木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2010年8月5日木曜日

中国が憧れた理想の国日本 読了

中国が憧れた理想の国日本 読了
~学校では教えない本当の歴史~ 拳骨拓史/著 草思社/刊 20081201第1刷1500円

 小林製薬から発売されている「熱さまひんやりジェルマット」なるものを購入しました。3988円。意外と高い。筆者宅はエアコンはあれども使用せず、換気扇と扇風機で夏の暑さを乗り切ってきました。歳のせいか、今年が異様に暑いのか、負担がのしかかってきたところでこのようなものを発見し、小生のために開発されたのではなかろうか、と思い入手した次第。
 寝始めはヒンヤリしているような気がします。筋肉や内臓が冷えてると困るなぁ、と思いつつも安眠できました。閑話休題。

 「中国が憧れた理想の国日本~学校では教えない本当の歴史~」を読み終えました。
 主に“シナ”から日本をみた文献資料を中心に紹介されています。孔子の時代から日中戦争に至るまでの時間ですから、どうしても記録の切り張りになってしまい、それぞれのエピソードを深く描いていないのが残念。コンセプトとしては“通史”を描こうとしたのだと思います。屁理屈かもしれませんが、我々が「中国」と呼んでいる国は四千年に渡って様々な民族、様々な国が入れ替わり立ち代り興亡を繰り返して来ました。日本の様に少なくとも千数百年天皇と云う肩書きと血筋はどうあれ、代々世襲されてきた国とは異なります。ですから現在“シナ”に存在している「中華人民共和国」はアメリカ合衆国の半分にも満たない歴史しかありません。ましてや国家の中心的存在は国が変るたびに民族が代わります。「清」を簒奪した「中華民国」は女真族を“シナ”の中原より追いやり、女真族発生の地である満州で「民族独立」を果たした満州帝国すら侵略しています。何が云いたいのかといえば、我々が「中国」と称する「中華人民共和国」は第二次世界大戦以前には存在していないということです。
 その上で“シナ”と日本の関係の通史を描こうとするならば、かなり詳細な民族的民俗風俗歴史の時代背景を説明した後に、紹介すべき人物の考え方や発言を吟味する必要があるのかな、と思います。
 それでも多くの興味あるエピソードが書かれているのには間違いなく、私的には日中戦争時に南京国民政府を率いた汪兆銘とその一党については初めて知りました。南京大虐殺と共に語られることの多い南京国民政府ですが、汪兆銘が何故日本に協力したのか、そしてどういう結末をむかえたのか、大日本帝国の正統な後継国である日本国国民は知る必要があります。汪兆銘自身が例えるなら新田義貞のように所謂“負け組”であるが故に、だからこそ後世が光を当てるべきでしょう。

出版社/著者からの内容紹介
◎日本には、これほど魅力的な歴史があったのか!
 日中関係を歴史的に見た際、「中国は文化の父、朝鮮は兄、日本は弟」であり、「東夷」である小国日本は一貫して中国に教えを請うてきたといった構図で語られることがよくある。
 だが漢学・東洋思想を専門とする本書の著者は、そうした「矮小な日本」のイメージはじつは後からつくられたものだと説き、古来、日本は中国と対等に渡り合い、中国はむしろ日本に畏れ・憧れを抱き続けてきたということを、日中相互の史料を参照しながら明らかにしている。
 たとえばすでに『論語』でも孔子が日本に憧れを抱いていたことを思わせる記述があり、紀元二世紀成立の『淮南子』、五世紀成立の『後漢書』などでも同様に「東方」への畏敬の念が語られている。また、聖徳太子の仏教解説書がいかに驚きをもって迎えられたか、日本の遣唐使がいかに中国で尊敬を集めたか、あるいは副島種臣や大久保利通など明治時代の外務卿・外務大臣がいかなる名誉と信頼を勝ち得たかなど、知られざる歴史の実相が紐解かれる。
 歴史認識の論議がかまびすしいいま、史料に基づいた冷静な議論を深めるためにも、ぜひ読んでほしい一冊だ。 
【本書より】
○秦の始皇帝の時代、日本は「不死の民」の住む神の国と考えられていた。
○日本は一貫して「対等外交」を望む姿勢を崩さなかったため、中華思想の中国はなかなか日本と国交が持てなかった。
○宋の太宗は、日本の天皇の系譜こそが理想と考えていた。
○宋の時代、日本の木材、扇子、書画、日本刀、紙などが羨望の眼差しで見られていた。
○無謀な戦いだったと言われる秀吉の「朝鮮出兵」は、『明史』(中国の正史)では「中国が勝てる見込みはなかった」と書かれている。
○乃木希典は日露戦争の舞台となった中国・奉天(瀋陽)で尊敬され、戦死した乃木軍将兵のために中国人たちが慰霊碑を建立している。
【その他もくじより】
◎中国仏教を超える国 ◎絶賛された日本文化の数々 ◎黄金の国、真珠の国、だれにも従わない国 ◎大国に動じない遣唐使たち ◎日本に臣従した中国 ◎聖徳太子流外交術とは? ◎東方にある神の国 ◎不死の民が住んでいる国 ◎壮絶な戦いが展開された元寇の真相 ◎国を売った足利義満 ◎日本に頼りはじめた中国 ◎福沢諭吉の悲壮な「覚悟」 ◎孔子の憧れた理想の国 ◎馬賊を率いた日本人 ◎愛憎入り交じる日清戦争 ◎なぜ日本は出兵したのか ◎対支二十一カ条要求の複雑な背景 ◎日本の敗戦とともに自決した中国人 ◎吉田松陰の戦略的思考 ◎道理を貫いた大久保外交......など
内容(「BOOK」データベースより)
これまで信じられてきた「中国は文化の父、朝鮮は兄、日本は弟」という歴史は印象操作にすぎなかった!膨大な史料を渉猟し、古来、中国が日本に畏敬を抱き続けてきた歴史の真実を明らかにする。(アマゾンより引用)


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