2011年7月31日日曜日
銭 2巻 読了
銭 2巻 読了
鈴木みそ/著 エンターブレイン/刊 20040806初版620円 BEAM COMIX
ゲームセンターが何処もかしこも閉店していますね。時間を潰したり、ちょっと遊びたい時に立ち寄れる場所が無くなって難儀しております。ビデオゲームが並んでいるゲームセンター自体がついぞ最近出来たものですから、無くなるのも早いと考えれば、当たり前な話なのでしょう。子どもの数も年を追う毎に激減していますからね。最早子供向けとか青年向けで“量”を稼ごうとするのが出来なくなっているのでしょう。とすれば今後人口増加が見込まれ、かつ社会的に安定している国であれば、ゲームセンターが流行る国もあるのではないでしょうか。業界の裏みたいな話を生霊達が覗いて行くシリーズ。ゲームセンター編が描かれたのは2003年後半、今から十年近く前と考えると、ゲームセンターの現状はより厳しくなっていると云えます。
同人誌編&鉄道マニア編。これはもう聞かなくても判ってます的な?ゴミと間違えて現金袋捨てたネタは前から知っていたので、ネタの出所は同じような気がします。拙者は「漫画の手帖」だったと記憶していますが、はてさて。現在コミケの場所を借りるのに長机半分で申込書千円参加費7千数百円振込み代120円とかなにやら、8千数百円かかります。そこに何を持っていくかにもよりますが、本を持って行くとしても、コピー本ではアニメ化されたマンガ家の作品でもない限り売れる部数も限られています。取り上げる内容によって同じ作家さんでも売れる時と売れない時もあります。同人誌で儲けようなんて考えても儲けられる人なんて結局プロとしてもやっていける才能を持っている人とか、時間や金を投資できる元々お金持ちの人とか、参加1万数千サークルの中の極僅かでしかありません。中にはマンションの頭金を同人誌で作ったなんて話もありましたが、その後の返済をどうしたかは聞こえてきませんでした。プロであろうとアマチュアであろうと、出版そのものが、売れるかどうか売ってみなければ判らない“博打”である以上、儲けるならばサラリーマンになるか、自分で事業を始めるかしなければ、美味い儲け話が世の中にあるわけがありますまい。パチプロですら毎日パチンコ屋に通いつめ、数十時間座り続け、新規改装店に並び、新型台の研究に余念無く、その辺のマーケッターよりもよほど時間の投資と研究を重ねているのではないでしょうか。体力が尽きれば人生のお終いだし。
じゃあ、皆コミケやパチンコに何で行ってるの?と問わば、当然好きだからやっているのでしょう。自分の好きな事をやってお金も稼げたら幸せですね。
内容紹介:今、一番儲かる商売って何なのか?鈴木みそが“お金”を切り口に、様々な業界の裏側を暴く問題作!ゲームセンター編、そして同人誌編を収録した待望の第2巻、発売!(eb!.E.N20040720発行vol.52より引用)
(月刊コミックビーム掲載)
2011年7月30日土曜日
よつばと! 3巻 読了
2011年7月29日金曜日
ミッドウェー戦記 読了
ミッドウェー戦記 読了
豊田穣/著 文芸春秋/刊 19730930第2刷600円
世にファミコンが出る前夜、シュミレーションウォーゲームなるボードゲームが流行った瞬間がありました。六角形のマス目に戦車や飛行機や艦船や歩兵を並べて将棋のように戦いあうゲームです。ゲーム盤にコマを並べて手計算でやっていました。最近のパソコンゲームで近いのは「大戦略」です。と云うかシュミレーションウォーゲームをパソコンに移植したのが「大戦略」の始まりと云って過言ではないでしょう。その前時代はブラモデルを使って遊んでいたようですし、その祖形は司馬遼太郎の「坂の上の雲」で日本海軍が図上演習として行っていたシュミレーションとも云えるでしょう。ガンダムとかボトムズとかロボットものもありました。ナウシカのゲームに至っては手や足を動かすのに手計算で進めていたそうです。で、拙者は当時「航空母艦」と云う上級者向けのゲームを買ってもらいました。おもちゃ屋主催のシュミレーションゲーム大会で聞いたら、愛好家の大学生が一週間掛かりでも終わらないと云っていたシロモノでした。船を一隻ずつ操り、気象条件が毎時変更され、索敵機を一機ずつ飛ばして、敵を見つけ出し、飛行機を発進させて、敵艦を一隻ずつ攻撃するゲームです。これを全て手計算でやらねばならないんですよ。無理。めんどくさい。先ず相手プレイヤーを見つけるのは無理。その点パソコンゲームの「提督の決断」は手軽で面白い。結局拙者はメイン・シナリオである機動艦隊戦をやらずに今までしまってあります。全てのユニット(駒)を切り取っていません。死ぬまでに一度プレイしてみたものですが、その機動艦隊戦のメイン・シナリオが“ミッドウェー海戦”でした。
双方合わせて百近い艦艇数、六百機を越す飛行機が戦う、史上最大の航空母艦同士の海上航空作戦です。有史以来複数の航空母艦同士が飛行機飛ばしあって戦うのは日本軍と米軍のみ(イギリス海軍の空母と日本海軍の空母も戦ってはいますが)であり、大多数の日本人は知らないから気にしていませんが、世界的に見ると米国に負けたとは云え(日本海海戦を含め)日本海軍恐るべしとなっているようです。日本周辺の国家が、海上自衛隊の空母所持に対しイロイロと口を出すのは歴史的に見て当然と思われます。
ミッドウェー海戦の概略は“Wikipedia”で確認していただくのが手っ取り早いのでここでは述べません。
日本帝国海軍海兵68期のパイロットであった著者豊田穣が、海軍の先輩達に取材して、米国側のもまた取材して、作戦に従事した人々の死に様と生還した人々の生き様を描いた力作。拙者的には今もって戦記小説中では一番読みやすい作家です。東京新聞の記者と作家という二束の草鞋を履き続けた結果ではないのでしょうか。元帝国海軍士官として、ミッドウェーの失敗は“時の運”だと云う立脚点もナカナカ。運も実力の内なのですが。戦略的概観やメカニック的な部分の描写や説明は必要最低限とし、“人”のドラマ部分に重点が置かれて書かれているので、ミリタリー的部分に疎くとも楽しめる小説になっていると思います。
2011年7月28日木曜日
ケロロ軍曹 22巻 読了
ケロロ軍曹 22巻 読了
吉崎観音/著 角川書店/刊 20110726初版540円 角川コミック・エース
なんだか久しぶりにケロロ軍曹の新刊を見たような気がする。まだ連載続いていたんですね。いや、それどころかケロロ軍曹専門誌まで出ていたりして、ガンダムやマクロスは理解できますが、ケロロ軍曹までとは!?実は角川オリジナル作品中一番の稼ぎ頭だったとか?アニメ版日向冬樹の交代がいかんともしがたく無念です。そう云えばアニメの方はどうなったのでしょうか。深夜に再放送をしていたのはたまに見ていましたが、本放送の方はノーマークでした。
コミックスの紹介の前に、拙者の本棚(と云うか部屋中に重ねてあるゴミの山)から発掘した一品を紹介。
「パーフェクト セレクション 観音'95―MINES ORIGINAL GAME COMICS NOL.9―」 19950820初版19951001第2版 B5版58p
90年代前半から発行直前の95年6月頃までの商業誌や同人誌で発表された一枚イラストを中心に集められた同人誌。ケロロ軍曹22巻の著者略歴によると1989年小学館新人コミック大賞佳作でデビュー。1998年に読みきり「ケロロぐんそー」を発表。1999年2月より「ケロロ軍曹」本編を連載開始。とあるので、売れっ子とは云えないまでもプロとして仕事をしつつ同人誌を出していたと云う事になります。同人誌のあとがきに“高2のとき小学館にもちこんだのがデビューとなり”と書いてあるので、90年とか91年頃高校卒業と共にマンガ家としてもしくはアシスタントとして活躍していたのでしょう。同人誌にもコミックス単行本にも協力者として“あかつきごもく”氏がクレジットされています。アシスタント・チーフなのか相棒なのか、「バクマン。」を地で行っているような人達ですね。この同人誌の凄いのはカバーが掛かっているんですよ。カバー下の表紙も単色ながら印刷されているし、金かけてんなぁー、と云うのが正直な気持ち。95年冬コミの宣伝などもしておりますが、拙者の記憶では雑誌ニュータイプコミックスで「宇宙×兵衛」等の連載をこの頃から開始して本業が忙しくなったのか、即売会では見かけなくなったような思い出があります。ケロロ軍曹22巻の中でも映画のパロディや特撮やアニメのパロディが多数描かれています。それだけ時間を投資して勉強していると云う事ですから、大したものだと云わざるえません。しかもさらに只引用するのではなく自家薬籠中として自己の作品として昇華してしまうのだから凄い才能と素晴らしい表現力ではないでしょうか。
それでは22巻。地球侵略にやって来たカエル型の宇宙人ケロン星のケロロ軍曹と仲間達は、日向家に下宿(?)して、毎日地球侵略に励んでいたのでした。
大体一話完結で起承転結のはっきりした展開がエンドレスに続くいつもの物語ながら、新たなケロロ軍曹、ケロロ第弐小隊誕生。まるで学年誌のマンガが4月になってリニューアルするような展開!新たなケロロ軍曹と新たな下宿先で、おそらくケロロ軍曹本編と別ストーリーとして同じ舞台設定で同時展開していくのでしょう。人気が一段落したから新たなテコ入れか?
