2011年4月30日土曜日
GANTZ: PERFECT ANSWER 観了
GANTZ: PERFECT ANSWER 観了
ネタばれ注意。
早速観てしまいました。
狭い車内で何故チャンバラ。刀と銃とどちらが強いかと云えば銃が強いに決まっているのに、あえてチャンバラ。そこまでして女子高生に日本刀を振り回せさせたいのでしょうか。気持ちは分る。充分すぎる程にその心意気は良く分ります。拙者であっても刀と銃とどちらを演出させるかと聞かれれば、刀と答えるでしょう。141分の長い尺でありながら、ひたすらチャンバラ。拙者は楽しめましたが、チャンバラが原因ではないでしょうが、後や脇に座った人々が飽きてました。
オチ的には奇しくも「魔法少女まどか☆マギカ」と似たモノに。命をリセットして戦いを繰り返す設定は「GANTZ」の方が先に発表されているし、製作時期を考えるとやはり時代が似たようなモノを生み出したと考えるべきなのでしょう。ストーリーの出来の是非は置いといて、何故今のこの時代に修羅道の果てに主人公が持衰と成るのか?不思議です。
しかし、謎の黒い球体はいつの間に死人を生き返らせる事のできる便利な七つの玉神竜(シェンロン)になってしまったのでしょうか?拙者的には転送され星人との戦いで死んだ人間ならば黄泉帰る事が出来たと思ったのですが、どこかに誰でも死者は復活できるセリフがありましたっけ。それとも田口トモロヲ演じる鈴木良一の奥さんも戦闘メンバーの一人でしたっけ?惨殺された加藤の弟君やたえちゃんまで復活しちゃうし。だいたい星人の存在やGANTZの存在の謎が解かれていないぢゃん。もしかして次回作の予定があるのでしょうか。山田孝之役の潜入捜査官・重田正光は完全に道化だったし。何しに出てきたのか分りませんでした。単なる目撃者?重田視点で別物語を作るつもりでしょうか。それでも本編に必要ではないと思われます。
前編後編とここまで引っ張っておきながら、今一つすっきりしない感じがします。せめて二宮和也はラストシーンで頭を剃るくらいの役者魂を見せてもらいたいものです。
(以下yahooより引用)
解説: 「週刊ヤングジャンプ」の奥浩哉の人気コミックを実写映画化したSFアクションムービー『GANTZ』2部作のクライマックスとなる後編。死を迎えた男女たちが黒い謎の球体“GANTZ”に召集され、“星人”と呼ばれる強敵たちとの戦いを繰り広げる様をダイナミックに描く。二宮和也と松山ケンイチの日本を代表する若手俳優が主人公を演じ、吉高由里子や田口トモロヲなどバラエティー豊かな俳優たちが集結。激しいアクションと、原作とは異なる映画版オリジナルのラストは必見だ。シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: 死を迎えるその瞬間、黒い謎の球体“GANTZ”に呼ばれた男女たち。幼なじみの玄野(二宮和也)と加藤(松山ケンイチ)もまたGANTZに召集され、“星人”という異形の者との戦いを強いられていた。玄野は戦いの中で生き抜くことを選び、加藤は暴力と戦いを否定する。そして、終わりのない戦いの過程で、2人はある選択を迫られる。
シネマトゥデイ(外部リンク)
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 141分
スタッフ
監督:佐藤信介
製作総指揮:-
原作:奥浩哉
音楽:川井憲次
脚本:渡辺雄介
キャスト
二宮和也(玄野計)
松山ケンイチ(加藤勝)
吉高由里子(小島多恵)
本郷奏多(西丈一郎)
夏菜(岸本恵)
千阪健介(加藤歩)
白石隼也(桜井弘斗)
緑友利恵(山本真子)
玄覺悠子(坂野理沙)
若葉竜也(高橋光輝)
阪田マサノブ(小林新一)
越村友一(中村孝太)
橋本まつり(玉男)
水沢奈子(黒服 参)
奥瀬繁(黒服 弐)
平野靖幸(黒服 肆)
大石将史(黒服 伍)
神威杏次(黒服 陸)
戸田菜穂(北倉玲子)
小松利昌(-)
池上幸平(-)
落合モトキ(-)
小林一英(-)
市川千恵子(-)
春名柊夜(-)
Merii(-)
古澤裕介(-)
土平ドンペイ(-)
長江英和(-)
柴田愛之助(-)
綾野剛(黒服 壹)
伊藤歩(鮎川映莉子)
田口トモロヲ(鈴木良一)
山田孝之(重田正光)
2011年4月29日金曜日
GANTZ 31巻 読了
GANTZ 31巻 読了
奥浩哉/著 集英社/刊 20110424第1刷619円 ヤングジャンプ・コミックス
劇場実写版二部作の後編が上映中。TV放送された特別版の録画を失敗。レビューを見ると前編ンのまとめと後編への予告らしいので見なくとも大丈夫だろうと考えています。後編を近々見に行く予定。
映画後編公開に合わせてでしょう、発売された原作コミック版の話。
転送により2人存在することになった主人公“玄野計”それぞれの視点から、宇宙からの侵略移民軍との戦いを描く展開。今までのストーリーを例えるならば、不法滞在者を狩る物語だったのでしょうか。それが星を航る術を持った正規軍を相手に戦う物語になってしまうとは。しかも宇宙人同士には横の繋がりもあるらしいセリフも。
侵略者民間人に攫われた“たえ”を救出しようと独り敵移民船内で戦う玄野、そして仲間を募り敵移民船内に囚われた人々を助け出そうとするもう一人の玄野。二人の玄野の命運や如何に!続きが楽しみです。
内容説明:蹂躙し尽された人類。焦土と化した東京で、生き残ったガンツメンバーはそれぞれの戦いを開始する。ガンツ部屋に戻り、打開のヒントを得ようとするもう一人の玄野たち。一方、敵巨大戦艦に囚われた多恵を追う玄野は内部の人間たちを救うためにただ一人孤独な戦いを開始する。絶望的な戦いの先に光明はあるのか。被虐と加虐が曖昧になる反逆の章、ついに開始!?(アマゾンより引用)
(週刊ヤングジャンプ掲載)
2011年4月28日木曜日
機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還 2巻 読了
機動戦士ガンダム MSV-R ジョニー・ライデンの帰還 2巻 読了
Ark Performanse/著 角川書店/刊 20101225初版560円 角川コミックス・エース
NHK総合で放送を始めた「もしドラ」は、時間帯的にアニメの空白時間なので他に録画するものもなく、何気に見ています。高校野球部を経済書の組織論を用いて強化してくストーリー・コンセプトなので、あくまでドラッカーの「マネジメント」理論の解説アニメをストーリー仕立にしてあるだけなのですが、企画書をそのまま演出してもねぇ。“萌え”には程遠いし、かといってあえて“野球”にした野球の面白さも矢面に立てられないし、ドラマとしての面白さやアニメとしての面白さを感じられない白けた面白さを楽しめるアニメとなっていました。コンセプトが違うでしょうが、「おお振り」のスタップに作らせれば野球アニメとして面白くなったでしょうに。いっそのことドラッカーを女体化してしまえ!と云いたい。原作活字本は大人気みたいですが、どのようなものなのでしょうね。ビジネス書は孫子の兵法とか戦国大名の名言や足跡が大好きで、経営に生かすみたいな読物が多数発売されています。その流れを感じるのですが。
さて「ジョニー・ライデンの帰還」。一年戦争当時ジオン軍のエース・パイロットとして名高かった「ジョニー・ライデン」。彼と彼の所属していた部隊「キマイラ」は一年戦争終結時に行方不明となっていた。ジョニー・ライデンとキマイラを捜す様々な組織の個人の政治の思惑が錯綜する。今巻では主人公レッド・ウェイラインの活躍がまるで無し。中扉を見るとリミア・グリンウッドが中心になっているから、もしかしてリミアが主役だったのでしょうか!?
内容紹介:青いゲルググにレッドが大ピンチ!!そしてジオン軍エースと呼ばれた「真紅の稲妻 ジョニー・ライデン」の正体とは「MSV公式続編」待望の第2巻(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載)
2011年4月27日水曜日
超級!機動武闘伝Gガンダム 4巻 読了
超級!機動武闘伝Gガンダム 4巻 読了
島本和彦とビッグバンプロジェクト(宮北和明)/漫画 今川泰宏/脚本 矢立肇・富野由悠季(「機動戦士ガンダム」より)/原作 角川書店/刊 20110426初版580円 角川コミックス・エース
「Aチャンネル」VS「そふてにっ」。どちらを録画するか思案橋。5.09:4.91の割合で「Aチャンネル」だろうか。
さて「超級!機動武闘伝Gガンダム」。前回も書きましたが、東方不敗との出会いを描いたオリジナル展開が、と思いきやあっさりと終了してしまったなぁ。ちょい残念。ウラベとミカムラ博士のシナリオに乗せられるドモンをTVでは描けなかった丁寧な演出をしています。TV版は尺の都合などからドモンとカッシュ家の父母兄との繋がりを描けなかった部分がありますので、今後の展開如何によっては良い伏線になるのではないかと思います。
しかし一冊のコミックス221pを連載2回分で掲載してしまうとは、島本和彦は作画に関係していないのではないでしょうか?前例もあるし。
内容紹介:拳法家マスター・アジアに弟子入りをしたドモンは、流派東方不敗を会得すべくギアナ高地で厳しい修行に明け暮れていた…。ある日、遂に師匠のマスター・アジアから「キング・オブ・ハート」の称号が与えられることに(アマゾンより引用)
(ガンダムエース掲載
2011年4月26日火曜日
怪獣のテイル 2巻 読了
怪獣のテイル 2巻 読了
F4U/著 集英社/刊 20110424第1刷562円 ヤングジャンプ・コミックス・ウルトラ
宇宙から怪獣の卵が降ってきて、地球人をパートナーとして生活をするストーリー。怪獣は可愛い少女の姿をしていた…。「ウルトラジャンプweb増刊『ウルトラジャンプエッグ』」創刊時に掲載のため“卵”ネタにしたのか、本誌に掲載さいれていた“定光”に触発されたのか。
怪獣を友達に出来たら…、と考えてしまうのは60年代から70年代に少年時代を過した男性の習性みたいなものでしょうし、それ以後の男の子達に多大な影響を及ぼすようになります。ポケモンもある種怪獣の変形と考えられなくはないでしょう。拙者のイメージですが日本的感覚として怪獣は人間に対し敵対する存在ではなく、猛威・脅威と云った“荒御魂”の具現化ととらえられます。巨大な猛威も時が経つにつれ、愛玩物になっていくのも世の常なのかもしれません。
内容説明:怪獣の娘・テイルは、おとーさん・マサキとその家族との暮らしの中で“こい"や“おねだり"を知ってすこやかに成長中。そんなテイルにもお友達(怪獣♀×2)ができた!! 南の島からワザワイの予感に導かれてやってきた野生児怪獣・あづき、金持財閥の令嬢・円がその莫大な財力で製作したメカ怪獣・セイバー。怪獣の娘達は、今日も金持財閥所有の25分の1スケールの特撮ステージで「本気の怪獣ごっこ」にいそしみます。(アマゾンより引用)
(「ウルトラジャンプweb増刊『ウルトラジャンプエッグ』」・『ウルトラジャンプ』掲載)
2011年4月25日月曜日
映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス)3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花 観了
映画 プリキュアオールスターズDX(デラックス)3 未来にとどけ!世界をつなぐ☆虹色の花 観了
ウルトラマンが、仮面ライダーが、戦隊ヒーローが大集合する様に、プリキュアも勢ぞろいして戦う正に“東映まんが祭”。往年のお子ちゃまとしては見に行かねばなりますまい。
ストーリーは至ってシンプルに、友情・団結・勝利の(これでフロイが出てきたら)幻魔大戦です。各プリキュアの変身シーンを並べただけでも十分二十分の時間がかかりそうなのに、総勢21人のプリキュアにそのマスコット達、そして悪役と、よくぞこれだけのキャラクター達を並べて一つの話にまとめたものだと、プロの技に関心しました。
プリキュアの同窓会であると共に、回を重ねる毎にセーラームーンの中の人たちも増えてきたような…。
崖の上にヒロイン達を横一列に並べなくては〆になりますまい。さすが東映!
