2011年4月7日木曜日
サンクチュアリ‐THE幕末狼異聞‐ 2巻 読了
サンクチュアリ‐THE幕末狼異聞‐ 2巻完結 読了
野口賢/漫画 冲方丁/原作 20110409第1刷619円 ジャンプ・コミックス デラックス
新番組TVアニメ「僕たちに翼はない」視聴。前情報無しで拝見しました。第一話だからこその変則なのか、力の入った演出だったのか、第2話以降を見て観なければわかりませんが、一話のみに関して云えば、見る側も見せる側もセンスが必要だったのだろうと思われます。
さて「サンクチュアリ」。残念ながら打ち切り!単行本収録により描き下ろしの結末話が付加されていますが、それでも物語が尻切れトンボどころか、起承転結の“起”で終了してしまったのではなかろうかと思わせるほどです。なぜ起かと云うと、カバー裏表紙に描かれている八卦にも有るとおり、八つの衆が幕末の歴史に合わせ、江戸幕府側と朝廷側に分かれて人知の超えた超忍術合戦を繰り広げるストーリーだと考えられます。なのに全部の衆が登場する前に、文字通りこれからが戦だ“推して進めェッ!”で終了とは!?とてもジャンプらしいとも云えます。
今を文学賞をとりベストセラーも出しアニメ原作のマルチ展開もファフナーやシュピゲール・シリーズと三面六臂の大活躍中の冲方丁が原作を、そして小説原作の作品を数々手がけ元々少年ジャンプで剣戟マンガでデビューした野口賢の二人が「新撰組」を題材にしたマンガを描くなら、面白くないわけが無いぢゃありませんか、と思うんですけどねぇ。「新撰組」があまりにも手垢が付きすぎていたのでしょうか。マンガに小説にゲームにアニメと、現在進行形で様々な「新撰組」が描かれていますから。
史実の新撰組の死線を越えた生き様と、登場キャラクターのバリエーションが、史実とは思えないほど物語に合致しやすくて驚くばかりです。でも主要キャラクターの性格設定がどうしても司馬遼太郎を則としてしまうのは、如何に司馬遼太郎の筆が優れていたのかを語っているのでしょう。拙者的には「マカロニほうれん荘」がマンガにおける新撰組モノの筆頭になります。余談ですが、先日らしんばんに寄ったとき、専門学生っぽい青年二人が模造刀を買をうとしている場面に出くわしました。「こちらが土方歳三の刀になります。こちらは加藤清正です。」「カトウキヨマサー知らねぇ。ヒジカタって銀魂のヒジカタか、知ってる知ってる、へーこんな字をなのか」と店内中に響きわたる声でハシャギながら品定めをしておりました。土方歳三も加藤清正も知らぬヤツが刀を買おうなぞ100年早いわ!と云いたい所ですが、恐らく店員達や居合わせた客達も腹の中ではそう思っていたと思われますが、そういった客だからこそらしんばんで刀を漁っていたのでしょう。何に使おうとしているのかは分りませんでしたが、薀蓄を語るような客に比べて“上客”ですな。彼がこれをきっかけに勉強をしていって欲しいものです。人間一生勉強だ。
内容紹介:会津藩藩主・松平容保より、逆賊たちへの粛清を命ぜられた新撰組。“天王山が燃ゆるとき”倒幕派の異形集団・八瀬童子衆との聖域を懸けての闘いが始まった――――!!(カバー裏表紙より引用)
(Ohスーパージャンプ掲載)
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