クルル曹長が「忘れがちだがな俺達前線兵は年齢固定処置されているが… ケロン星本土では俺達が地球に来てから300年は経過つからな…」と説明されました。知らなかった。だとしたら出張ついでに地球に立ち寄ったケロロ軍曹のお父さんの年齢はどうなってしまうのか?お父さんも退役軍人だから年齢固定処置をしていると云う事でしょうか?新たな設定を上書きしていくと整合性が無くなる、長期連載特有の病気パラレルワールド症候群が発病してしまうのか。ついでに自分の作品もプロとして発表している古賀亮一もネンドローとか描いていそう。
来年の夏あたり角川書店と秋田書店で組んで「侵略!カエルVSイカ」を出版もしくは映像化してもらいたいものです。
内容紹介:へっぽこな地球侵略をすすめるケロロの前に、何の連絡もなしに突如本隊から送り込まれた"ケロロ第弐小隊"!! 敵か!?味方か!? 一体どうするケロロ小隊!(アマゾンより引用)
(『月刊少年エース』『ケロロランド』掲載)
2011年7月27日水曜日
ダーティペアの大冒険 2巻 完結
ダーティペアの大冒険 2巻完結 読了
たまきひさお/作画 高千穂遥/原作 徳間書店/刊 20110801初版619円 RYU COMICS
最近痛快なスペースオペラなマンガや小説が少ないと思いませんか。フロンティア・スピリットが無くなったのか、閉塞な時代になったのか。歴史的に見ると温暖化すると人類の活動が活発化しモノ・人・情報の移動が増大するそうですが、昨今は寒冷化しているのか、それとも日本特有の話なのか。ともあれ今を生きている我々に判断する事は出来ず、近い将来においてあの時代はどうだったのかと語ってもらうしかありません。
実力派の中堅マンガ家たまきひさおが描く、日本が世界でもてはやされる“萌え”の先駆として若くて美しいヒロインが大活躍するライトノベルの原型とも云うべき「ダーティペア」マンガ版の第2巻。お色気有り、肉親の哀しき情愛あり、宇宙を揺るがすスペクタクルありのテンコ盛り。このシリーズは是非とも続きが読みたかった。なのに掲載誌『月刊COMICリュウ』の休刊に合わせて完結。初めから休刊に合わせての助っ人だったのか、まさかの休刊だったのか、今のところ知りませんけど、回りの影響で今巻で完結してしまうのは残念無念。『COMICリュウ』復活の折には是非とも継続していただきたいものです。
内容紹介:美少女コンビが大宇宙で活躍、スペースオペラの快作第2弾!「田舎者殺人事件」編。殺人事件調査のため賭博の星・ラメールにやってきた、災厄天使ユリ&ケイは、いきなりホテルの火災に巻き込まれる。さらにはユリの幼馴染の兄妹が暴行を受けている現場に遭遇するわ、謎の殺し屋とカーチェイス、さらには賭博の星・ラメールを牛耳るマダム・スタンダルフの秘められた過去との遭遇とかとか。怒涛のドラマ展開!今回の楽しませてくれます!(アマゾンより引用)
(月刊COMICリュウ掲載)
2011年7月26日火曜日
神様ドォルズ 9巻 読了
神様ドォルズ 9巻 読了
やまむらはじめ/著 小学館/刊 20110724初版533円 サンデーGXコミックス
ネコが死んだ!
もとへ、芦田豊雄が死んだ。(知らない人の為に:上記はミンキーモモに出てきたセリフ。映画博士の異常な愛情のパロディでありながら異様な程高クオリティな話数でありました。)
そして小松左京が死んだ。東北太平洋岸が沈没した時にある一定以上の年齢の人々は一様に小松左京を思い浮かべたことでしょう。管首相の原発事故発表放送を見て嗚呼日本はお終いだ、と思った時の日本沈没(旧作)が脳裏に浮かんだ人が何人いたことでしょう。日本SF界の巨星堕つ。たぶんどこか次元のハザマで光瀬龍と星新一や野田元帥と麻雀卓を囲んでいるんじゃないかな。遅くでいいから交代要員来いとか云いながら。もしかしたら福島某とSF雑誌を作っているかも。
TVアニメの放送が開始された「神様ドォルズ」。3話4話くらいまでは登場人物紹介の序盤ですな。アニメのストーリーがどこまで展開するか興味津々。オープニング絵がコミックス単行本表紙の雰囲気を上手い具合に醸し出していて素敵。動画の質を下げる事無く突っ走ってもらいたいものです。
さて、原作マンガの方。匡平達の故郷・空守村へ行く途中伝説のパーサーカー“天照素”と遭遇。妹の詩織に譲りもはや使えなくなったはずの“玖吼理”を動かし“天照素”と戦う。匡平は子どもの頃“天照素”を人知れず破壊したことがあったのだ。しかし強大な力と引き換えに何かを失った匡平は“玖吼理”の操縦者を辞し東京へと出て行ったはずであった。村では“天照素”の出現と攻撃に混乱を極めていたが、裏では匡平の祖父らによる権力争いがはじまっていた。
内憂外患の中、どうする匡平!
盛り上ってまいりました!泥沼の血族関係と小さな村での権力争いやら、覇気の無い父親、知らされていなかった弟は“天照素”へ取り込まれる。そして空守村に伝わる“案山子”と呼ばれる「神」の過去についても提示されるのであった。恋人を護り、村を守り、弟を助け出そうと匡平の奮闘が今はじまる。これが盛り上らずしてあろうか!続きが早く読みたいよ。
内容説明:TVアニメ放映開始! 神様旋風の第9集!舞台を、すべての発端である空守村に移し、アクション&ドラマチックな展開がヒートアップ!伝説の四つ足案山子“天照素(アマテラス)”は桐生を取り込み暴走、空守村を蹂躙! 詩緒は、双子の弟・桐生を救出すべく、修理が終わった玖吼理(ククリ)と共に出撃するが…。一方、その混乱の最中、匡平は村に隠された醜聞を知ることに…。愛らしさを残しつつ、決意を固める詩緒と、村との因縁に決着を付けようと動く 匡平の行動に注目!! さらに新たな案山子も多数登場して、戦闘シーンの緊迫感もスケールアップ!
TVアニメ放映開始で盛り上がる中、原作は一足早く怒濤のクライマックスに突入!! 激動の最新第9集、堂々登場!!(アマゾンより引用)
(月刊サンデーGX掲載)
2011年7月25日月曜日
鉄腕バーディーEVOLUTION 8巻 読了
鉄腕バーディーEVOLUTION 8巻 読了
ゆうきまさみ/著 小学館/刊 20110705初版524円 ビッグ コミックス
地デジ対応のテレビもレコーダーも備えていませんでしたが、今まで通り視聴可。どうやらアパートの方で対応していた模様。胸の痞えが一つ落ちるが、先送りにしかなっていない。部屋掃除の時間稼ぎが出来た程度。
さて、バーディー。銀河系宇宙をまたにかける連邦捜査官バーディーは、宇宙文明と接触していない地球で大規模テロリストのクリステラ・レビを追い身分を隠し潜入捜査をしていた。バーディーは捜査中誤って地球人の少年千川つとむの肉体を破壊してしまう。つとむの肉体を再生するまで、バーディーの肉体を二人が使い、表は地球人千川つとむ、裏では謎の超人として捜査を続けていた。銀河は大きく連邦と同盟の二派に別れ、地球には連邦に滅ぼされたアルタ帝国の亡命政府が逃れていた。クルステラ・レビもバーディーも元々はアルタ人であり、バーディーはアルタ人により戦闘用に強化された作られた人間であった。連邦の最高権力組織はクリステラ・レビ暗殺部隊を投入。地球の各国政府は宇宙人の干渉をそれとなく察知しており、各惑星からの亡命宇宙人達の思惑も混ざり、宇宙人対策を急いでいた。バーディーとつとむはレビの間近にまで迫るが、暗殺部隊の乱入により人命尊重の立場を貫き、暗殺者ネーチュラー共々レビに捕まってしまうのであった。
アイディア協力として出渕裕、大野木寛、鹿野司、コンセプチュアルデザイン協力として佐山善則らそうそうたるメンバーの名がクレジットされています。各々が一国一城の主とも云うべき看板クリエーター達が揃っているなんて、なんて贅沢な作品なんでしょう。こうなると、とてつもなく面白い作品になるか、船頭多くしてスープの味がどうにか成ってしまうかだと思いますが、パトレイバー等の例もあることだし、前者になってくれるのではないかと期待しています。
今巻つとむが一切顔を出していないなぁ。その分女性陣のサービス・カットが豊富にあるけど、全然色っぽくなくて楽しくない。着衣時の方がエッチぃぽく見えるってのは何故!?バーディー達の活躍とは別に大きく時代が動き出す。先が読めない展開はページをめくる楽しみが増すのでうれしいけど、いったいいつまで続くのだろう?
内容説明:無敵の二心同体アクション、震撼の第8集!(アマゾンより引用)
護るのか、殺すのか。生きる手段が違うふたり――― 連邦指名手配犯・レビの圧倒的な力に屈し、囚われてしまったバーディーと特殺官ネーチュラー。あくまでレビに真実を吐かせたいバーディーと、殺害の使命を帯びたネーチュラー。それぞれの正義ゆえ事態はどう転ぶ…?(カバー裏表紙より引用)
(週刊ビッグコミックスピリッツ掲載)
2011年7月24日日曜日
「ワンフェス2011夏」へ行ってきました。
2011年7月23日土曜日
「空海と密教美術展」へ行ってきました。
「空海と密教美術展」へ行ってきました。
上野の東京国立博物館で開催中の「空海と密教美術展」へ行ってきました(9月25日まで開催)。東寺の仏様は素晴らしいの一言しか出ません。東寺の現場での立体曼荼羅もまた素晴らしいジオラマですが、東寺よりも間近に一体ずつじっくりと見る事が出来たのが素晴らしい。ただ土日といった休日に足を運ぶと人の頭しかみれません。拙者は毎度の事ながら人息れで頭痛がしてきます。「空海と密教美術展」は残念ながら撮影禁止なので、本館で開催中のミニ展示「運慶」の十二神将を並べて見ました。そして明日は2011年夏のワンフェスが開催されます。当然行きますので、前回2月冬のワンフェスの時に紹介し切れなかったフィギュアもついでに並べてみます。運慶の仏像(運慶の工房が作っていたらしいとの説が有力)は現代に持ってきてもポスト・モダンと云えるだけの美的センスを備えているのではないかと思います。
さらに本館ではミニ展示として妖怪展を開催していました石燕やら北斎やら京極夏彦で取り上げられた妖怪図は云うに及ばず、ちょっとした妖怪の歴史や妖怪研究の歴史も、おそらく小学生や中学生に分るように展示しているので、オンコトゴメンヨロシュウ、等と挨拶し合う連中共々、普通にオバケが好きな子ども達も楽しめるのではないでしょうか。
更に西洋美術館で開催中の「ギリシア展」にも行ってみました。ギリシア彫刻群を見ていて思ったのですが、飾られている女性は全て少女か、少女みたいな乳房の女性ばかりではないでしょうか。当時はブラジャーなんか無いはずなので、十代も後半になると乳は垂れてしまうと思うのですがいかがでしょうか?有名なミロのヴィーナス像は上半身と下半身で年齢の異なるモデルを使っているとか何とか目にした事があります。ギリシア展を日本でおこなうにあたり、日本人好みの少女像ばかりを運んできたのか、ギリシア彫刻で残存しているのが少女像なのか、もともと少女像みたいのしか作られていなかったのか気になります。男性は幼児のキューピット像から壮年のソクラテス像まで多彩に揃っているのに女性像は?
