ロリコンサーガ 読了
和六里ハル/著 双葉社/刊 20100712第1刷600円 ACTION COMICS
“ロリコン”と云えばロリータコンプレックスと今や市民権を得たがごとくの言葉になりましたが、由来はナボコフの小説「ロリータ」そして同名の映画も有名です。小説を読もうと思いつつ早何十年。映画も見ようとTV放送をVHSで録画したまま一度も見ずもう何十年。
この“ロリコン”なる言葉を流行らせた(?)のは、今や日本のアニメーションの第一人者となった宮崎駿の記念すべき第一作監督劇場アニメーション「ルパン三世カリオストロの城」。カリオストロ伯爵が16歳になったばかりの大公息女クラリスと政略結婚をしようとしている式場に乗り込んでいったルパンが放った軽口「妬かない妬かないロリコン伯爵…」のセリフにより一躍今で云う“オタク”系(当時「オタク」という言葉は無かった)マイナー雑誌等に取り上げられ、広がっていきました。でも「おじさま」とクラリスに慕われたルパンも青年とは云いがたく(年齢不詳なれど)、どっちが“ロリコン”だ!って突っ込みもよくされれていました。設定書を読むとカリオストロ伯爵は悪役顔ながら、そんなに老けていたわけでもなく、実はカリオストロ公国では善政を敷き国民には慕われていたというのもありました。偽札への厳しい注文や暗躍する“影”や“衛兵”達の忠誠の高さが映画の中で演出されています。少々私生活でだらしない面があり、特に女性関係では浮名を流していたいたために、対外的には好まれていなかったとか。でも国をあげて偽札を作り裏経済に流していたのを考えれば、浮名もまたポーズの一つだったのでは?とも考えられます。
私もTV放送で初めてカリオストロの城を見たときに“ロリコン伯爵”って何だろう、と思いました(TV初放送の時私の所は大雪の為停電し見られず、練炭炬燵の中で悔しさを噛締めていました)。数年後当時ロリコン雑誌としては唯一であったろう雑誌『レモンピープル』を友人に見せられ、こんなものがこの世にあったのか!と開眼してしまったのが運の尽き。嗚呼、あそこで人生を間違った。四畳半神話体系のごとくリセットできたら、まだもう少しマシな人生を送れたかもしれない。閑話休題。
「ロリコンサーガ」の話。サーガというよりクエストみたいなストーリーです。600年前の鬼の呪いで幼女姿のまま外見上は成長しない人々が住む童子切町。町を守る童子守の一人りんごちゃんはドジッ娘でしたが、町の宗家の少女源乃々魅を守るため、悪いロリコンや呪いをかけた鬼と戦うのでした。
まあ、初めにタイトルありきでしょうね。初めから全一巻の予定だったのか、それにしてはストーリーがこなれていないような気もします。一応まとまっていますが。もしかしてリメイクすると面白い作品になるかもしれません。
著者和六里ハルは近藤るるるのアシスタントだったのでしょう、師匠そっくりな絵を描いていましたが、最近オリジナリティが出てきました。残念な方向に。精進を期待してます。
内容紹介:悪いロリコン「鬼」がロリータだけの町を襲撃!!追いも若きも見た目がすべてロリータの女しかいない呪われた町、童子切町。町長の娘・乃々魅が戻ってきたことを契機に、良いロリコンばかりだった町の男たちが悪いロリコンに変貌して、悪さをするようになった。悪いロリコンからロリータたちを守る役目の童子守の小室りんごは、劣等性のダメロリだけどレベルアップしながら町と乃々魅を守っていくのだ!!(帯より引用)
とある雑誌の今月号のコピー
返信削除「この娘の母親が本当に好きだった。それを今、思い出した」
「今日の早川さん」によるとSF者の平均年齢層は毎年1歳ずつ上がっているそうである。
このジャンルもそうなのかなぁ・・・と嘆息。
茜新社の雑誌ですね。
返信削除海外翻訳モノの売れ行きが急激に落ち込んでいるそうです。そして業界関係者は結果は解っても原因が解らず手を打てないとか。日本で売れた海外の作家すらが不思議に思う減少らしいです。私の根拠の無いカンですが、ライトノベルに若年層読者が流れすぎているのではないでしょうか。