DXは①②ともに未見。レビューを見ると、CGフリキュア達による歌と踊りに感動するらしいので期待していたのですが、今回は無く、ちょっと残念。
平日初回の割引を見たら拙者一人だけの貸切で感動。でもチケット売り場の奥に並んでいた、劇場内で画面に合わせて振り回すグッズは渡してもらえませんでした。
先頃の災害で東北の人々の被災直後の行動が世界的に好評価されているようですが、生まれる前から男女共に努力・友情・勝利そして世界平和の為に己を捨てて悪を討つアニメやマンガを浴びるように見せられ続けたら、余程の事が無い限りその様に行動しますって。無論日本の文化がその様なストーリーを好んでいる性向はあるのでしょうが、紛争の絶えない国家や地域に日本のアニメやマンガを無償で大量にバラ撒けば、即効性は無いにしても一世代入れ替わればかなり違った情緒が生まれるのではないでしょうか。
「魔法少女まどか☆マギカ VS ハートキャッチ・プリキュア」を見てみたい。同人誌で良いから誰か作って!
解説: 「プリキュアオールスターズDX」3部作の集大成として、2011年2月スタートの新シリーズ「スイートプリキュア♪」に登場するメンバーを加えた総勢21人のプリキュアたちが活躍する豪華な劇場版。世界を結ぶ奇跡の花・プリズムフラワーを強敵から守るために、力を合わせて立ち向かうプリキュアたちを描く。プリキュアのキャストが勢ぞろいする上に、過去の劇場作品の悪役たちまで返り咲き、プリキュアシリーズ最大のスケールで描かれる戦いと友情の物語から目が離せない。シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: ショッピングモールに遊びにやって来た北条響と南野奏は、ひょんなことからつぼみたちのファッションショーに乱入。ちょうどそのとき、妖精たちが空から降りてきたり、「おもちゃの国」のプラスティックの建物が現れたりと大騒動に。さらには、世界を結ぶ奇跡の花・プリズムフラワーを狙い、プリキュアたちが過去に戦った強敵たちがよみがえり……。
シネマトゥデイ(外部リンク)
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 70分
スタッフ
監督:大塚隆史
製作総指揮:-
原作:-
音楽:-
脚本:村山功
キャスト
小清水亜美(北条響(キュアメロディ))
折笠富美子(南野奏(キュアリズム))
水樹奈々(花咲つぼみ(キュアブロッサム))
水沢史絵(来海えりか(キュアマリン))
桑島法子(明堂院いつき(キュアサンシャイン))
久川綾(月影ゆり(キュアムーンライト))
沖佳苗(桃園ラブ(キュアピーチ))
喜多村英梨(蒼乃美希(キュアベリー))
中川亜紀子(山吹祈里(キュアパイン))
小松由佳(東せつな(キュアパッション))
三瓶由布子(夢原のぞみ(キュアドリーム))
竹内順子(夏木りん(キュアルージュ))
伊瀬茉莉也(春日野うらら(キュアレモネード ))
永野愛(秋元こまち(キュアミント))
前田愛[声優](水無月かれん(キュアアクア))
仙台エリ(美々野くるみ(ミルキィローズ(ミルク))
樹元オリエ(日向 咲(キュアブルーム))
榎本温子(美翔 舞(キュアイーグレット))
本名陽子(美墨なぎさ(キュアブラック))
ゆかな(雪城ほのか(キュアホワイト))
田中理恵(九条ひかり(シャイニールミナス))
2011年4月24日日曜日
新 仮面ライダーSPIRITS 4巻 読了
新 仮面ライダーSPIRITS 4巻 読了
特装版 村枝賢一/著 講談社/刊 20110415第1刷952円 プレミアムKC
TVアニメ「青の祓魔師」一話二話視聴。主人公の保護者が聖職者で中の人が藤原だったり、主人公が人間やめて悪魔の力を得たり、日本刀を振り回したり、オープニングを見るとマスコトットが黒猫又だったりと、嗚呼かつて似たようなアニメかマンガを見たような気にさせられました。だがしかし、物語とはアレンジによって拡散する。アレンジの無い物語はありえない。より高みを目指し少しずつ変わっていく螺旋の法則。
さて「新 仮面ライダーSPIRITS」。仮面ライダーの映画を見て本も紹介すると面白いのでしょうが、40周年記念映画は見に行かないでしょうね、たぶん。仮面ライダーOOO(オーズ)は毎回楽しく拝見しています。撮影現場も拙者の通勤途上のけやき広場とかを多用していますしね。
今巻は仮面ライダースーパー1の活躍を描きます。拙者は残念ながら本放送のスーパー1をちゃんと見たのは第一話だけです。当時の拙者にはスーパー1の面白さが理解できませんでした。今もって再見していませんが、今見れば色々な角度から楽しめるのではないかと思います。ウルトラマンも人気が落ち目になった時徒手格闘技を取り入れTVシリーズを終了しました。仮面ライダーも元々等身大で徒手で戦うコンセプトが武器を持ったり空を飛んだりして、やはり徒手格闘技でTVシリーズの終了を向えるわけですが、単なる偶然なのか、やはり時代だったのでしょうか。
内容説明:ジンドグマに制圧されている北陸・金沢。仮面ライダースーパー1は医王山にて四幹部と交戦。チェックマシンから遠ざけられることによる消耗戦を強いられていた。一方、市街地で怪人に囲まれていたジュニア・ライダー隊を救出した仮面ライダーXとSPIRITU第9分隊が富山湾沖で目にしたものは!?そして村雨邸に待機する緑川ルリ子はバダンシンドロームの核心を語り始める…。(カバー裏表紙より引用)
マガジンZKC『仮面ライダーSPIRITS』第2・3話、2号ライダーのガモン共和国での戦いを描く「たった一人の戦場」を完全オールカラー化した別冊が同梱の、第4巻特装版発売! (第4巻本文は通常版とまったく同一です)(アマゾンより引用)
(月刊少年マガジン開催
2011年4月23日土曜日
名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター) 観了
名探偵コナン 沈黙の15分(クォーター) 観了
冒頭からクライマックスのようなアクション!これが実写で出来たならハリウッドに負けない映画が作れるのに…。いやだからこそ日本のアニメが世界で受け入れられるようになったに違いない。ディズニーを目指しながらも、様々な制約下で出来る限りの事をした手塚治虫が良くも悪くもTVアニメーションの方向を決めてしまった様に。
そして本作「名探偵コナン」シリーズは、主人公を“子ども”に設定したが為に、悪役と殴りあったりする直接対決が出来ないという制約を上手く演出に生かし、知恵と勇気で悪を倒す物語を生み出す事を成功させました。
劇場版ならではのスケールとストーリーで家族みんなで楽しめる作品に成っています。ゲストキャラの登場には場内で笑が。
映画が終了して恒例の次回作予告が始まった時、拙者の後ろにいたお母さん(拙者よりは年下)が、嗚呼15作目だから15分なのねぇ、とボソリと声をだしました。拙者も嗚呼と膝を打ちました。
恐らく尺が長すぎて削られたエピソードがあるのでしょう。後半新たな事実が突然出てきてご都合的な場面がありました。これで“泣き”があれば拙者のようなオッサンも楽しめたと思います。
解説: コミック版とテレビアニメ版共に、無類の人気を誇る青山剛昌原作の「名探偵コナン」シリーズ劇場版15周年記念作品。地下鉄トンネル爆破事件と雪原での死体発見事件とのつながりを究明するため、コナンが巧みな推理を展開する。『名探偵コナン 銀翼の奇術師(マジシャン)』から劇場版シリーズの監督を務めた山本泰一郎が総監督となり、『真救世主伝説 北斗の拳 トキ伝』の静野孔文が監督を務める。劇場版ならではのスケールのアクションと謎解きサスペンス、さらには悲しい人間ドラマを絡めたエンターテインメント作品から片時も目が離せない。シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: 都知事あてに脅迫状が届き、都営新地下鉄のトンネル爆破事故が起こる。コナンの推理で奇跡的に被害者を出すことは免れた。都知事が国土交通大臣時代に建設したダムの関係者が怪しいとにらんだコナンは、一路新潟県へと向かう。すると、ダム移設5周年の記念式典でにぎわう村の雪原で、死因不明の遺体が発見され……。
シネマトゥデイ(外部リンク)
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 109分
スタッフ
監督:静野孔文
製作総指揮:-
原作:青山剛昌
音楽:大野克夫
脚本:古内一成
キャスト
高山みなみ(江戸川コナン)
山崎和佳奈(毛利蘭)
小山力也(毛利小五郎)
渡部陽一(-)
宮根誠司(-)
茶風林(目暮警部)
緒方賢一(阿笠博士)
岩居由希子(吉田歩美)
高木渉(小嶋元太)
大谷育江(円谷光彦)
林原めぐみ(灰原哀)
山口勝平(工藤新一)
2011年4月22日金曜日
月光条例 13巻 読了
月光条例 13巻 読了
藤田和日郎/著 小学館/刊 20110423初版419円 少年サンデーコミックス
「魔法少女まどか☆マギカ」見ました。あえて比喩的に述べさせてもらえば、限りない輪廻の世界の因果を断ち切った“まどか”は上求菩提・下化衆生を達し現世から解脱した存在になった、のではないでしょうか。
二千五百年以上前に南アジアの天才達が思いついた“輪廻転生”の世界モデルは、形而上での仮説なので形而下に生きる凡俗が理解するには難しすぎました。しかしコンピュータの発展がゲームの進行を途中で“やり直す(=繰り返す)”ことを具体的に示す事になりました。ゲーム世界のキャラクターは同じ世界同じ行為を繰り返すが、“プレーヤー=操者(=主人公キャラクターの魂)”は繰り返しながら経験値を高めゲームそのものの進行を目指していく行為を体験できるようになりました。一見同じ事を繰り返しているようでも、プレーヤーにとっては前回の轍を踏まないように新たな経験に挑戦するしているのですが、もしゲーム世界の視点で考えた場合同じ行為を延々と繰り返しているように見えることでしょう。
話が更に飛んで、もし“繰り返す”と云う行為をユダヤやキリスト教的にとらえると、おそらく“円環”を成すのではないかと思います。永劫の円環から脱出するにはGODによる救済を待たねばなりません。これが仏教やより東方的着想になると円環ではなく“螺旋”となり、繰り返す事が上位へと向う修行そのものととらえられるような気がします。
以上具体的資料などではなく、単に拙者のイメージを騙ってみました。ストーリーにあえて触れる事無く話そうとすると、ヘンな例え話になってしまいます。でも、拙者が番組を見終わった直後の感想は、「まどかは菩薩となり、ほむらは修羅の道を歩むのか」でした。
今夏のコミケはまどかがブレイクするような機が見えます。
さて「月光条例」。いよいよ過去の語りと現在が合致し、今までの伏線が明に!
