水木しげるロード熱闘記 読了
~妖怪によるまちづくり 境港市観光協会の挑戦~ 桝田知身/著 ハーベスト出版/刊 20100701初版1300円
境港市観光協会二代目会長"桝田知身"による観光協会活動の足跡。自主制作本にありがちな、頁数に比べて文字数が少ないように思えますが、書かれている内容は薄くないと思います。
コンテンツツーリズムの成功例として取り上げられる、東の鷲宮・大洗、西の境港。あえて比較するならば、水木しげる同様著名な漫画家松本零士のキャラクターブロンズ像を通りに並べた敦賀がコンテンツツーリズムの事例として無視されている事実に着眼するべきでせう。
数値的裏づけはしていませんが、パッと見、敦賀の方が地理・歴史・交通・人口等条件的に良いように思えます。それなのになぜ敦賀に人が集まらず、境港には人が集まるのか。
単純に云ってしまえば桝田知身がいたかいなかったかの差なのではないでせうか。
桝田知身が生きている間に、本人へのインタビューと周辺への取材で話をまとめてもらいたいものです。
(以下アマゾンより引用)
内容紹介:平成22年7月18日(日)山陰中央新報書評欄より
タイトルにあるようにまさに「熱闘記」だ。何故水木しげるロードがこんなに人気観光地として成長してきたのかを裏付ける桝田さんの生き様と、数々のエピソードが満載である。しかし、ノウハウ本ではない。何故なら誰も真似ができないからである。
桝田さんは経営者である。永い間一線の経営者として辣腕をふるってこられた行動力を、そのままのんびりとした観光協会に持ち込んでこられたのだから職員はたまったものではなかったと思う。経営者にとって大事なことは成長し続けることである。
成長とは、お客さまの支持を勝ち取りつづける仕組みをつくることであり、一生のファンを獲得することである。だから経営者は支持が薄れる目安として数字が下がることを何よりも嫌う生き物である。数字を創ることに生き甲斐を持ち、ビジョン、目標を設定すればそれは「必達」だと感じるのが経営者である。
そして職員に生きる喜びとか働く喜びを与えながら、強引にみえる、いやたしかに強引な行動で数々のユニークな事業を成功させてきた。こんな観光協会の会長は全国どこにもいない。本の中の対談で「できないと言い切ることほど難しいことはない。」と語っている。また「今の観光協会に検討するという言葉はない」とも言う。検討することは「やらない」と同義語だとまで言う。実現しないことはまったく意味がないという考えは身にしみる言葉である。「金がない、人がいない」やれない理由を言い始めたら切りがない環境で、桝田さんを支えたのは「水木ファン」だった。ブロンズ像の全国公募など外の力を借りながら水木しげるロードは押しも押される全国ブランドに成長していく。本の中で桝田さんは多くの人を実名で紹介しながら感謝をしている。細かい配慮が実は桝田さんを支えている。大変繊細な方である。また、闘いという言葉を使う人は、実は孤独であったりする。自分との闘い、地域との闘い、既成概念との闘い。常に
ファイティングポーズを崩さない姿勢は感動する。豪快で繊細な桝田さんの人生の生き様が込められている一冊である。
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