2011年4月5日火曜日
蒼き鋼のアルペジオ 3巻 読了
蒼き鋼のアルペジオ 3巻 読了
Ark Performance/著 少年画報社/刊 20110413初版571円 OURS Comics
拙者が出かけていった図書館で小学生の男の子二人がターミネーターを見ていました。エンディングを見終わってから、縦横30センチのジャケットをカウンターまでもって行き、ジャケットに貼られている写真の数々を見ることが出来なかったと説明していました。図書館の人も子どもの言っている事を理解出来ないのか、困ったような顔をしていました。なるほど子ども達は、レーザーディスクに裏表が存在することを知らなかった模様で、2面目から見始めたらしい。
そうか、レコードもカセットテープも見たことの無い子ども達は、レーザーディスクをひっくり返すという事を知らないのか!
SFで良く舞台設定になる先進的文明崩壊後の無法地帯は、戦争とか震災とかではなく、“社会システムの移行”によって生じることが理解できました。拙者は力説したい。今子ども達の事を考えるならば、ガス・水道・電気が無くとも炊事・洗濯が出来る、サバイバルでもなんでもない我々の祖父母が営んでいた“日常生活”を体得させておくべきです。山で泉を見つけたら、手ですくうのではなく、フキの葉でコップを作って飲む程度の“知恵”こそ次世代に残すべき知識です。ウランやプルトニウムの汚染させた国土を子孫に残すより、よほど百年後千年後の人々に感謝させることでしょう。生活の知恵こそ子々孫々に残すべき美田と云えましょう。
それにしても拙者の市の図書館は物持ちがよろしいですね。今もってレーザーディスクを使っているなんて。
さて「蒼き鋼のアルペジオ」。突如現れた第二次大戦時の軍艦の姿をしたオーバーテクノロジーの塊りの艦船、通称“霧”の艦隊により、人類は海上権益の全てを失った。十数年後、人類とコンタクトした“霧”の潜水艦イー401に乗り込んだ若者達が、“霧”の艦隊に戦いを挑む。
3巻にわたりる霧の艦隊との戦いを通し、背景設定である世界状況の紹介が済んだ模様。主人公と仲間達が挑むクエスト、太平洋横断と、立ち塞がるであろう敵は霧の艦隊ばかりではなく、他国そして自国の立場の異なる同胞達をにおわせつつ、新章へ。
ナノマシーンにより形態すら変化できるのにも関わらず、あえて第二次大戦時の艦船の姿をとっている理由(一番大きいのは著者が好きだからでしょうが)が解き明かされるには、何年後になるのでしょうかね?船や飛行機や戦車の一番の弱点とは人間を乗せていることです。逆説的に人間がいなくては戦争できないのですが、兵器としてのみ考えるならば、人のいない方が兵器としての弱点は少なくなります。主人公達が戦った戦艦「ハルナ」「キリシマ」の内部がどうなっているのか皆目見当もつきませんが、少なくともイー401は人間の為の居住スペースや移動スペースをナノマシーンで作り維持しなければなりません。もし同型同士の戦いになった場合、あまりにも大きいハンデとしか云いようがないのですが、そこはマンガ。船の胴体が割れて波動砲(みたいなもの)を発射する視覚的カッコよさはあるとしても、武器を使用するのにアレだけの変形をしたのでは、変形する場所の構造はどうなっているんだか。枝葉末節に拘ると碌な事はありませんが、事実とは真逆に、人が乗り込むことで強く成れてしまうドラマに“燃える”拙者なのでした。
内容紹介:故郷の横須賀に帰港した401を狙い、「霧」の戦艦・ハルナとキリシマが攻撃を仕掛けてきた。動けない401を守るため統制軍の新型潜水艦・白鯨が出撃するが、果たして霧に対抗できるのか!?横須賀海戦、最終決着!!(カバー裏表紙より引用)
(ヤングキングOURS掲載)
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