他人を幸せにするってどう云う事なんでしょうね。ある種人気商売であるが故に著者自身のテーゼなのかもしれません。
内容紹介:じぶんの しょうたいを しるために アラビアンナイトの せかいへ やってきた げっこうは きょうりょくな げつだキャラの まえに やぶれ てきに たいこうする ちからをえる ための しゅぎょうを かいしする いっぽう とらわれのみの なかまたちは じけんの はいごにいる くろまく「あおいとり」のしゅじんこう チルチルの はなしを きくことになる どうやら その チルチルの はなしが げっこうの かこに かかわって いるというのだが…(カバー裏表紙より引用)
(週刊少年サンデー掲載)
2011年4月21日木曜日
オトナアニメVol.20 未読!
オトナアニメVol.20 未読!
関東地方では今晩午前3時から、特番の影響で放送が延期されていた「魔法少女まどか☆マギカ」を最終回を含め3話を一挙に放送します。正にラストスパート!
と、云うわけで、TV放送を見てから『オトナアニメVol.20』を読みます。
無論録画で。
こういう時に限って地震がおきたりなんだりと不測の事態が発生したりするのです。
が、懸念したところで詮無い話だし、番組終了後30分したら起床せねばならないので、さっさと寝ます。
おやすみなさい。
内容紹介:魔法少女まどか☆マギカ&魔法少女クロニクル80ページ総力特集!!TV放送10話分の各話解説、あらゆるスタッフの証言などから『魔法少女まどか☆マギカ』の魅力を解明!第2特集「魔法少女クロニクル」では60年代からはじまった魔法少女アニメの歴史をジャンル別に紐解く!!そこでわかった、『魔法少女まどか☆マギカ』誕生の秘密とは?(アマゾンより引用)
2011年4月20日水曜日
史上最強の弟子ケンイチ 42巻 読了(サウンドロップ付き限定版!)
史上最強の弟子ケンイチ 42巻 読了(サウンドロップ付き限定版!)
松江名俊/著 小学館/刊 20110423初版905円 少年サンデーコミックス
雑誌『SF Japan』休刊。拙者的には長く続いたと思います。神林長平が掲載し続けられれば買い続けたかもしれません。SF雑誌は『SFマガジン』以外長続きしませんねぇ。SF小説を読む市場が小さいのか、翻訳小説が無いと長続きしないのか。
それでは「史上最強の弟子ケンイチ」の話。本編中では全く出てこない香坂しぐれが表紙。付録付きの限定版と通常版の表紙は双方香坂しぐれながら絵柄が異なるのでカバーだけでも二種類欲しいなぁと思いつつ、本体まで二種類あっても仕方なし。これでカバー裏の絵柄まで異なっていたら本当に買わずばなりますまい。
内容は強敵の待ち構える罠にあえて飛び込む梁山泊を名乗る武術家達は中国拳法家・馬。柔術家・秋雨、空手家・逆鬼、ムエタイ・アパチャイそして主人公梁山泊の弟子ケンイチ。武器を扱う達人と徒手空拳で挑む格闘家の熱き戦いと、アパチャイの過去と因縁が今明らかにされる。
格闘マンガを描く作家さんは、男の鍛えられた身体を描くのが好きなんだと思います。そうすると相対的な関係で、女の身体をあまり描かなくなるのが通例です。どうしてもどちらかに偏りがちなんですね。でも史上最強の弟子ケンイチは女性武術家が多数出演し、サービス・シーンもこれでもかと云うくらいサービスしまくりなので、嗚呼この著者松江名俊は“人”の身体を描くのが大好きなんだ、と思いながら眺めるようになりました。
内容説明:しぐれのサウンドロップ付き限定版!師匠の声が聴こえるサウンドロップ付き限定版! 4月発売の42巻に香坂しぐれ、5月発売の43巻にアパチャイのサウンドロップ付き! さらに両方購入の方から抽選で、残る師匠4人のサウンドロップセットを250名にプレゼントするキャンペーンも開催!(アマゾンより引用)
沖縄米軍基地内の“闇”拠点潜入作戦に、梁山泊総出陣!師匠たちが着実に敵を撃破する中、秋雨と馬が“闇”武器組と激突!そして兼一とアパチャイは、因縁の相手が待つ最上階へと……本誌掲載時に圧倒的支持を得た、アパチャイ過去編突入!一瞬も目が離せない壮絶バトル満載の最新42巻!!サウンドロップ付き特別限定版で登場!!(カバー裏表紙より引用)
(週刊少年サンデー掲載)
2011年4月19日火曜日
スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ- Record of ATX 5巻完結 読了
スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ- Record of ATX 5巻完結 読了
八房龍之助/漫画 寺田貴信/監修 SRプロデュースチーム/原作 アスキーメディアワークス/刊 20110326初版570円 DENGEKI COMICS
アニメ監督の「出崎統」死去。「あしたのジョー」「あしたのジョー2」から「新・エースをねらえ!」「ガンバの冒険」「家なき子」「宝島」「コブラ」「おにいさまへ…」そしてOVA版「ブラックジャック」と拙者が物心ついたときから馴れ親しみ宮崎駿や富野悠宙季のように己の世界を生み出すわけではありませんが、その確かな技術力と優秀なスタッフに恵まれ数々の傑作を世に送り出してきました。拙者的には「ベルサイユのバラ」の素晴らしさに歳を経てから気がつきました。だって歴史を知らないと感情移入できないんだモン。「白鯨」は未見。「釣りキチ三平」はどこまで関わっているのでしょうか?
昭和の巨匠がまた一人墜つ。
落涙。
「スーパーロボット大戦OG -ディバイン・ウォーズ- Record of ATX」の話。
アニメは戦闘インフレが上昇しっぱなしで、ロボットの戦いと云うより、鎧を着た神々の戦いを描いたようになっていましたが、マンガ版はマンガの演出的特性からより人間ドラマを描くことに成功し、著者八房龍之助の詰った(風景描写で間をつくらいない)画風とともに怒涛の展開の末完結。拙者的には原作であるゲームをやっていないせいか、今までの感想文にも同じ事を書いておりますが、ストーリーの全体像が良く分りませんでした。宇宙人が攻めてきたけど、地球人達は各派閥で戦い合い敵も味方も宇宙戦艦とロボットに乗って戦って、最後は攻めてきた宇宙人を皆殺しにしたけど、宇宙人だと思っていたのは攫われた地球人で、宇宙人は誰一人として傷ついていなかった。て云う話で良いんですよね?