小腹も空いてきたので浅草口へと出、丸井百貨店の郵便局側を通り「珈琲倶楽部 六曜館」でケーキセット(750円)を頼んでみました。昭和ながらの喫茶店のままで、ついつい長いをしてしまいました。、
2011年7月22日金曜日
コクリコ坂から 観了
コクリコ坂から 観了
拙者は川崎市出身です。物心が付く前に引越してしまいました。戸籍謄本が必要になって、物見遊山で自分で生まれた街に出かけて行きましたが、町から区に変わり、思い出などあるわけも無く、ただ国道一号線の歩道橋から眺めた車の流れる風景だけが何故か懐かしさを感じました。東京オリンピック以前の記憶など持ちようも無く、物心付いた時には既に都内に砂利道など見かけなくなっていました。
映画「コクリコ坂から」を見ると町の風景や台所を通じて「生活」を丹念に描こうとしているのが良く伝わってきました。そして戦後から高度成長期に入る直前の、明日に希望が持てる時代の雰囲気が良く出ていたと思います。
映画「三丁目の夕日」評に“匂い”が無いとありましたが、確かに「コクリコ坂から」にも匂いが感じられませんでした。残念ながら人間の文化の中で“匂い”を芸術に生かせる事ができたのは「香水」と「香道」くらいしか思い浮かびません。唯一映画で「ピンク・フラミンゴ」と云う怪作が実験的に「映像」と「匂い」を繋げた実験をしたらしいと云う事を聞いた事があります。“映像”作品は“匂い”に関しては不得手であると云えるでしょう。
港町の潮の匂いは当然ながら、魚岸の生臭さとか、昨今であれば軍艦島周辺の海の水は透明度が高く海辺に立つとこれぞ潮の薫りと云う感じがします。しかして東京湾とか横浜の海に匂いとは全く別物としか感じられません。いわんや50年前の横浜周辺の海の匂いたるや、ドブ川と何が違うのかっていうくらい“海”ではなかったはずです。コンビナートから色とりどりの煙を出しながら、タグボート船内で咳き込むとか鼻を手で押さえるくらいの描写が無いのも不思議でした。おそらく演出家も作画マン達も匂いに関しては知らず、知らないものは描きようがなかったのでしょう。今でも千葉県の君塚周辺の海沿いならば変な匂いが立ち上っています。
高校の文化部部室棟の汚さは見た目や埃もさることながら、野郎達しか活動してこなかった「臭い」が籠っているはずで、その“野郎臭さ”を追い出した点が一番評価できるストーリー展開のはずなのですが…。
“匂い”と共に当時は現在より暗かったんです。大震災以後関東圏ではかなり暗くなっていますが、「コクリコ坂から」当時は蛍光灯ではなく白熱電球のはずであり、台所等はかなり薄暗かったはずなのに、劇中の照度は現在と変わりない様に描いていました。部室棟のシャンデリアとか懐かしい木製電信柱の街灯や商店の軒先の照明は描かれていましたが、民家の屋内の照明器具は結局描かれていないようです。恐らく資料を入手できなかったのでしょう。
主人公の女の子は父居ない身の上ながら、山の手に住み私立の学園に通うお嬢さんです。自宅の病院を下宿に改造しているとは云え、通いで家政婦さんに来てもらい、母親はアメリカで研究をするほどです。港町であるがゆえに、海外航路の船員も少なくなく海外の文物情報が入手しやすかったり、東京と云う都会からも遠く無いでしょうが、それでもアッパークラスの生活であることに変わりはありますまい。
さて95分の最近では短い部類に入る作品ですが、拙者は飽きました。この映画の趣旨は東京オリンピック前の日本の港町を描写する事のみにあり、それ以外は付録にすぎません。ですから主要シーンが出揃ってしまえば後はなんとも空虚な風景ばかり見せられるばかりになります。ストーリーと云えば、本当に宮崎駿が関わったのかと疑いたくなるほどの単純な小話で、押井守が作った「うる星やつらビューティフル・ドリーマー」の導入である高校の文化祭の部分だけを舞台設定に持ってきて一つの話に仕立てています。宮崎駿と押井守の関係を考えたら、師弟とも戦友とも歳の離れた同僚とも云うべき二人の間柄でそれは絶対にするまいと思うのですが、してしまったのですねぇ。色々な大人の事情があるのは分りますが、老いたなぁ宮崎駿、そこまでして息子を立てねばジブリはやっていけなくなってしまったのでしょうか。
同じ話を繰り返してしまいますが、東映アニメーションで若き宮崎駿は労働運動に精をだし、会社とか組織とかに疑問を持ちます。ナウシカやラピュタを作ったときは映画一作だけの契約で人を集めて作りましたが、雇用の確保無くして技術の伝達は不可能と云う事に気がつきスタジオジブリが設立されます。ジブリに雇われた田舎の少女達の物語が「魔女の宅急便」のキキであり、ジブリは「もののけ姫」のたたら場でした。雇用を確保し安定した給与を施し技術を磨くには、一定の間隔で映像を作らなければなりません。しかし世界的超カリスマ天才アニメーション作家であっても歳には勝てません。新たな監督が必要となりました。宮崎駿の盟友高畑勲は宮崎駿より年上です。「耳おすませば」の近藤監督は鬼籍にはいりました。押井守監督は鈴木プロデューサーと懇意であり実写映画では製作や出演と協力関係にありながら、アニメでの共闘はきっぱりと断っているみたいですし、アニメーターとして宮崎駿の弟子である庵野秀明監督はやはり実写をジブリで撮ってもアニメは母体であるガイナックス以外では撮らないでしょう。外部から招聘したアニメ版「時をかける少女」「サマーウォーズ」の細田守監督はジブリ内部の反発を喰らって飛び出してしまうし、宮崎駿を頂点としたジブリ帝国臣民は国是として「宮崎アニメ」以外をしたくは無いのではないかとしか思えません。宰相鈴木敏夫としては、それでは会社としてやっていけないから文字通り東西奔走して担ぎ出したのが、建築家として伸び悩んでいた宮崎駿の子息であり、彼を“皇太子”として担ぎ出すしかジブリ社員を納得させ、かつ対観客的話題作りにも受けが良い、会社存続のための最善の方法だったのでしょう。
アニメ製作会社は会社であっても個人商店と変わりなく、率いているオヤジさんが居なくなってしまっては潰れるか、虫プロのように版権会社として存続するしかありません。いわんや作品を作るとなると、技術云々よりも先ず作品を生み出す情念とか社会的鬱憤とかが必要であり、数百人の人々を巻き込んで作品を生み出すのは並大抵の根性と努力では済みません。果たして「宮崎吾朗」と云う監督にそれだけの“肝”があったのでしょうか。
人は誰しも物語を一つだけは生み出す事ができます。それはその人の人生を描けばいいだけの話です。さらに仕事で実績をつくったひとならば仕事についても書けるでしょう。趣味を何十年も続けている人ならば趣味についても書けるかもしれません。先日朝日新聞で小学生で書籍を刊行したり賞をとった人々のその後を取材していましたが、その後に作家になった人は皆無だったそうです。プロとアマチュアの差は、プロならば一定水準の内容で“物語”を描き続けられると云う事でしょう。描き続けられるからプロなのか、プロだから書き続けられるのかは置いといて、一作品ならばアマチュアでも出来ると云う事です。
「コクリコ坂から」を見る前に「宮崎吾朗」監督のインタビュー記事を読みました。「二作目が大事」と親であり師匠の宮崎駿監督から云われたそうです。記事なので記者の主観が優勢な分を割り引いたとしても、宮崎吾朗監督は「二作目が大事」の意味を勘違いしてしまっているとしか、映画の画面から伝わってきませんでした。
宮崎吾朗監督のメッセージ性が全く感じられませんでした。
単純な幼児的自己顕示欲でも自慢でも、出演している女優さんが好きで好きでしょうがないんですでもなんでもかまわないのですが、画面から伝わってくる“何か”を感じたくて観客は映画館に足を運ぶと云うのに、これならまだ「ゲド戦記」の方が宮崎吾朗の人生そのものでスキャンダルと云うかゴシップ的に面白かった。偉大な父の元を飛び出した少年は鈴木敏夫と云うゲドに拾われ癒され、龍という強大な力(=アニメーション監督)を手に入れ、めでたしめでたし。と云うプロットです。ところが今回画面から伝わってくるのは昭和30年代末の“風景”しかなく、プロならば同程度の水準で物語を作り続けなければ成らない「二作目が大事」がスッポリと抜けているとしか云いようが無い出来になっています。見事に素人作家の轍を踏んでいるとしか云えますまい。
これだけ豪華なキャストが揃っているならば、実写映画を撮った方が絶対成功したと思いますよ。まだ役者の演技のならば人の出す情念が伝わってきます。アニメならばこその二次元映像をどう生かすかが技術的テーマであるはずなのに、根本の戦略を司令官である監督はどう考えたのでしょうかね?これを宮崎親子の悲劇と見るか、宰相鈴木敏夫の喜劇と見るか、高幡勲の論評を是非とも伺いたいものです。
以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 95分
スタッフ
監督:宮崎吾朗
製作総指揮:-
原作:高橋千鶴 、佐山哲郎
音楽:武部聡志
脚本:宮崎駿 、丹羽圭子
キャスト
長澤まさみ(松崎海)
岡田准一(風間俊)
竹下景子(松崎花)
石田ゆり子(北斗美樹)
風吹ジュン(松崎良子)
内藤剛志(小野寺善雄)
風間俊介(水沼史郎)
大森南朋(風間明雄)
香川照之(徳丸理事長)
解説: 『ゲド戦記』以来、宮崎吾朗が約5年ぶりに演出を手掛けるファンタジックな要素を排したスタジオジブリ作品。16歳の少女と17歳の少年の愛と友情のドラマと、由緒ある建物をめぐる紛争を軸に、真っすぐに生きる高校生たちの青春をさわやかに描いていく。主人公となる少年少女の声を担当するのは、長澤まさみと岡田准一。企画・脚本は宮崎駿。さまざまな価値観が交錯する戦後の高度成長期を背景に、現代を生きることの意味を見つめていくストーリーが感動を呼ぶ。
シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: 東京オリンピックの開催を目前に控える日本。横浜のある高校では、明治時代に建てられた由緒ある建物を取り壊すべきか、保存すべきかで論争が起きていた。高校生の海と俊は、そんな事件の中で出会い、心を通わせるようになる。
シネマトゥデイ(外部リンク)
2011年7月21日木曜日
狼と香辛料 17巻完結 読了
狼と香辛料 17巻完結 読了
