騒がしい死者の街 読了
~優しい煉獄2~ 森岡浩之/著 徳間書店/刊 20080229初刷819円 TOKUMA NOVELS Edge
このブログのタイトルは「がちょーん」です。直接は高橋留美子の「うる星やつら」からきています。私が高校時代「東北地区ラムさん親衛隊」と云うサークルを立ち上げ、会誌を作ろう誌名募集と云ったら、「ガチョーン」はどうだろうか作中でも使われているし、と云われたので「ガチョーン」に決定しました。以来幾年月ほとんど個人活動的存在になってしまいましたが「がちょーん」を名乗り続けています。「ガチョーン」と思いついたヤツもコミケに同人誌を搬入している印刷所の社長をやっているらしいし、人生は不思議なものですなぁ。
我々の基となった「うる星やつら」ですが、やはり原点は谷啓氏の「ガチョーン」であることは明白でしょう。その谷啓氏も鬼籍に入ってしまわれました。黙祷。
さて、現実世界で肉体は滅んでしまったが、コンピュータに創られた擬似空間の中で生き続ける主人公は「探偵」稼業を営む事に。
死んでも金の必要な世界とは、夢も希望もありゃしませんぜ。
“探偵”と云えば、昔は子ども向けの特撮・アニメ・マンガ・読み物にそりゃ溢れかえっていましたよ。探偵の秘密七つ道具と云えばちゃっちい玩具も欲しくて欲しくて堪らなくなったものです。最近だと「仮面ライダーW」が探偵らしい探偵ですかね。仮面ライダーWは最終回を見逃しちゃって無念。石ノ森章太郎や師匠手塚治虫には“探偵”は大活躍しています。恐らく使い勝手が良い肩書きだったのでしょう。残念ながらリアルな“探偵”はロマンの欠片も推理も無く、だったら弁護士とか“~士”のライセンスを修得して開業した方がまだ私の思い描く“探偵”の業務に近いような気もします。毛利小五郎探偵はどうやって稼いでいるのでしょうか?画面には出てこないだけで娘を高校に通わせるだけの仕事はしているということでしょうか。事務所の賃貸料も結構かかっているんじゃないんですか。なんて考えていくと、今もって“探偵”なキャラクターはけっこう居そうですね。
「優しい煉獄」シリーズにおいて舞台は昭和末期の街を再現したバーチャルリアリティながら、日々コンピュータの設定が進化し続け、街の外観と共によりリアルな世界に近づいていく展開となっています。そしてリアルに成れば成るほど、人々の関係も複雑化してゆき、当初開店休業中だった探偵業も繁盛するようになり、新たな事件新たな人物との出会いと別れが描かれます。
雑誌『SFジャパン』で連載していた一話完結型ではありますが、場所や人間関係等が繋がりを持っているので興味のある方は1巻から読む事をオススメします。
でも、最後に白猫がやってきちゃったらなぁ。ユリアで良かったよ、クララだったらどうしようかと思っちゃいました。
内容(「BOOK」データベースより):犯罪が始まってから、おれは忙しい。ここはVRNWS、電子的な死後の世界。そして、おれが這いずり回るこの下部世界は昭和末期を模している。おれがこの街でたった独りの探偵であるように、VRNWSで犯罪が可能なのはこの街だけだ。忙しいのはありがたいことだ―少しずつ「現実」に近づいていく、「仮想現実」。死者の街を駆ける私立探偵・朽網の活躍を描く、SFハードボイルド第2弾。
内容(「MARC」データベースより):ここはVRNWS、電子的な死後の世界。下部世界は昭和末期を模している。少しずつ「現実」に近づいていく「仮想世界」。犯罪が始まってから、おれは忙しい…。死者の街を駆ける私立探偵・朽網のSFハードボイルド第2弾。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より):森岡 浩之 62年生まれ。SF作家。91年、「夢の樹が接げたなら」で第17回ハヤカワ・SFコンテストに入選し、作家デビュー。『星界の紋章』『星界の戦旗』がベストセラーに(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)(アマゾンより引用)
なんとか感想文が書ける程度には回復。お騒がせしました。人間寝ないと回復はおぼつかない。
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