオリジナルの画風へと変化してしまいました。掲載誌の指向からしてもヤングアダルト以上の層を目指しているのでしょう、アダルト指定ではないけれど小学生等に手渡すには躊躇する描写が存在します。設定としてはRPGゲームの世界観の延長線上もしくはパロディとなっており、ゲームに興味が有るもしくは有った人には笑える内容となっています。勇者母子の珍道中記かと思いきや、後半からストーリーは何処へ向おうとしているのか、ある意味興味が湧いてきます。まあ宿敵登場が当然と云えば当然のお約束でしたね。

 内容紹介:人間と魔族との戦いから16年。戦争を終わらせた伝説の勇者の娘・りんくは、貧乏な生活とどうしようもないママにイライラが爆発寸前。ある日、死者を蘇らせる「蘇生の魔法」の存在を知ったりんくは、勇者の父を生き返らせてママを更生させるため冒険の旅に。なのに、何故かママまでついて来てしまった!大ボケだけど最強な巨乳ママと発育の遅い娘、凸凹親子のちょいエロ珍道中第1巻!(アマゾンより引用)
(COMICすもも[漫画アクション増刊}掲載)

2011年8月25日木曜日

ADAMAS 6巻 読了


ADAMAS 6巻 読了
皆川亮二/著 講談社/刊 20110823第1刷600円 イブニングKC
 日本で「宝石」が価値を持つようになるのは明治以後西洋的価値観が輸入されるようになってからです。ですが、日本列島に宝石が無いわけではなく、火山列島であるアキツシマでは発掘できる量は少ないですが種類は豊富だったりします。日本の昔話の中に出てくる宝物と云えば「金・銀・珊瑚・アヤ・錦」で宝石はカウントされていません。古来日本で宝石が価値を持たなかったわけではありません。例えば世界に七つしかない生産地の一つとして日本のあるのが「ヒスイ」です。奈良時代くらいまでは支那の影響なのか加工しやすかったのかヒスイ管や勾玉が身に付けられています。蝦夷地の人々がどうだったかは分りません(大陸との北方貿易時に何を交易していたか定かではありません)が、本州四国九州に住んでいた人々はあまり宝石と云うものに価値をおかなかったのは確かでしょう。それよりも真珠や螺鈿細工に価値を見出していましたし、イワクラ信仰の様に巨石を神(もしくは神の宿る石)として祀りもしています。“石”は石でも作庭要岩石や盆石に価値を見出したり、寺の坊主達も活動の一つとして水銀や金属を探し出し精錬する文字通りの“山師”の顔もあります。「水晶」は古代以来脈々と伝えられている価値ある鉱物の一つですが、工芸加工品の材料として使われているような気がします。
 世界に目を向けると、“宝石”の生産・流通は極少数の企業もしくは“家”の影響下にあり、“カルテル”とか“シンジケート”が普通にまかり通る世界であり、有色人種は日本人と云えども喰い込む事が出来ない世界とも聞いています。そう云えば“華僑”が入っていないのは不思議ですね。
 “宝石使い”である以上、世間一般の宝石の経済的価値として“商品”としての宝石とも無縁ではいられなかった。レイカ達は人間の生産活動としての“宝石”の側面にもまた関わらざるを得なくなった来るのであった
 
 内容紹介:ダイヤモンド使いはレイカだけではなかった!ブラックダイヤモンドの“宝石使い”ニコライ・ルーシ登場!(カバー裏表紙より引用)
 謎に満ちたウィルスン グループが、シャニの鉱山へと牙を剥く!幹部として姿を現したのは、ブラックダイヤの“宝石使い(ジュエルマスター)”ニコライ・ルーシ。ジェネラル・ジンの過去を知るニコライの正体とは!?(帯より引用)
(イブニング掲載)

2011年8月24日水曜日

ネクログ 2巻 読了


ネクログ 2巻 読了
熊倉隆敏/著 講談社/刊 20110823第1刷562円 アフタヌーンKC
 中華の辺境である“日本”は様々に大陸の文物に影響を受けてきました。朝廷制度を取り入れながら宦官を取り入れなかったり、馬の去勢を取り入れなかったのは意識的選択だったのか、無意識的取捨選択だったのか議論のあるところでしょう。朝鮮半島のみならず大陸から直接多数の王族から市井の人々まで受け入れ、老子も伝わっているし仙人の話や地獄の十魔王など部分的には影響が多数見受けられるのに“道教”が伝わっていないのは不思議な話だと思いませんか?おそらく“道師”は渡来しているのでしょうが、日本と云う文化風土に根を下ろせなく、影響を及ぼしながらも霧散してしまったと考えられます。
 再三当ブログに書いている所の、島国日本ですら大きく別けて東日本と西日本ですら、通じる日本語を話しながら些細な文化変化でとても同じ文化圏とは思えないくらい差異があるのに、大陸の一つの省ですら日本より広い現“中華人民共和国”の多数が漢民族とは到底信じられません。単に同じ文章語を使っているだけでひとくくりにされているだけのような気がします。その雑多であるはずの民俗宗教全般をひっくるめて「道教」と云っているのではないでしょうか。
 横浜中華街の関羽像も道教なんでしょう?何をもって道教と云って良いのやら。まあ、同じ事は「神道」にも云えるかもしれません。何をもって「神道」と云って良いのか当の日本人が答えに窮してしまいますからなぁ。
 洋の東西の違いで云うと、小説家田中芳樹が対談で、支那の仙人等は千年二千年野や山に遊んでいるのに、吸血鬼等は数百年生きただけで世に倦んでいるけど、この差はいったいなんなんでしょう等々語っていましたが、確かにおっしゃる通り。現世利益思想と救世思想の差とも考えられますし果てさて。
 さて「ネクログ」の話。益々深みに嵌ってこの世ならざる世界や人々と交わってしまう主人公。しかしそれを不思議と思わなくなっている時点で、もはや後戻り出来ないんだろうなぁと思う次第。物語としては今後より劇的に非日常の世界を描いていく事になるのでしょう。

 内容説明:中華な近代都市で屍術と仙術が渦を巻く! 物書きの青年・宋(ソン)は、僵屍(キョンシー)と化した幼なじみ薛姐(シュエねえちゃん)をよみがえらせるべく、道士の胡(フー)に弟子入りすることに。その活動は危険な道士との戦いに発展したり、冥界にお使いに行かされて生気がなくなったり……。果たして、宋は大好きな薛姐の魂を呼び戻すことが出来るのか? 仙術アクション盛りだくさんな本格派中華ファンタジー、堂々開幕!!舞台は冥界にも広がる! 生者でありながら冥界を訪ねることになった宋(ソン)は、亡者に襲われたり生気を奪われたりと苦労が絶えない。冥界で出会った女道士・蘇(スー)により、宋は自らの願い「薛姐(シュエねえちゃん)の反魂」が道に外れた行いであることを指摘され、考え込むようになる。一方で、そんな美しい屍体である薛姐に興味を示し、術士と妖仙が我が物にすべく現れた。街で、冥府さえ巻き込む新しい戦いが始まる!
 著者について 熊倉隆敏:1974年、栃木県生まれ。漫画家。1996年アフタヌーン四季賞秋のコンテスト入賞。2000年、アフタヌーンシーズン増刊に掲載された妖怪漫画『もっけ』でデビュー。『もっけ』は、2003年3月号から掲載誌を月刊アフタヌーンに移し、現在も隔月で好評連載中。2007年には『もっけ』がTVアニメ化されている。(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)

2011年8月23日火曜日

びんちょうタン 学校編その4 読了


びんちょうタン 学校編その4 読了
夢をしょって~ 江草天仁/著 Mercure(めるくり)/発行 20110814発行
 商業誌連載は途中終了してしまいましたが「びんちょうタン」の物語は終わらず!今回の夏コミに待望の新刊が配布されました。毎回新刊が出ているのですが、著者がゲーム・モンハンに凝ったり仮面ライダーに凝ったりと脇道にそりつつの発表だったので、今回もその伝かと思ってしまいました。
 今夏コミ3日目の西館は少年青年少女マンガのプロの人々が集結しており、午前中西館に居た人々は口を揃えて混んでいると云っていたので、午前中東館を攻めていた拙者は入手出来るかどうか不安だったのですが、午後西館でソコソコ入手することができました。
 商業誌に比べコスト的に考えれば全くもって割に合わない高額なお買い物なのですが、この機会を逃せば今度何時読むことが出来るのかどうかわからない“本”本来の一期一会の価値を思い出させてくれます。
 マンガ同人誌即売会に興味の無い人に説明すると、コミケをお祭の出店か学校の文化祭のようなモノを思い浮かべるようです。そういった体験しか無いからなのでしょう。マンガ同人誌即売会は従来の意味での“市”そのものであると思われます。例えば昔話の「笠地蔵」の中でおじいさんは内職で作った笠を年末の“市”で売って現金を得ようとします。十日市とか六日市とかの地名は、その日に“市”が立っていた名残です。人々が作った品を持ち寄って売り買いをする場が“市”なわけで、同人誌即売会は正に己の作った作品を引っさげて売りに・買いに来る“市”なわけです。ただし売る側は事前に登録が必要なので“楽市”ではありません。
 こうは云ってみても“市”そのものを知らないと拙者の同年輩から聞いてもさもありなんとしか思えないので、どこまで拙い説明でわかってもらえるか。分かってもらう必要も無いんですけどね。

 著者公式ホームページ:EXA'S PICATA http://picata.net/

2011年8月22日月曜日

聖闘士星矢EPISODE.G 18巻 読了


聖闘士星矢EPISODE.G 18巻 読了
岡田芽武/漫画 車田正美/原作 秋田書店/刊 20110905初版552円 チャンピオンREDコミックス
 NHK総合の番組で声優の野沢雅子・古谷徹・小山力也の対談が放送されておりました。聖闘士星矢では(主人公なのに)自分の出番が無い時でも録音スタジオに顔を出して物語の流れをつかんでました、みたいな話をしていましたが、ウィキペディアに納谷六郎出演時にはベテランの演技を見るために非番の声優達も来ていたという記載とも附合しますな。優雅に見える白鳥も水面下で懸命に足を漕ぐが如く、スタッフ達の良い作品を作ろうとする想いが、あれだけのブームをつくり、今もって翳る事の無い人気を誇っているのでしょう。日本で放送当時広州にいた父も現地で流行っていると云っていましたから、少なからずの地域で人気なのではありますまいか。
 そして、主人公星矢が全く登場しない「聖闘士星矢EPISODE.G」。星矢達が己の宿命に気がつきようもない幼少の頃、ギリシアの地において世界の命運をかけ古き神々とセイント達は戦いを繰り広げていた!
 終わってなかったのか。
 と云いますか、まだ終わっていないのか。
 とでも云いましょうか。
 いやいや今ラスボスと戦ってますから。ゴールドセイントのオフェンス部隊が集結し力を合わせて人の身でありながら復活した古代神と死力を尽した戦いを繰り広げています。これでゴールドセイントが勝ってしまったら“ゼウス”の立場が無くなってしまいますなぁ。
 お遊びで良いので岡田芽武が「エクゾスカル零」を山口貴由が「聖闘士星矢EPISODE.G」を描いてくれないものでしょうか。でなければ二人合作の「聖闘士星矢EPISODE.G VS エクゾスカル零」とか。でも連載誌チャンピオンREDでは本家本元(拙者の中では東映まんがまつりのイメージ)の永井豪が「魔王ダンテ対ゲッターロボG」を連載しているから内容被りすぎかな?