~Epilogue~ 支倉凍砂/著 アスキー・メディアワークス/刊 20110710初版530円 電撃文庫
出題
「神様のメモ帳」「うさぎドロップ」「ダンダリアンの書架」「ゴシック」「紅」「レオン」の作品群の概括をせよ。ただし必ず白黒劇映画「ペーパームーン」を見てから述べよ。
さて「狼と香辛料」の完結篇。 貨幣経済が勃興しはじめた大陸西方、若き行商人ロレンスと古き神々として拝まれてきた来たものの時代の流れにはいかんともしがたく守護してきた村を放棄した美少女の姿をとる歳を経た狼の化身ホロの行商の旅を描きつつ中世の経済を丹念に描いたライトノベルの異色作。物語設定と共にキャラクターの造型も人気を得てアニメも第一期第二期と放送されました。アニメも中々にクオリティが高かったと思われます。因みに現在の拙者のBGMは「TVアニメーション『狼と香辛料』.S.T. ~狼と旅の音楽~」です。
今17巻の内容は下記紹介の通りです。二人は仲良く一緒に暮らしました。めでたし、めでたし。で終わった16巻の後の話。蛇足と云えば蛇足ではありますが、めでたしめでたし、さらにめでたし、でファンにとっては嬉しい限り。折角だからアニメ版も第三期として完結して欲しいものです。
内容紹介:『太陽の金貨』事件から数年。元羊飼いのノーラと女商人エーブは、ホロからの手紙を手に、北へと向っていた。その旅の途中、錬金術師ディアナも同じ馬車に乗り込んできて―――。
果たしてホロとロレンスは、幸せであり続ける物語を紡ぐことができたのか?第16巻の後日譚を描く書き下ろし中編「Epilogue」のほか、「電撃文庫MAGAZINE」に掲載された短編3編を収録。
第12回電撃小説大賞<銀賞>を受賞するや、剣も魔法も登場しないファンタジーとして多くの読者に愛された賢狼と行商人の旅の物語が、今巻でついに完結!二人の旅の結末を、ぜひその目で見届けてください。(カバー折り返しより引用)
2011年7月20日水曜日
XENON-199X・R- 8巻完結 読了
XENON-199X・R- 8巻完結 読了
神崎将臣/著 徳間書店/刊 20110715初版619円 RYU COMICS
帰宅すると玄関に東京電力の電気代の領収書が。6月分は1045円でした。すげー!、俺凄ゲーッ!と意気揚々と玄関から上がって、昨夜録画しておいたシュタインズゲートを見ながら飯を食べようとしたら、録画していないヨヨヨ…。神様ドォルズまで失敗している。ヒデー!、俺酷ヨーッ!天国と地獄を楽しんだ一瞬でした。
さて「XENON」。近未来の物語として連載途中で休刊した小学館の雑誌少年ビックから、近過去の物語として再開した徳間書店の雑誌COMICリュウの休刊に合わせて一応の決着。悪の組織に対抗する孤独な改造人間の戦いから、00ナンバーサイボーグ風の仲間達との共闘へとシフトし、主人公XENON777叶飛鳥以外のサイボーグ達や支援者達の物語を細かく描き、守るべきモノを印象付けてから敵ZENONが掌握した日米協同の組織“赤い海”との戦いを描くのかと思いきや、直接的にはCOMICリュウの休刊のためや、今巻の作者あとがきによれば東日本大震災とそれに伴う福島原発の人災など、作者の想像を超越する現実に打ちのめされて、著者神崎将臣の著作物オールスターキャスト的総力戦的展開をしたのにも拘らず、広げた風呂敷を完全に畳めず、主人公の恋に決着をつけライバルとの戦いに挑んでお終いになってしまいました。
拙者の思い込みだと思うのですが、著者神崎将臣はマンガ絵を描くのが飽きてませんかね?キャラクターの表情を眺めていると、物語がクライマックスに向って盛り上っていく割りに登場人物達の顔がカッコ良くなくなっていくような気がしてなりません。画材の変更のせいかもしれませんし、アシスタントのせいかもしれませんし、掲載紙休刊による物語の途絶が精神的に応えているのかもしれません。もしかすると平成仮面ライダーに見られるように、時代的に“改造人間”という存在自体が時代遅れになってしまった(と云うより現実世界にサイボーグと名が付いていない人口的技術物が医学的に人間の体に組み込まれるのが普通になってしまった)とも考えられます。時代が追い越してしまったと云う事でしょうか。
ともあれ、マンガの歴史がまた1ページ…。
内容紹介
「ブルーバック」の争奪戦は数々の犠牲をはらいながら、奇跡とも言える「決着」を得た。それぞれがそれぞれの道を歩き出し、大場大とシンシアは挙式をあげる。その一方で、「HAGANE」の存在がいよいよ明るみになってきた。新たな展開、乞うご期待! 発売日が6月13日から7月4日に変更になりました。(アマゾンより引用)
(月刊COMICリュウ掲載)
2011年7月19日火曜日
純潔ロマンス 読了
純潔ロマンス 読了
むっちりむうにい/著 エンターブレイン/刊 20110707初版880円 マジキューコミックス
土日出勤したので平日休めました。早朝割引映画を見ようと早起きしましたが、台風6号の接近で横殴りの土砂降りに挫折。二度ねしたら止んでました。悔しい。でも降ったり止んだりなので出かけるのが面倒臭いっス。
さて「純潔ロマンス」。下記内容紹介にも書かれていますが、秋田書店のチャンピオンREDいちごに掲載された本作「純潔ロマンス」が何ゆえ角川書店グループのエンターブレイン社マジキュー編集部から出版されねばならないのか。コミックビーム編集長のように秋田書店との繋がりが強い人がマジキュー編集部の中にも居るのか、一読者にはどんな大人の事情があるのか伺いようもありませぬ。
内容はメイド喫茶でバイトする女の子達の、女子中高での好きとか嫌いとかみたいな、その手の趣味が無い中年男性にしてみれば“だから何!”と云いたくなるどうでも良いストーリーながら、著者むっちりむうにいが同人誌で積み重ねてきた「やおい」(ヤマ無しオチ無し意味ナシ)をコメディタッチに味付けし、華も盛りな少女の一瞬を切り取った短編連作集。
職場内恋愛禁止。何故なら仕事に成らなくなるから。
現実は現実。
メイド喫茶は従業員とお客様の暗黙の了解の下の協同幻想においてのみ成立する特殊な業界だと思うのですがいかがでしょうか。だから女の子同士の恋愛も可!
内容紹介:むっちりむうにい最新巻!チャンピオンREDいちご(秋田書店刊)にて掲載された「女の子のひみつラブ」シリーズを加筆・修正し、一冊にまとめた著者入魂の最新巻!巻末には「ちいさいものくらぶ」1~2、描きおろしコミック15p収録。ファン垂涎の178ページです。ご期待ください!(アマゾンより引用)
(チャンピオンREDいちご掲載)
2011年7月18日月曜日
きぐるみさん 観了
きぐるみさん 観了
~いっぽんめ~ イーエス・エンターテイメント/発売・販売 本編約36分 20051028発売 2857円 DVD
なでしこジャパン優勝したみたいですね。サッカーに興味は無いながら、やはり日本優勝となると素朴な郷土愛が芽生えます。しかも下馬評ではいつ負けても不思議ではないのに、PK戦による勝利となれば、何の映画脚本かと考えてしまいます。ダイジェストを見たいのですが、日常の舞台設定とされる伊勢崎市へ行っていたので見る事が出来ませんでした。市役所近くの五右衛門だったか蕎麦屋で昼を食べたのですが、看板に忍者蕎麦とありました。忍者蕎麦の由来を聞いてくるのを忘れてしまいました。
「きぐるみさん」。 制作者不明(一応本編テロップには書かれています)。製作経緯不明。副題の“いっぽんめ”が何を意味しているのかも不明。ゲーマーズ店頭にてジャケ買いをしました。自主制作系の様な気もしますが、キャストが豪華なので、プロの人が自分の趣味で作って知人達に協力してもらったのではなかろうかと推測していたのではないでしょうか。
なんせ六年前に買って未開封のままほったらかしにしていたもので…。
自主制作系の映像は種類も生産数も少ないので、次に入手できるとは限らず一期一会の気持ちで買わねばなりません。そうなると内容の質については博打になります。
当時流行っていた「びんちょうたん」的なものだろうと思ったであろう記憶があります。見ると果たして同じコンセプトでした。キャラクター配置やエンディング曲の内容からすると推測できる設定もありますが、あえてこの場では語りますまい。只、民俗学的に日本において山は死後霊が向う聖地であると云うのは知っておいて損はないでしょう。
フラッシュアニメをコツコツ作った努力は認めるところですが、商品としての価値があるかと云うと…。自主制作映像に理解があり、クリエーターを支援するのにやぶさかではなく、募金活動が好きな人は買っても良いかもしれません。
キャスト
水樹奈々
清水愛
千葉繁
福園美里
井口裕香
ほか
あらすじ:とある都会の片隅にひとりの女の子がいました。頭からスッポリときぐるみをかぶった女の子は、自分が何でここにいるかも、そして自分がいったい何ものなのかも分りません。何もかも分らないことだらけの女の子が唯一分っているのは、ただひとつ……、自分が『ひとりぼっち』だということだけでした。たくさんの人が行き交う都会の中で、自分ひとりだけ行き場のない女の子が寂しさと空腹でくすくす泣いていると、どこからか声が聞こえてきました。女の子を「きぐるみさん」と呼ぶ声が……。
2011年7月17日日曜日
鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 観了
鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星 観了
「マイティーソー」が不人気で瞬殺されそうな勢いなので見に行こうと、仕事帰りに映画館へよったら「鋼の錬金術師」を見てしまいました。シネコンの良い所と云うか悪い所と云うか…。
冒頭からアクションに次ぐアクション。大掛かりな舞台装置に映画ならではの動画枚数のかかる奥行き有る立体的アングルを縦横に走り戦う主人公達。不老不死の力を宿すと云われる“賢者の石”の秘密を追い求める錬金術師エルリック兄弟は、近年併合された国境の町で独立運動をしている少数民族の錬金術師兄妹と関わりを持つ。自立するため力を得ようとする人々と、弾圧する二つの軍事国家の思惑が複雑に絡み合う中、エルリック兄弟は自分達の正義を信じて立ち上がる。
これを映画と云わずして何をもって映画とするのか!
