木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2011年7月1日金曜日

さや侍 観了


さや侍 観了
 ネタバレ注意。
 と云うか、ディティールを細かく説明したいと思います。これから見る人は読まない方が良いと思われます。
 拙者は予備知識を全く持たず見に行きました。それが良かったと思います。

 傑作映画とは云えませんが、泣けました。
 特に娘へ宛てた父からの遺言に心打たれました。拙者としてはアカペラのみで押し通して欲しい所でしたが。おそらくは観客への配慮とかからギターの伴奏を付けてしまったのでしょう。分りやすいし、悪くは無いのですが、先ず川のせせらぎや自然音を被せ、読み上げから詠いへ移った所でSEを無音にし、人の声だけで聴かせた方が情感を盛上げるような気がしましたが、プロが試行錯誤の上に決定した事ですから、あれがベストなのでしょう。
 最愛の妻の死により(武士の)“魂”=刀を亡くしてしまった男の生き様(=死に様)の物語。心残りはまだ幼き愛娘の行く末でしたが、たまたま衆目を集め、切腹と云う武士の晴れ舞台で無くした“刀”=魂を取り戻せた男の物語であり、またそんな男親の背中を見続けた娘の物語でもありました。
 RPGよろしく心の病に囚われた若殿様を命を引き換えに笑わせるべく、様々なショウも無い芸を見せる男と、娘と、何かと協力してしまう牢屋番の二人の四人が知恵を出し合い奮闘するのが骨子です。先に見た知人が全て笑えぬ芸ばかりと云っていましたが、もし笑ってしまう芸だと助命されてしまうのでストーリー展開上笑えない芸でなければなりますまい。
 監督が松本人志であり、吉本喜劇が製作であるため、売れない笑われない芸であっても命を賭けて演じる芸人魂を揶揄しているのかと考えましたが、カワラコジキである芸人道と、大義とか面子だの形而上に生きるため死んでみせるのも武芸の内である武士道とでは相容れないモノがあるように思えます。切腹を価値あるものと思えなければ、全く意味の通じないストーリーになってしいます。しかし、武士などと云う職種は江戸末期でも全人口の1割に満たない人々であり、その中で実際に切腹が出来たサムライなんて何人いたのやら。市井の人々が切腹を名誉と感がけるようになったのは、悪しき軍人精神からであり、物語やメディアで量産されるサムライ像でしかないのではないかと思います。松本人志の映画を今まで観た事はありませんが、この映画を観終わったときには過去の作品も観たくなりました。
 撮影場所の大半が茨城にあるNHKの撮影所ワープステーションでのロケだったり、埼玉県坂戸市の木橋だったり、なんだか見知った所ばかりでした。

(以下yahooより引用)
原題: -
製作年度: 2011年
別題: -
製作国・地域: 日本
上映時間: 103分  

スタッフ
監督:松本人志
製作総指揮:白岩久弥
原作:-
音楽:清水靖晃
脚本:松本人志

キャスト
野見隆明(侍(野見勘十郎))
熊田聖亜(娘(たえ))
板尾創路(倉之助)
柄本時生(平吉)
りょう(三味線のお竜)
ROLLY(二丁短銃のパキュン)
腹筋善之介(骨殺死 ゴリゴリ)
清水柊馬(若君)
竹原和生(坊主)
長谷川公彦(-)
鳥木元博(-)
吉中六(-)
重村佳伸(-)
安藤彰則(-)
中村直太郎(-)
寺十吾(-)
石井英明(-)
松本匠(-)
岡田謙(-)
京町歌耶(-)
野口寛(-)
伊武雅刀(家老)
國村隼(お殿様)

 解説: 『大日本人』『しんぼる』と、独特の視点と感性で作品を世に送り出してきたダウンタウン松本人志監督の長編第3弾。侍として戦っていくことをやめた男と、そんな父を軽べつする娘のきずなや葛藤(かっとう)を、独自の笑いと悲しみを交えて映し出す。侍の男に、バラエティー番組「働くおっさん劇場」で人気を博していた野見隆明、その娘を『僕の初恋をキミに捧ぐ』の熊田聖亜が演じる。時代劇らしからぬ特異な設定など、松本監督ならではの一筋縄ではいかない展開に注目したい。シネマトゥデイ(外部リンク)

 あらすじ: ある出来事により、侍として戦うことをやめ、刀を捨てた野見勘十郎(野見隆明)。そんな父に対し、娘(熊田聖亜)は反発していた。2人は、あてもなく旅をしていたのだが、無断で脱藩した勘十郎には懸賞金がかけられており、とうとう捕まってしまう。しかし、奇人として世間では有名だった殿様から「30日の業」に成功したら、無罪にすると言われ……。

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