 内容紹介:決戦!!黄金の獅子VS神王!! 邪神としての記憶を取り戻した神王・クロノス。禍々しく圧倒的な「神力(デュミナス)」を纏うクロノスに、アイオリアの「小宇宙(コスモ)」は…そして想いは届くのか!?(カバー裏表紙より引用)
(チャンピオンRED掲載)

2011年8月21日日曜日

エクゾスカル零 1巻 読了


エクゾスカル零 1巻 読了
山口貴由/著 秋田書店/刊 20110905初版552円 チャンピオンREDコミックス
 「コミティア」と「国際鉄道模型コンベンション」へ行ってきました。初めて「国際鉄道模型コンベンション」へ入ってみました。鉄道模型メーカーの展示即売会は予想通りでしたが、各地の鉄道模型の同好会や高校・大学の鉄道模型部がジオラマ作って走らせているのには驚きました。学生服を着ている高校生が見るからに文科系の連中ばかりなのには笑えます。それと女子がいませんなぁ。映画の題材に成れそうじゃありませんか。

 さて、著者山口貴由の出世作となった「覚悟のススメ」に登場する強化外骨格「零」が出てきますが、全くの別モノになっています。前作が青年“葉隠覚悟”の物語でありが故にタイトルが「覚悟のススメ」であったわけですが、今作は「エクゾスカル零」ですから。
 「北斗の拳」よろしく終末を迎えた世界で強化外骨格同士討ち、誰が強いか強者決定戦でしかないのか、それとも新たな敵、あらたな“悪”の概念を打ち破る正義の味方を描くのか、今後の展開に注目。表現技法が優れていても、描くストーリーに魂が入っていないなんてことでは、仏造って魂入れずになってしまいかねなくなります。まあ著者山口貴由限って云えばそんな事になることは無いでしょう。長期に渡るストーリーっぽいので、序章である1巻以降どう展開するのか、腰を据えて見て行きたいと思います。
 嗚呼「シグルイ」をどこかで読まなきゃ。

 内容紹介:いかなる防御をも貫き通す「矛」。いかなる攻撃をも撥ね返す「盾」。最強の「矛」と「盾」を同時に併せ持つ無敵にして巧妙の「鎧」。この武装を我々は「エクゾスカル」と命名し「正義」に従事する戦士にのみその着装を許可する、各々、充分にこの「神機」を考究するの要あり。(カバー裏表紙より引用)
(チャンピオンRED掲載)

2011年8月20日土曜日

ただいま侵略中! 1巻 読了


ただいま侵略中! 1巻 読了
うおなてれぴん/著 双葉社/刊 20110811第1刷600円 ACTION COMICS
 昨日暑くてたまらんみたいな事を書きましたが、本日は自転車で出勤途中夕立みたいな雨に遭遇し、以後気温も上がらず過ごし易いと云うか肌寒さすら感じるようになりました。皆様はいかがお過ごしでしょうか。

 著者うおなてれぴんの最新作。ラブコメと云うよりエロコメだぁ。健全な男子高校生の生殖細胞を狙って宇宙人(♀)が襲来。さらに別の宇宙人や主人公の妹も交えての生殖細胞争奪戦が。ストーリーが続くと、主人公と思われる男の子は登場を減らし、いつもの著者のように女子達のエロエロトークがメインに。うーむ、いつものうおなてれぴんだ。さらに特撮風味の味付けが笑えて素晴らしい。
 コミケ常連の著者うおなてれぴんですが、今回の夏コミはまどか本でした。「ほむら×マミか?」。内容はヤマ無しイミ無しオチ無し。H風味の女の子達の仲良し会話。絵柄と相まって、なかなかに面白いですなぁ。
 
 内容紹介:ガサツでずぼらでエロくて可愛い数学教師兼女宇宙人のミュアと、なぜか同棲することになった草食系男子高校生、友紀。実はミュアの狙いは、無限の可能性を秘めた友紀の優秀な子種を手に入れ、地球を侵略することだった!? 人類の存亡を賭した(?)ちょっとHなスペースお茶の間ラブコメディ第1巻、ついに発売!

2011年8月19日金曜日

PIL 読了


PIL 読了
ヤマザキマリ/著 集英社/刊 20110824第1刷781円 officeYOU COMICS
 お暑いひが続いております。コミケ終了直後から休み無く働いていると、疲れがとれる事無く、また自宅で冷房もかけていないので、そろそろ体力的に限界が来そうな気配を感じます。ほんの数年前までコミケの翌日から仕事していても何ともなかったのにねぇ。
 さて「PIL」
 もし添付の表紙を当てにして本を探しに行くと見つかりませんので注意してください。逆に拙者の場合入手後表紙写真をアマゾンからダウンロードしようとして「俺の購入したのと違う!特捜版があったのか!?」と一瞬思ってしまいました。冷静に考えると何てこと無いんですけどね。
 今も昔も海外に出る勇気を持っている人々を敬服します。日本人同士ですら言葉が通じていないのにさらに文化的にも異なる世界へ出かけていくなんて。
 趣味とか手習い事とか仕事にしても、全く知らない世界へいきなり飛び込むのではなくて、きっかけとなる人、先達となる人がいて初めて踏み込めるのではないかと思います。兄姉のような身近にいる年上の存在は大きいでしょうね。無論家庭環境も大きな影響があるでしょう。拙者がコツコツとマンガを読み続けているのも父母や祖父母が本を揃えていた事と無縁ではないと思います。そんな事をツラツラ考えながら、著者ヤマザキマリが中学高校くらいから海外を出歩くコスモポリタンな生き様は、著者の個人的な資質のみならず、家庭環境からの影響も無視できないと思えます。海外が身近にあったのではないでしょうか。作中は80年代前半であり、その時代のお祖父ちゃんが英国帰りであるならば、そうとう素封家かインテリと考えられます。お母さんも在イタリアですからね。そんな家庭環境を普通に描ける著者って何処のお嬢様よって感じがじませんか。
内容説明:時は1983年。ミッション系お嬢様学校に通うパンクな女子高生・七海と英国帰りの爺ちゃん・徳四郎が巻き起こすラジカルライフ・コメディー!! あぁ、この愛すべき無意識過剰な人々をご堪能あれ!!(カバー裏表紙より引用)
(officeYOU掲載)

2011年8月18日木曜日

GANTZ 32巻 読了


GANTZ 32巻 読了
奥浩哉/著 集英社/刊 20110824第1刷619円 ヤングジャンプ・コミックス
 あさのあつこ原作のSFアニメ「No.6」が放送中。BLっぽい友情だと思っとりましたが、果たしてBLでしたな。アニメとかマンガは抽象記号の集合体であるが故、性差も“記号”で表現するしかありません。“記号”を入れ替えることで性を入れ替えるストーリーや演出が実写の映像等に比べて楽に出来るせいか、そういった作品も多いような気がします。良く云われているように歌舞伎等伝統的に女装が行われているせいもあるでしょうし、欧米に比べて(体格等の)男女差が小さいせいもあるでしょう。BL系の作品はほとんど目を通していないので「No.6」を見てのみの換装ですが、社会的文化的に支配被支配の関係になってしまう男女間の愛情を、支配被支配関係ではない同格の同性カップル像に女性達は無意識的に仮託しているのではないのだろうかと思いつきました。同性ならば男=男ではなく女=女でもよいではないかとも考えられますが、女=女カップルでは社会的に双方被支配者層に属してしまうため、女性達のパートナーとの同格や自律といった願望が社会的に抑圧されてしまうのではないでしょうか。
 まあ、思い付きです。

 さて「GANTZ」。敵異星人の母艦内でピンチに次ぐピンチの中戦い続ける玄野率いるガンツ・チーム。一方もう一人の玄野は多恵を捜すためやはり母艦の中で孤軍奮闘。ストーリーが何処へ向うのか想像もつきませぬな。

 内容紹介:全国から集まった救出チームのメンバーたちは消毒槽で死を待つばかりの人々を続々と救出にしていく。意外なほどの順調な進展に拍子抜けするメンバーだったが、脅威はその間隙に遅い来る。一人脱出を試みる玄野、逃走を続ける多恵、報復を誓う桜井。そして攻略の手がかりを見つけた西。ガンツの部屋にも異変が起こり、物語は激転する。戦いは新たな段階へと進む。(カバー裏表紙より引用)

2011年8月17日水曜日

機動戦士ガンダムUC 8巻 読了


機動戦士ガンダムUC 8巻 読了
宇宙と惑星と~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20090425初版660円 角川コミックス・エース
 ネオ・ジオンはフル・フロンタル派とミネバ・ザビ派に袂を分かつ。“ラプラスの箱”を確保するべく軍令を無視しロンド・ベル隊司令ブライトの命により独自に行動を開始するネェル・アーガマのオットー艦長。一方連邦軍はアナハイム社の要請によりネェル・アーガマ追跡部隊を結成。アナハイム社はオットーとガンダム・ユニコーン2番機バンシィを送り込む。そしてバンシィのパイロットは…。ビスト財団クーテタの首謀者にしてアナハイム社の幹部であるマーサ・ビスト・カーバインの圧力に屈した地球連邦議員ローナン・マーセナスは、ジャーナリズムによりマーサの牽制を試みるべくフリーのジャーナリストを呼び寄せる。二転三転の状況は混迷を極め、ユニコーンを父から託されたバナージとジオンの末裔ミネバ・ザビを過酷な現実の渦中へと放り込む。悩み苦しみながらゴルディアスの結び目と化した過去を乗り越え、二人は希望の明日へと向かう事が出来るのか!?
 絶望とか希望とか一言だと楽なのですが、個々人にとってどうかとなると、ケーズバイケーズで一人ずつ異なります。その個々に異なる部分をドラマとして描きながら、全体として一つの物語にしていくには“物語る技術”が必要になると思います。著者福井晴敏と技術と才能たるや、本作を読んで刮目すべし。
 読んでいてついつい「バナージ頑張れ!」って声援を挙げたくなってしまいました。
 アムロが助けに来てくれないかなぁ。でなかったらカミーユあたり。

 内容紹介:所属を超え、怨讐を乗り越え、ついに強襲揚陸艦《ネェル・アーガマ》へと集った運命の人々、それは《ユニコーン》が示した希望が導いた奇跡(ヒカリ)であった。事態の決着へ向けて、バナージたちは最後の探索を開始する。しかしその最中、共有したと信じた希望は、もっとも残酷な形で裏切られることとなる。突き付けられる現実。そして囁かされる可能性を否定する言葉、可能性(ニュータイプ)では人の心を変革することはできないのか―――!?ガンダムサーガ最新作。人の宿業と対峙する第8巻!(カバー裏表紙より引用)
(ガンダムエース掲載)

コミケ申込を出社途中で投函しようとして忘却。帰宅して思い出し、ポストでは消印が間に合わなくなるので本局深夜窓口に投函。一応出したということで…。

2011年8月16日火曜日

ラディカル・ホスピタル 21巻 読了


ラディカル・ホスピタル 21巻 読了
ひらのあゆ/著 芳文社/刊 20110821第1刷619円 MANGA TIME COMICS
 瀬尾先生おたふく風邪で入院。大人になって“おたふく”とか“はしか”とか大変みたいですね。かく云う拙者も大学浪人中に水疱瘡に罹りまして入院しました。バックナンバーの何処かに書いてあるはずですが、もう一度。体調不良になって一ヶ月。吹き出物に悩まされて金曜の夜に総合病院へ行ったらインターンらしい先生しかいなくて、「水疱瘡だと思うけど、俺やったことないからわからないんだよなぁ。月曜に来直して」と云われ、月曜に内科へ出直したら先生は拙者の顔みた瞬間皮膚科へ行ってと云われ、皮膚科に行ったら顔見た瞬間「入院!」と云われました。皮膚科の先生は総合病院の副院長で拙者の子どもの頃からご厄介になっていました。ピークは過ぎていたそうで、どうしてもっと早く来ないのって怒られました。金曜夜来たら帰されましたと返事をしたら「(当直は)誰!?」って看護婦さんに問い詰めていたんで、当直だった先生は本編みたいな嫌味どころかかなり絞られたのではないかと思われます。
 ベットで寝ていると回りでヒマな入院患者のおじいちゃん達が世間話をしていて、あの若いの(拙者の事らしい)水疱瘡かい?先日三十過ぎの市役所職員が麻疹で入院してきて、金玉が腫れちゃったんだよね。もう娘が二人もいるからいらないし、これで浮気もし放題だとか言ってたぜ、などと、拙者が寝ていると思ったのか、わざわざ聞こえるように云っているのか、なんちゅうこったい。なんてウツラウツラしながら耳を傾けておりました。
 病院食が不味くてねぇ。家族に頼んで家からお粥を持ってきてもらい、おかずだけ食べて病院のご飯を残していました。すると看護婦さんがご飯だけ残してると言い栄養剤の点滴を追加していくんですよ。しっかり食べてはいるんですけど…。
 一週間で退院しましたが、体調不良で前後合わせて2,3ヶ月勉強どころじゃありませんでした。
 さて、本作品著者ひらのあゆは毎回コミケに参加して、特に宇宙戦艦ヤマトのパロディを描いていますが、今回の新刊は無料のペーパーとタオル(400円)ですた。夏のコミケはタオルが手放せないので、持ち歩いてはいたのですが、祝儀気分でタオルも入手。表紙画像下のデスラーが手ぬぐいの片方の図柄です。おそらく同人誌をつるくヒマなど無いほど忙しいのでしょう。『まんがタイム』のバリエーションに掲載して表紙も飾ってますからねぇ。売れっ子さんですよ。

 内容紹介:人気ナンバーワン!病院4コマの決定版!!(アマゾンより引用)
(『まんがタイムオリジナル』『まんがタイムファミリー』『まんがタイム』『ひらのあゆコレクション』掲載)



明日冬コミ申込の締め切りです。皆さんはお済になりましたか?
拙者は現在進行形なので、ブログ更新は後日。
冬は会場でお会いできると良いですね。

2011年8月15日月曜日

中国嫁日記 1巻 読了


中国嫁日記 1巻 読了
井上純一/著 エンターブレイン/刊 20110824初版950円 
 中国から干支一周下の嫁をもらった嬉しさイッパイのマンガ家旦那のエッセイマンガ。いや干支一周以上か。
 嫁のカワユサと中国と日本のカルチャーギャップで笑えます。
 元はブログ。
 添付3枚写真の向って左が普通に本屋さんに市販されているコミックスです。ブログ掲載の四コママンガに、描き下ろしの見合いのお話が入っています。りんかい線国際展示場駅で下車した人は階段にA0版広告が打たれていたので気がついた方も多かろうと思います。
 真ん中の写真は、上記マンガの著者井上純一が主催する「希馬屋」で配布されていた「中国嫁」フィギュア。2体セット売りで3000円、このクオリティでしかも塗装済みという、ガレージキットとしては破格の安さ!オマケ冊子には「中国嫁日記」誕生秘話が描かれています。出版業界も大変なんですねぇ。勉強になります。
 そして向って右の写真は、サークル「日本晴」で配布された「中国嫁嘘日記 弐」。「中国嫁日記」著者井上純一のマンガ家仲間達が若妻もらってウハウハの著者を酒の肴ならぬマンガネタにして出した同人誌第二弾。表紙がオリジナルにソックリだ、と思ったらご本人が描いてました。そういえば第一弾も本人が描いていて、てっきりブログで掲載中のマンガをまとめて本にしたのかと思ってしまい買ってしまいました。“むらかわみちお”の絵がこれまたソックリで、最初本人が描いているのかとも思ってしまいました。初版に落丁あり。コミケでは修正ページが添付されました。一般書店では入手できない同人誌です。コミケなど同人誌即売会かとらのあな等同人誌をあつかうアニメ・マンガ専門店をお探し下さい。一般流通書籍ではありませんので、店頭に有るのは希ですし、通販が出来るかどうかもわかりません。
 若い嫁を得て、それをネタに本が売れるなんて、旦那にとっては凄い“あげまん”じゃありませんか。まるで両手を挙げた招き猫を得たようなものですな。拙者も見習いたいでゴザル。