内容紹介:八房龍之助が綴る、スパロボOGコミカライズ作品、堂々完結!地球連邦の中枢・ジュネーブへと進行するDC残党を迎え撃たんとするハガネ&ヒリュウ改。しかし、彼らの前に圧倒的な力を持つ三種の量産型ヴァルシオンが立ちはだかる。苦戦を強いられる中、彼らが取った行動とは……!?(アスキーメディアワークス・ホームページより引用)
(電撃ホビーマガジン掲載)
2011年4月18日月曜日
ザ・ジャパニーズ 読了
ザ・ジャパニーズ 読了
原題:THE JAPANESE エドウィン・O・ライシャワー(EDWIN O.REISCHAUER)/著 國弘正雄/訳 文芸春秋/刊 19790610第1刷1600円
雑誌『アフタヌーン』に連載している「おおきく振りかぶって」は登場人物達の名字や舞台となる県営野球場名が現実の地名と同じであり、背景も舞台となっている市民にしていれば見慣れた風景が描かれいます。そして同じく連載している「宙のままに」も実はおお振りと同じ市内を舞台にしていたとは知りませんでした。会社同僚に先日教えられるまで気がつかなかった。双方単行本を買うほどのめり込まず連載もじっくりと読んではいませんでしたが『アフタヌーン』誌上で一話から知っていたし、アニメも一応見てはいたのですが。不甲斐なし…。同じく連載している「秒速5センチメートル」原作者の新海誠も原作アニメの作中で市内ターミナル駅のシーンや、NHKみんなのうたでの風景カット、そして監督デビュー作での駅前カットと住んでいるかは別にして生活圏としているのは間違いないでしょう。まあ、都内へ約30分の首都圏の大都市ですから人口規模から考えても業界関係者が少ないわけはないのでありますが、小さなナショナリズムをくすぐられます。
さて「ザ・ジャパニーズ」の話。
「将来への展望は、過去を正しく理解しているかどうかによって決まるのが常である。」(424p)
大著でです。
アニメやマンガが注目されたせいか、外国人が書く日本への興味が湧き、色々と読んでいるのは当ブログおよび前ブログのバックナンバーの通りです。日本人による日本人論だと生臭いと云うか、作者の作者の出身地域や階層により立ち位置が変わり述べる事が変わるのは当然であり、その背景が文章から透けて見えるのが日本人の一人としてカンに触ります。その点外国人による日本人論は主観的であればあるほど視点の変化を楽しめます。
本書は30年以上も前に書かれたにも関わらず、その情報収集の幅広さと的確な分析は。今現在の日本の問題点を鋭く突いています。拙者の嗜好から云えば、防衛庁が防衛省昇格問題や小学校における英語教育問題は30年以上も前からの動きだったのかと驚きです。そして
「世界中のことを広く教える学校は、他にあまり例をみない。」(402p)、
「日本人が触れる国際報道の方が、世界の他の国民より平均して多いといえる。」(同)、
「日本の科学者は専門分野の第一線にあり、人文・社会科学者も西欧の知的傾向に通暁している。」(同)、
「流行であれ、スタイルであれ、ファッションであれ、世界的なものはたちまち日本全土を席巻してしまう。その速度と徹底ぶりとは、どの国にもおとらない。」(同)、
「西欧音楽にしても、本家本元に負けない質と量とで、手に入れることができる。」(同)
「世界中の芸術は広く知られ、しかるべく評価されている。」(同)
「西欧各国、中国、その他世界いずれの国の珍味佳肴も、都会地なら賞味することができ、その質は絶品に近い。」(同)。
これらが21世紀に入り書かれた日本論ではなく、バブルすらも未だ未経験であった日本の描写だとは到底信じられません。著者ライシャワーが書いた後一世代分の年月を経て、インターネットと云う便利な道具が世界各地に行き渡るようになって初めて、著者の言葉の価値に気がつけたことでしょう。
アニメやマンガや技術やらその他で日本を勉強しようと思い立った人々が手にするテキストとして本書が使われているのだと考えられます。これほど的確な日本を総括的に紹介した本が他にあるでしょうか。しかしながら、日本人女性の奥ゆかしさの描写に関しては、恐らく著者ライシャワーが接する事の出来たハイソサエティな人々を見た話であり、中流階級以下の一般的日本人とはそうそう接触する機会がなかったのではないかと思わされます。しかし、日本にある種の夢を持ってこの本をテキストとして読んだ場合“ヤマトナデシコ”への憧憬がいかばかりになることか、まあ昨今日本のアダルト産業が世界進出しているのでソウソウ妄想ばかりとも思えませんが、著者ライシャワーにも得手不得手があるものだと思わざる得ません。
社会学系の学生・元学生ならば必読の書です。読む価値のある本だと断言します。少々お高いですが買って損はないでしょう。学生さんなら図書館で読んで下さい。大学図書館なら必ず所蔵しているでしょうし、もし公立図書館で所蔵していない図書館があったら必ず備えるよう云って下さい。
冒頭文章の続き
「過去の流れが正しく補足されさえすれば、これが将来もひきつづき継続するであろう、と予測してもそうあやまることはない。」
2011年4月17日日曜日
現代の修験道 読了
現代の修験道 読了
正木晃/著 中央公論新社/刊 20110210初版1900円
修験道と云うと水木しげるが雑誌「怪」に掲載した役行者とか蔵王権現の話くらいしか知りません。イメージ的で云うと「勧進帳」。黒澤明監督、大河内伝次郎が弁慶の「虎の尾を踏む男達」とか。司馬遼太郎の中に出てくる日本では空海を祖とする「真密」に対する、空海以前から存在する土着と外来の融合した「雑密」側に山岳宗教が多大に影響しているくらいでしょうか。映画「剱岳」に見られるように、日本の登山道を開発してきたのは修験者達であったのは間違いないと思われます。修験者に限らず山中は生活の場であり、平地に比べれば行き交う人も少ないかもしれませんが、人が居ないわけではありませんでした。ただ動植物の少ない深山幽谷の山頂付近に生活する為に出向く必要は無く、それでも人跡があるのは登山と云うスポーツ感覚と宗教的法悦の集合ではないかと考えられます。南北朝時代の南朝側の繋がりを見ていくと吉野を中心に、天狗伝説や各地の登山(尾根)ルートと重なることがままあります。現在の鎌倉市をぐるりと囲む尾根伝いのハイキングコースとか、なんでこんな山頂に籠ったのだろうかと頭を捻る福島県の霊山等など。無論北朝側でも同じルートを経由しているのも間違いないでしょう。これらの“道”が戦国時代には情報伝達に組織化専門化された「忍者」へと繋がるのであれば、忍者が印を結ぶのも当然と考えられます。
本書を読んで明治の廃仏毀釈時に修験道も廃絶した事を始めて知りました。本書を拙者的に読み解くと明治政府により蒙昧迷信的修験道など不要とされ廃絶させられたように考えましたが、知人により、時の明治政府は神仏分離令を出しただけであったが、神仏を同じものとして千年に渡り拝んできた人々がいきなり分離させろと云われて混乱した挙句辞めてしまったのではないか、と云う説を聞くことが出来ました。果てさて?
本書においては、修験道の現在と過去を平易に解説し、またブータンにおけるチベット仏教等を紹介し、21世紀に人と自然の繋がり、すなわち「草木国土悉皆成仏」の思想を体系的に体験実現昇華するには「修験道」が最適との立場をとっています。
拙者が本書を手にした直接の切っ掛けは、「千と千尋の物語」「アバター」に言及されていたからです。現在世界を席巻しているポスト一神教としての仏教。しかも地球環境や自然保護の観点を仏教そのものに求めることは難しく、日本で独自に発展してきた土着のアニミズムと融合した「修験道」が近しいとの事。
極論として「心の救済」はマルクスやその他モロモロの“経済学”や“心理学”と云った「仮説→実験→実証」型の現代科学ではカバーしきれず、経験則に基いた従来の宗教に頼らざるをえない現実があります。昔に比べれば需要も減ったでしょうが、現在もまた「拝み屋」がいる事実が、現代の医学心理学から零れている人々が多数存在している事を示しています。ひな祭りでお雛様を飾るのもこいのぼりを立てるのも民俗風俗行事でありかつ宗教行事でもあります。人々の生活と宗教は分かちがたく存在し、同じ文化圏の人々の思考に影響を及ぼしています。我々の文化の基層の一つとしての「修験道」を知るには面白い本かもしれません。
内容(「BOOK」データベースより):誰でも参加可能で、実践を重んじ、心身ともに鍛えられ、自然をいつくしみ、総合的かつ包括的で、女性にもオープン。さまざまな長所を兼ね備えた、「古くて新しい」宗教へのいざない。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 正木 晃:1953年、神奈川県に生まれる。筑波大学大学院博士課程修了。国際日本文化研究センター客員助教授、中京女子大学助教授、白鳳女子短期大学助教授、純真短期大学教授などを経て、慶應義塾大学文学部および立正大学仏教学部非常勤講師。専攻は宗教学(チベット密教、日本密教)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2011年4月16日土曜日
戦火のナージャ 観了
戦火のナージャ 観了
前知識無し。新聞の映画紹介欄に書かれていたので、戦争映画ファンとしてはソヴィエト側から見た第二次世界大戦を描いているのだろうと思い、見に行きました。できれば「アレクサンドリア」を見たかったのですが、都内での上映が終了しており次善の策となりました。
師団長にまで成った父親セルゲイ・ペトローヴィチ・コトフは讒言により失脚、死刑にされたはずが収容所で生き残り、ドイツ軍との戦争開始により懲罰部隊に入り最前線での戦い続けます。一方娘のナージャは死んだと思っていた父が生きている事を知り、戦時で混乱する国内の中を彷徨いながら父を捜すストーリーを横軸に、コトフ元師団長を陥れた元部下が消息を尋ねていくのが縦軸になります。
エキストラの人々は沢山でるし、戦車も飛行機(スツーカだけですが)も出てきて、金のかかった大作であることは間違いないですし、言葉で書けば戦場における悲劇を描いているのですが、演出は文字通り命を懸けたボケとツッコミで全編ブラックユーモアに満ち溢れています。初老のお父さんがアクションシーンで後姿になると、いきなり若々しく飛んだり跳ねたり躍動するカットには大笑い。狙っているんだと思いたい所です。ロシア的重厚で大仰なオーケストラBGMと美しい大自然の中での矮小な人間の巨大な破壊行為を、親娘二人の目を通してこれでもかと描く秀作。
予告編に先立ち、監督からの特別メッセージがありました。このメッセージを見てもらいたい人々の所に映画館が無いのは残念至極。メッセージの最後で監督は、この作品の続きを作ることが出来日本で上映できたらなば今度は直接お会いしたいと思います、みたいな事を発言しており、もしかして、と思ったら果たしてそうなりました。しかもこの作品自体が2作目だとyahoo映画の解説を見て初めて知りました。
原題: UTOMLYONNYE SOLNTSEM 2/BURNT BY THE SUN 2: EXODUS
製作年度: 2010年
別題: -
製作国・地域: ロシア
上映時間: 150分
スタッフ
監督:ニキータ・ミハルコフ
製作総指揮:-
原作:-
音楽:エドゥアルド・アルテミエフ
脚本:アレクサンドル・ノヴォトツキイ=ヴラソフ 、ウラジーミル・モイセエンコ 、ニキータ・ミハルコフ
キャスト
ニキータ・ミハルコフ(セルゲイ・ペトローヴィチ・コトフ)
ナージャ・ミハルコフ(ナージャ)
オレグ・メンシコフ(ドミートリ・アーセンティエフ)
