木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年8月7日日曜日

バクマン。 14巻 読了


バクマン。 14巻 読了
~心理戦と決め台詞~ 小畑健/漫画 大場つぐみ/原作 集英社/刊 20110809第1刷400円 ジャンプ・コミックス
 マーケティング・データで作品ではなく商品を作ると、ハリウッド・ムービー的に成らざる得ません。またコミックス出版として伝統あるアメリカでは行われている複数の作家による一つの作品作りが、これほどマンガの発達した日本において根付かないのは何故か。昔から順位というマーケティングを重視しているジャンプでありながらも、結局はマンガ家の技量(+編集者場合によってはさらに+原作者)と云うアナクロな根性で成り立たっているのも、読者が求めているのは人が生み出す“揺らぎ”の部分にこそ価値を置いているのではないかと考えます。
 さいとうたかおの「ゴルゴ13」を筆頭にストーリー作りに複数の人々が関わるのは珍しい事ではありません。また、現在のマンガ製作システムにおいては“絵”の分業は当たり前の事であり、かつての「先生、目を描き下さい。」「うむ。」どころか、一話分丸々アシスタントが描いているのも珍しいことではなくなりました。昔週刊少年チャンピオンで連載していた「マカロニほうれん荘」の末期にコミックスに収録されていない話数があっりました。マカロニほうれん荘が好きで、雑誌分を切り取っていて判明したのですが、子供心に不思議に思っていました。マカロニほうれん荘の著者鴨川つばめは体調を大幅に崩してしまい、以後普通の生活が出来なくなったとインタビューに答えていましたが、収録されなかったのはアシスタント作品だったのでしょう。
 かつてコミケ等で頒布されていた同人誌は、学校のマンガ研究会や会報の様な複数人が書き寄った雑誌みたいな本が主流でしたが、いつの頃からか個人の作品を発表するのが主流となったような気がします。無論現在もまた前者が無くなったわけではく、一つのテーマに沿った記事や作品を発表している文字通りの“同人誌”は多数存在しています。
 マンガという媒体そのものが、絵画等と同じような“個人的作業”と親和性が高いのではないでしょうか。
 今後もし日本のマンガが世界展開するにあたり、アニメ同様複数の脚本家とか原画マンや動画マンが一つの作品を作って行く形態がとられていくものと思われます。しかし、製作バリエーションの一つとしての複数制であって、複数制が主流になることは無いような気がします。違う人々による“揺らぎ”と、一貫したストーリーや絵による“揺らぎ”は別物と思えます。最大公約数と最小公倍数との違いみたいな。
 バクマン。14巻のストーリー的には盛り上って面白いのですが、腑に落ちない部分も無きにしも非ず。連載を読んでいない身としては15巻の発売が待ち遠しいですな。

 内容説明:驚異の新人・七峰透は、亜城木夢叶を手本に、マンガ家を目指していた。だが、売れる為には手段を選ばない七峰のやり方に対し、最高と秋人は、先輩マンガ家としての意地とプライドを懸け、立ちはだかるが…!?(アマゾンより引用)
(週刊少年ジャンプ掲載)

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