Fukushima 50 観了
再現ドラマ程度のものかと思いつつ、福島県に縁のある者としては見ておくべきだろうと考えて見る。
渡辺謙が出ているし、ドキュメント映画的ジャンルではあるが、どの場面で巨大生物が出てくるのではないかと思えるほどの見事なパニック映画であった。
現場現場と煩く怒鳴りあうシーンばかりだが、震災と被爆の渦中にいた友人が見たら憤死しそうな内容だ。人々が右往左往して、己の無力に打ちひしがれているだけである。よくぞ映画の脚本として纏め上げたものだ。
ラストシーンは原発事故後のエピローグになっているのだが、穿った見方をして、吉田昌郎役と伊崎利夫役なのではあるが、渡辺謙と佐藤浩市のホモ映画に見えてしまった。死を覚悟しての最後の手紙には愛を激白しているのではないかと勘ぐってしまいたい文章が綴られており、泣けるシーンのはずなのに、一人拙者だけが笑いを堪えていた。
それと福島民友ね。ダンカンの役。何故福島民報じゃないのか、と思っていたらエンディングに読売共に民友の名が刻まれていた。大抵の場合各県に一つの地方新聞がある。語弊があるな。有力な地方新聞は大抵一つの県に一紙の事が多い。福島県では勢力的に弱い福島民友と、地方財閥系列の福島民報が並んで売られているのだ。この二紙も語ると面白いのだが、福島県民だと何故と思えるだろう。
福島県内にいると今だ天気予報の時間帯には放射能値が発表されているし、除染された土がビニールに包まれて山中のそこかしこに埋められているので、まだまだ原子力災害が続いていることを実感せざるをえないが、福島県から出てしまうと既に福島第一原発が過去の話になっているような感じがする。
メルトダウンした炉心は未だに手付かずのまま放置だし、冷却した水を保存するくらいしか作業そのものはやっていないだろう。無論炉心解体の研究はしているのだろうが、あくまで研究だけで実現できるのは今のままの技術体系では100年経っても無理なのではなかろうか。
郡山駐屯地の第6特科がかっこよく描かれていた。陸自の消防車が初期から活動していたのは知らなかった。でもエンディングテロップには海上自衛隊の名しか見えなかったが、見逃したかな?
三春市に原発事故の事も学べる施設コミュタン福島が震災後造られた。以前訪ねた際には、放射能を無闇に恐れるのではなく、正しい知識で恐れて欲しいと解説していたが、放射能を恐れなくても良い社会をつくりたいものである。
(以下YAHOO!より引用)
キャスト
佐藤浩市 :伊崎利夫
渡辺謙 :吉田昌郎
吉岡秀隆 :前田拓実
緒形直人 :野尻庄一
火野正平 :大森久夫
平田満 :平山茂
萩原聖人 :井川和夫
堀部圭亮 :加納勝次
小倉久寛 :矢野浩太
和田正人 :本田彬
石井正則 :工藤康明
三浦誠己 :内藤慎二
堀井新太 :西川正輝
金井勇太 :宮本浩二
増田修一朗:小宮弘之
須田邦裕 :山岸純
皆川猿時 :樋口伸行
前川泰之 :辺見秀雄
ダニエル・カール:ジョニー
小野了 :佐々木明
金山一彦 :五十嵐則一
天野義久 :望月学
金田明夫 :内閣官房長官
小市慢太郎:原子力安全委員会委員長
伊藤正之 :首相補佐官
阿南健治 :経済産業大臣
矢島健一 :原子力安全・保安院院長
中村ゆり :前田かな
田口トモロヲ:福原和彦
篠井英介 :小野寺秀樹
ダンカン :福島民友新聞記者
泉谷しげる:松永
津嘉山正種:伊崎敬造
段田安則 :竹丸吾郎
吉岡里帆 :伊崎遥香
斎藤工 :滝沢大
富田靖子 :伊崎智子
佐野史郎 :内閣総理大臣
安田成美 :浅野真里
スタッフ
若松節朗 :監督
門田隆将 :原作
前川洋一 :脚本
岩代太郎 :音楽
解説:多くの関係者への取材を基に書かれた門田隆将のノンフィクション「死の淵を見た男 吉田昌郎と福島第一原発」を実写映画化。世界を震撼(しんかん)させた東日本大震災による福島第一原子力発電所事故発生以降も現場に残り、日本の危機を救おうとした作業員たちを描く。『64-ロクヨン-』シリーズなどの佐藤浩市、『明日の記憶』などの渡辺謙らが出演。『沈まぬ太陽』などの若松節朗がメガホンを取り、ドラマシリーズ「沈まぬ太陽」などの前川洋一が脚本を務めた。
あらすじ:2011年3月11日午後2時46分、マグニチュード9.0の地震が発生し、それに伴う巨大な津波が福島第一原子力発電所を襲う。全ての電源が喪失して原子炉の冷却ができなくなりメルトダウン(炉心溶融)の危機が迫る中、現場の指揮を執る所長の吉田昌郎(渡辺謙)をはじめ発電所内にとどまった約50名の作業員たちは、家族や故郷を守るため未曽有の大事故に立ち向かう。
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