ヴィクトリア・トルストガノヴァ(マルーシャ)
セルゲイ・マコヴェツキー(ルーニン)
エヴゲーニイ・ミローノフ(イジモフ)
ドミートリ・ジュゼフ(バニア)
マクシム・スハノフ(スターリン)
解説: ロシアの巨匠ニキータ・ミハルコフ監督が、約16年ぶりに発表した『太陽に灼かれて』の続編。スターリンの粛清から第2次世界大戦という過酷な歴史に翻弄(ほんろう)される、生き別れの父と娘がたどる皮肉な運命を映し出す。父娘を熱演するのはミハルコフ監督自身と、娘のナージャ・ミハルコフ。製作や準備におよそ8年を費やして描かれた壮大なドイツ軍との戦闘シーンや、互いを思う2人の深い絆が胸を打つ。
シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: 1943年、KGB幹部のアーセンティエフ大佐(オレグ・メンシコフ)は、スターリンに呼び出され、記録上すでに処刑されたはずの、コトフ元陸軍大佐(ニキータ・ミハルコフ)の捜索を厳命される。だが、反逆罪に問われたコトフ元大佐の妻と娘(ナージャ・ミハルコフ)をひそかにかくまったのは、ほかならぬアーセンティエフ大佐で……。
(yahooより引用)
2011年4月15日金曜日
ご主人様は山猫姫 7巻 読了
ご主人様は山猫姫 7巻 読了
~北域見習い英雄編~ 鷹見一幸/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110410初版570円 電撃文庫
アニメ「アスタロッテのおもちゃ」を見ました。金持ちの女の子の下に執事の男の子がやってきてって、設定と云い中の人と云い日曜日の朝に放送していた番組の続編なのかしらん?緋弾のアリアといい釘宮の時代が来たのか。ドロロン、ドロロン、デロデロバー「ドロロンえん魔くんメラめら」第二話視聴。第一話は録画したまま。野沢雅子じゃないんですか、ちょっと残念。能登の雪子姫は合っているのかなぁ?永井豪の絵をとても上手く動かしているとは思うのですが、似ているが故に手放しで喜べないこの気持ちは何なんでしょうか。アニメ「日常」で幼女の博士とロボットとの生活を見ていると切ない気持ちになるのは何故でしょうか。仮面ライダーOOOとブリキュアを逃してしまいました。
さて「ご主人様は山猫姫」。帝國北方を押さえた主人公達は地盤固めを開始。帝國南方で反乱が発生し、幽閉されていた有能な官吏月原弦斎が旗頭にされてしまう。帝国中枢では経済的にも重要な南方方面の反乱鎮圧のため大軍勢を送り出す。
主人公達の行動はインターミッションのイニングに入り、ドラマ的には盛り上りません。軍略的には大変重要な場面ですけどね。この時の軍政が上手く行くかどうかで政治的勢力になれるかどうかが決定すると思われます。
かってな解釈ですが、このまま主人公が禅譲され新たな皇帝になるのか、あくまで臣下として君側の奸を排して終れるのか興味が尽きません。無論最終巻まで付き合うつもりですが、著者鷹見一幸には良い意味で裏切ってもらいたいと切望します。
内容(「BOOK」データベースより):帝国軍をのけ、本当に北域に王国を作ってしまった晴凛たち。犂山の強い勧めもあって、晴凛は「北域王」を名乗ることになるのであった。引きこもりの放蕩息子が玉座につく、まさかの展開である。伏龍の宣伝工作もあり、「北域の独眼竜」の触れ込みの晴凛の許に続々と人が集まり始める。まずは国作りということで内政にいそしむ反乱軍の面々。ミーネとシャールがまた女の誇りを賭けて勝負するという、平和だが騒がしい日々を過ごす一方で―。南域でも北に呼応するかのように、怪しい動きが出始めるのであった。帝国はついに激動の時代に突入し!?大人気シリーズ、第7弾。(アマゾンより引用)
2011年4月14日木曜日
私のウチはHON屋さん 2巻 読了
私のウチはHON屋さん 2巻 読了
横山知生/著 スクウェア・エニックス/刊 20110122初版562円 ガンガンコミックスJOKER
関東地方の木曜深夜はUHF局も含めアニメの激戦区の様相を呈してきましたなぁ。カルテルでも何でもして上手く時間帯をずらさないと共倒れにしかならないのではないかと思うのですが、もはやテレビによる放送や録画ではなく、ネットによる視聴をテレビ局が推奨していると云う事でしょうか。ならばテレビ局の陰謀に踊らされるのも一興。地デジの機材は一切買わずにネット環境を充実させることにしませう。これならば第二次関東大震災が来てスカイタワーが倒壊しても安心と云うわけですな。
さて「私のウチはHON屋さん」の第2巻。ロングヘヤでややおっとりしたマイペースなお嬢様キャラクターや、元気イッパイな金髪でやや小柄なワガママタイプのキャラクター等オーソドックスにキャラクターを配置してしてまいりました。悪い事は何も有りません。パターンを踏襲する事から始まるのです。ここからがスタート地点です。この後の展開にオリジナルを入れていけるかどうかが、キャラクターを登場させるだけではなく、脚本と演出を生かせるかどうか作者の今後プロとして食べていけるかどうかの分かれ道となることでしょう。目が離せなくなってまいりました。
内容紹介:変態する小学生。説明しよう、Hな本屋さんで働く中沢みゆちゃん(小5)は、その時々によって様々な姿へと変態してゆくのだ。ある時はお母さんに、またある時はエロコンサルタントに、エロ奥さんに。最終的には喋る等身大POPにまでその姿を変える!! ライバル登場で更に盛り上がる本屋さんコメディー、第2巻!!(アマゾンより引用)
(月刊ガンガンJOKER掲載)
2011年4月13日水曜日
私のウチはHON屋さん 1巻 読了
私のウチはHON屋さん 1巻 読了
横山知生/著 スクウェア・エニックス/刊 20100922初版562円 ガンガンコミックスJOKER
「“美味しかった”いただきました!」
「「「ありがとうございました!!!」」」
先日いつも行列のあるつけ麺屋の前を夕方早めの時間通ったら席が空いていたので一ヶ月ぶりくらいに食べました。家族連れが席を立つとき男児がやや舌足らずな口調で「はじめてラーメン屋さんに来たけど、美味しかった。」に対する答えが上記でした。
日本海庄屋の「はい、喜んで!」に匹敵する驚きが私の胸中に生じました。何故驚いたのか己自身でも定かではないのですが、少なくとも子どもの(子どもに限らず)言葉にこの様に答えた事が大きな衝撃ではありました。ラーメンも旨いが接客も巧い。
さて「私のウチはHON屋さん」。小学生の女の子が羞恥心に悶えるのを見て興奮する変態妄想マンガ。生まれたときから本屋を手伝っていれば、どんな内容であろうとも商品は商品。拙者は中学生の職場体験の指導をする事がままあります。中学一年生には先ず挨拶の仕方から始まりますが、部活動でシッカリと指導を受けている子たちには教える必要はありませんし、自宅が何らかの商売等接客業をしている子たちの場合、逆に拙者が教わる事も少なくありません。
余談ながら拙者が職場で同僚の女の娘(と言っても拙者よりも年下と云うだけで、しっかりとした主婦の皆さんですが)から女の子の好みを聞かれたときに、気立てが良ければそれだけで結構、と云ったら言下に、ありえねー、とハモられました。小学生も五年六年の女の子くらいになるとテレビやマンガで学ぶのか、家庭や学校の日常会話で学ぶのかは知りませんが、アニメ「君に届け」のメインキャラクター達に悪意を持つ脇キャラ的発言は日常会話に普通に出てきますからねぇ。だからこそ“気立ての良い女の子”なんて幻想を持つのは“夢見る青少年”しか居ないのかもしれません。
そんな“夢見る青少年”の夢を見させてくれるのが、この「私のウチはHON屋さん」です!家業を手伝い、何事にも一生懸命で、気立ての良い少女“中沢みゆ”ちゃんが主人公のご近所マンガ。もう少し単行本が出たらアニメ化かな?
内容紹介:成人向けの小学生。未成年の女の子、成人相手にHなお仕事超がんばる!(帯より引用)
中沢みゆちゃん(小5)は、実家のお仕事を手伝うとっても良い子。但しちょっとだけ問題が…。みゆちゃんの家はHな本の専門店なんです…。恥ずかしながらも健気にがんばる、本屋さんコメディー開店です!!(カバー裏表紙より引用)
(月刊ガンガンJOKER掲載)
2011年4月12日火曜日
おざなりダンジョンTACTICS 2巻 読了
おざなりダンジョンTACTICS 2巻 読了
~鉄壁の断層編~ こやま基夫/著 ジャイブ/刊 20110415初版620円 CR COMICS
統一地方選挙の影響で十五分の延長が生じ「花咲くいろは」のBパートが録画から脱落。選挙如きで特番を関東ローカル局が作るな。テレ東に学べ!
さて「おざなりダンジョンTACTICS」。様々な難関を突破して、邪魔する勢力を排除して、なんだかんだと周りの信頼を勝ち取って、最後に大団円を力づくで捥ぎ取るモカの雄姿を描く、やっと「~ダンジョン」シリーズらしくなってきました。新たなキャラクター達を共に、昔懐かしいキャラクター達もレギュラーとして登場か?ゴンドワナの命運を握る一大勢力のトップとなったモカの活躍を描く新シリーズもエンジンがかかってきたか!?次巻が楽しみ!!
内容紹介:『おざなり』『なおざり』『なりゆき』のキャラクターが勢揃いする、シリーズ集大成最新刊!! ゴンドワナ大陸とローレシア大陸間で戦争が勃発する中、モカたちはレジスタンスグループ「バンデット・カフェ」として活動していた。モカは、戦争の最前線・ロシモフ王都へ潜入中のファルコとトビ・アズサを捜すため潜入するが、そこには敵勢力に操られたふたりの姿が……。(アマゾンより引用)
(月刊COMIC RUSH掲載)
2011年4月11日月曜日
レイセン 3巻 読了
レイセン 3巻 読了
~ワンサイド・ゲーム~ 林トモアキ/著 角川書店/刊 20110401初版619円 角川スニーカー文庫
東海道沿線の桜を眺めた翌日、人の群がる上野の山を眺めつつJRから京成線に乗換、千葉県は佐倉にある国立歴史民俗博物館へ行ってきました。京成佐倉駅から国立歴史民俗博物館への道すがらにある蕎麦屋「長寿庵」に寄って重ね天ざるを食べてみました。
「む、うまいッ!」(さいとうたかお漫画の鬼平犯科帳風に)
麺は乾麺を柔らかめに茹でてあるので、拙者の好みとは違うのですが汁が美味い。できれば蕎麦湯で割って飲みたかったのですが、老いたご夫婦二人で店内満席を切盛りしていたので遠慮して出てきてしまいました。長寿庵向かいの辻角にはガラス戸の店内にガラス瓶が並ぶ駄菓子屋がありました。
で、電車の中で読んでいたのが本書「レイセン 3巻」です。先日休刊した「ザ・スニーカー」に連載していた連作短編集になっています。「戦闘城塞マスラヲ」シリーズから引き続いての主役川村ヒデオの眼つきが悪くて運も悪い物語。マスラヲでは徒手空拳のヒデオを回りが勝手に誤解して自滅していった展開も、第2部へと成長した主人公ヒデオは口八丁で状況を変化させる術を身につけたのでした。でも実は「お・り・が・み」の神々と同等の土俵に立つことを許された特別な存在へと化していたのでした。前聖魔王鈴蘭ですら“血筋”の御蔭だったのに、まだ披露されていないだけかもしれませんが、主人公は特殊能力を持たない存在として描かれています。神々に愛でられた人間の冒険の物語は、遠くギルガメッシュ王の古来より天地無用やああっ女神様っに至るまで人々に愛されているんですねぇ。拙者も大好きです。ある意味うる星やつらも共通項でくくれるのかもしれません。
内容紹介:フォースとの一件以来、オートライングループに警戒する神霊班。そんな時、“銃の神”と称するマックルイェーガーがヒデオの前に現れる。彼女の正体は一体!? 新展開に突入、霊を中心に数々の思惑が動き出す!
