GANTZ 30巻 読了
奥浩哉/著 集英社/刊 20110124第1刷619円 ヤングジャンプ・コミックス
近所のサティへいつもの通り晩飯を買いに寄ったらば、男の子の幼児がお母さんに対してダダをこねているのに遭遇しました。
「おかしをかうんです!」
「おかしは関係あらヘン!!」
叱っている場面と云うか、日本では大声を出す場面において感情の伝播と云うか、場の空気が重くなると云いましょうか、固くなるとか尖るとも云います。これが関西地方の方言で気風良くお母さんが「あらヘン」と叫んでも、何故か場の空気が尖るようなことはありませんでした。古くから人が密集して生きてきた関西地方におけるコミュニケーシュンの粋を見たような気に成りました。それにしても少年は何故ですます調で断言したのでしょうかね?関西系では、ですます調と云うのはある種の強調を示すのでしょうか。それとも少年が関東風の言葉に馴れてしまったせいなのでしょうか。
さて「GANTZ」。映画化されたせいなのか、人気が不動になったせいなのか、大いなる遊び心の発露なのか、著者の心境が如何に変化したか伺い様もありませんが、作中のサブキャラクター達の顔が有名な俳優達に酷似するようになりました。もしくは著者の願望なのでしょうかね?
冒頭敵異星人により被服を溶かされてしまいますが、例えば羊毛とか絹といった生物由来の繊維も溶かされてしまうのでようかね?人間の髪の毛とかは溶かされていないのだから、似たような成分の素材は残るような気もするのですが。まあ、細かい突っ込みは置いといて、著者の意図する所は例えるならアウシュビッツのような収容所における効率的な屠殺シーンの描写であったことは想像するに難くありません。それにしても異星人ながら様々な人種が混在する洗練された都市文明世界は、欧米を喚起させます。地球中に降り立ったであろう異星人達の中でも欧米をイメージさせる世界に、物理的に矮小な日本人達が囚われ素っ裸で逃げ惑うシーンの連続には、著者の意図する所が那辺あるのか気になります。
玄野と多恵のこれでもかと云う擦れ違いの演出の行方は!?そして、もう一人の“玄野”の動向は!?地球はどうなってしまうのか?映画も楽しみですが、マンガも期待が大いに膨れ上がります。
「GANTZ/OSAKA」を買うつもりはなかったのですが、「大阪チーム視点の描き下ろしコミック収録!」なんて宣伝されていると、入手したくなってしまいました。巧いアオリ文句だ。
内容紹介:人類を急襲し、瞬く間にアメリカを無力化、地上を蹂躙し続ける謎の巨大飛行物体とその主達。大都市を完全に破壊した後、残された人々への個別攻撃を開始した異文明の脅威に成す術も無く屍の山が築かれていく。そんな中、連れ去られた多恵を追って、巨大飛行物体内部に侵入した玄野は、ただ一人で反撃を開始する。多恵に襲い来る過酷な運命に抗えるのか…!?
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