 内容紹介:40歳オタク日本人の元に中国から嫁が来た!!2010年の7月の開始以来、あっという間に話題をよび、メディアでも多数取り上げられた大人気ブログ「中国嫁日記」がついに書籍化!!公衆トイレに紙があることに感動!味噌汁に香菜!?中国嫁・月(ユエ)の珍行動と慣れない日本語に思わず吹き出すこと間違いなし!そして、いつの間にかこんなお嫁さんがほしくなる!?書籍化にあたり、ふたりの出会いを描いた約50ページの書下ろし漫画を収録!!(アマゾンより引用)

2011年8月14日日曜日

ご主人様は山猫姫 8巻 読了


ご主人様は山猫姫 8巻 読了
北域覇王編~ 鷹見一幸/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110810初版570円 電撃文庫

 濡らしてしまった。己の“汗”で。まるで図書館によくおいてあるペコペコの本のように。2011年夏コミも三日目、漢祭の日です。本日電車の中で読んでいたのが山猫姫の8巻。
 昨年の夏コミ、使い古したリュックを使用していたせいか中の同人誌の端が濡れてしまう事件がありました。今回新品のリュックを背負ったのにも同じ様に濡れ、そればかりではなく、まるで真夏の雨天時に合羽を着て十キロ全力疾走したが如く体中が己の汗で上も下も濡れまくり、購入した本を小脇に抱えているだけで湿気を帯びてしまう末期的症状となってしまいました。一昨年までそんなことなかったのになぁ。何がどうしたんだか。
 帝國の北方と南方で生じた反乱は燎原の火の如く燃え広がり、硬直化した官僚体制が本来であれば何事も無く治まるはずの歯車を錆びさせ消火出来ずに右往左往していた。革命の物語でもなく、体制維持の物語でもない、先行きの見えない現代社会において、若者達に贈る応援歌。 北方で尊皇討奸を旗印に無私の心で立ち上がる主人公と、主人公に感化され旗の下に集まる人々。より良き世の中を作るとはどう云う事なのかを問う物語。主人公達とは接点を持たず反乱を起こした南方戦線の状況も切迫し、今後どうストーリーが絡まっていくのかも愉しみです。

 震災の影響で入場者数は減りましたか?と仕事中の知人からメールの問い合わせがありました。例年通り混雑していたと思います。でも朝の入場行列待ちがほとんど無く突入できたのは、人数が減ったせいかもしれません。10時数分に国際展示場到着。いつもの通りドトールでコーヒーとサンドを食べてからビックサイト正面ゲートへの入場待機列に並びました。ものの数十分で動き出したのにはビックリ。山猫姫を読んでいる暇がありませんでした。
 買って買って買いまくり、15時過ぎには撤収。購入するための鉄則は10時から11時に人気サークルは並ばねばだめだと云う事でしょう。ただ、最近拙者の嗜好とコミケ全体の平均嗜好がズレているらしく、以前に比べると容易に買える様になってきたし、以前の“壁”が“島”になろことも多くなりました。
 来週のコミティアへ行くかどうか思案中。

 内容(「BOOK」データベースより):南域の乱鎮圧に苦慮する帝国中央をよそに、北域の晴凛の勢いは止まらない。各地の有力者たちの来訪は後を絶たず、その権勢はまさに「北域王」と呼ぶにふさわしいものであった。私生活では、相変わらず「嫁」と「妻」に振り回される純情ぶりではあるが。その晴凛の活躍に目を留めたシムールのエオル王は、ついに決断する。シムールの未来を託し、晴凛と同盟を結ぼうというのだ。だが、シムールが帝国人と交わるのは前代未聞のこと。もし同盟締結となれば北域の覇権は決したといってもよいのだが、それをよく思わぬ勢力が暗躍を始め!?大人気シリーズ、第8弾。(アマゾンより引用)

2011年8月13日土曜日

戦塵外史 6巻完結 読了


戦塵外史 6巻完結 読了
~双帝興亡記~ 花田一三六/著 ソフトバンク クリエイティブ/刊 20110831初版750円 GA文庫

 まだ最終日のチェックが終わらん。
 本日は短時間しか居なかったのに体力的にも精神的にも疲労が甚だしい。
 疲れがピークに達した時、自販機に120円飲まれた。これはもう帰れというお告げだろうと思って切り上げる。やはり歳なのだろうか。ちょっと前まで飲まず食わずで一日中ほっつき歩いていたと云うのに。

 行き返りの車中で読んだ一冊「戦塵外史」。著者花田一三六のデビュー作にして出世作シリーズ。角川から出版社を替えての刊行。架空の大陸史を断片的に描いているのでネタは尽きないでしょうし、事実あとがきにもストーリーのストックはあると書いてありますが、一先ず筆をおくとのこと。少々残念な気も致しますが、著者花田一三六の作品はなんと云いますか、この「戦塵外史」のシリーズ以外売れている形跡が見えません。それどころか「戦塵外史」ですらもしかしたら初版止まりなのかもしれません。となれば近いうちに復活の可能性もなきにしもあらずと云った所でしょうか。
 架空の歴史ながら、架空歴史だからこそ、史伝や列伝的エッセンスの粋が凝縮しているような上質な読み応えなうを感じさせてもらえます。中国史や西洋史そして日本史にそれぞれのモデルとなった人物やエピソードもあるのでしょうが、「野を馳せる風のごとく」の主人公があまりにも前田慶次に似ている事を除けば、元ネタが気になるような事はありません。単に拙者が無知なのでしょう。
 最強の手札“ジョーカー”。文字通りの“トリックスター”として描かれています。極東幻影騎士団から流れてきたのかな?

 内容紹介:「この世は、ただ一夜(ひとよ)の夢」道化はそっと囁いた……。兄ヴァルキールと妹アイーシア。兄妹皇帝が織り成す峻烈で壮大な運命の物語!戦乱の大陸を舞台に、花田一三六の描く戦塵外史シリーズ、ここに堂々と完結!
 今日も道化の声が都の大路に響く。曰く、「この世は、ただ一夜(ひとよ)の夢」、と。兄の名はヴァルキール。ガゼルーン帝国皇帝である。妹の名はアイーシア。自身の兄に、北の最果てに放逐された前皇帝である。時にヴァルキール二十歳、アイーシア十八歳のことであった。このままヴァルキールが天下を握ると思われたが、狩る者は常に狩られる者でも ある。日々流転し紡がれていく運命の糸は、やがて二人のみならず、大陸全体を飲み込む巨大な潮流を形づくっていくのであった……。響くのは楽しげな道化の囁き。「よい夢を」戦塵外史シリーズ、堂々の最終巻!(アマゾンより引用)

2011年8月12日金曜日

機動戦士ガンダムUC 7巻 読了


機動戦士ガンダムUC 7巻 読了
黒いユニコーン~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20081226初版660円 角川コミックス・エース
 
 「状況に潰されるな。絶望を退ける勇気を持て、君が《ガンダム》のパイロット……ニュータイプであるなら」

 ビスト財団に囚われた主人公“バナージ・リンクス”とロンドベル部隊司令“ブライト・ノア”との一瞬の邂逅でではありましたが、ガンダム・シリーズを通して見れば、ブライトの言葉の重みに涙が零れました。
 本日コミケ初日です。会場の往復時の電車内で読んでました。りんかい線国際展示場駅構内にはガンダムUCOVAの広告が打ってありました。ブライト艦長の声は誰が演じるんでしょうね?このユニコーンに関しては是非とも鈴置さんにやって欲しかった。ブライト艦長のラオ商会との接触、デラーズフリート戦を髣髴させる基地攻防戦。アーケードゲーム「機動戦士ガンダム~戦場の絆~」に登場したと聞くザクⅠ・スナイパータイプの活躍。そしてアムロ、クワトロ=シャア、フォウの支援を受け宇宙へ還るカミーユを描いたZガンダム屈指の名場面に勝るとも劣らない空中モビルスーツ母艦ガルダ強襲戦と燃える展開、オールドファンの記憶を揺さ振る懐かしい場面のオマージュと読み応え最強!

 「《ユニコーンガンダム》は、伊達じゃない……!」

 カッコいい!!
 けど、このセリフの元ネタであるアムロは、ニューガンダムの開発に携わっているからこそ吐けるセリフであって、スペックどころかブラックボックスをただ動かしているバナージでは今一つ心に響かないですな。

 国際展示場駅前のサンクスは最早コンビニとは別物と化してますな。このままアキバ駅前に移設してもなんら違和感がありませんわ。
 本日は素晴らしい夏日となり、至る所で体調不良を起こした人々が倒れておりました。特に初日は女性の参加が多いので目だっていたのかもしれませんが、車椅子で救護所に運び込まれる男性とか、日陰に倒れこんでいたりと、人に迷惑をかけるくらいなら来るなと云いたいですな。万全の体調で挑んでも、途中で不良になる可能性大なわけですから。それとベビーカーで来場するなとも云いたい。子どもを連れて来るなとは云いませんが、出来ることなら物見遊山で幼児を連れてくるようなまねはしないでいただきたいものです。
 会場内では益々外国人(白人系)が目に付くようになりました。壁サークルスタッフにも混ざっていました。黒髪黒目のテレビクルーが移動してきたので何処のテレビ局だろうと注視したらレポーターらしい女性が中国語を話していました。会場内を移動していると結構中国語の話し声が聞こえてくるので、上野アメ横に出没している如何にもオノボリさん的観光客ではなく、来日経験が多いか長期滞在中の東洋人も多数紛れ込んでいると思われます。企業ブースでは白人男性が企業スタッフとしてビラ配りをしていました。
 14時には撤収してます。地元のターミナル駅前のアニメショップ屋を廻っていたら、中学生ぽい三人組の少女の一人が“今日からコミケなんだよ”“コミケって何?”“ほらさっき説明した同人誌って…”。脇から説明したくてウズウズしてしまいました。
 アニメショップでは本日配布の新刊同人誌が出回っています。買い洩らしチェックもしなければ。

 内容紹介:突如として現れ、バナージと《ユニコーンガンダム》を圧倒する黒い《ユニコーンガンダム》。果たしてその正体とは!? 福井晴敏が放つ、宇宙世紀最大の謎を巡るSF大河小説、風雲急を告げる第7弾!
 内容(「BOOK」データベースより):虜囚となったバナージを乗せた戦艦「ラー・カイラム」が寄港したトリントン基地に積年の妄執を決死の志へと変えたジオン残党軍が襲いかかる。混乱の中、ブライト艦長の言葉を胸に再び「ユニコーン」に乗り込んだバナージは、目の前で再び連れ去られたミネバを奪還するため、ついに大空へと飛翔する!黒き「ユニコーン」との対決が待つ高高度の戦場で、バナージがつかんだものとは―!?ガンダムサーガ最新作。激情天駆ける第7巻。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 福井 晴敏:1968年、東京都墨田区生まれ。1998年に『Twelve Y.O.』で第44回江戸川乱歩賞を受賞し作家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)

2011年8月11日木曜日

コミックマーケット80カタログCD-ROM版 未開封


コミックマーケット80カタログCD-ROM版 未開封
 書籍版と同じ内容なのですが、添付されているデータが結構有用なので二つ買いしています。書籍版CD-ROM版を併せると、少々金額的に大きくなってしまいますが、この日の為に貯めたポイントを使用するので、実質無料。貯めたポイントを使って買物が出来ない“とらのあな”と、ポイント自体の無い“ジュンク堂”は購入先順位上下位になったりします。只“とらのあな”はショップ特典が充実していたり同人誌もあつかっていたりするので欠かせないし、本屋として一流の品揃えをしている“ジュンク堂”は重宝しているのも確か。でも“とらのあな”は文字通り“穴場”のような場所に店を開いているので、姉妹店に比べ客が少ないとしか思えません。今までアキバで買物をしていた事を考えると、仕事帰りに立ち寄れる近所に有ると無いとでは便利さが全然違うので、閉店だけはしてくれるなよと願いつつポイントの使えるアニメイトやメロンへ行ってしまうのでした。

2011年8月10日水曜日

コミックマーケット80カタログ チェック中


コミックマーケット80カタログ チェック中
 本屋へ行くまでカタログ販売をすっかり忘れていました。本日は仕事先との会議を忘れていたし、最近グタグタぶりが自分でも恐ろしいくらいです。
 今回こそはカタログチェックをじっくりと時間をかけて行った後に突入しようと考えていたのに、やっと今日開封。これぞ“泥縄”だぁ。と、云うわけでブログUPは早々に引き上げて、チェックに邁進します。

2011年8月9日火曜日

緑の髪のアミー 読了


緑の髪のアミー 読了
ふくやまけいこ/著 竹書房/刊 20110810初版819円 BAMBOO COMICS
 先日紹介した「バクマン。」を読み返した後、何気に「ギリギリ限界集落温泉」を読み返す。どちらもネットを駆使し活用する点では一致しているのに、読後の印象が正反対なのが面白くかつ作者の視点とか演出の差が素晴らしい。どちらも続きが楽しみ。

