木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年7月10日日曜日

流れゆく雲 読了


流れゆく雲 読了
~グイン・サーガ107~ 栗本薫/著 早川書房/刊 20060415発行540円 JA842
 TVアニメ「R-15」視聴。深夜放送ならではのネタをしようとしているコンセプトは解るのですが、アニメの面白さとは何かをもう一度企画会議にかけてから作って頂くか、己の作品を創造する意欲を持ってがんばってもらいたいものです。まあ第一話から全力全開だと、その後が続かなくなる可能性が高いので、後半まで力を蓄えてゴール直前に全力を出すタイプと思いたいものです。

 車中読書の本が何か無いかしらん、といつもの玄関の平積みを漁ってみたら出てきた「グイン・サーガ」107巻。ノスフェラスの記憶を失ったグインと出会ったイシュトヴァーンは、行き違いからグインに斬られ重症を追い、一路本拠地のユラニアに帰還。ユラニア首都アルセイスでは宰相カメロン元提督の自問自答として、イシュトヴァーンが築きカメロンが差配しているゴーラ帝国の現状と展望を詳しく紹介。一方中原一の歴史と文化を誇るパロも度重なる戦乱と内戦で貧窮を極めていた。女王となったリンダは内戦で夫を失い弟を幽閉し人材の払拭してしまったパロ宮廷を何とか建て直しをしようと奮闘していた。女王の頼りとするパロ宰相ヴァレリウスと参謀ヨナはグイン捜索で不在の中で幽閉した弟レムスと会談するのだった。
 今巻重要なのはリンダの予言でしょう。最早未完のまま著者栗本薫が天界へ旅立ってしまった今となっては200巻まで続くはずであった「グイン・サーガ」自体の予言と云いましょうかテロップと云えるのではないでしょうか。「豹頭王は無事でいる。‐‐‐そして、ほどもなく近くにやってくるだろう。」ここまでは最終巻までに何とかたどり着いています。この予言の後半部は「……そのとき、あらたな時代がはじまる。‐‐‐廃王は長い時を隔ててふたたび王の冠を額にいただくだろう。だがそのときには‐‐‐そのときにはパロスの支配は夜の時代を迎え、そして‐‐‐そして最後のサーガがはじまるだろう……闇の王子と光の王子がたたかい、どちらが勝ちをしめるかにより、最後のサーガは暗黒のサーガとなるか、光のサーガとなるかが定まるだろう。‐‐‐吟遊詩人に注意せねばならぬ。‐‐‐彼は重要な鍵にほかならぬ。……彼は、光と闇とをそのからだで結ぶ。光の王子を守ってやるがいい。‐‐‐それはあるいはパロスをさいごの滅亡の災いから守ってくれよう……」です。穿った見方をすれば「トワイライト・サーガ」への伏線とも考えられませんか?単純に考えれば今後の展開としてイシュトヴァーンの二人の息子が中原を二派に分けて戦い合うとも受け取れますし、闇の王子も光の王子もこれから生まれてくるであろう人だったり、107巻までには吟遊詩人と云えばマリウスしかいないわけですが、今後吟遊詩人が出てこないとも限らないわけで、だいたい「……そのとき」は「豹頭王が近くにやってくる」に続く文章とは限らないので、予言とは良くぞ云ったものです。伏線張りっぱなしで死んだ著者栗本薫の勝利としか云えませんな。

 内容(「BOOK」データベースより):アストリアスの手から奪還したフロリーだが、光団の中に潜んでいたゴーラの密偵によって再び、さらに今度はスーティとマリウスまで拉致されてしまう。追跡を開始したグインとリギアは、ボルボロス砦で、三人を連れた密偵の一味を発見、大立ち回りのすえ、彼らを閉じこめていた馬車もろとも仲間を取りもどし、轟然と走り去るのだった。その頃、中原の各国では、グインが行方をくらましたことによるさまざまな問題が…。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より) 栗本 薫:別名に中島梓。東京生まれ。早稲田大学文学部卒。77年中島梓名義の「文学の輪郭」で群像新人賞評論部門を受賞。78年『ぼくらの時代』で江戸川乱歩賞受賞。以後、作家・栗本薫、評論家・中島梓を使い分けて多彩な文筆活動を展開する。小説作品は、ミステリ、SF、時代小説、耽美小説と多岐にわたる。ライフワークともいうべき一大長篇ロマン「グイン・サーガ」は、2005年に100巻を達成し、早川書房より継続刊行中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです) (アマゾンより引用)

バックナンバー紹介
「ボルボロスの追跡~グイン・サーガ106~ 読了 」http://blogs.yahoo.co.jp/akamaty1000/59042273.html

0 件のコメント:

コメントを投稿