内容(「BOOK」データベースより):“フォース”との接触以来、彼らが属するオートライングループを警戒しながらも、神霊班は次の手が打てずにいた。そんなある日、ヒデオは街でマックルイェーガーという女性に声をかけられる。ごついヘルメットをかぶり、やたら銃器に詳しい彼女に疑問も抱かず、遅れてきたモテ期に浮かれるヒデオ。しかし、彼女はオートラインに協力する“銃の神”であり、彼女の能力を利用した、“実験”が始まろうとしていたのだ―衝撃の急展開。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 林 トモアキ:新潟県出身、昭和54年9月17日生まれ。新潟工科専門学校自動車工学科卒(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
2011年4月10日日曜日
まかでみックス えいす 読了
まかでみックス えいす 読了
~周防千里と呼ぶんじゃねえッ!~ 榊一郎/著 エンターブレイン/刊 20110411初版560円 ファミ通文庫
地震が続いておりますねぇ。M9規模の地震はここ数年起らないであろうと云われていますが、どの程度の大きな余震が起きるかわからないし、太平洋プレートが振るえ終わったからと云って南海プレートやフィリピンプレートが動かないわけではありません。こうなると人間の力などたかが知れて、矮小なる存在であることに打ちひしがれ、頼るは神仏ばかりと、鎮護国家の法要を(個人的に)行うべく伊勢神宮へ詣でてきました。日帰りで。
で、電車の中で読んでいたのが本書「まかでみックス えいす」です。伊勢市に届く前に読み終えてしまい、果てどうやって暇な時間を過ごそうかと思った瞬間寝てました。
物語りもいよいよ佳境。大きな動きは無いものの、ストーリーの根幹を成す解説編!千里の記憶の欠落の意味が、妹万尋との関係が、クフィールとの繋がりを、死せりガストン教授が騙る!!
次号完結。うひょーッ!
内容紹介:何もかも、仕組まれてたってのか……!?須美子の猛攻を受け、行き倒れとなった千里とクフィールを助けたのは、〈学園都市〉を去った星塚暁美だった。そして、同じく鉄蜘蛛達に襲撃された拓人たちは、鈴穂宅で態勢の立て直しを図っていた。そして、真相を究明しようとガストン教授の手記を紐解いた彼らは、その驚愕の内容に絶句する……って、こっちはとにかくクフィをなんとか助けねえと! つうか、お前がそこにいたのかよ!? 暴走するネオ・ハイブリッド学園ラブコメ、衝撃の第8弾!!(アマゾンより引用)
2011年4月9日土曜日
虐殺器官 読了
虐殺器官 読了
伊藤計劃/著 早川書房/刊 20100215発行720円 ハヤカワ文庫JA984
放射能汚染で一躍ニュースや新聞の名を載せるようになった、福島県の寒村「飯舘村」。行った事はありませんが、村に図書館は無く、図書館をつくる代わりに村営の本屋をつくった自治体として有名な所でした。どうして有名かというと、例えば巨大な天災や原発事故のような災害が万が一にも生じたとしましょう。そうした時に、災害時にどう行動したらよいのかとか、原発とは何ぞやから始まり、災害の種類や放射能はどう対処したらよいのか、災害時の申請は何処へ出したらよいのか、確定申告や税金はどうしたらよいのか等等、それぞれの専門機関に問い合わせるのもよいでしょうが、図書館であれば「東京に原発を」から「原子力白書」まで資料を町民は無料で見ることができます。もし当該図書館に無ければ、先ずは福島県立図書館や他の市町村立図書館から資料を送ってもらったり、東日本震災において特例で必要な資料をFAXで送ってもらう事も出来ます。単に地震が起きたときの各新聞を福島民報・福島民友のみならず、朝日読売毎日産経日経等を眺めることも可能です。でも図書館が無ければできない事が多いと思います。
これらの行為は「書店」では不可能なことばかりです。ましてや「金持ち」でなければ情報を得ることができません。もし災害で無一文になった人でも、公立図書館ならば誰でも無料で情報を入手することは可能なのですが、飯舘村では出来ないと云う事になります。ちなみに埼玉県のさいたま市では双葉町の人々を受け入れただけでなく、原則さいたま市民か通学通勤者にしか登録できない図書館の利用券も、住民票を移さず避難して来た人々には発行するそうです(詳しくはさいたま市へ)。
全ては図書館をつくらず村営書店をつくった村民と民主的に選ばれた代表者の意思であるので、他人の拙者がとやかく云う事ではありませんし、図書館を維持する金を毎年使うくらいなら図書館はいらんと判断した考えもまた尊重したいと思いますが、いざ事が起きたときに右往左往して、やれ情報が届かないとか放射能への知識が無いとかなんとか、自分達の自由意志で選択した結果なんのではないでしょうか。もしかしたら飯舘村の村民は「図書館」の使い方を知らなかったのかもしれません。知らない事を利用して、単に目先の利益だけをぶら下げて、税金のかかる「図書館」と、いちいち福島市か相馬市へ行かなければ購入できない本を買える「書店」とどちらが欲しいですか?ジャンプを図書館では買いませんよ、と云われればインテリでもなければ書店に手をあげてしまうことでしょう。同じ福島県の矢祭町でも似たような事をしています。図書館はつくるだけではなく、維持し職員を育てる手間隙と「お金」がかかります。
近代民主主義がフランスで生まれたとき、民主主義の基本として教育機関を国が保証する法がつくられました。学校・図書館・公民館です。現在の日本では図書館・公民館は各地域自治体にまかされています。地域で人を育てるのは未成年に対する「学校」のみならず、全市民に開放された「図書館」と「公民館」も必要な施設であると考えます。民主主義がいらないなら無くともかまいませんが、民主主義を維持したいという思いが少しでもあるのならば、資料室みたいな小さな図書館でもいいから常勤職員と共に設置していただきたいものです。余談が長くなりました。
さて「虐殺器官」。近未来、世界の紛争地帯で暗殺をしている主人公達は謎のアメリカ人の影を追うようになる。何も問題の無かったはずの国や地域が、宗教紛争・民族紛争の果てに虐殺を開始してしまうのは謎のアメリカ人が何かを仕掛けているのではないのか。主人公達の追跡行が始められる。
先行する似たような作品群に国内だけでも押井守や士郎正宗や神林長平と云った面々がおり。さらに海外を含めれば膨大な類似作が列挙されます。しかし、それらとの大いなる違いは、これほど注目をあびた原因は、その作家性にあると思われます。著者伊藤計劃はガンによる闘病生活の末2009年3月に死亡し、作家活動が3,4年しか無く、ブログ等により闘病生活もまた公開されていた点が、創作された物語に著者伊藤計劃の人生を反映させてしまうのでしょう。
拙者の知る作家(小説家ではありませんが)さん達は口を揃えて、作品は作品としてだけ見て欲しい、と云います。でも買う側からだとどんな作品もそうですが、作品背景も含めての物語を得たいが為に“買う”のだと思います。黒澤明の映画が黒澤明の人生と共に語られるように、小説では「舞姫」が森鴎外の人生や、夏目漱石、島崎藤村、若山牧水、芥川龍之介、太宰治、三島由紀夫等等、教科書にのる作家がどうして作家の人生と共に授業で教えられるのかを考えれば、なんとなく分るのではないでしょうか。ただ日本において作家性は近代以降の産物なので、それ以前の人々の記録が保存されていない場合ば多い事が他の先進国との違いになるのでしょうか。
ストーリーの中で何らかの形で幾多の無辜の市民が死んで生きます。個としての死、生物としての死、そして種としての死。これらが著者伊藤計劃自身が死期を自覚したが故に、なおいっそう鬼気迫る勢いで“死”と死の先にあるものを見据えようとする説得力を生んでいるのではないかと思わせてしまいます。そして個人が突然死んでいなくなるように、国家や民族や組織もまた突然無くなってしまう、その虚無性にもまた説得力を与えているように感じました。
内容紹介:第1回PLAYBOYミステリー大賞【国内部門】第1位。大量虐殺を誘発する、謎の器官とはいったい? 米国情報軍大尉はその鍵を握ると目される謎の男を追って、チェコへと飛ぶが……。
現代における9・11における罪と罰を描破して大きな話題を読んだゼロ年代最高のフィクションが、満を持してついに文庫化を果たす!