「鋼の錬金術師」の骨子から逸脱する事無く、本編では描かれなかった逸話として違和感なくストーリーが成り立っています。「脚本家真保裕一」凄エ!
惜しむらくは、徹頭徹尾ジェットコースタームービーであるがゆえに“タメ”が有りませんでした。数分で良いからもう少し谷に生きる少数民族達の日常と、テ-ブルシティで生きる人々の日常を写してくれるか、テーブルシティー周辺の自然の美しさを描写してくれれば全体のバランスがとれたのではないかと考えられます。恐らく上映時間の関係で削られてしまったのでしょうねぇ。
そしてこの映画の影の主役は何と云っても「機関車」ですよ。新旧アニメ版「鋼の錬金術師」の世界観として主人公の活動する国は内陸国家で軍事鉄道が縦横に走り、移動手段を鉄道に頼っているので、いろいろと描写され、原作マンガ&新アニメ版のラストはエドとウィンディの鉄道ホームでの別離でしたし、いささか“鉄”成分の多い作品ではありましたが、今回の劇場版では舞台となるテーブルシティへ移動する手段が鉄道に限られており、列車による大アクションから始まり、エンディング一日走り続ける列車と、スタッフの誰が“鉄”なんだ!?とお伺いしたいところです。
以下yahooより引用
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 110分
スタッフ
監督:村田和也
製作総指揮:-
原作:荒川弘
音楽:岩代太郎
脚本:真保裕一
キャスト
朴路美(エドワード・エルリック)
釘宮理恵(アルフォンス・エルリック)
坂本真綾(ジュリア・クライトン)
森川智之(メルビン・ボイジャー)
玉川砂記子(ミランダ)
高本めぐみ(ウィンリィ・ロックベル)
三木眞一郎(ロイ・マスタング)
折笠富美子(リザ・ホークアイ)
内海賢二(アレックス・ルイ・アームストロング)
星野貴紀(アラン)
川田紳司(トニ)
木内秀信(ハーシェル中佐)
小杉竜一(サントス)
吉田敬(カルロス)
解説: 「ホワイトアウト」などの小説家・真保裕一が脚本を手掛け、荒川弘原作の大ヒットコミック「鋼の錬金術師」を映画化。錬金術というタブーに見入られた兄弟の壮絶な運命の行く末ときずなを映し出す。メガホンを取るのは、「コードギアス 反逆のルルーシュ」「交響詩篇エウレカセブン」で演出などを担当した村田和也。『東京ゴッドファーザーズ』の小西賢一がキャラクターデザインと総作画監督を担当する。劇場版らしいスケール感あふれる壮大な物語に引き込まれる。シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: アメストリスの首都セントラルにある中央刑務所から、服役中の囚人メルビン・ボイジャーが脱獄する。彼が操る錬金術に心奪われたエドワードとその弟アルフォンスは、メルビンの行方を追ってアメストリスの西側に位置するクレタとの国境へと向かう。やがてその昔「ミロス」と呼ばれていた、周囲をがけに囲まれたテーブルシティに到達し……。
2011年7月16日土曜日
屍鬼 11巻完結 読了
屍鬼 11巻完結 読了
藤崎竜/著 小野不由美/原作 20110709第1刷438円 ジャンプ・コミックス
ブラッドCとセイクリッドセブンのどちらを録画するか悩む。双方の第一話を見比べた結果セブンに軍配が上がる。僅差ではあるけど、1話目話の盛上げ方かな。でも今更素顔を晒すヒーローが受けるとは思えないけど。なんかタツノコっぽい。
「屍鬼」漫画版完結。僻地の村を舞台に“人”と“人でないモノ”の生存競争が開始され、全ては“滅び”という無に帰しました。
“人”と云う種の天敵なのか、種を維持するための安全弁なのか。人知れず始まった戦いは、人知れず終結を向かへ、人知れず消えていく。
そしてまた何処かで繰り返される“滅び”への宴。
内容説明:199X年猛暑の夏から始まった凄惨な事件…。外場村で起こった人と屍鬼による争いは、遂に終わりの時を告げようとしていた。『生』と『死』に囚われ続けた両者に、果たして安住の地はあるのか…。今、その答えが出る……。(アマゾンより引用)
2011年7月15日金曜日
てけてけマイハート 9巻 読了
てけてけマイハート 9巻 読了
竹本泉/著 竹書房/刊 20110711初版648円 BAMBOO COMICS
TV深夜アニメ「ロウきゅーぶ」を視聴。バスケットボール部が休部になってしまった高校生が小学生の女の子達にバスケをコーチする話。と云うパソコン美少女ゲームが原作だと思いました。違うみたいですね。時節柄小学生を攻略しては不味ずかろう。『ちゃお』か『なかよし』の載っていても不思議ではない絵柄と内容といい、土日の朝に放送した方が視聴率を稼げると思いますが、大人の事情でしょうか?それとも今後子ども達が見てはいけない展開になってしまうのでしょうか?ともあれ地デジ化せねば続きは見れないですなぁ。
さて「てけてけマイハート」、なんと9巻目。サザエさんの様に社会風刺があるわけでもなく、ご近所にモンスター一家が居るわけでもなく、姑にいびられるわけでもない、生活部分は実母や義母にお任せの童顔な専業主婦ののほほんとした日々を描いた怪作!
私小説であれば命尽きるまで書けるでしょうが、日常を描き続けるのって大変なんですよ。才能だ!!
内容紹介:のぞみとしげるのほんわかラブコメディ。のぞみにもびっく展開が…!?(帯より引用)
(まんがライフ掲載)
2011年7月14日木曜日
ストレニュアス・ライフ 読了
ストレニュアス・ライフ 読了
丸山薫/著 エンターブレイン/刊 20110627初版620円 BEAM COMIX
地デジ化済んでますか?TVのデジタル放送まで十日を切りますが、拙者は何もしていません。デジタル用テレビもレコーダーも買う予算は確保しています。そして現在使用しているTVを購入する代わりに引き取ってもらおうとしています。居間にあるテレビを玄関まで運ぶには、玄関から居間まで連なった本の山を除去しなければなりません。除去しようにも玄関の外に出すか、ベランダの外に出すか、屋内に本を一時的にせよ並べなおすスペースはありません。まるで容量一杯まで蓄えてしまったHDDのようです。如何したものか…。
さて「ストレニュアス・ライフ」。和洋中の昔話や童話からのリファインや、SFともファンタジーともつかない数々の世界数々の時代を舞台としたストーリーが、数ページから十数ページで描かれた短編作集。2008年~2011年にかけての作品が収録されているためなのか、作品によって著者本人が絵柄を変えようとしているのかわかりませんが、劇的ではないにせよ、絵のタッチの変化が見受けられます。小粒ながらなかなかに味わい深い内容ではないでしょうか。
内容紹介:お仕事にまつわる漫画24篇を、ぎゅっ!と詰め込みました。[Fellows!]創刊号からの大人気連載が、ついに1冊にまとまりました!イラストレーターでもある著者が腕を奮って描き連ねるのは、小説家、象使い、踊り子、歯医者、羊飼い、図書館司書、バーの美人マダム、船乗りなど、実に多彩な職業。働くことの苦労、喜び、美しさを詰め込んだ本作は、誰もが楽しめる「お仕事図鑑」です。
◎収録内容◎:[ストレニュアス・ライフ]全20話、[流感の日](チャイナフェローズ掲載)、[モモ](Swimsuits Fellows! 2009掲載)、[Their Master's Voice](ロボットフェローズ掲載)、[セイレーン](Costume Fellows! 2011掲載)、そしてほぼ全話に後日談カットを描き下ろし!(アマゾンより引用)
2011年7月13日水曜日
乙嫁語り 3巻 読了
乙嫁語り 3巻 読了
森薫/著 エンターブレイン/刊 20110627初版620円 BEAM COMIX
TVアニメ「シュタインズ・ゲート」が何か良い具合に展開しています。オリジナルがゲームなんだそうで、プレイしたくなってきました。
さて「乙嫁物語」。 一年ぶりに3巻刊行。まあ、そのくらいの時間がかかってしまっても仕方の無い質の高さだと思います。舞台は中東アジア遊牧部族か割拠する地域。カルルクに嫁いできたアミルを中心としたストーリーだと思っていたのですが、3巻では、カルルクの家に逗留していたイギリス人学者スミスの物語。カルルクの家を辞し、次なる目的地に行く途中馬も荷物も盗まれ難儀をしていた所美しき寡婦タラスと出会いを描きます。
内容紹介:美しく幸薄き――第2の「乙嫁」、タラスの涙 エイホン家の居候イギリス人、ヘンリー・スミス。彼は長らく滞在した土地をはなれ、カラザそしてアンカラへと旅に出かけた。カラザでは珍しい外国人であるスミスは、町の人並みにもまれ、気がつくと、馬も、荷物も、盗まれてしまっていた!そして、もう1名、愛馬を盗まれたのが第2の「乙嫁」タラスさん!