 さて「緑の髪のアミー」。最近著者ふくやまけいこは仕事をしていて、以前の遅筆とは比べものにならないなぁなんて考えながら読み始め、あとがきマンガに行き着くまで、一冊の第一話から最終話まで足掛け十年を経ているとは気がつきませんでした。確かに絵柄が一話一話微妙に変化しているのですが、一年かけて連載したとしても、この程度の絵柄の変化はありえるのではなかろうかと思えるほどです。著者ふくやまけいこの気の長さを称えるべきなのか、連載を切らずに付き合った編集者と編集部を褒めるべきなのか。しかも卓袱台返しとも云うべき、どんでん返しが素晴らしい。ネタバラシをしてしまいますと、なんとヒロインはハーフだったのですよ!これを知って読むのと、知らずに読むのとではかなり読後の印象がかわりますぞ。裏切り御免!
 ストーリーは変えて良いので、このキャラと舞台設定でほのぼの日常系アニメ化希望。

 内容紹介:そこは人魚たちが暮らす海、蚕浦。ある日、人魚の女の子、アミーちゃんは蚕浦シーワールドで働く、権藤さんという人間に出会う。少しずつ少しずつ、近づいていく2人。でも、人魚と人間の壁はあまりにも高すぎて…。現代版リトルマーメイドの恋の行方は―――!?(帯より引用)

2011年8月8日月曜日

劇場版 NARUTO-ナルト- ブラッド・プリズン 観了


劇場版 NARUTO-ナルト- ブラッド・プリズン 観了
 週刊少年ジャンプ連載の原作は殆ど読んでいません。極希にコンビニで立ち読みしてみたりしますが、ストーリーの前後が分らず、追いつけません。アニメの方はサスケが木の葉を抜ける前のオロチ丸が出ていた頃少々みていましたが、疾風伝になってからは見ていません。マンガもアニメも連続活劇の為シリーズを通して見ていないと内容が分らないんですよねー。その点劇場版は読み切りマンガと同じで、一話完結していて分りやすく楽しめます。
 脱獄不能な城塞監獄に送り込まれた主人公の忍者ナルトは。無実を晴らすべく脱獄を試みる。そして監獄で行われている不穏な動きを知る事となります。
 視聴対象が親子連れか小中学生向けなので、ストーリーとして難解だったり大きなどんでん返しがあるわけでもなく、ストレートに努力・友情・勝利、そして親子の情と悲恋が描かれる痛快な作品になっています。
 話的には最早忍者なんだかヒーローものなんだか良くわからないモノになっていますが、「月光」とか「赤影」の頃から“ニンジャ”なんてそんなモノなのかもしれません。
 物語の核となる謎の“箱”のデザインが韓国の伝統的面の様に見えるのは、単に新たなデザインを求めての結果なのでしょうか?それとも製作スタッフの大半が外注で、韓国勢からのアイデアなのでしょうか?ナルトの人気が世界的に高いとは知っていましたが、エンディング・テロップを見ると製作体制も多国籍になっていたんですねぇ。
 
以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 108分
スタッフ
監督:むらた雅彦
製作総指揮:-
原作:岸本斉史
音楽:高梨康治 、刃-yaiba-
脚本:東山彰良
キャスト
竹内順子(うずまきナルト)
てらそままさき(無為)
園崎未恵(竜舌)
中村悠一(無垢)
江川央生(キラービー)
上川隆也(マロイ)


 解説: 日本だけでなく海外でも絶大な人気を誇るアニメシリーズ「NARUTO -ナルト-」の劇場版第8弾。ブラッド・プリズンの異名を持つ罪人収監所・鬼灯城(ほおずきじょう)を舞台に、投獄されたナルトが、潔白を証明すべく真相を求める戦いを描く。監督は『劇場版 NARUTO-ナルト- 疾風伝 ザ・ロストタワー』のむらた雅彦、脚本を「NARUTO -ナルト- ド根性忍伝」の東山彰良が担当。脱獄不可能な孤島で巨大な陰謀に挑むナルトたちの戦いの行方に注目。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 雲隠れの里の長である雷影暗殺未遂と、霧隠れと岩隠れの上忍を殺害した罪に問われたナルトは、ブラッド・プリズンといわれる罪人収監所・鬼灯城(ほおずきじょう)に投獄される。城の主「無為(むい)」が操る最強の禁固術により力を奪われるこの場所で、何者かに命を狙われるナルト。無実を証明すべく、事件の真相を追うナルトと仲間たちの戦いが始まる。シネマトゥデイ(外部リンク)

2011年8月7日日曜日

バクマン。 14巻 読了


バクマン。 14巻 読了
~心理戦と決め台詞~ 小畑健/漫画 大場つぐみ/原作 集英社/刊 20110809第1刷400円 ジャンプ・コミックス
 マーケティング・データで作品ではなく商品を作ると、ハリウッド・ムービー的に成らざる得ません。またコミックス出版として伝統あるアメリカでは行われている複数の作家による一つの作品作りが、これほどマンガの発達した日本において根付かないのは何故か。昔から順位というマーケティングを重視しているジャンプでありながらも、結局はマンガ家の技量(+編集者場合によってはさらに+原作者)と云うアナクロな根性で成り立たっているのも、読者が求めているのは人が生み出す“揺らぎ”の部分にこそ価値を置いているのではないかと考えます。
 さいとうたかおの「ゴルゴ13」を筆頭にストーリー作りに複数の人々が関わるのは珍しい事ではありません。また、現在のマンガ製作システムにおいては“絵”の分業は当たり前の事であり、かつての「先生、目を描き下さい。」「うむ。」どころか、一話分丸々アシスタントが描いているのも珍しいことではなくなりました。昔週刊少年チャンピオンで連載していた「マカロニほうれん荘」の末期にコミックスに収録されていない話数があっりました。マカロニほうれん荘が好きで、雑誌分を切り取っていて判明したのですが、子供心に不思議に思っていました。マカロニほうれん荘の著者鴨川つばめは体調を大幅に崩してしまい、以後普通の生活が出来なくなったとインタビューに答えていましたが、収録されなかったのはアシスタント作品だったのでしょう。
 かつてコミケ等で頒布されていた同人誌は、学校のマンガ研究会や会報の様な複数人が書き寄った雑誌みたいな本が主流でしたが、いつの頃からか個人の作品を発表するのが主流となったような気がします。無論現在もまた前者が無くなったわけではく、一つのテーマに沿った記事や作品を発表している文字通りの“同人誌”は多数存在しています。
 マンガという媒体そのものが、絵画等と同じような“個人的作業”と親和性が高いのではないでしょうか。
 今後もし日本のマンガが世界展開するにあたり、アニメ同様複数の脚本家とか原画マンや動画マンが一つの作品を作って行く形態がとられていくものと思われます。しかし、製作バリエーションの一つとしての複数制であって、複数制が主流になることは無いような気がします。違う人々による“揺らぎ”と、一貫したストーリーや絵による“揺らぎ”は別物と思えます。最大公約数と最小公倍数との違いみたいな。
 バクマン。14巻のストーリー的には盛り上って面白いのですが、腑に落ちない部分も無きにしも非ず。連載を読んでいない身としては15巻の発売が待ち遠しいですな。

 内容説明:驚異の新人・七峰透は、亜城木夢叶を手本に、マンガ家を目指していた。だが、売れる為には手段を選ばない七峰のやり方に対し、最高と秋人は、先輩マンガ家としての意地とプライドを懸け、立ちはだかるが…!?(アマゾンより引用)
(週刊少年ジャンプ掲載)

2011年8月6日土曜日

砂漠のウサギ 読了


砂漠のウサギ 読了
1941年6月~11月の戦い~ M.WOLVERINE/著 イカロス出版/刊 20110720発行1429円 
 以前、2007/5/22(火)にyahooの方のブログhttp://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/47737496.htmlで紹介している同タイトル本の「加筆修正および続編を追加した」(あとがきより引用)版のイカロス出版社刊行本。前出版社はミリタリー系に理解があるとは思えませんでしたから、今度は良き出版になるのではないかと考えます。
 ドイツ第三帝国の名将ロンメル将軍の渾名が「砂漠の狐」で、対抗する意味でイギリス軍の将軍モントゴメリーに付けられたのが「砂漠の鼠」。そしてアイルランドをモデルにつくられたフェアリーランド王国が第二次世界大戦時の北アフリカを舞台に宿敵イタリアと戦う戦場を描きます。そんなわけで“ウサギ”なのでしょう。架空の国フェアリーランドは女性の出生率が高く、兵士も含め女性が国の屋台骨を背負っている設定になっています。
 かつてのローマ帝国の威光を取り戻そうと躍起になっていたイタリアのムッソリーニは、旧ローマ帝国領であった北アフリカに兵を進めます。が、イタリアの軍隊はどうにも勝つ事が出来ませんでした。(ドイツにパリを占領された後の南フランスに侵攻してもボロ負けしています。)そこで同盟国ナチスドイツ=ヒトラーに泣き付いて(この辺りが「へたりあ」の元ネタになっているっぽい)ドイツ・アフリカ軍団を送ってもらいます。エジプトとスエズ運河を押さえられるとインド等の植民地と連絡がとれなくなり干上がってしまうイギリスとしては、何としてもイタリア=ドイツ連合軍の意図を挫かなくてはならなくなり、アメリカと歩調をとり(泣き付いて)反撃に出ます。本作は同盟側と連合側の勢力が拮抗し戦車と飛行機が大活躍していた激戦の時期を生き残るフェアリーランド陸軍の戦車兵を中心に描かれています。
 著者M.WOLVERINEの本業はなんなのでしょうかね?食べられないプロのマンガ家なのか、プロ的に上手いアマチュアなのか。フェアリーランド王国を舞台にした架空戦記マンガを同人誌で発表した後商業出版していますし、ミリタリー系以外の読切り作品をマンガ雑誌等にも発表しておりますが、マンガで食べているとは思えません。フェアリーランド王国の架空戦記も大半はコミケやコミティア等の同人誌即売会で発表している“同人誌”でした。毎回コミケに参加している常連さんなので、フェアリーランド王国戦史の最新刊も来週12日から開催されるコミケで発表されることでしょう。(拙者のカタログチェックはこれから)。嗚呼、もしかしたらコミックスもコミケで直に売っていたかもしれません。直接だったらサインをもらう事も可能だったかも…。

 内容紹介:フェアリーランド王国戦記、ふたたび!本書は架空の小国フェアリーランドの第二次大戦における戦いを描いたマンガ作品。『Nシップ』(小社刊)と同じ世界観で、今度は北アフリカの地上戦を描きます。北アフリカ戦線は、英連邦軍とドイツ・イタリア枢軸軍が争う角逐場。
フェアリーランドの陸空軍はいかなる戦いを見せるのか――!?はいてない戦車兵、フラワーの活躍も見逃すな!(アマゾンより引用)

2011年8月5日金曜日

境界のRINNE 8巻 読了


境界のRINNE 8巻 読了
高橋留美子/著 小学館/刊 20110720初版419円 少年サンデーコミックス
 拙者は鉄筋アパートの四階に住んでござるが、拙宅の階段にコガネムシの行き倒れが。毎朝毎晩拝んで出勤帰宅しており申す。
 さてRINNE。ニューキャラクター。惜しみなくキャラクターが投入されるのが著者高橋留美子の真骨頂ではいでしょうか。嘘か真か知らないが、著者高橋留美子は出不精らしい、と昔読んだような気がします。それでいて毎週毎週「うる星やつら」「らんま1/2」「犬夜叉」そして「境界のRINNE」と週刊連載を続けているだけでも凄いが、その全てがヒットどころかホームラン。それだけのストーリーテリングをするための燃料と云うかネタはいったい何処からどうやって補給するのでしょうか?
 連載時の号数が年末なので、物語上は冬の設定。窓の外に蝉の声を聞きながら、マフラーとかコタツの話を読むのもオツなものですなぁ。しかし、冬なのに“あの世の縁日”ってなんなんだろう?

 内容紹介:りんねを悩ます子供死神・翔真登場!りんねの指導のもと、この世で成仏実習中の小学生死神・翔真。しかし翔真は大物悪霊を狙うばかりで、成仏実績いまだゼロ。さらには悪魔・魔狭人に目をつけられ、よからぬ方向へ歩み出し…!?世話役・りんね、振り回されながらも先輩として死神の道を説く!!
 【編集担当者からのおすすめ情報】:かわいいけれど憎たらしい新キャラクター、小学生死神・翔真が登場する第8巻!様々な問題を抱え現れる、個性豊かな霊達にもご注目ください!(アマゾンより引用)
(週刊少年サンデー掲載)

2011年8月4日木曜日

超級! 機動武闘伝Gガンダム 5巻 読了


超級! 機動武闘伝Gガンダム 5巻 読了
島本和彦とビックバンプロジェクト(宮北和明)/漫画 今川泰宏/脚本 矢立肇・富野宙悠季(「機動戦士ガンダム」より) 角川書店/刊 20110726初版580円 角川コミックス・エース
 嗚ー、ターンエーガンダムが時間変更しているのを忘れていた。深夜番組が18時30分になっていたのだ。と、云うわけで、未見放送ガンダムの話を本日のタイトルと関連付けて話そうと思ったのですが、テレビ番組が高校野球で放送変更になり、ガンダムを見れませんでした。ガックシ。
 そして、仕事から帰宅した拙者がポストを見ると、久しぶりに試写会があったっていた!でも当日は仕事。しかもその日は空いてるからと思って仕事を入れてしまったので、今更駄目でしたとは言い難い。遊びごとだし。これまたガックシ。
 今日は気落ちの二乗だ!!

