まんがサイエンス 12巻 読了
あさりよしとお/著 学研/刊 20100930第1刷781円 ノーラコミックスDELUXE
学研と云えば、かつて月一で小学校にやってきた販売していた「学習」と「科学」が有名で、さらには図鑑なども有名でした。今も有名ですが。それら子ども向けのタメに成る本の一ジャンルを築き上げたのが「まんがひみつシリーズ」でした。拙者も学研の図鑑とまんがひみつシリーズには大変世話になりました。その知識が役立ったのは就職してからですが。
最近公立図書館等に市販されていない学研のまんがシリーズを見かけます。「学研まんがでよくわかるシリーズ」で、ウィキによると「協賛企業からの取材協力・資金提供を受けて制作」され全国の小学校・図書館に無償配布されているそうです。例えば「ハンバーガーのひみつ」であればマクドナルド、「宅配便のひみつ」なら佐川急便、「コンビニのひみつ」ならローソン、「コーヒーのひみつ」ならドトール、「百貨店のひみつ」なら三越、「牛丼のひみつ」ならばすき家です。他には「電池のひみつ」だと三洋。でも松下に吸収されて消滅だなんて、なんだか最後に一花咲かせたような感じがします。「軟こうのひみつ」は大塚製薬、中を見ていませんがやっぱりオロナインなんでしょうね。「自転車駐車場のひみつ」が(財)自転車駐車場整備センター。自転車駐車場にひみつなんてあるのか!自転車駐車場整備センターって何者なのか?それこそ「まんがサイエンス」の著者あさりよしとおに描いてもらいたいくらいです。企業の宣伝であり、資本主義は子どもから洗脳しようとしているのか、って一昔前なら云う所ですが、考えてみればこれは凄い。なにが凄いって、単なる企業PRとしてマンガを利用するのは良くある話です。でも如何せん広告としてのマンガではマンガ家の力量が不足していたり、筋立てが妙に広告くさくて読者の興味を惹けなかったりすることが大半です。出したというだけで、費用対効果の面で効率が悪いと云えます。その点学研ならば子どもが興味を持てるようにし、しかも学習マンガの体で描きそこそこ読ませるストーリーを組み立てるノウハウは傑出しています。今までの蓄積により学習マンガを描けるマンガ家達のコネクションもあり、作品数が増えることによりマンガ家達も潤います。日本のマンガの主戦場は週刊月刊連載であり、企画モノに関しては実力は有るけど売れないか、連載で活躍できる実力が無いけど、このような言葉は悪いですが現在二軍と見なされている選手がメインになります。その二軍の中でも実力のある人々にコネがあるのが学研だと云う事です。爆発的人気を得る事はまずありえませんが、細く長く読み継がれ、かつ子ども達が大きくなった時にの為の布石と思えば、学研と組んで企業がPRできると云うのは素晴らしく効率が高い広告ではないかと思います。
さてそんな中で、まんがひみつシリーズではありませんが、学研の看板誌の一つである「5年の科学」「6年の科学」に連載し、「月刊アフタヌーン」「月刊リュウ」等の第一線でヒットを飛ばしている連載マンガ家“あさりよしとお”が描く「まんがサイエンス・シリーズ」の最新刊は、いままで単行本化されていない1997年ごろから2006年ごろまでの幅広い作品を収録。小学生にもわかるように、最早ブラックボックスと化しつつある日常の科学を解説しています。
できることなら小学校の図書室や公立図書館に所蔵してもらっても良い作品だと思います。
内容紹介:花粉症・ガラスは固体なのか液体なのか・雨はどうして降るのか・外来生物・殺虫剤・痛みのひみつ・効き目のない薬・電子レンジ・電球と蛍光灯・鉄筋とコンクリート・電磁調理器・鉄のひみつなど、身近な不思議を科学で解明します。
著者について:宇宙開発やロボット開発、光学機器や音響機器、その他様々なジャンルの科学に深い知識を持ち、科学まんがやSFまんがを得意とします。他の代表作は「宇宙家族カールビンソン」「なつのロケット」「HAL」など。(アマゾンより引用)
(「5年の科学」「6年の科学」掲載)
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