2011年7月5日火曜日
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー 1巻 読了
機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー 1巻 読了
~カイ・シデンのメモリーより~ ことぶきつかさ/著 富野由悠季/原作 矢立肇/原案 角川書店/刊 20101026初版560円 角川コミックス・エース
いつも立ち寄る駅前のアニメグッズの中古屋に寄ったら、「機動戦士ガンダム デイアフタートゥモロー~カイ・シデンのメモリーより~ 1巻」美本が100円で売られているのを見て「ギャー!!!」とアニメ「日常」のテンぱった表現にも似た心情を持ってしまいましたよ。発売当日に買ったまま未開封のまま玄関先に積んでおいた自分の本の事を、まるでニュータイプの閃光のように脳裏に煌いたからです。嗚呼低下560円+税でかった拙者のお金は…差額460円+28円分の金額はいったい…。例えるならば高い金を出して買っておいたお酒が、いざ開封と云うときに揮発して無くなっていたような、そんな愕然として荒涼たる心象風景に囚われてしまいました。
さて、気を取り直してマンガの話。
以前紹介したのはジャーナリスト カイ・シデンが機動戦士Zガンダムを語るストーリーでした。今回は生き残ったカイ・シデンがサイド3で展示される事となった「一年戦争展」に元ホワイトベース搭乗員として招待され、カイ・シデンにとっての“現在”と“過去”を行き来するストーリー。ガンダム・サーガのアニメ画面に登場していない場面を描くと云う、まさしく戦史を掘り起こすようでいて、空想物語なのに緻密でリアルに感じる“ドラマ”を“映画”のような演出で著者ことぶきつかさが描き込みます。
この後付にしかすぎないマンガであるのに、ガンダムを知っている人間にとって、まるで本編未放送分のアニメを見せられているような雰囲気は、著者ことぶきつかの才能もさることながら、いかにファースト・ガンダムの世界観が巧に作られていたかを語っていると思います。例えばマジンガーZが東京で戦っていた時、他の場所で何かがあったとしても、そればマジンガーZの話ではなくなってしまいます。宇宙戦艦ヤマトでもガミラス帝国にはダイヤモンド戦線やルビー戦線で戦いが繰り広げられていますが、そこでの話は「宇宙戦艦ヤマト」ではなく、ヤマトと同一世界で繰り広げられる“ドラマ”となります。ところが、機動戦士ガンダムの世界では、ホワイトベースとガンダムが居ない所でも戦争は繰り広げられ、地球で宇宙で同時に人の数だけ物語が存在している、そんな現実世界の人の営みを当たり前の出来事としてTVアニメに持ち込んだのが「富野由悠季」でした。ガンダム第一話に避難民として登場し、アムロと共にモビルスーツに乗り一年戦争を生き残った地球連邦軍の「エース・パイロット」カイ・シデン。戦後は軍を退きジャーナリストとして活躍中の彼カイの視点で物語るガンダムの世界。著者ことぶきつかさが単なるマンガ家ではなく、アニメの企画なのも手掛けたり、同人誌の活動を今もって続けたりと、自分の世界を創造できる才能を持っているからこその、ガンダム世界に浸りながら“ことぶきつかさ”の作品としてのガンダムを描けられるのだと思います。
ファースト・ガンダムにちょっとでも思い入れがあるならば読んで損な無し。今なら美中古本が100円(税込)だし…。
内容紹介:木星から帰還した男がサイド3で見たものとは……。あの戦いの真実にカイ・シデンが迫る。(アマゾンより引用)
デイアフタートゥモロー新章スタート!木星帰りのカイ・シデンがサイド3で開催される一年戦争展にオブザーバーとして招かれた。アムロやハヤト…会場を巡るカイの胸によみがえる戦友たちの記憶、そして新たな謎とは!?(カバー裏表紙より引用)
(ガンダムエース掲載)
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