木更津駐屯地航空際

木更津駐屯地航空際
2019年12月8日木更津駐屯地航空際にて撮影

2019年9月2日月曜日

東大留学生ディオンが見たニッポン 読了

東大留学生ディオンが見たニッポン 読了
ディオン・ン・ジェ・ティン/著 岩波書店/刊 20170420第1刷880円 岩波ジュニア新書
 シンガポール出身のディオン・ン・ジェ・ティン(1994年生)の半生記。
 シンガポールと云うと当ブログ2017年4月18日に紹介した「シンガポールのオタク漫画家、日本をめざす 読了」を思い出してしまいます。
 シンガポールで独自に発達した英語・マレー語・中国語等の混在した“シングリッシュ”について、シングリッシュとはどういうものなのかを知りたければマンガの方が一読すればわかりますが、ではシングリッシュとは何かを知りたくなると本書を読んだ方が分かると思います。どちらも母国シンガポールの特徴を、シンガポールを知らない外国人である日本人に分かるように紹介しようとしているのですが、ここでマンガと活字の「差」を認識せざるえません。
 また、本書著者が“若い”と云う点からも、本書の内容が二国間の文化の差異について説明的口調になっており、ずいぶんと「堅い」文章になっていますが、若さゆえの気負いと考えれば、年寄りからみると笑って読んでいけます。岩波ジュニア新書の読者そうていを考えると、どのように今の若い人々に受け入れられるか、とても興味が湧きます。
 著者自身が若くして目標を立て、国際問題にチャレンジしているので、後進に世界へ出て広く視野を持てと勧めていますが、必ずしもその必要はないでせう。人それぞれ目標は違うし、目標を立てられない場合もあるでせう。国際関係へ進みたいと思っている人ならば、大学とは云わず、高校時代から留学プログラムに参加するべきだと思います。しかし留学をする必要の無い目標がある場合、あえて留学は勧められないと思います。高校野球に参加したい人が、後々人生に役立つことであっても高校時代にUSAやキューバに留学しては意味がありません。国内で野球に専念すべきです。逆にサッカーだと海外に出た方が有利かもしれません。様々なシチュエーションが考えられますので一般論としてひとくくりには云えないでせう。
 ただ、何かをしたくて国際的視野を広げるのも有りだし、何も目標を立てられないから一先ず視野を広げに国を出るのも有りだと思います。渡航の経験の無い拙者ですが、海外に出るのも国内を巡るのも差は無いのではないかと思います。
 ちょっと話を外します。
 かつて拙者の子どもの頃海外翻訳SFやファンタジーを読むと、宇宙人の進んだ科学の世界へ地球人(欧米人)が出かけていって活躍したり、野趣溢れる主人公が暴力に疎い文化人達を守って活躍したりするストーリーがあったと思います。もしかしたら現在も海外では出版され続けているけど、日本では翻訳されていないだけなのかもしれませんが、日本の書店の店頭で見かける事がなくなりました。ここのところ目にするのは文化的に後進な異世界へ召喚や転生する日本人のストーリーばかりなってしまいました。
 時代の流れと云うか、時代背景により流行も変わると考えられます。日本人の“海外”の認識も、ここ三四十年の間にかなり変化したのではなかろうかと思います。
 逆説的に海外から日本を見た視点として、本書がかつての海外翻訳書なのか現在のライトノベルの視点に立つのか、それとも全く別の視点に立つのか誰かに解説してもらいたいとことです。

(以下アマゾンより引用)
 内容紹介:何度も訪れるほど大好きな国・ニッポンに夢叶って留学したディオンの見聞録。「英語をもっと話そうよ!」「タメ口と敬語の使い分けは難しい!?」「どうして体育会に入ると留学しにくいの?」等々、同世代や社会に感じた異論・戸惑い・共感を率直に語る。日本の国際化にむけても示唆に富む一冊。
 内容(「BOOK」データベースより)何度も訪れるほど大好きな国・ニッポンに夢かなって留学したディォンの見聞録。「英語をもっと話そうよ!」「タメ口と敬語の使い分けは難しい!?」「どうして体育会に入ると留学しにくいの?」等々、東大PEAK・体育会・コンパで同世代や社会に感じた異論・戸惑い・共感を率直に語る。日本のグローバル化社会にむけても示唆に富む一冊。
 著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)ディオン・ン・ジェ・ティン:1994年シンガポール生まれ。現在、正規留学生として東京大学教養学部教養学科国際日本研究コース4年に在籍。2016年度、在日シンガポール留学生協会会長を務め、同年4月まで東大運動会バドミントン部に所属(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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