いま、スミスは運命の女性に出会う……!中央アジアの生活文化を、丁寧な筆致で描き上げる、人気絶好調シリーズ第3巻!!(アマゾンより引用)
(Fellows!掲載)
2011年7月12日火曜日
ヒストリエ 4巻 読了
ヒストリエ 4巻 読了
岩明均/著 講談社/刊 20070723第1刷533円 アフタヌーンKC
“積読”ではなく、単にUPするのを忘れていました。
前半最大の見せ場!船で難破したところを村人に助け出されたエウメネスは、村であたたかくでは無いが迎え入れられ、徐々に己の居場所を得ていきます。そんなある日村が近くの町の有力者により狙われている事が発覚、有力者の軍隊は着々と準備を進め、村も戦の決心を固める中、後の軍政官として戦略戦術眼が試される。
村を救う事は出来たが、町との今後の関係を修復するため、エウメネス一人が全ての罪を引き受け村を出る。何と云っても策略の種明かしを披露し、憎悪で睨みつける町の指導者と、恩人に感謝の眼差しを向ける村人の見開きページは、人の感情が蔓延していながら止め絵の静かな描写としてマンガ史上屈指の名一コマと云えます。その前後のキャラクター達の演技たるや、まるで映画の名場面を見ているが如く著者岩明均の絶妙な巧さに感激してしまいます。そして村と町を結びつけるために、散らざる得ないエウメネスとサテュラとの恋。これを傑作と云わずして何を傑作と呼ぶのか!しかも物語はこれで前哨戦すら終わっておらず、NHK大河ドラマであればやっと子役から主人公役の役者に代わり未だ青年になったばかりのパートでしかありません。例えるなら秀吉が信長に会う前の話と云えるでしょう。この後何年かかるか分かりませんが、期待が大いに高まります。
内容説明:『寄生獣』で世を震撼させた岩明均氏が漫画家としてデビューする前から温めていた物語、それがこの『ヒストリエ』。舞台は紀元前、後にアレキサンダー大王の書記官となるエウメネスの波乱に満ちた生涯を描いた歴史大作です。蛮族スキタイの出身でありながらそれを知らず、都市国家カルディアでギリシア人養父母に育てられたエウメネスは、そのおかげでギリシア的教養を身につけることとなる。ある日養父がスキタイ人に殺され、自分の出自を知ったエウメネスは奴隷の身分に落とされてしまう。それが彼の波乱の旅の始まりだったのです。
著者について 岩明均:1960年7月28日生まれ。東京都出身。1985年、ちばてつや賞入選作品『ゴミの海』が「モーニングオープン増刊」に掲載され、デビュー。『寄生獣』で第17回講談社漫画賞(1993年)、第27回星雲賞コミック部門(1996年)受賞。2003年より「アフタヌーン」にて『ヒストリエ』の連載中。(アマゾンより引用)
(アフタヌーン掲載)
2011年7月11日月曜日
人造動物園 1巻/2巻 読了
人造動物園 1巻/2巻 読了
山田ミネコ/著 朝日新聞出版/刊 ①20100530第1刷640円 ②20110630第1刷680円 ASAHIコミックス
TVアニメ「猫神やおよろず」第一話視聴。カエルみたいな宇宙人を猫してみました?とか。黒船来襲以来、日本では日常の中に何がしかの異物が紛れ込んで来て新たな日常が始まるネタが続いているような気がします。いや、もしかして渡来人からかな?藤子不二雄が定型を確定しのかな。
山田ミネコ先生が「人造動物園」を連載していたのも知らなかったし、1巻目が昨年出版されていたことも知りませんでした。たぶんですけど、アニメ系ショップに置いていなかったのではないでしょうか。拙者が忘却していただけなのかもしれませんが。2巻発売の情報をつかみ、入手したのはアニメ系ショップに無い時の頼みの綱ジュンク堂で1・2巻を入手したのでした。でも1年経た今もって第1刷のままだったので、売れていないのでしょうね。一時期療養でマンガから遠ざかっていたそうですから、最近の人は知らないでいるのでしょう。
第1話と第2話は「夢幻館」にて掲載。以後Web雑誌「H&F倶楽部」にて掲載。読切掲載から始まったせいか、後から後から色んな設定が付加されてきて、異世界系ファンタジーが魔術合戦風にまでなりつつあります。それはそれで面白いので可。毎回コミケで見かてます。コミケでは小説を主に出していました。
内容紹介:1巻 声優を目指す女子高生、大内花梨は横浜にある喫茶店「大神官亭」でバイトをすることになった。しかしこの店、時給は高いが何かがおかしい? そう、ここは夜になると、異世界の住人たちが集まる喫茶店だったのだ! 山田ミネコ待望の新作!(アマゾンより引用)
2巻 異世界の神様が造った人間たちが秘かに集う大神官亭に紛れ込んでしまった花梨。ここから花梨の大冒険が始まった!!全世界の運命まで巻き込んだ花梨の恋の行方は?ドキドキ、ワクワクのファンタジー・コメディ!(カバー裏表紙より引用)
(「幻夢館」「H&F倶楽部」掲載)
2011年7月10日日曜日
流れゆく雲 読了
流れゆく雲 読了
~グイン・サーガ107~ 栗本薫/著 早川書房/刊 20060415発行540円 JA842
TVアニメ「R-15」視聴。深夜放送ならではのネタをしようとしているコンセプトは解るのですが、アニメの面白さとは何かをもう一度企画会議にかけてから作って頂くか、己の作品を創造する意欲を持ってがんばってもらいたいものです。まあ第一話から全力全開だと、その後が続かなくなる可能性が高いので、後半まで力を蓄えてゴール直前に全力を出すタイプと思いたいものです。
車中読書の本が何か無いかしらん、といつもの玄関の平積みを漁ってみたら出てきた「グイン・サーガ」107巻。ノスフェラスの記憶を失ったグインと出会ったイシュトヴァーンは、行き違いからグインに斬られ重症を追い、一路本拠地のユラニアに帰還。ユラニア首都アルセイスでは宰相カメロン元提督の自問自答として、イシュトヴァーンが築きカメロンが差配しているゴーラ帝国の現状と展望を詳しく紹介。一方中原一の歴史と文化を誇るパロも度重なる戦乱と内戦で貧窮を極めていた。女王となったリンダは内戦で夫を失い弟を幽閉し人材の払拭してしまったパロ宮廷を何とか建て直しをしようと奮闘していた。女王の頼りとするパロ宰相ヴァレリウスと参謀ヨナはグイン捜索で不在の中で幽閉した弟レムスと会談するのだった。
今巻重要なのはリンダの予言でしょう。最早未完のまま著者栗本薫が天界へ旅立ってしまった今となっては200巻まで続くはずであった「グイン・サーガ」自体の予言と云いましょうかテロップと云えるのではないでしょうか。「豹頭王は無事でいる。‐‐‐そして、ほどもなく近くにやってくるだろう。」ここまでは最終巻までに何とかたどり着いています。この予言の後半部は「……そのとき、あらたな時代がはじまる。‐‐‐廃王は長い時を隔ててふたたび王の冠を額にいただくだろう。だがそのときには‐‐‐そのときにはパロスの支配は夜の時代を迎え、そして‐‐‐そして最後のサーガがはじまるだろう……闇の王子と光の王子がたたかい、どちらが勝ちをしめるかにより、最後のサーガは暗黒のサーガとなるか、光のサーガとなるかが定まるだろう。‐‐‐吟遊詩人に注意せねばならぬ。‐‐‐彼は重要な鍵にほかならぬ。……彼は、光と闇とをそのからだで結ぶ。光の王子を守ってやるがいい。‐‐‐それはあるいはパロスをさいごの滅亡の災いから守ってくれよう……」です。穿った見方をすれば「トワイライト・サーガ」への伏線とも考えられませんか?単純に考えれば今後の展開としてイシュトヴァーンの二人の息子が中原を二派に分けて戦い合うとも受け取れますし、闇の王子も光の王子もこれから生まれてくるであろう人だったり、107巻までには吟遊詩人と云えばマリウスしかいないわけですが、今後吟遊詩人が出てこないとも限らないわけで、だいたい「……そのとき」は「豹頭王が近くにやってくる」に続く文章とは限らないので、予言とは良くぞ云ったものです。伏線張りっぱなしで死んだ著者栗本薫の勝利としか云えませんな。
内容(「BOOK」データベースより):アストリアスの手から奪還したフロリーだが、光団の中に潜んでいたゴーラの密偵によって再び、さらに今度はスーティとマリウスまで拉致されてしまう。追跡を開始したグインとリギアは、ボルボロス砦で、三人を連れた密偵の一味を発見、大立ち回りのすえ、彼らを閉じこめていた馬車もろとも仲間を取りもどし、轟然と走り去るのだった。その頃、中原の各国では、グインが行方をくらましたことによるさまざまな問題が…。
著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 栗本 薫:別名に中島梓。東京生まれ。早稲田大学文学部卒。77年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。78年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成し、早川書房より継続刊行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) (アマゾンより引用)
バックナンバー紹介
「ボルボロスの追跡~グイン・サーガ106~ 読了 」http://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/59042273.html
2011年7月9日土曜日
妖怪HUNTER~闇の客人~ 読了
妖怪HUNTER~闇の客人~ 読了
井上淳哉/漫画 諸星大二郎/原作 新潮社/刊 20110715初版552円 BUNCH COMICS
諸星大二郎の漫画を井上淳哉がリメイク。ストーリー的には原作通り。絵が現代調に、マンガ的であった演出が映像風になりました。2時間の映画にしたら良くも悪くも正にこんな感じでしょう。
拙者が幼少の時、週刊少年ジャンプで妖怪ハンターのヒルコ編を読んだ時一人でトイレに行けなくなりました。数十年の時を経て安徳天皇の見開きページには感動で打ち震えました。子どもの時に読んでいたら、やはりトイレに行けなくなったことでしょう。
現在もウルトラジャンプ誌上において短期集中連載として妖怪ハンターの続編が発表され続けていますが、稗田先生が活躍しないのが残念。
映画化されたり、様々な場所で紹介されているので読んでみたいけど、絵柄が怖いとか好みではない方に著者井上淳哉のマンガは手に取りやすいと思われます。諸星大二郎のオリジナルから入った拙者にしてみると、生き残りの老人が踊る「鬼踊り」の《ひょこ》の中に日本が切り捨ててきた土俗的な“何か”と、天国でも地獄でもなく“此世”とは別な“常世”との繋がりみたいなものがあるような気がしてなりません。諸星大二郎は天才だ!