推薦●小島秀夫(「METAL GEAR」シリーズ監督)・宮部みゆき
内容(「BOOK」データベースより):9・11以降の、“テロとの戦い”は転機を迎えていた。先進諸国は徹底的な管理体制に移行してテロを一掃したが、後進諸国では内戦や大規模虐殺が急激に増加していた。米軍大尉クラヴィス・シェパードは、その混乱の陰に常に存在が囁かれる謎の男、ジョン・ポールを追ってチェコへと向かう…彼の目的とはいったいなにか?大量殺戮を引き起こす“虐殺の器官”とは?ゼロ年代最高のフィクション、ついに文庫化。
著者について:1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。2009年病没。2007年、本書にて作家デビュー。「ベストSF2007」において第1位を獲得した。他の著作に第30回日本SF大賞受賞作『ハーモニー』、人気ゲームのノヴェライズ作品『メタルギア ソリッド ガンズ オブ ザ パトリオット』がある。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 伊藤 計劃:1974年東京都生まれ。武蔵野美術大学卒。2007年、『虐殺器官』で作家デビュー。「ベストSF2007」「ゼロ年代ベストSF」第1位に輝いた。2008年、人気ゲームのノベライズ『メタルギアソリッドガンズオブザパトリオット』に続き、オリジナル長篇第2作となる『ハーモニー』を刊行。同書は第30回日本SF大賞のほか、「ベストSF2009」第1位、第40回星雲賞日本長編部門を受賞した。2009年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
2011年4月8日金曜日
宇宙ショーへようこそ 読了
宇宙ショーへようこそ 読了
小野敏洋/作画 グサメムーチョ/原作 アスキー・メディアワークス/刊 20110326初版600円 DENGEKI COMICS
「夢喰いメリー」最終話視聴。俺が信じる自分を信じろとか、想いの強さが夢の世界の強さになるとか、何処かで似たセリフを聞きながら二匹目三匹目のドジョウの味は今一つだなぁと思う次第。強く夢想する力はそのまま現実の力になります。なぜなら「夢」とはシュミレーションに他ならず、「実現」させる為の原動力になります。すなわち「想いの強さ」とは現実世界での「実行力」に他なりません。「実行力」が無い存在は「夢見ること」もできません。「彼女できないかなぁ」と云うだけで女性に声をかけないのは、「腹減ったなぁ」と云っているのとかわりありません。求めよ、さらば与えられん。
先日海外のOTAKU達のWebを翻訳している人気ブログ「誤訳御免。」を見ていたら、日本の人気漫画家にしてHENTAIも描く漫画家の一人として“小野敏洋”が挙げられていました。海外で“小野敏洋”はポケモン漫画家として有名なのだと初めて知りました。拙者的には同人誌ジョリジョリ等男性創作系の超HENTAI作家としての認識が強く、今もって別ペンネームで男性向け成人雑誌に描いているしコミケにも参加しているので、片手間に普通の漫画を描いている印象があります。
そんな表に裏にベテランとなった著者小野敏洋が描いただけに、原作付きながら原作のモチーフを壊す事無く、著者小野敏洋のオリジナルを加味した佳作になっております。
原作映画自体の脚本が長いせいもありますが、巧に原作の叙情的部分をストーリーに影響が無いように削り、実にコンパクトにまとめあげています。それでいてアクションあり涙あり笑いありの素晴らしい展開。さらに後半へ行くほど大きな男の子へのサービスも多くなるのも素晴らしい。スペースオペラのパロディとして捉えるならば、パロディに忠実なだけとも考えられますが。
内容紹介:伝説の植物 「ズガーン」 調査に地球を訪れた犬型宇宙人・ポチと出会い、月観光へとやってきた5人の小学生だが、「ズガーン」 を狙う何者かに夏紀・周が連れ去られてしまう。
清・倫子・康二は、誘拐の背景に 「宇宙ショー」 とその主催者・ネッポが関与していることを知り、2人を助けに 「宇宙ショー」 の現場へと乗り込むのだった……。(アマゾンより引用)
(月刊コミック電撃大王掲載)
2011年4月7日木曜日
サンクチュアリ‐THE幕末狼異聞‐ 2巻 読了
サンクチュアリ‐THE幕末狼異聞‐ 2巻完結 読了
野口賢/漫画 冲方丁/原作 20110409第1刷619円 ジャンプ・コミックス デラックス
新番組TVアニメ「僕たちに翼はない」視聴。前情報無しで拝見しました。第一話だからこその変則なのか、力の入った演出だったのか、第2話以降を見て観なければわかりませんが、一話のみに関して云えば、見る側も見せる側もセンスが必要だったのだろうと思われます。
さて「サンクチュアリ」。残念ながら打ち切り!単行本収録により描き下ろしの結末話が付加されていますが、それでも物語が尻切れトンボどころか、起承転結の“起”で終了してしまったのではなかろうかと思わせるほどです。なぜ起かと云うと、カバー裏表紙に描かれている八卦にも有るとおり、八つの衆が幕末の歴史に合わせ、江戸幕府側と朝廷側に分かれて人知の超えた超忍術合戦を繰り広げるストーリーだと考えられます。なのに全部の衆が登場する前に、文字通りこれからが戦だ“推して進めェッ!”で終了とは!?とてもジャンプらしいとも云えます。
今を文学賞をとりベストセラーも出しアニメ原作のマルチ展開もファフナーやシュピゲール・シリーズと三面六臂の大活躍中の冲方丁が原作を、そして小説原作の作品を数々手がけ元々少年ジャンプで剣戟マンガでデビューした野口賢の二人が「新撰組」を題材にしたマンガを描くなら、面白くないわけが無いぢゃありませんか、と思うんですけどねぇ。「新撰組」があまりにも手垢が付きすぎていたのでしょうか。マンガに小説にゲームにアニメと、現在進行形で様々な「新撰組」が描かれていますから。
史実の新撰組の死線を越えた生き様と、登場キャラクターのバリエーションが、史実とは思えないほど物語に合致しやすくて驚くばかりです。でも主要キャラクターの性格設定がどうしても司馬遼太郎を則としてしまうのは、如何に司馬遼太郎の筆が優れていたのかを語っているのでしょう。拙者的には「マカロニほうれん荘」がマンガにおける新撰組モノの筆頭になります。余談ですが、先日らしんばんに寄ったとき、専門学生っぽい青年二人が模造刀を買をうとしている場面に出くわしました。「こちらが土方歳三の刀になります。こちらは加藤清正です。」「カトウキヨマサー知らねぇ。ヒジカタって銀魂のヒジカタか、知ってる知ってる、へーこんな字をなのか」と店内中に響きわたる声でハシャギながら品定めをしておりました。土方歳三も加藤清正も知らぬヤツが刀を買おうなぞ100年早いわ!と云いたい所ですが、恐らく店員達や居合わせた客達も腹の中ではそう思っていたと思われますが、そういった客だからこそらしんばんで刀を漁っていたのでしょう。何に使おうとしているのかは分りませんでしたが、薀蓄を語るような客に比べて“上客”ですな。彼がこれをきっかけに勉強をしていって欲しいものです。人間一生勉強だ。
内容紹介:会津藩藩主・松平容保より、逆賊たちへの粛清を命ぜられた新撰組。“天王山が燃ゆるとき”倒幕派の異形集団・八瀬童子衆との聖域を懸けての闘いが始まった――――!!(カバー裏表紙より引用)
(Ohスーパージャンプ掲載)
2011年4月6日水曜日
桜蘭高校ホスト部 18巻完結 読了
桜蘭高校ホスト部 18巻完結 読了
葉鳥ビスコ/著 白泉社/刊 20110410第1刷400円 花とゆめCOMICS
テレビアニメ「とある魔術の禁書目録Ⅱ」最終回視聴。主人公の活躍が減り、敵だった野郎の存在感が増して、科学学園都市が宗派との全面戦争を予感させるだけで、謎の一つも解かず終了。第三部はいつからなんでしょうね。原作のあらすじを知っていると、一号ライダーはブラジルへ、二号ライダーを敵組織から奪回したような感じかなぁ、なんて考えてみたり、それとも原作展開的にはカメバズーカと共に自爆なのでしょうか、みたいな。新番組「ドッグデイズ」視聴。召喚された異世界で風雲たけし城を守る話。なんか出オチと云うか第一話が全てのような気がするのは何故でしょうか。「花咲くいろは」視聴。銃も魔法も異世界も出ない真っ当なドラマ。ある種アニメで演る必要があまり感じられないのですが。AKBにでも演らせてOKなんじゃないですか?その分アニメの作品としては骨太で見応えあり。これで作画が低下したら見所が無くなりますナ。「日常」視聴。15分番組の方がインパクトがあって良さそう。「シュタインズゲート」視聴。オカルト学園系列でしょうか?
桜蘭高校ホスト部が終了してしまいました。白馬に乗った王子様は、一見軽薄そううながら、友誼に熱く家庭内不和を抱えながらもポジティブに生きる好青年。ヒョンな事から王子様が主催する高校の部活“ホスト部”へ入部することになった貧乏な男装の少女ハルヒは、真の意味でのセレブ達に囲まれて、セレブと庶民のギャップを感じつつ高校生活をおくるのでした。
ヒロインながらマイペースな正確設定のためか、感情表現豊かなホスト部の面々が活躍するコメディ・シリーズ。男の子向けファンタジーがここではないどこかでの冒険譚に対し、女の子向けファンタジーは、今とは違う自分に成るのではないかと思います。ただ後者の場合“違う自分”とは別人に成るのではなく、階級の上昇です。ただし、男の場合は才能の開花や努力の結果による他者からの認定に対し、女の場合は同じく他者からの認定ではあっても、努力の結果とは云い難い部分があります。但し、これはジェンダー的と云うか、そのような社会的価値観をメディアが再生産していると考えるのが妥当です。己の実力と、玉の輿に乗る事は別物だと考えるのは、拙者が男性だからなのでしょうか。そうでもしない限り被支配者層の人々が支配者層に認めてもらう機会が無いせいかもしれません。男性諸氏が少女マンガに感情移入出来ない理由の一つにあげられないでしょうか
なにはともあれ、不器用な両思いな二人が、二人の気持ちを確かめ合って終わりではなく、シンデレラの後日譚みたいな一冊になっています。いろんな意味で良かった。
内容紹介:母との再会後、ハルヒに告白された環。想いを確かめ合った2人の初デートは…。そしてボストン留学を迷うハルヒに環は!?一方、ホスト部主催の仮面舞踏会で、ハルヒは秘密を打ち明ける!周囲の反感、そして衝撃の…!?感動&爆笑必死!!特別編も収録の最終巻。(カバー裏表紙より引用)
(LaLa掲載)
2011年4月5日火曜日
蒼き鋼のアルペジオ 3巻 読了
蒼き鋼のアルペジオ 3巻 読了
Ark Performance/著 少年画報社/刊 20110413初版571円 OURS Comics
拙者が出かけていった図書館で小学生の男の子二人がターミネーターを見ていました。エンディングを見終わってから、縦横30センチのジャケットをカウンターまでもって行き、ジャケットに貼られている写真の数々を見ることが出来なかったと説明していました。図書館の人も子どもの言っている事を理解出来ないのか、困ったような顔をしていました。なるほど子ども達は、レーザーディスクに裏表が存在することを知らなかった模様で、2面目から見始めたらしい。
そうか、レコードもカセットテープも見たことの無い子ども達は、レーザーディスクをひっくり返すという事を知らないのか!