 さてGガン。島本和彦、また逃げたナァァ!!まるっと全ページアシスタントだろう。
 間違っていたらスマン。
 こりゃ次巻から古書購入にランクダウンだな。
 封入されていたチラシ1/144HGFCマスターガンダム&風雲再起はスゲー。どのくらい可動するのだろうか。誰かシャイニングガンダムとガンダムファイトをする映像を作ってくれないものだろうか。

 内容紹介:デビルガンダムと兄キョウジの行方を追い、ネオメキシコへとやって来たネオジャパン代表のドモン・カッシュは、ある男から命を狙われることに…。しかしその男こそ…!果たしてキョウジとデビルガンダムの足跡は!?(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)

屍姫 15巻 読了


屍姫 15巻 読了
赤人義一/著 スクエェア・エニックス/刊 20110622初版定価419円(税抜) 購入価格300円(税込) ガンガンコミックス
 下書きに熱中していたら、日付変更線を越えてしまった。失敗、失敗。
 「怪盗天使ツインエンジェル」が意外と面白いのではないかと思い始めてきました。動画枚数多くネ?期待していた分「夏目友人帳参」が紙芝居みたいで残念。
 
 さて「末法」と「末世」は同じようで違うと思います。国語辞書では同義として扱っていますし、例題として今昔物語が引用される程古くから同じように使われていますが、かつて日本は仏教国家であってので「末法」と「末世」は同義語でしたが、他の価値観で世の中を見た場合「末法」だからと云って「末世」とは限りません。最近インドで「仏教」が流行っているそうです。廃れた仏教を学び直すため少年の時に日本に留学(この場合はryuugakuでななく、歴史の授業で習ったrugakuなのでしょうか?)したお坊さんの本を立ち読みしたことがあります。お釈迦様が生まれたインド亜大陸ですが、長らくヒンズー教の世界で「末法」の世の中でした。でも「末世」ではないですよね。だから何だと云うわけではありませんが、架空の宗教とは云え不断の勉強が必要だなと思う次第。
 
 光言宗最高の大僧正と最強の屍姫が負けた。一端退いた光言宗は戦力の建て直しを計る。一方大陸の西方より他宗派の介入が…。そして花神旺里の宿命の一端が屍姫星村マキナに語られ、弦拍は己の屍姫を助けようと光言宗の闇へと近づく。来るべき反攻作戦を前に、指導者を失った光言宗の建て直しは出来るのか。
 ここで負けるとは。編集部としては出来るだけ長期連載をしてもらいたいみたいですね。まあいろいろと伏線を張っていますから、著者赤人義一としてはここからが本番だぜと云う感じでしょうか。なかなかに読み応えがあります。

 内容紹介:光言宗、陥落。只、抗い難い現実。受け入れ難い、敗走。何一つ守れず、寄る辺は失われた。大群の「王」を前に、光言宗は膝をつく。それでも外部不干渉勢力「大教会」をも巻き込み世界は回る――。大僧正&カガセオの描き下ろし短編収録の最新刊!!(アマゾンより引用)
(月刊少年ガンガン掲載)

2011年8月2日火曜日

六人の兇王子 4巻 読了


六人の兇王子 4巻 読了
~ヴァレージの都~ 荻野目悠樹/著 幻冬舎/刊 20110630第1刷900円 幻狼FANTASIA NOVELS
 
<魔将(ジェネラーレ・デッラ・モルテ)>・ギヴァは<兇王子(プリンチベ・グワイオ>である。
彼を改造した<家(ラ・ファミリア)>は、世界征服をたくらむ悪の秘密結社である。
<魔将>・ギヴァは、人間の自由のために<家>と戦うのだ!

と、云うわけで<家>は預言の成就を果たさんと世界を混沌へと導くべく、6人の兇王子を各地へと派遣する。しかし人の心を失わなかったギヴァは恋した人と人々を守ろうと、己の呪われた力をふるってしまう。かくして裏切り者のギヴァは共に育てられた5人の兇王子から命を狙われる事になるとになるのだった。
 1冊で他の兇王子を1人ずつ3人を倒した主人公は、過酷な<家>の中で唯一心を許し、兄とも慕う兇王子<教皇(ル・ミグリオーレ・ヴァスコヴァ)>・ヴァレージとの対峙を余儀なくされる。ヴァレージとの対決を避けようとするギヴァに対し、過酷かつ卑怯な罠を行く先々にかけて行く。
 著者荻野目悠樹の全作品に通じるんですが、何故かもうちょっとの所で“燃え”が足りないような気がします。唯一角川スニーカー文庫で展開した「双星記」で盛り上っていたのですが、何がどうしたのか途中で打ち切られてしまいました。どの作品も、緻密な設定とか、豊かな人物造型、そしてドラマチックな展開でありながら、微妙に肩透かしを喰らっているような、変な気分になるのはどうしてなのでしょうか?

 内容(「BOOK」データベースより):“兇王子”ヴァレージに囚われた愛するアンナ・マリアを救うため、実の兄とも慕った彼のいる都市ウムブリアに向かったギヴァ。しかし街では、悪魔が人々に憑依しているという風聞が市民たちの間に広まり、「悪魔狩り」がはじまっていた…。父母との悲しみの別れ、慕った兄との戦い―苦悩するギヴァは、戦乱の世を生き抜くことができるのか。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 荻野目 悠樹:東京都出身。横浜市立大学卒。1996年「シィンの毒」で集英社ロマン大賞を受賞し、デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)

2011年8月1日月曜日

機動戦士ガンダム THE ORIGIN 9巻 読了


機動戦士ガンダム THE ORIGIN 9巻 読了
~シャア・セイラ編・前~ 安彦良和/著 矢立肇・冨野由悠季/原案 大河原邦男/メカニックデザイン 角川書店/刊 20050426初版560円 角川コミックス・エース
 ジャブロー内で改装を済ませたホワイトベースとガンダムとともに、ホワイトベースは補給と新たな乗組員、スレッガー・ロー中尉率いるモビルスーツパイロットも搭乗する。一方セイラ・マスは戦闘中偶然出会ったシャア・アズナブルこと兄であるキャスバル・レム・ダイクンとの出会いに悩んでいた。物語は宇宙世紀0068年シャアとセイラの父ジオン・ズム・ダイクンが死んだ瞬間へと回想される。
 ネコ耳アルテイシア激カワ!セーラー服だし。
 ザビ家とラル家の関係や、デギン・ザビの長男サスロ・ザビなど、テレビ本編で匂わされていただけの、もしくは設定上だけの話が初めて具体的に描かれ、しかもそれらが当然すぎるほどにガンダム史にハマっている事に感動。
 ジオン・ズム・ダイクン死亡前夜の家庭での描写だと、精神的に追い詰められ強いストレスにさらされていたジオンの病死のように受け取れます。またサスロ・ザビの市も爆死した瞬間のデギンやギレンの表情は驚愕以外の何ものにも見えません。ドズルは著者安彦良和に愛されていますねぇ。単に動かしやすいのかもしれませんが。ギレンは植木鋏で植物を刈っている。そういう趣味だったのか。ダイクン邸が合掌造りとも神社のようなデザインで造られているのに、後の総統官邸の趣味の悪さはいったい何事なんでしょうね。TVの時にデザインしたのは誰なのでしょうか。ランバ・ラルとハモンの出会いと活躍などの見所もいっぱい。ガンダムを好きな人、好きだった人には是非ともオススメしたい“THE ORIGIN”ですが、ガンダムの事を知らないとか、興味はあるんだけどいっぱい在り過ぎて何から手を付けて分からない人に是非ともオススメしたい。特に9巻10巻は面白いですよ。

 内容紹介:安彦良和が完全オリジナルストーリーで明かす“赤い彗星”の過去に注目せよ!!(帯より引用)
(ガンダムエース掲載)

2011年7月31日日曜日

銭 2巻 読了


銭 2巻 読了
鈴木みそ/著 エンターブレイン/刊 20040806初版620円 BEAM COMIX
 ゲームセンターが何処もかしこも閉店していますね。時間を潰したり、ちょっと遊びたい時に立ち寄れる場所が無くなって難儀しております。ビデオゲームが並んでいるゲームセンター自体がついぞ最近出来たものですから、無くなるのも早いと考えれば、当たり前な話なのでしょう。子どもの数も年を追う毎に激減していますからね。最早子供向けとか青年向けで“量”を稼ごうとするのが出来なくなっているのでしょう。とすれば今後人口増加が見込まれ、かつ社会的に安定している国であれば、ゲームセンターが流行る国もあるのではないでしょうか。業界の裏みたいな話を生霊達が覗いて行くシリーズ。ゲームセンター編が描かれたのは2003年後半、今から十年近く前と考えると、ゲームセンターの現状はより厳しくなっていると云えます。
 同人誌編&鉄道マニア編。これはもう聞かなくても判ってます的な?ゴミと間違えて現金袋捨てたネタは前から知っていたので、ネタの出所は同じような気がします。拙者は「漫画の手帖」だったと記憶していますが、はてさて。現在コミケの場所を借りるのに長机半分で申込書千円参加費7千数百円振込み代120円とかなにやら、8千数百円かかります。そこに何を持っていくかにもよりますが、本を持って行くとしても、コピー本ではアニメ化されたマンガ家の作品でもない限り売れる部数も限られています。取り上げる内容によって同じ作家さんでも売れる時と売れない時もあります。同人誌で儲けようなんて考えても儲けられる人なんて結局プロとしてもやっていける才能を持っている人とか、時間や金を投資できる元々お金持ちの人とか、参加1万数千サークルの中の極僅かでしかありません。中にはマンションの頭金を同人誌で作ったなんて話もありましたが、その後の返済をどうしたかは聞こえてきませんでした。プロであろうとアマチュアであろうと、出版そのものが、売れるかどうか売ってみなければ判らない“博打”である以上、儲けるならばサラリーマンになるか、自分で事業を始めるかしなければ、美味い儲け話が世の中にあるわけがありますまい。パチプロですら毎日パチンコ屋に通いつめ、数十時間座り続け、新規改装店に並び、新型台の研究に余念無く、その辺のマーケッターよりもよほど時間の投資と研究を重ねているのではないでしょうか。体力が尽きれば人生のお終いだし。
 じゃあ、皆コミケやパチンコに何で行ってるの?と問わば、当然好きだからやっているのでしょう。自分の好きな事をやってお金も稼げたら幸せですね。
 内容紹介:今、一番儲かる商売って何なのか?鈴木みそが“お金”を切り口に、様々な業界の裏側を暴く問題作!ゲームセンター編、そして同人誌編を収録した待望の第2巻、発売!(eb!.E.N20040720発行vol.52より引用)
(月刊コミックビーム掲載)

2011年7月30日土曜日

よつばと! 3巻 読了


よつばと! 3巻 読了
あずまきよひこ/著 メディアワークス/刊 20041215初版600円 電撃コミックス
 お隣の家のあさぎ姉ちゃんのお友達“虎子”登場。ついでにお隣のお父さんも登場。“ジャンボ”と“みうら”の初顔合わせも有。
 いつも絶好調のよつばちゃんを見ていると、こっちも元気をもらったような気がします。
(月刊コミック電撃大王掲載)

2011年7月29日金曜日

ミッドウェー戦記 読了


ミッドウェー戦記 読了
豊田穣/著 文芸春秋/刊 19730930第2刷600円
 世にファミコンが出る前夜、シュミレーションウォーゲームなるボードゲームが流行った瞬間がありました。六角形のマス目に戦車や飛行機や艦船や歩兵を並べて将棋のように戦いあうゲームです。ゲーム盤にコマを並べて手計算でやっていました。最近のパソコンゲームで近いのは「大戦略」です。と云うかシュミレーションウォーゲームをパソコンに移植したのが「大戦略」の始まりと云って過言ではないでしょう。その前時代はブラモデルを使って遊んでいたようですし、その祖形は司馬遼太郎の「坂の上の雲」で日本海軍が図上演習として行っていたシュミレーションとも云えるでしょう。ガンダムとかボトムズとかロボットものもありました。ナウシカのゲームに至っては手や足を動かすのに手計算で進めていたそうです。で、拙者は当時「航空母艦」と云う上級者向けのゲームを買ってもらいました。おもちゃ屋主催のシュミレーションゲーム大会で聞いたら、愛好家の大学生が一週間掛かりでも終わらないと云っていたシロモノでした。船を一隻ずつ操り、気象条件が毎時変更され、索敵機を一機ずつ飛ばして、敵を見つけ出し、飛行機を発進させて、敵艦を一隻ずつ攻撃するゲームです。これを全て手計算でやらねばならないんですよ。無理。めんどくさい。先ず相手プレイヤーを見つけるのは無理。その点パソコンゲームの「提督の決断」は手軽で面白い。結局拙者はメイン・シナリオである機動艦隊戦をやらずに今までしまってあります。全てのユニット(駒)を切り取っていません。死ぬまでに一度プレイしてみたものですが、その機動艦隊戦のメイン・シナリオが“ミッドウェー海戦”でした。
 双方合わせて百近い艦艇数、六百機を越す飛行機が戦う、史上最大の航空母艦同士の海上航空作戦です。有史以来複数の航空母艦同士が飛行機飛ばしあって戦うのは日本軍と米軍のみ(イギリス海軍の空母と日本海軍の空母も戦ってはいますが)であり、大多数の日本人は知らないから気にしていませんが、世界的に見ると米国に負けたとは云え(日本海海戦を含め)日本海軍恐るべしとなっているようです。日本周辺の国家が、海上自衛隊の空母所持に対しイロイロと口を出すのは歴史的に見て当然と思われます。
 ミッドウェー海戦の概略は“Wikipedia”で確認していただくのが手っ取り早いのでここでは述べません。
 日本帝国海軍海兵68期のパイロットであった著者豊田穣が、海軍の先輩達に取材して、米国側のもまた取材して、作戦に従事した人々の死に様と生還した人々の生き様を描いた力作。拙者的には今もって戦記小説中では一番読みやすい作家です。東京新聞の記者と作家という二束の草鞋を履き続けた結果ではないのでしょうか。元帝国海軍士官として、ミッドウェーの失敗は“時の運”だと云う立脚点もナカナカ。運も実力の内なのですが。戦略的概観やメカニック的な部分の描写や説明は必要最低限とし、“人”のドラマ部分に重点が置かれて書かれているので、ミリタリー的部分に疎くとも楽しめる小説になっていると思います。

