木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年10月19日火曜日

海皇紀 45巻完結 読了

海皇紀 45巻完結 読了
川原正敏/著 講談社/刊 20100917第1刷429円 講談社コミックス

 アニメ「テガミバチⅡ」を見ていて「銀河鉄道999」を思い出すのは何故か!?なんとなくわかってきました。主人公達手紙配達人の制服が厚地の布っぽくイロが明るい紺色で、背景が常に星空だからでしょう。

 さて「海皇紀」終了。
 連載時よりも、色々な場面でページが増えてますよね?
 伝説の影船を操るファン・ビゼン・ガンマとその一党。さらにはファン達が属する海洋部族、大陸を制覇しようとするカザル率いる遊牧の民と侵食される帝国。敵味方入り混じって魅力溢れ才能のある将達による攻防戦、海をそして陸を縦横に争覇していく英雄譚。大河ドラマと呼ぶに相応しいスケールと、なんと云っても作者自身の体に染み付く操帆技術を基とした帆船大海戦は、世界最大の“MANGA”供給国であっても名実を兼ね備えたマンガ家は今著者川原正敏をおいて他に無しと云い切って過言はありますまい。例えば司馬遼太郎は日本陸軍戦車隊出身でしたが、日本海海戦を書けてもノモンハン以降の戦車を作品に書いた事はありませんでした。結局書けなかったんでしょう。なまじ知っているだけに“物語”としてフィクション化することが出来なかったのではないでしょうか。著者川原正敏も史実としての歴史的帆船海戦を描いているのではなく、SFに仕立てた世界観の中に囲い込んでいます。技術とは過去からの蓄積の結晶であり、一度途絶えると再現するのが極端に難しくなります。同じ技術に行き着くには、同じ時間と環境が必要になります。操船と云う“技術”、格闘技と云う“技術”を学んだ結果、現代を含め史実とは別に現在の帆船技術を物語の中で生かす為に未来が舞台だったと推測します。船を作る技術、操船する技術、航海する技術こそが“カガク”という名の合理的理論体系なのですが、まあ物語上の“カガク”は人には過ぎたる力の事なのでしょう。
 物語の結末は主人公が去るか、死ぬかの二択しか無いと個人的に考えています。昔話のように結婚したり金持ちになったりして目出度し目出度しだと、ついつい“その後”を考えてしまいます。だって「修羅の門」がそうじゃありませんか。単に作者の中で第一部完だったのかも知れませんが。そう云った意味でもファンと仲間達の一代記を描ききった力作だったと思います。

 内容説明:陸に領土を持たぬ海の一族、その守護神“影船”を操る謎の男ファン・ガンマ・ビゼンの正体とは!? 大地と海の覇を争う壮大なる冒険浪漫!!凶悪な力を発揮する森守と戦い続けるトゥバン魔人の王・ライに押さえつけられるファン劣勢の中、逆襲の一手はあるのか!? 驚嘆のラストエピソード95ページを収録したコミックス完結巻!!(アマゾンより引用)
(月刊少年マガジン掲載)


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