内容紹介:“妖怪ハンター”の異名を持つ異端の考古学者、稗田礼二郎。そんな彼のもとに、かつて稗田が大鳥町の「鬼祭り」を研究した際に協力してもらった地元青年団の二人が現れる。聞けば、彼らはその「鬼祭り」を観光事業として復活させるためにぜひ、稗田に監修を頼みたいというのだ。自らの学説の正しさを証明するため依頼を引き受け大鳥町に訪れた稗田だったが、大盛況の「鬼祭り」のさ中、突然異形の“何か”が現れる―――!!(アマゾンより引用)
(月刊コミック@バンチ掲載)
2011年7月8日金曜日
コメットさんにも華がある 読了
コメットさんにも華がある 読了
川原泉/著 白泉社/刊 20110705初版619円 JETS COMICS
いつものアニメ専門店店頭に無く、ジュンク堂へ行って見ると何時もの様に平積み。アニメ専門店に云わせれば、ウチは“本屋”じゃないんだよ、て事なんでしょう。限られた店内面積の中で営業効率を考えると売れる商品しか並べられないのは良く分るのですが、ジュンク堂はポイントカードとか特典が無いのが残念。三省堂や紀伊国屋も導入したことだし、ジュンク堂もお願いしたいところ。
四店舗歩いて入手した一品。金持ちが通うエリート進学高校を舞台に、ちょっと変わったキャラクター達のちょっと変わった恋物語集。「レナード現象には理由がある」と同じ世界なので、脇にかつての主役達がチラリホラリ。前シリーズのキャラクター達を欄外説明を読むまで忘れてた。寡作な作家さんなのだけが残念。
今巻の初出時期を見ると、古くて2006年。2009年2010年の発表は無いから、描けなかったのか、他の作品を描いていたのか、ちょっと気になります。作品のファンとしては、著者には心身ともに健康で、発表枚数は少なくて良いのでコンスタントに描いて欲しいものです。川原泉の名に心当たりがある人にはオススメ。ひとまず買っとけ。
内容説明;カーラ教授流の「ちょっぴり変わった」恋のお話。「~がある」シリーズ第2弾! 2011年6月刊。(アマゾンより引用)
(メロディ掲載)
2011年7月7日木曜日
ミスマルカ興国物語 9巻 読了
ミスマルカ興国物語 9巻 読了
林トモアキ/著 角川書店/刊 20110701初版590円 角川スニーカー文庫
TVアニメ「夏目友人帳」第三期初話を見る。一期二期と変わらぬ(ちょっと低下してるか?教育的配慮から若手を起用しているのかな?)作画・脚本・演出で嬉しいかぎり。
舞台を帝國中枢に移し、帝國内での勢力闘争やいろいろな内情を紹介しつつ、主人公マヒロ王子の活躍を描く新章。これで人類の生息域の大半を見て歩き、各地域の人々の内情を読者に紹介したのではないでしょうか。「でたまか」のように人類の生存を賭けた戦いへ挑むのか、「お・り・が・み」から端を発したサーガに終止符を打つのか楽しみです。
内容紹介;ついに帝都入りしたマヒロ。シャルロッテ皇女のもと、帝国の不穏分子たる貴族たちを探るが、その中でも勢力を誇る四大大公もまた、マヒロに近づこうと動き出すのだった。策謀渦巻く宮廷で、マヒロの運命が揺らぐ!(アマゾンより引用)
2011年7月6日水曜日
テラオ The next generation machine 6巻完結 読了
テラオ The next generation machine 6巻完結 読了
近藤るるる/著 エンターブレイン/刊 20110707初版580円 BEAM COMIX
TVアニメ「デッドマンインワンダーランド」最終話視聴。深夜アニメならではのバイオレンス&スプラッタによる殺戮シーンを表現しようとした意欲は買うけど、悪印象を回避しようとワザと絵の質を下げたのか、お金をケチって外注で誤魔化そうとしたのか、第一話から最終12話に至るまで作画の質が下がりっぱなしで、大量生産の商業主義に陥ったジャパニメーションそのものと云うべき低資質な粗悪品を一期12話のみとは云え、途中で放り出す事無く製作し放送した、その努力にだけは敬意を表したい。万が一この作品を見るのにお金が必要だったら訴訟を起こしていたでしょう。ストーリー的には起承転結の“起”部分のみになっています。まさか続きを作るつもりなのか!?おそらく投げっぱなしジャーマン的風呂敷は広げて、畳むつもりを最初ッから持たない確信犯であったのでしょう。裏番組となってしまった「ゆるゆり」の冒頭5分のみ視聴。オープニング曲がアニメイト店内で洗脳するがの如くリピード再生されていました。そうかこいつのオープニングだったのか。
さて「テラオ」。いよいよもって大団円。テラオ達の正体や、児童の両親たちも総出演し、グラント大佐が良い狂言回しとなって物語を畳んでくれました。そのように仕向けた著者近藤るるるの手腕に脱帽。第一話の頃の主人公石原先生とは別人になってませんかね。これも成長の一つの姿なのでしょう。番外編の「トルテ対タカマル対テラオ」にニヤリ。
楽しゅうございました。次回作にも期待。
内容紹介:莉子と石原の恋の行方は?感動の最終巻!【テラオ強奪】を目指す極悪非道のグラントに叩きのめされ、唇まで奪われてしまった蓮沼莉子。それが原因でPTSD(心的外傷後ストレス障害)を煩い、男性恐怖症に陥ってしまう。グラントたちに制圧される小笠浦。絶体絶命のピンチとなった莉子や石原を救うため、最後にテラオが見せた行動とは!?これが本当に最後の戦いだ!!(アマゾンより引用)
(「週刊ファミ通」「ファミ通Bootleg!」掲載)
2011年7月5日火曜日
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー 1巻 読了
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー 1巻 読了
~カイ・シデンのメモリーより~ ことぶきつかさ/著 富野由悠季/原作 矢立肇/原案 角川書店/刊 20101026初版560円 角川コミックス・エース
いつも立ち寄る駅前のアニメグッズの中古屋に寄ったら、「機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー~カイ・シデンのメモリーより~ 1巻」美本が100円で売られているのを見て「ギャー!!!」とアニメ「日常」のテンぱった表現にも似た心情を持ってしまいましたよ。発売当日に買ったまま未開封のまま玄関先に積んでおいた自分の本の事を、まるでニュータイプの閃光のように脳裏に煌いたからです。嗚呼低下560円+税でかった拙者のお金は…差額460円+28円分の金額はいったい…。例えるならば高い金を出して買っておいたお酒が、いざ開封と云うときに揮発して無くなっていたような、そんな愕然として荒涼たる心象風景に囚われてしまいました。
さて、気を取り直してマンガの話。
以前紹介したのはジャーナリスト カイ・シデンが機動戦士Zガンダムを語るストーリーでした。今回は生き残ったカイ・シデンがサイド3で展示される事となった「一年戦争展」に元ホワイトベース搭乗員として招待され、カイ・シデンにとっての“現在”と“過去”を行き来するストーリー。ガンダム・サーガのアニメ画面に登場していない場面を描くと云う、まさしく戦史を掘り起こすようでいて、空想物語なのに緻密でリアルに感じる“ドラマ”を“映画”のような演出で著者ことぶきつかさが描き込みます。
この後付にしかすぎないマンガであるのに、ガンダムを知っている人間にとって、まるで本編未放送分のアニメを見せられているような雰囲気は、著者ことぶきつかの才能もさることながら、いかにファースト・ガンダムの世界観が巧に作られていたかを語っていると思います。例えばマジンガーZが東京で戦っていた時、他の場所で何かがあったとしても、そればマジンガーZの話ではなくなってしまいます。宇宙戦艦ヤマトでもガミラス帝国にはダイヤモンド戦線やルビー戦線で戦いが繰り広げられていますが、そこでの話は「宇宙戦艦ヤマト」ではなく、ヤマトと同一世界で繰り広げられる“ドラマ”となります。ところが、機動戦士ガンダムの世界では、ホワイトベースとガンダムが居ない所でも戦争は繰り広げられ、地球で宇宙で同時に人の数だけ物語が存在している、そんな現実世界の人の営みを当たり前の出来事としてTVアニメに持ち込んだのが「富野由悠季」でした。ガンダム第一話に避難民として登場し、アムロと共にモビルスーツに乗り一年戦争を生き残った地球連邦軍の「エース・パイロット」カイ・シデン。戦後は軍を退きジャーナリストとして活躍中の彼カイの視点で物語るガンダムの世界。著者ことぶきつかさが単なるマンガ家ではなく、アニメの企画なのも手掛けたり、同人誌の活動を今もって続けたりと、自分の世界を創造できる才能を持っているからこその、ガンダム世界に浸りながら“ことぶきつかさ”の作品としてのガンダムを描けられるのだと思います。
ファースト・ガンダムにちょっとでも思い入れがあるならば読んで損な無し。今なら美中古本が100円(税込)だし…。
内容紹介:木星から帰還した男がサイド3で見たものとは……。あの戦いの真実にカイ・シデンが迫る。(アマゾンより引用)
デイアフタートゥモロー新章スタート!木星帰りのカイ・シデンがサイド3で開催される一年戦争展にオブザーバーとして招かれた。アムロやハヤト…会場を巡るカイの胸によみがえる戦友たちの記憶、そして新たな謎とは!?(カバー裏表紙より引用)
(ガンダムエース掲載)
2011年7月4日月曜日
機動戦士ガンダムUC 6巻 読了
機動戦士ガンダムUC 6巻 読了
~重力の井戸の底で~ 福井晴敏/著 角川書店/刊 20081026初版660円 角川コミックス・エース
「ターンエーガンダム」23話「テラスの遺言」を見ました。「ソシエの戦争」「アニス・パワー」「ディアナ奮戦」「ハリーの災難」と中盤の展開には感動しました。どこかのアニメ雑誌でのインタビューだと思いますが、戦争と云う非日常を描くのではなく、日常の延長線上にある戦争を描きたかった云々の意味がこの5つの話を見てやっと分りました。何と素晴らしいストーリー。今この時代だからこそ、もう一度リメイクして欲しい作品です。劇場版とかに濃縮するのではなく、一年を通して約50話として描く事により主人公の周辺の人々を描いてこその“物語”ではないでしょうか。現在行われている1クールで人気化出れば2クール目みたいな描き方では決して人間の物語を描くことは出来ません。無論全てをそうしろと云っているのではありませんが、手段の多様性は残したほうが次代へ繋げ易くなると思います。しかし、いつの間にハリーはディアナが入れ替わった事を知ったのでしょうか。拙者が見落としているのか、ストーリーが端折られているのか、その辺りもリメイクすることで解消してほしいものです。
さてガンダム・ユニコーンも6巻目。
地球連邦軍強襲揚陸艦ネェル・アーガマを発進したバナージ・リンクスの操縦するユニコーン・ガンダムは戦闘時単機大気圏に突入、燃え尽きる直前敵対するネオ・ジオン軍偽装貨物船ガランシェールに回収される。一方ネオ・ジオンの姫ミネバ・ザビは連邦軍パイロット:リディ・マーセナスと共にネェル・アーガマを脱出。有力な政治家一族であるマーセナス家に身を寄せるのであった。
地球に降り立った三人に待ち受けていたのは、個人ではどうにもならない現実と云う巨大な壁であった。地上においてネオ・ジオンを支援するイスラム系の人々。事態の打開をはかるためマーセナス家当主ローナン・マーセナスはロンド・ベル隊のブライト・ノア司令と接触、“ラプラスの箱”奪回を目論む。ビスト家をクーデタで支配したマーサ・ビスト・カーバインは捕虜とした強化人間を手駒としようとしていた。
かつて宇宙育ちのアムロがカミーユが地上で経験したであろう人との出会いや社会の矛盾や教訓を、ガンダムの流れを逸脱することなく、それでいて福井晴敏らしさを失わず、物語として盛上げていく手腕たるや、驚嘆する次元へと昇華しているのではないでしょうか。起承転結で考えれば次巻からは“転”の章でしょうか、期待で胸が膨らみます。
内容紹介:《ユニコーン》が示した次なる座標は地球連邦政府首都・ダカールだった! ラプラス・プログラムが示した地に《ユニコーン》を立たせるべく、イスラム系反政府勢力のダカール襲撃計画に協力するバナージたち。 しかし積年の怨讐は、巨大MA《シャンブロ》が吐く炎となって暴走を始める!首都を飲み込む炎を前に、バナージが選び取った行動とは……!? かつてない一大スペクタクルに息を呑む、新・宇宙世紀神話第6弾!(角川書店HPより引用)
(ガンダムエース掲載)
2011年7月3日日曜日
限界集落温泉 3巻 読了
限界集落温泉 3巻 読了
鈴木みそ/著 エンターブレイン/刊 20110707初版660円 BEAM COMIX
山奥の潰れた温泉宿に偶然集ってしまったゲーム企画を放り出してきたイベンター、マイナーで情緒不安定なネットアイドルと売れないマンガ家、フィギュア原型師、ゲーム音楽家といった肩書きを持つアイドルファン達といった不思議な人々。いつしか温泉宿を復活させようと奔走をはじめる仲間となった。地元の有力者の横槍をかわし、温泉宿は営業を再開できる手はずを整えてはみたが、アイドルあゆぽんは温泉場での活動が認められ東京へ戻り、入れ違いに魔性の天然美女が温泉宿に転がり込んできた。どうやら地元有力者の息子の知り合いらしい…。
盛り上る“あゆぽん”と仲間達。進む温泉宿再建。話は何処へ転がっていくのか、超楽しみ!