2011年7月28日木曜日

ケロロ軍曹 22巻 読了


ケロロ軍曹 22巻 読了
吉崎観音/著 角川書店/刊 20110726初版540円 角川コミック・エース
 なんだか久しぶりにケロロ軍曹の新刊を見たような気がする。まだ連載続いていたんですね。いや、それどころかケロロ軍曹専門誌まで出ていたりして、ガンダムやマクロスは理解できますが、ケロロ軍曹までとは!?実は角川オリジナル作品中一番の稼ぎ頭だったとか?アニメ版日向冬樹の交代がいかんともしがたく無念です。そう云えばアニメの方はどうなったのでしょうか。深夜に再放送をしていたのはたまに見ていましたが、本放送の方はノーマークでした。
 コミックスの紹介の前に、拙者の本棚(と云うか部屋中に重ねてあるゴミの山)から発掘した一品を紹介。
 「パーフェクト セレクション 観音'95―MINES ORIGINAL GAME COMICS NOL.9―」 19950820初版19951001第2版 B5版58p
 90年代前半から発行直前の95年6月頃までの商業誌や同人誌で発表された一枚イラストを中心に集められた同人誌。ケロロ軍曹22巻の著者略歴によると1989年小学館新人コミック大賞佳作でデビュー。1998年に読みきり「ケロロぐんそー」を発表。1999年2月より「ケロロ軍曹」本編を連載開始。とあるので、売れっ子とは云えないまでもプロとして仕事をしつつ同人誌を出していたと云う事になります。同人誌のあとがきに“高2のとき小学館にもちこんだのがデビューとなり”と書いてあるので、90年とか91年頃高校卒業と共にマンガ家としてもしくはアシスタントとして活躍していたのでしょう。同人誌にもコミックス単行本にも協力者として“あかつきごもく”氏がクレジットされています。アシスタント・チーフなのか相棒なのか、「バクマン。」を地で行っているような人達ですね。この同人誌の凄いのはカバーが掛かっているんですよ。カバー下の表紙も単色ながら印刷されているし、金かけてんなぁー、と云うのが正直な気持ち。95年冬コミの宣伝などもしておりますが、拙者の記憶では雑誌ニュータイプコミックスで「宇宙×兵衛」等の連載をこの頃から開始して本業が忙しくなったのか、即売会では見かけなくなったような思い出があります。ケロロ軍曹22巻の中でも映画のパロディや特撮やアニメのパロディが多数描かれています。それだけ時間を投資して勉強していると云う事ですから、大したものだと云わざるえません。しかもさらに只引用するのではなく自家薬籠中として自己の作品として昇華してしまうのだから凄い才能と素晴らしい表現力ではないでしょうか。
 それでは22巻。地球侵略にやって来たカエル型の宇宙人ケロン星のケロロ軍曹と仲間達は、日向家に下宿(?)して、毎日地球侵略に励んでいたのでした。
 大体一話完結で起承転結のはっきりした展開がエンドレスに続くいつもの物語ながら、新たなケロロ軍曹、ケロロ第弐小隊誕生。まるで学年誌のマンガが4月になってリニューアルするような展開!新たなケロロ軍曹と新たな下宿先で、おそらくケロロ軍曹本編と別ストーリーとして同じ舞台設定で同時展開していくのでしょう。人気が一段落したから新たなテコ入れか?
 クルル曹長が「忘れがちだがな俺達前線兵は年齢固定処置されているが… ケロン星本土では俺達が地球に来てから300年は経過つからな…」と説明されました。知らなかった。だとしたら出張ついでに地球に立ち寄ったケロロ軍曹のお父さんの年齢はどうなってしまうのか?お父さんも退役軍人だから年齢固定処置をしていると云う事でしょうか?新たな設定を上書きしていくと整合性が無くなる、長期連載特有の病気パラレルワールド症候群が発病してしまうのか。ついでに自分の作品もプロとして発表している古賀亮一もネンドローとか描いていそう。
 来年の夏あたり角川書店と秋田書店で組んで「侵略!カエルVSイカ」を出版もしくは映像化してもらいたいものです。

 内容紹介:へっぽこな地球侵略をすすめるケロロの前に、何の連絡もなしに突如本隊から送り込まれた"ケロロ第弐小隊"!! 敵か!?味方か!? 一体どうするケロロ小隊!(アマゾンより引用)
(『月刊少年エース』『ケロロランド』掲載)

2011年7月27日水曜日

ダーティペアの大冒険 2巻 完結


ダーティペアの大冒険 2巻完結 読了
たまきひさお/作画 高千穂遥/原作 徳間書店/刊 20110801初版619円 RYU COMICS
 最近痛快なスペースオペラなマンガや小説が少ないと思いませんか。フロンティア・スピリットが無くなったのか、閉塞な時代になったのか。歴史的に見ると温暖化すると人類の活動が活発化しモノ・人・情報の移動が増大するそうですが、昨今は寒冷化しているのか、それとも日本特有の話なのか。ともあれ今を生きている我々に判断する事は出来ず、近い将来においてあの時代はどうだったのかと語ってもらうしかありません。
 実力派の中堅マンガ家たまきひさおが描く、日本が世界でもてはやされる“萌え”の先駆として若くて美しいヒロインが大活躍するライトノベルの原型とも云うべき「ダーティペア」マンガ版の第2巻。お色気有り、肉親の哀しき情愛あり、宇宙を揺るがすスペクタクルありのテンコ盛り。このシリーズは是非とも続きが読みたかった。なのに掲載誌『月刊COMICリュウ』の休刊に合わせて完結。初めから休刊に合わせての助っ人だったのか、まさかの休刊だったのか、今のところ知りませんけど、回りの影響で今巻で完結してしまうのは残念無念。『COMICリュウ』復活の折には是非とも継続していただきたいものです。

 内容紹介:美少女コンビが大宇宙で活躍、スペースオペラの快作第2弾!「田舎者殺人事件」編。殺人事件調査のため賭博の星・ラメールにやってきた、災厄天使ユリ&ケイは、いきなりホテルの火災に巻き込まれる。さらにはユリの幼馴染の兄妹が暴行を受けている現場に遭遇するわ、謎の殺し屋とカーチェイス、さらには賭博の星・ラメールを牛耳るマダム・スタンダルフの秘められた過去との遭遇とかとか。怒涛のドラマ展開!今回の楽しませてくれます!(アマゾンより引用)
(月刊COMICリュウ掲載)

2011年7月26日火曜日

神様ドォルズ 9巻 読了


神様ドォルズ 9巻 読了
やまむらはじめ/著 小学館/刊 20110724初版533円 サンデーGXコミックス

 ネコが死んだ!
 もとへ、芦田豊雄が死んだ。(知らない人の為に:上記はミンキーモモに出てきたセリフ。映画博士の異常な愛情のパロディでありながら異様な程高クオリティな話数でありました。)
 そして小松左京が死んだ。東北太平洋岸が沈没した時にある一定以上の年齢の人々は一様に小松左京を思い浮かべたことでしょう。管首相の原発事故発表放送を見て嗚呼日本はお終いだ、と思った時の日本沈没(旧作)が脳裏に浮かんだ人が何人いたことでしょう。日本SF界の巨星堕つ。たぶんどこか次元のハザマで光瀬龍と星新一や野田元帥と麻雀卓を囲んでいるんじゃないかな。遅くでいいから交代要員来いとか云いながら。もしかしたら福島某とSF雑誌を作っているかも。

 TVアニメの放送が開始された「神様ドォルズ」。3話4話くらいまでは登場人物紹介の序盤ですな。アニメのストーリーがどこまで展開するか興味津々。オープニング絵がコミックス単行本表紙の雰囲気を上手い具合に醸し出していて素敵。動画の質を下げる事無く突っ走ってもらいたいものです。
 さて、原作マンガの方。匡平達の故郷・空守村へ行く途中伝説のパーサーカー“天照素”と遭遇。妹の詩織に譲りもはや使えなくなったはずの“玖吼理”を動かし“天照素”と戦う。匡平は子どもの頃“天照素”を人知れず破壊したことがあったのだ。しかし強大な力と引き換えに何かを失った匡平は“玖吼理”の操縦者を辞し東京へと出て行ったはずであった。村では“天照素”の出現と攻撃に混乱を極めていたが、裏では匡平の祖父らによる権力争いがはじまっていた。
 内憂外患の中、どうする匡平!
 盛り上ってまいりました!泥沼の血族関係と小さな村での権力争いやら、覇気の無い父親、知らされていなかった弟は“天照素”へ取り込まれる。そして空守村に伝わる“案山子”と呼ばれる「神」の過去についても提示されるのであった。恋人を護り、村を守り、弟を助け出そうと匡平の奮闘が今はじまる。これが盛り上らずしてあろうか!続きが早く読みたいよ。

 内容説明:TVアニメ放映開始! 神様旋風の第9集!舞台を、すべての発端である空守村に移し、アクション&ドラマチックな展開がヒートアップ!伝説の四つ足案山子“天照素(アマテラス)”は桐生を取り込み暴走、空守村を蹂躙! 詩緒は、双子の弟・桐生を救出すべく、修理が終わった玖吼理(ククリ)と共に出撃するが…。一方、その混乱の最中、匡平は村に隠された醜聞を知ることに…。愛らしさを残しつつ、決意を固める詩緒と、村との因縁に決着を付けようと動く 匡平の行動に注目!! さらに新たな案山子も多数登場して、戦闘シーンの緊迫感もスケールアップ!
TVアニメ放映開始で盛り上がる中、原作は一足早く怒濤のクライマックスに突入!! 激動の最新第9集、堂々登場!!(アマゾンより引用)
(月刊サンデーGX掲載)

2011年7月25日月曜日

鉄腕バーディーEVOLUTION 8巻 読了


鉄腕バーディーEVOLUTION 8巻 読了
ゆうきまさみ/著 小学館/刊 20110705初版524円 ビッグ コミックス
 地デジ対応のテレビもレコーダーも備えていませんでしたが、今まで通り視聴可。どうやらアパートの方で対応していた模様。胸の痞えが一つ落ちるが、先送りにしかなっていない。部屋掃除の時間稼ぎが出来た程度。

 さて、バーディー。銀河系宇宙をまたにかける連邦捜査官バーディーは、宇宙文明と接触していない地球で大規模テロリストのクリステラ・レビを追い身分を隠し潜入捜査をしていた。バーディーは捜査中誤って地球人の少年千川つとむの肉体を破壊してしまう。つとむの肉体を再生するまで、バーディーの肉体を二人が使い、表は地球人千川つとむ、裏では謎の超人として捜査を続けていた。銀河は大きく連邦と同盟の二派に別れ、地球には連邦に滅ぼされたアルタ帝国の亡命政府が逃れていた。クルステラ・レビもバーディーも元々はアルタ人であり、バーディーはアルタ人により戦闘用に強化された作られた人間であった。連邦の最高権力組織はクリステラ・レビ暗殺部隊を投入。地球の各国政府は宇宙人の干渉をそれとなく察知しており、各惑星からの亡命宇宙人達の思惑も混ざり、宇宙人対策を急いでいた。バーディーとつとむはレビの間近にまで迫るが、暗殺部隊の乱入により人命尊重の立場を貫き、暗殺者ネーチュラー共々レビに捕まってしまうのであった。
 アイディア協力として出渕裕、大野木寛、鹿野司、コンセプチュアルデザイン協力として佐山善則らそうそうたるメンバーの名がクレジットされています。各々が一国一城の主とも云うべき看板クリエーター達が揃っているなんて、なんて贅沢な作品なんでしょう。こうなると、とてつもなく面白い作品になるか、船頭多くしてスープの味がどうにか成ってしまうかだと思いますが、パトレイバー等の例もあることだし、前者になってくれるのではないかと期待しています。
 今巻つとむが一切顔を出していないなぁ。その分女性陣のサービス・カットが豊富にあるけど、全然色っぽくなくて楽しくない。着衣時の方がエッチぃぽく見えるってのは何故!?バーディー達の活躍とは別に大きく時代が動き出す。先が読めない展開はページをめくる楽しみが増すのでうれしいけど、いったいいつまで続くのだろう?