SFで良く舞台設定になる先進的文明崩壊後の無法地帯は、戦争とか震災とかではなく、“社会システムの移行”によって生じることが理解できました。拙者は力説したい。今子ども達の事を考えるならば、ガス・水道・電気が無くとも炊事・洗濯が出来る、サバイバルでもなんでもない我々の祖父母が営んでいた“日常生活”を体得させておくべきです。山で泉を見つけたら、手ですくうのではなく、フキの葉でコップを作って飲む程度の“知恵”こそ次世代に残すべき知識です。ウランやプルトニウムの汚染させた国土を子孫に残すより、よほど百年後千年後の人々に感謝させることでしょう。生活の知恵こそ子々孫々に残すべき美田と云えましょう。
それにしても拙者の市の図書館は物持ちがよろしいですね。今もってレーザーディスクを使っているなんて。
さて「蒼き鋼のアルペジオ」。突如現れた第二次大戦時の軍艦の姿をしたオーバーテクノロジーの塊りの艦船、通称“霧”の艦隊により、人類は海上権益の全てを失った。十数年後、人類とコンタクトした“霧”の潜水艦イー401に乗り込んだ若者達が、“霧”の艦隊に戦いを挑む。
3巻にわたりる霧の艦隊との戦いを通し、背景設定である世界状況の紹介が済んだ模様。主人公と仲間達が挑むクエスト、太平洋横断と、立ち塞がるであろう敵は霧の艦隊ばかりではなく、他国そして自国の立場の異なる同胞達をにおわせつつ、新章へ。
ナノマシーンにより形態すら変化できるのにも関わらず、あえて第二次大戦時の艦船の姿をとっている理由(一番大きいのは著者が好きだからでしょうが)が解き明かされるには、何年後になるのでしょうかね?船や飛行機や戦車の一番の弱点とは人間を乗せていることです。逆説的に人間がいなくては戦争できないのですが、兵器としてのみ考えるならば、人のいない方が兵器としての弱点は少なくなります。主人公達が戦った戦艦「ハルナ」「キリシマ」の内部がどうなっているのか皆目見当もつきませんが、少なくともイー401は人間の為の居住スペースや移動スペースをナノマシーンで作り維持しなければなりません。もし同型同士の戦いになった場合、あまりにも大きいハンデとしか云いようがないのですが、そこはマンガ。船の胴体が割れて波動砲(みたいなもの)を発射する視覚的カッコよさはあるとしても、武器を使用するのにアレだけの変形をしたのでは、変形する場所の構造はどうなっているんだか。枝葉末節に拘ると碌な事はありませんが、事実とは真逆に、人が乗り込むことで強く成れてしまうドラマに“燃える”拙者なのでした。
内容紹介:故郷の横須賀に帰港した401を狙い、「霧」の戦艦・ハルナとキリシマが攻撃を仕掛けてきた。動けない401を守るため統制軍の新型潜水艦・白鯨が出撃するが、果たして霧に対抗できるのか!?横須賀海戦、最終決着!!(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングOURS掲載)
2011年4月4日月曜日
チアチア 読了
チアチア 読了
光永康則/著 白泉社/刊 20110305第1刷600円 JETS COMICS
自転車で十分、一番近所の映画館が地震の影響にかこつけて閉鎖中。周辺に映画館が乱立し、見るからに客足が遠のいていましたから、これを機に閉館してしまうのではないかと思います。経営的立場から見れば理解できるのですが、一利用者からすると残念。せめてプリキュアオールスターズ3を上映してから閉めて欲しかった。周辺映画館で上映していないんですもん。
さて「チアチア」。学園長の息子の地位を最大限に利用し女子高に通う唯一の男子学生“御前崎鴎二”は、次年度から男子学生の入学を獲得するため、生徒会長にして幼馴染の“辻堂いつき”とともにチアリーダー部を設立するはめに…。
「怪物王女」「シンバシノミコ」等、今や売れっ子になった著者光永康則が『ヤングアニマル増刊“あいらんど”』で連載し、脂がのって来ている著者光永康則の適度なH描写とコメディ感があいまって、続きを“おかわり”したくなるような全1巻。
知っているわけではありませんが、現実のチアリーダー部って結局“応援団”の女子部でしょ。汗と涙と努力の部活だそうですから、体育会系の体質そのものだと聞いております。男子学生が思い描く甘酸っぱい世界には限りなく遠く、汗臭い世界らしいですね。
それはそこ、男性の妄想を集めたような雑誌「あいらんど」掲載の作品ですから、前提が“ありえない”から始まらないとならないわけです。あくまで男性視点による“見る”“見せる”のフェチズムをテーマにしているのは、掲載雑誌の編集方針だと思われます。
(ヤングアニマル増刊“あいらんど”掲載)
2011年4月3日日曜日
魍魎の揺りかご 2巻 読了
魍魎の揺りかご 2巻 読了
三部けい/著 スクウェア・エニックス/刊 20110325初版533円 ヤングガンガンコミックス
「スタードライバー」最終話視聴。妻も子どもも顧みない実父の野望を打ち砕き、幼馴染の彼女の為に身を呈そうとしている友人を救い出し、恐らく主人公三人は三角関係のままそれぞれに伴侶を見つけてしまいそうな余韻を残しつつ、学園祭が終わったって感じですかね。壮大なストーリー展開な割にはあっけなかったような気がしました。主人公ロボットと戦った面々が、実は強大なラスボスを封印するための存在であった、と種明かしをした時「ラムネ&40」を思い出したのは拙者だけでしょうか。
さて「魍魎の揺りかご」。個人で動き回るには広く、世間からは隔絶された客船の中で、人を襲う奇病が発生し、生き残った人々の疑心暗鬼から生じる殺戮。たまたま居合わせた修学旅行中の子ども達のサバイバルが始まる。
絶望的状況の中での子ども達だけのサバイバルと云えば、拙者がこの世に顕現する以前に連載していた梅図かずお「漂流教室」があまりにも“傑作”として名高く、ついつい比してしまうのですが、沈没しかけている船の中で、主要キャラクター達が見ている描写のみに徹し、全体像を見せることの無い演出はダンジョン巡り的閉塞感を弥増します。どうやら生き残ったキャラクター達は今後も増加しそうであり、背景にある人間関係から「バトルロワイヤル」的状況も加味され、マンガでどこまでサスペンスが描けるのかも見所の一つかもしれません。
著者三部けいは逃げ場の無い閉鎖空間ネタが好きですね。初連載作となった原作付きの作品「ブラックロッド」も閉鎖都市でしたし、角川もスクウェア・エニックスで発表された作品も舞台が閉ざされています。
余談ながら『月刊シリウス』連載中の永瀬ようすけ/著「やみのさんしまい」でも漂流教室ネタが使われていました。拙者はゲラゲラ笑ってしまいましたが、シリウスの読者の果たして何人が元ネタがわかるか…。数年後数十年後もマンガに興味を持ち続け、古典を紐解いたときに自分の気が付いていない謎を解明する楽しさを感じて欲しいものです。拙者にとっては「マカロニほうれん荘」がそうでした。
ダンジョン巡りを実際に楽しみたい方へは、信州長野善光寺堂内くぐりをオススメします。閉所恐怖症や暗所恐怖症の気がある人にはオススメできません。あそこで殺人事件があったり脳溢血や心臓麻痺で倒れても判らんですね。
内容紹介:一番恐ろしいのは…「人間」。魍魎が巣食う“揺りかご”に生き場を求めた愚者達は、自らその手を血で染め始める。まるで、さらなる“絶望”を望むかのように──…。(アマゾンより引用)
(ヤングガンガン掲載)
2011年4月2日土曜日
聖なる花嫁の反乱 7巻 読了
聖なる花嫁の反乱 7巻 読了
~亡国の御使いたち~ 紫堂恭子/著 フレックスコミックス/刊 20110405初版571円 Flex Comix
TVアニメ「バクマン。」第一部終了。第一部の再放送後第二部開始。どうやらだいぶ好評みたいですね。「スーパーロボット大戦」終了。最終回はロボット大戦と云うより武侠モノを見ている感じがしました。でもGガンダムを超えるには至らなかった模様。デビルガンダムも出ていたのに。「ドラゴンクライシス」が日本テレビで放送開始。UHF関東ローカル局の放送終了直後に全国キー局が放送を開始するとは!いったい何があったのでしょうか?
さて「聖なる花嫁の反乱」。死地を脱する事に成功した、聖なる花嫁ことエリセは、宿命の仲間達に囲まれ一時の平和に寛いでいた。一方エリセを助けるため里を追われたリオンは、サド女王に囲われていたぶられていた所をヴァンに助けられ、身を隠す為にも聖なる花嫁に成りすますが…。
恋する二人が別れ別れとなり、それぞれが様々な経験をした後、全てが一つへと纏まって大団円となるのは分っていますが、だからこそ、作者の技量が試されると云う事もあります。次巻が楽しみ。
内容紹介:「九番目の花嫁」の謎解きが加速する、第7巻の登場です!
「七頭の大蛇隊」と行動を共にすることになったエリセ。気がつけば、彼女の周りには神聖文字を印された人が5人も集まっていた。聖殿長から明かされる、神聖文字の持つ意味とは――!?
一方、リオンとヴァンは、緋の貴婦人の執拗な追跡をまくために、偽の「花嫁」と「執行官」として、貴族の屋敷に入り込む。しかし、その屋敷には、有名な女たらしで疑い深いアーロンがいた。「花嫁」リオンが、男に口説かれる!?(アマゾンより引用)
(FlexComixフレア掲載)
2011年4月1日金曜日
SHADOW SKILL 7巻 読了
SHADOW SKILL 7巻 読了
岡田芽武/著 講談社/刊 20110323第1刷1057円 アフタヌーンKCデラックス
TVアニメ「フラクタル」終了。二人の女の子を好きになって修羅場になるのかと思いきや、二人の女の子が一人に合体する、なんとも男にとって都合の良いラストになりました。えっ!?違うの?単なるボーイ・ミーツ・ガールの物語でした。「放浪息子」終了。思春期の男の子女の子の日常の物語を丹念に描き出した佳作。キャラクターの出てこない“舞台背景”のイラストのみのオープニングが歌を伴って印象的でしたが、手法自体はお金の無い美少女パソコンゲームで多用された技法です。生身の実写映像では描けないであろう設定を、アニメだからこそ巧に演出していたと思います。エンディングの歌をCDで買うかどうか思案中。主人公の楽しそうな表情と曲のハーモニーが絶妙でした。「IS」終了。女の子に囲まれたハーレム主人公が、彼女たちの助力と本人の才能の覚醒により、強大な敵をやっつけて、一皮剥けたかと思いきや、いつものドタバタで定番→鉄板なオチ。いやいや、視聴者が常に同じとは限りません。新に参加してきた人々へ再生産をするアニメもまた必要でしょう。
さて「シャドウスキル」。もう闘えない体なのに!とか云われながら闘い、絶体絶命の淵で逆転勝利を掴むのは男の“夢”です。何故ならば、現実には“ありえない”から。せめてフィクションの中でしか楽しめないからこそ、“物語”に価値が生じるわけでしょう。プロレスも以下同文。
謎の敵首領が実父、最強の敵が実姉、主人公の進むべき道を“漢”の手本を示し影ながら見守る伝説の強者が名を伏せた実兄。いやはや傭兵王国とか影技とか武器言語とかガジェットがカッコイイからどんなオリジナルストーリーが展開するのかと期待に胸膨らませて、今は休刊してしまった竹書房の「コミック ガンマ」の時から読み続けてきましたが、昭和の、いや大正の、いやいや明治の昔から延々と洋の東西を問わず語り継がれている物語の骨子そのものではありませんか。例えば「修羅の門」でもラスボスは実父だったし…続編を購入するかは未定。立ち読みできればいいかなぁ。
でも語り継がれてきたからこその最強。語り継がれることこそが最強の称号。もはや神話世界の闘いとも云えるでしょう。
内容説明:闘士としての実力と、魔導士の能力をあわせ持つカイ・シンク。肉体のダメージを瞬時に再生する、限りなく「神」に近い存在にガウが挑む! 勝利すれば第六十代修練闘士叙勲の栄誉、敗北すれば確実な死が待っている。今まで幾多の強敵と闘ってきたガウだが、それはあくまで「人」相手のことだった。この絶望的な状況を突破する術はあるのか!?
著者について 岡田芽武:主に青年誌で活躍。代表作に『朧』『ニライカナイ』『SHADOW SKILL』『聖闘士星矢 エピソードG』(秋田書店 チャンピオンRED掲載)『萌えの大地』(秋田書店 チャンピオンRED いちご掲載)などがある。(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)
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