降りかかる難問奇問をバッサバッサと処理し返す刀で窮地を好機に変えてしまう稀代の軍師“溝田”。でもそれほどの実力があるなら温泉宿へ自殺覚悟で逃げてくる事態にはならんと思いますが、人間誰しも休憩は必要ですし、登る坂があれば下る坂もあるでしょう。優秀な指揮官でも負け戦にばかり参加している場合もありますしね。でも本当に優秀ならば、はなッから負け戦に参加はしないと思ったりもします。
人それぞれに才能を持ってはいますが、その才能を統括して生かすにもやはり才能が必要とされます。それが“ゼネラル”。知識と異なり才能は持っているか持っていないかであり、更に磨かなければ輝かない厄介なものです。才能を生かすには天の時地の利人の和、天地人の三拍子がそろって初めて発揮できるものなので、普段は表ていない場合がほとんどです。人の才能を見抜ける人が居ないと発掘できないし。優秀な人材を確保するのはとても難しいと云う話でした。
内容紹介;鈴木みそが挑む、田舎再生物語。第3弾!!都会のハミダシ者達と過疎化が進み滅び行く村。2つのギリギリが何を起こすのか?(アマゾンより引用)
(月刊コミックビーム掲載)
2011年7月2日土曜日
ザンガード 読了
ザンガード 読了
柴田ヨクサル/著 集英社/刊 20110622第1刷514円 ヤングジャンプ・コミックス
「ハチワンダイバー」のスピンオフ作品。
「ハチワンダイバー」作品内で主人公らと行動を共にする“斬野シト”を主人公とした物語。主人公とヒロインの物語が主なのは当然ですが、個性的脇役が縦横に配置されているため、単行本の描下ろしで数ページ、本編とは関係のない脇役達の物語が付けられていましたが、本作品はその脇役物語のボリュームUP版。おそらく著者柴田ヨクサルの頭の中には脇役の詳細なデーターやそれぞれの物語が作られているのでしょうが、脚本や演出の制約からバッサリと捨てられている中のほんの僅かな断片が、こういった番外編なのでしょうねぇ。どんどん番外編も描いて欲しいところですが、本編を疎かにせず発表できるのはこんなところなのでしょう。
とらのあなではショップ特典にイラストカードが付いていました。絵柄を見ると半欠けになっています。どうやら同時発売だったハチワンダイバー20巻に半分が付いていたらしいですが、発売日周辺に被災地入りしていた拙者はザンガードしか入手できませんでした。知人も動員して都内も調べてもらいましたが、結局入手できず。ハチワンダイバーは入手していません。さて、どうしたものか。
内容説明:あなたの型を取らせてもらいます。斬野シト。将棋の真剣師であり超絶技巧の人形師でもある彼にはもう一つの顔が!! それは愛する秋葉原の平和を守る仮面のヒーロー『ザンガード』!! あの『ハチワンダイバー』番外編となる唯一無二の地域密着型ヒーローコミック、ここに誕生!!(アマゾンより引用)
(YJ増刊マンタロー2007、月刊ヤングジャンプ、ミラクルジャンプ掲載)
2011年7月1日金曜日
さや侍 観了
さや侍 観了
ネタバレ注意。
と云うか、ディティールを細かく説明したいと思います。これから見る人は読まない方が良いと思われます。
拙者は予備知識を全く持たず見に行きました。それが良かったと思います。
傑作映画とは云えませんが、泣けました。
特に娘へ宛てた父からの遺言に心打たれました。拙者としてはアカペラのみで押し通して欲しい所でしたが。おそらくは観客への配慮とかからギターの伴奏を付けてしまったのでしょう。分りやすいし、悪くは無いのですが、先ず川のせせらぎや自然音を被せ、読み上げから詠いへ移った所でSEを無音にし、人の声だけで聴かせた方が情感を盛上げるような気がしましたが、プロが試行錯誤の上に決定した事ですから、あれがベストなのでしょう。
最愛の妻の死により(武士の)“魂”=刀を亡くしてしまった男の生き様(=死に様)の物語。心残りはまだ幼き愛娘の行く末でしたが、たまたま衆目を集め、切腹と云う武士の晴れ舞台で無くした“刀”=魂を取り戻せた男の物語であり、またそんな男親の背中を見続けた娘の物語でもありました。
RPGよろしく心の病に囚われた若殿様を命を引き換えに笑わせるべく、様々なショウも無い芸を見せる男と、娘と、何かと協力してしまう牢屋番の二人の四人が知恵を出し合い奮闘するのが骨子です。先に見た知人が全て笑えぬ芸ばかりと云っていましたが、もし笑ってしまう芸だと助命されてしまうのでストーリー展開上笑えない芸でなければなりますまい。
監督が松本人志であり、吉本喜劇が製作であるため、売れない笑われない芸であっても命を賭けて演じる芸人魂を揶揄しているのかと考えましたが、カワラコジキである芸人道と、大義とか面子だの形而上に生きるため死んでみせるのも武芸の内である武士道とでは相容れないモノがあるように思えます。切腹を価値あるものと思えなければ、全く意味の通じないストーリーになってしいます。しかし、武士などと云う職種は江戸末期でも全人口の1割に満たない人々であり、その中で実際に切腹が出来たサムライなんて何人いたのやら。市井の人々が切腹を名誉と感がけるようになったのは、悪しき軍人精神からであり、物語やメディアで量産されるサムライ像でしかないのではないかと思います。松本人志の映画を今まで観た事はありませんが、この映画を観終わったときには過去の作品も観たくなりました。
撮影場所の大半が茨城にあるNHKの撮影所ワープステーションでのロケだったり、埼玉県坂戸市の木橋だったり、なんだか見知った所ばかりでした。
(以下yahooより引用)
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 103分
スタッフ
監督:松本人志
製作総指揮:白岩久弥
原作:-
音楽:清水靖晃
脚本:松本人志
キャスト
野見隆明(侍(野見勘十郎))
熊田聖亜(娘(たえ))
板尾創路(倉之助)
柄本時生(平吉)
りょう(三味線のお竜)
ROLLY(二丁短銃のパキュン)
腹筋善之介(骨殺死 ゴリゴリ)
清水柊馬(若君)
竹原和生(坊主)
長谷川公彦(-)
鳥木元博(-)
吉中六(-)
重村佳伸(-)
安藤彰則(-)
中村直太郎(-)
寺十吾(-)
石井英明(-)
松本匠(-)
岡田謙(-)
京町歌耶(-)
野口寛(-)
伊武雅刀(家老)
國村隼(お殿様)
解説: 『大日本人』『しんぼる』と、独特の視点と感性で作品を世に送り出してきたダウンタウン松本人志監督の長編第3弾。侍として戦っていくことをやめた男と、そんな父を軽べつする娘のきずなや葛藤(かっとう)を、独自の笑いと悲しみを交えて映し出す。侍の男に、バラエティー番組「働くおっさん劇場」で人気を博していた野見隆明、その娘を『僕の初恋をキミに捧ぐ』の熊田聖亜が演じる。時代劇らしからぬ特異な設定など、松本監督ならではの一筋縄ではいかない展開に注目したい。シネマトゥデイ(外部リンク)
あらすじ: ある出来事により、侍として戦うことをやめ、刀を捨てた野見勘十郎(野見隆明)。そんな父に対し、娘(熊田聖亜)は反発していた。2人は、あてもなく旅をしていたのだが、無断で脱藩した勘十郎には懸賞金がかけられており、とうとう捕まってしまう。しかし、奇人として世間では有名だった殿様から「30日の業」に成功したら、無罪にすると言われ……。
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