 内容説明:無敵の二心同体アクション、震撼の第8集!(アマゾンより引用)
護るのか、殺すのか。生きる手段が違うふたり――― 連邦指名手配犯・レビの圧倒的な力に屈し、囚われてしまったバーディーと特殺官ネーチュラー。あくまでレビに真実を吐かせたいバーディーと、殺害の使命を帯びたネーチュラー。それぞれの正義ゆえ事態はどう転ぶ…?(カバー裏表紙より引用)
(週刊ビッグコミックスピリッツ掲載)

2011年7月24日日曜日

「ワンフェス2011夏」へ行ってきました。


ワンフェス2011夏」へ行ってきました。
 喜び勇んで朝6時30分起床!頭痛の為布団から出られず。昼まで飯食べて薬飲んでまた寝て過し、13時過ぎてやっと体が動き出す。翌日の仕事を考えれば体を休めて家でジットしていれば良いモノを、なまじ体が動くものだからいてもたまらず電車に飛び乗ってしまいました。16時を過ぎて帰宅客でごった返す海浜幕張駅に到着。17時閉会なのに。会場は既に入場制限も無く、客もディーラーも大半が帰ってしまった後の閑散とした中をブラリと参歩。ただワンフェスに行って来たと云う事だけに満足した一日でした。

2011年7月23日土曜日

「空海と密教美術展」へ行ってきました。


空海と密教美術展」へ行ってきました。
 上野の東京国立博物館で開催中の「空海と密教美術展」へ行ってきました(9月25日まで開催)。東寺の仏様は素晴らしいの一言しか出ません。東寺の現場での立体曼荼羅もまた素晴らしいジオラマですが、東寺よりも間近に一体ずつじっくりと見る事が出来たのが素晴らしい。ただ土日といった休日に足を運ぶと人の頭しかみれません。拙者は毎度の事ながら人息れで頭痛がしてきます。「空海と密教美術展」は残念ながら撮影禁止なので、本館で開催中のミニ展示「運慶」の十二神将を並べて見ました。そして明日は2011年夏のワンフェスが開催されます。当然行きますので、前回2月冬のワンフェスの時に紹介し切れなかったフィギュアもついでに並べてみます。運慶の仏像(運慶の工房が作っていたらしいとの説が有力)は現代に持ってきてもポスト・モダンと云えるだけの美的センスを備えているのではないかと思います。
 さらに本館ではミニ展示として妖怪展を開催していました石燕やら北斎やら京極夏彦で取り上げられた妖怪図は云うに及ばず、ちょっとした妖怪の歴史や妖怪研究の歴史も、おそらく小学生や中学生に分るように展示しているので、オンコトゴメンヨロシュウ、等と挨拶し合う連中共々、普通にオバケが好きな子ども達も楽しめるのではないでしょうか。
 更に西洋美術館で開催中の「ギリシア展」にも行ってみました。ギリシア彫刻群を見ていて思ったのですが、飾られている女性は全て少女か、少女みたいな乳房の女性ばかりではないでしょうか。当時はブラジャーなんか無いはずなので、十代も後半になると乳は垂れてしまうと思うのですがいかがでしょうか?有名なミロのヴィーナス像は上半身と下半身で年齢の異なるモデルを使っているとか何とか目にした事があります。ギリシア展を日本でおこなうにあたり、日本人好みの少女像ばかりを運んできたのか、ギリシア彫刻で残存しているのが少女像なのか、もともと少女像みたいのしか作られていなかったのか気になります。男性は幼児のキューピット像から壮年のソクラテス像まで多彩に揃っているのに女性像は?
 小腹も空いてきたので浅草口へと出、丸井百貨店の郵便局側を通り「珈琲倶楽部 六曜館」でケーキセット(750円)を頼んでみました。昭和ながらの喫茶店のままで、ついつい長いをしてしまいました。、

2011年7月22日金曜日

コクリコ坂から 観了


コクリコ坂から 観了
 拙者は川崎市出身です。物心が付く前に引越してしまいました。戸籍謄本が必要になって、物見遊山で自分で生まれた街に出かけて行きましたが、町から区に変わり、思い出などあるわけも無く、ただ国道一号線の歩道橋から眺めた車の流れる風景だけが何故か懐かしさを感じました。東京オリンピック以前の記憶など持ちようも無く、物心付いた時には既に都内に砂利道など見かけなくなっていました。
 映画「コクリコ坂から」を見ると町の風景や台所を通じて「生活」を丹念に描こうとしているのが良く伝わってきました。そして戦後から高度成長期に入る直前の、明日に希望が持てる時代の雰囲気が良く出ていたと思います。
 映画「三丁目の夕日」評に“匂い”が無いとありましたが、確かに「コクリコ坂から」にも匂いが感じられませんでした。残念ながら人間の文化の中で“匂い”を芸術に生かせる事ができたのは「香水」と「香道」くらいしか思い浮かびません。唯一映画で「ピンク・フラミンゴ」と云う怪作が実験的に「映像」と「匂い」を繋げた実験をしたらしいと云う事を聞いた事があります。“映像”作品は“匂い”に関しては不得手であると云えるでしょう。
 港町の潮の匂いは当然ながら、魚岸の生臭さとか、昨今であれば軍艦島周辺の海の水は透明度が高く海辺に立つとこれぞ潮の薫りと云う感じがします。しかして東京湾とか横浜の海に匂いとは全く別物としか感じられません。いわんや50年前の横浜周辺の海の匂いたるや、ドブ川と何が違うのかっていうくらい“海”ではなかったはずです。コンビナートから色とりどりの煙を出しながら、タグボート船内で咳き込むとか鼻を手で押さえるくらいの描写が無いのも不思議でした。おそらく演出家も作画マン達も匂いに関しては知らず、知らないものは描きようがなかったのでしょう。今でも千葉県の君塚周辺の海沿いならば変な匂いが立ち上っています。
 高校の文化部部室棟の汚さは見た目や埃もさることながら、野郎達しか活動してこなかった「臭い」が籠っているはずで、その“野郎臭さ”を追い出した点が一番評価できるストーリー展開のはずなのですが…。
 “匂い”と共に当時は現在より暗かったんです。大震災以後関東圏ではかなり暗くなっていますが、「コクリコ坂から」当時は蛍光灯ではなく白熱電球のはずであり、台所等はかなり薄暗かったはずなのに、劇中の照度は現在と変わりない様に描いていました。部室棟のシャンデリアとか懐かしい木製電信柱の街灯や商店の軒先の照明は描かれていましたが、民家の屋内の照明器具は結局描かれていないようです。恐らく資料を入手できなかったのでしょう。
 主人公の女の子は父居ない身の上ながら、山の手に住み私立の学園に通うお嬢さんです。自宅の病院を下宿に改造しているとは云え、通いで家政婦さんに来てもらい、母親はアメリカで研究をするほどです。港町であるがゆえに、海外航路の船員も少なくなく海外の文物情報が入手しやすかったり、東京と云う都会からも遠く無いでしょうが、それでもアッパークラスの生活であることに変わりはありますまい。
 さて95分の最近では短い部類に入る作品ですが、拙者は飽きました。この映画の趣旨は東京オリンピック前の日本の港町を描写する事のみにあり、それ以外は付録にすぎません。ですから主要シーンが出揃ってしまえば後はなんとも空虚な風景ばかり見せられるばかりになります。ストーリーと云えば、本当に宮崎駿が関わったのかと疑いたくなるほどの単純な小話で、押井守が作った「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」の導入である高校の文化祭の部分だけを舞台設定に持ってきて一つの話に仕立てています。宮崎駿と押井守の関係を考えたら、師弟とも戦友とも歳の離れた同僚とも云うべき二人の間柄でそれは絶対にするまいと思うのですが、してしまったのですねぇ。色々な大人の事情があるのは分りますが、老いたなぁ宮崎駿、そこまでして息子を立てねばジブリはやっていけなくなってしまったのでしょうか。
 同じ話を繰り返してしまいますが、東映アニメーションで若き宮崎駿は労働運動に精をだし、会社とか組織とかに疑問を持ちます。ナウシカやラピュタを作ったときは映画一作だけの契約で人を集めて作りましたが、雇用の確保無くして技術の伝達は不可能と云う事に気がつきスタジオジブリが設立されます。ジブリに雇われた田舎の少女達の物語が「魔女の宅急便」のキキであり、ジブリは「もののけ姫」のたたら場でした。雇用を確保し安定した給与を施し技術を磨くには、一定の間隔で映像を作らなければなりません。しかし世界的超カリスマ天才アニメーション作家であっても歳には勝てません。新たな監督が必要となりました。宮崎駿の盟友高畑勲は宮崎駿より年上です。「耳おすませば」の近藤監督は鬼籍にはいりました。押井守監督は鈴木プロデューサーと懇意であり実写映画では製作や出演と協力関係にありながら、アニメでの共闘はきっぱりと断っているみたいですし、アニメーターとして宮崎駿の弟子である庵野秀明監督はやはり実写をジブリで撮ってもアニメは母体であるガイナックス以外では撮らないでしょう。外部から招聘したアニメ版「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督はジブリ内部の反発を喰らって飛び出してしまうし、宮崎駿を頂点としたジブリ帝国臣民は国是として「宮崎アニメ」以外をしたくは無いのではないかとしか思えません。宰相鈴木敏夫としては、それでは会社としてやっていけないから文字通り東西奔走して担ぎ出したのが、建築家として伸び悩んでいた宮崎駿の子息であり、彼を“皇太子”として担ぎ出すしかジブリ社員を納得させ、かつ対観客的話題作りにも受けが良い、会社存続のための最善の方法だったのでしょう。
 アニメ製作会社は会社であっても個人商店と変わりなく、率いているオヤジさんが居なくなってしまっては潰れるか、虫プロのように版権会社として存続するしかありません。いわんや作品を作るとなると、技術云々よりも先ず作品を生み出す情念とか社会的鬱憤とかが必要であり、数百人の人々を巻き込んで作品を生み出すのは並大抵の根性と努力では済みません。果たして「宮崎吾朗」と云う監督にそれだけの“肝”があったのでしょうか。
 人は誰しも物語を一つだけは生み出す事ができます。それはその人の人生を描けばいいだけの話です。さらに仕事で実績をつくったひとならば仕事についても書けるでしょう。趣味を何十年も続けている人ならば趣味についても書けるかもしれません。先日朝日新聞で小学生で書籍を刊行したり賞をとった人々のその後を取材していましたが、その後に作家になった人は皆無だったそうです。プロとアマチュアの差は、プロならば一定水準の内容で“物語”を描き続けられると云う事でしょう。描き続けられるからプロなのか、プロだから書き続けられるのかは置いといて、一作品ならばアマチュアでも出来ると云う事です。
 「コクリコ坂から」を見る前に「宮崎吾朗」監督のインタビュー記事を読みました。「二作目が大事」と親であり師匠の宮崎駿監督から云われたそうです。記事なので記者の主観が優勢な分を割り引いたとしても、宮崎吾朗監督は「二作目が大事」の意味を勘違いしてしまっているとしか、映画の画面から伝わってきませんでした。
 宮崎吾朗監督のメッセージ性が全く感じられませんでした。
 単純な幼児的自己顕示欲でも自慢でも、出演している女優さんが好きで好きでしょうがないんですでもなんでもかまわないのですが、画面から伝わってくる“何か”を感じたくて観客は映画館に足を運ぶと云うのに、これならまだ「ゲド戦記」の方が宮崎吾朗の人生そのものでスキャンダルと云うかゴシップ的に面白かった。偉大な父の元を飛び出した少年は鈴木敏夫と云うゲドに拾われ癒され、龍という強大な力(=アニメーション監督)を手に入れ、めでたしめでたし。と云うプロットです。ところが今回画面から伝わってくるのは昭和30年代末の“風景”しかなく、プロならば同程度の水準で物語を作り続けなければ成らない「二作目が大事」がスッポリと抜けているとしか云いようが無い出来になっています。見事に素人作家の轍を踏んでいるとしか云えますまい。
 これだけ豪華なキャストが揃っているならば、実写映画を撮った方が絶対成功したと思いますよ。まだ役者の演技のならば人の出す情念が伝わってきます。アニメならばこその二次元映像をどう生かすかが技術的テーマであるはずなのに、根本の戦略を司令官である監督はどう考えたのでしょうかね?これを宮崎親子の悲劇と見るか、宰相鈴木敏夫の喜劇と見るか、高幡勲の論評を是非とも伺いたいものです。

以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 95分
スタッフ
監督:宮崎吾朗
製作総指揮:-
原作:高橋千鶴 、佐山哲郎
音楽:武部聡志
脚本:宮崎駿 、丹羽圭子

キャスト
長澤まさみ(松崎海)
岡田准一(風間俊)
竹下景子(松崎花)
石田ゆり子(北斗美樹)
風吹ジュン(松崎良子)
内藤剛志(小野寺善雄)
風間俊介(水沼史郎)
大森南朋(風間明雄)
香川照之(徳丸理事長)

 解説: 『ゲド戦記』以来、宮崎吾朗が約5年ぶりに演出を手掛けるファンタジックな要素を排したスタジオジブリ作品。16歳の少女と17歳の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物をめぐる紛争を軸に、真っすぐに生きる高校生たちの青春をさわやかに描いていく。主人公となる少年少女の声を担当するのは、長澤まさみと岡田准一。企画・脚本は宮崎駿。さまざまな価値観が交錯する戦後の高度成長期を背景に、現代を生きることの意味を見つめていくストーリーが感動を呼ぶ。
シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: 東京オリンピックの開催を目前に控える日本。横浜のある高校では、明治時代に建てられた由緒ある建物を取り壊すべきか、保存すべきかで論争が起きていた。高校生の海と俊は、そんな事件の中で出会い、心を通わせるようになる。
シネマトゥデイ(外部リンク)

2011年7月21日木曜日

狼と香辛料 17巻完結 読了


狼と香辛料 17巻完結 読了
~Epilogue~ 支倉凍砂/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110710初版530円 電撃文庫
 出題
 「神様のメモ帳」「うさぎドロップ」「ダンダリアンの書架」「ゴシック」「紅」「レオン」の作品群の概括をせよ。ただし必ず白黒劇映画「ペーパームーン」を見てから述べよ。

 さて「狼と香辛料」の完結篇。 貨幣経済が勃興しはじめた大陸西方、若き行商人ロレンスと古き神々として拝まれてきた来たものの時代の流れにはいかんともしがたく守護してきた村を放棄した美少女の姿をとる歳を経た狼の化身ホロの行商の旅を描きつつ中世の経済を丹念に描いたライトノベルの異色作。物語設定と共にキャラクターの造型も人気を得てアニメも第一期第二期と放送されました。アニメも中々にクオリティが高かったと思われます。因みに現在の拙者のBGMは「TVアニメーション『狼と香辛料』.S.T. ~狼と旅の音楽~」です。
 今17巻の内容は下記紹介の通りです。二人は仲良く一緒に暮らしました。めでたし、めでたし。で終わった16巻の後の話。蛇足と云えば蛇足ではありますが、めでたしめでたし、さらにめでたし、でファンにとっては嬉しい限り。折角だからアニメ版も第三期として完結して欲しいものです。

 内容紹介:『太陽の金貨』事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブは、ホロからの手紙を手に、北へと向っていた。その旅の途中、錬金術師ディアナも同じ馬車に乗り込んできて―――。
 果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことができたのか?第16巻の後日譚を描く書き下ろし中編「Epilogue」のほか、「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編3編を収録。
 第12回電撃小説大賞<銀賞>を受賞するや、剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結!二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けてください。(カバー折り返しより引用)

2011年7月20日水曜日

XENON-199X・R- 8巻完結 読了


XENON-199X・R- 8巻完結 読了
神崎将臣/著 徳間書店/刊 20110715初版619円 RYU COMICS
 帰宅すると玄関に東京電力の電気代の領収書が。6月分は1045円でした。すげー!、俺凄ゲーッ!と意気揚々と玄関から上がって、昨夜録画しておいたシュタインズゲートを見ながら飯を食べようとしたら、録画していないヨヨヨ…。神様ドォルズまで失敗している。ヒデー!、俺酷ヨーッ!天国と地獄を楽しんだ一瞬でした。

 さて「XENON」。近未来の物語として連載途中で休刊した小学館の雑誌少年ビックから、近過去の物語として再開した徳間書店の雑誌COMICリュウの休刊に合わせて一応の決着。悪の組織に対抗する孤独な改造人間の戦いから、00ナンバーサイボーグ風の仲間達との共闘へとシフトし、主人公XENON777叶飛鳥以外のサイボーグ達や支援者達の物語を細かく描き、守るべきモノを印象付けてから敵ZENONが掌握した日米協同の組織“赤い海”との戦いを描くのかと思いきや、直接的にはCOMICリュウの休刊のためや、今巻の作者あとがきによれば東日本大震災とそれに伴う福島原発の人災など、作者の想像を超越する現実に打ちのめされて、著者神崎将臣の著作物オールスターキャスト的総力戦的展開をしたのにも拘らず、広げた風呂敷を完全に畳めず、主人公の恋に決着をつけライバルとの戦いに挑んでお終いになってしまいました。
 拙者の思い込みだと思うのですが、著者神崎将臣はマンガ絵を描くのが飽きてませんかね?キャラクターの表情を眺めていると、物語がクライマックスに向って盛り上っていく割りに登場人物達の顔がカッコ良くなくなっていくような気がしてなりません。画材の変更のせいかもしれませんし、アシスタントのせいかもしれませんし、掲載紙休刊による物語の途絶が精神的に応えているのかもしれません。もしかすると平成仮面ライダーに見られるように、時代的に“改造人間”という存在自体が時代遅れになってしまった(と云うより現実世界にサイボーグと名が付いていない人口的技術物が医学的に人間の体に組み込まれるのが普通になってしまった)とも考えられます。時代が追い越してしまったと云う事でしょうか。
 ともあれ、マンガの歴史がまた1ページ…。

内容紹介
「ブルーバック」の争奪戦は数々の犠牲をはらいながら、奇跡とも言える「決着」を得た。それぞれがそれぞれの道を歩き出し、大場大とシンシアは挙式をあげる。その一方で、「HAGANE」の存在がいよいよ明るみになってきた。新たな展開、乞うご期待! 発売日が6月13日から7月4日に変更になりました。(アマゾンより引用)
(月刊COMICリュウ掲載)

2011年7月19日火曜日

純潔ロマンス 読了


純潔ロマンス 読了
むっちりむうにい/著 エンターブレイン/刊 20110707初版880円 マジキューコミックス
 土日出勤したので平日休めました。早朝割引映画を見ようと早起きしましたが、台風6号の接近で横殴りの土砂降りに挫折。二度ねしたら止んでました。悔しい。でも降ったり止んだりなので出かけるのが面倒臭いっス。

 さて「純潔ロマンス」。下記内容紹介にも書かれていますが、秋田書店のチャンピオンREDいちごに掲載された本作「純潔ロマンス」が何ゆえ角川書店グループのエンターブレイン社マジキュー編集部から出版されねばならないのか。コミックビーム編集長のように秋田書店との繋がりが強い人がマジキュー編集部の中にも居るのか、一読者にはどんな大人の事情があるのか伺いようもありませぬ。
 内容はメイド喫茶でバイトする女の子達の、女子中高での好きとか嫌いとかみたいな、その手の趣味が無い中年男性にしてみれば“だから何!”と云いたくなるどうでも良いストーリーながら、著者むっちりむうにいが同人誌で積み重ねてきた「やおい」(ヤマ無しオチ無し意味ナシ)をコメディタッチに味付けし、華も盛りな少女の一瞬を切り取った短編連作集。
 職場内恋愛禁止。何故なら仕事に成らなくなるから。
 現実は現実。
 メイド喫茶は従業員とお客様の暗黙の了解の下の協同幻想においてのみ成立する特殊な業界だと思うのですがいかがでしょうか。だから女の子同士の恋愛も可!

 内容紹介:むっちりむうにい最新巻!チャンピオンREDいちご(秋田書店刊)にて掲載された「女の子のひみつラブ」シリーズを加筆・修正し、一冊にまとめた著者入魂の最新巻!巻末には「ちいさいものくらぶ」1~2、描きおろしコミック15p収録。ファン垂涎の178ページです。ご期待ください!(アマゾンより引用)
(チャンピオンREDいちご掲載)

2011年7月18日月曜日

きぐるみさん 観了


きぐるみさん 観了
~いっぽんめ~ イーエス・エンターテイメント/発売・販売 本編約36分 20051028発売 2857円 DVD
 なでしこジャパン優勝したみたいですね。サッカーに興味は無いながら、やはり日本優勝となると素朴な郷土愛が芽生えます。しかも下馬評ではいつ負けても不思議ではないのに、PK戦による勝利となれば、何の映画脚本かと考えてしまいます。ダイジェストを見たいのですが、日常の舞台設定とされる伊勢崎市へ行っていたので見る事が出来ませんでした。市役所近くの五右衛門だったか蕎麦屋で昼を食べたのですが、看板に忍者蕎麦とありました。忍者蕎麦の由来を聞いてくるのを忘れてしまいました。

 「きぐるみさん」。 制作者不明(一応本編テロップには書かれています)。製作経緯不明。副題の“いっぽんめ”が何を意味しているのかも不明。ゲーマーズ店頭にてジャケ買いをしました。自主制作系の様な気もしますが、キャストが豪華なので、プロの人が自分の趣味で作って知人達に協力してもらったのではなかろうかと推測していたのではないでしょうか。
 なんせ六年前に買って未開封のままほったらかしにしていたもので…。
 自主制作系の映像は種類も生産数も少ないので、次に入手できるとは限らず一期一会の気持ちで買わねばなりません。そうなると内容の質については博打になります。
 当時流行っていた「びんちょうたん」的なものだろうと思ったであろう記憶があります。見ると果たして同じコンセプトでした。キャラクター配置やエンディング曲の内容からすると推測できる設定もありますが、あえてこの場では語りますまい。只、民俗学的に日本において山は死後霊が向う聖地であると云うのは知っておいて損はないでしょう。
 フラッシュアニメをコツコツ作った努力は認めるところですが、商品としての価値があるかと云うと…。自主制作映像に理解があり、クリエーターを支援するのにやぶさかではなく、募金活動が好きな人は買っても良いかもしれません。

キャスト
水樹奈々
清水愛
千葉繁
福園美里
井口裕香
ほか
 あらすじ:とある都会の片隅にひとりの女の子がいました。頭からスッポリときぐるみをかぶった女の子は、自分が何でここにいるかも、そして自分がいったい何ものなのかも分りません。何もかも分らないことだらけの女の子が唯一分っているのは、ただひとつ……、自分が『ひとりぼっち』だということだけでした。たくさんの人が行き交う都会の中で、自分ひとりだけ行き場のない女の子が寂しさと空腹でくすくす泣いていると、どこからか声が聞こえてきました。女の子を「きぐるみさん」と呼ぶ声が……。 

2011年7月17日日曜日

鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 観了


鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 観了
 「マイティーソー」が不人気で瞬殺されそうな勢いなので見に行こうと、仕事帰りに映画館へよったら「鋼の錬金術師」を見てしまいました。シネコンの良い所と云うか悪い所と云うか…。
 冒頭からアクションに次ぐアクション。大掛かりな舞台装置に映画ならではの動画枚数のかかる奥行き有る立体的アングルを縦横に走り戦う主人公達。不老不死の力を宿すと云われる“賢者の石”の秘密を追い求める錬金術師エルリック兄弟は、近年併合された国境の町で独立運動をしている少数民族の錬金術師兄妹と関わりを持つ。自立するため力を得ようとする人々と、弾圧する二つの軍事国家の思惑が複雑に絡み合う中、エルリック兄弟は自分達の正義を信じて立ち上がる。
 これを映画と云わずして何をもって映画とするのか!
 「鋼の錬金術師」の骨子から逸脱する事無く、本編では描かれなかった逸話として違和感なくストーリーが成り立っています。「脚本家真保裕一」凄エ!
 惜しむらくは、徹頭徹尾ジェットコースタームービーであるがゆえに“タメ”が有りませんでした。数分で良いからもう少し谷に生きる少数民族達の日常と、テ-ブルシティで生きる人々の日常を写してくれるか、テーブルシティー周辺の自然の美しさを描写してくれれば全体のバランスがとれたのではないかと考えられます。恐らく上映時間の関係で削られてしまったのでしょうねぇ。
 そしてこの映画の影の主役は何と云っても「機関車」ですよ。新旧アニメ版「鋼の錬金術師」の世界観として主人公の活動する国は内陸国家で軍事鉄道が縦横に走り、移動手段を鉄道に頼っているので、いろいろと描写され、原作マンガ&新アニメ版のラストはエドとウィンディの鉄道ホームでの別離でしたし、いささか“鉄”成分の多い作品ではありましたが、今回の劇場版では舞台となるテーブルシティへ移動する手段が鉄道に限られており、列車による大アクションから始まり、エンディング一日走り続ける列車と、スタッフの誰が“鉄”なんだ!?とお伺いしたいところです。

以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 110分
スタッフ
監督:村田和也
製作総指揮:-
原作:荒川弘
音楽:岩代太郎
脚本:真保裕一
キャスト
朴路美(エドワード・エルリック)
釘宮理恵(アルフォンス・エルリック)
坂本真綾(ジュリア・クライトン)
森川智之(メルビン・ボイジャー)
玉川砂記子(ミランダ)
高本めぐみ(ウィンリィ・ロックベル)
三木眞一郎(ロイ・マスタング)
折笠富美子(リザ・ホークアイ)
内海賢二(アレックス・ルイ・アームストロング)
星野貴紀(アラン)
川田紳司(トニ)
木内秀信(ハーシェル中佐)
小杉竜一(サントス)
吉田敬(カルロス)
 解説: 「ホワイトアウト」などの小説家・真保裕一が脚本を手掛け、荒川弘原作の大ヒットコミック「鋼の錬金術師」を映画化。錬金術というタブーに見入られた兄弟の壮絶な運命の行く末ときずなを映し出す。メガホンを取るのは、「コードギアス 反逆のルルーシュ」「交響詩篇エウレカセブン」で演出などを担当した村田和也。『東京ゴッドファーザーズ』の小西賢一がキャラクターデザインと総作画監督を担当する。劇場版らしいスケール感あふれる壮大な物語に引き込まれる。シネマトゥデイ(外部リンク)
 あらすじ: アメストリスの首都セントラルにある中央刑務所から、服役中の囚人メルビン・ボイジャーが脱獄する。彼が操る錬金術に心奪われたエドワードとその弟アルフォンスは、メルビンの行方を追ってアメストリスの西側に位置するクレタとの国境へと向かう。やがてその昔「ミロス」と呼ばれていた、周囲をがけに囲まれたテーブルシティに到達し……。