XBLADE 12巻 読了
士貴智志/著 いだたつひこ/原作 講談社/刊 20110209第1刷571円 シリウスKC
「仮面ライダーOOO」第21話22話は面白かったですね。脚本の勝利と云うか、仮面ライダーの全否定と云うか。正義を望む“欲望”につけ入られ“バッタヤミー”が生まれる。バッタヤミーが行う正義の執行を妨げるため仮面ライダーオーズは戦いを挑むのであった。
ここで世界各地を巡り戦地で人の生き死にを見てきた主人公仮面ライダーオーズこと火野映司のトラウマが伏線として生きてきます。30分番組であるがゆえに、くどくどと主人公に語らせることなく、さらりと主人公の正義の認識を語らせる脚本の上手さが天晴れ!
バッタヤミーの仮面ライダーへのオマージュとか、刑事の肉体に間借りしているアンクと主人公にして謎の風来坊の関係とか、封印されていた謎の存在達とかクウガを暗示しているっぽく、シリアスとコメディ要素がバランス良く脚本に練りこまれ、「響鬼」とは別な意味での平成ライダーの集大成な感じが素晴らしいです。
さて「XBLADE」失楽園編完結。
主人公“杜咲春海”が物語の発端となり現在閉鎖されている“東京第十三区”に“真名”らと突入していた頃、平和なはずの十三区以外の東京に召喚された剣士達が策動していた。杜咲と幼馴染で剣道部エース、自宅は剣術道場、顔良し頭良し人望良しの“御嶽和也”は、人殺しの技としての“剣術”を目の当たりにして落込むは怪我は負うは面子は失うはでドツボに嵌っていた。一端落ち込むとなかなか抜け出せない、人生の負のスパイラル。御嶽和也は何処まで堕ちて行くのか。しかも最後の止めがもう一人の幼馴染の一言だなんて。主人公不在の12巻。いや、剣士のバトルロイヤルこそがテーマならば、登場する剣士全てが主人公。主人公の影とも云うべき最大のライバルが幼馴染になるかもしれない展開が、あまりにもベタで、でも、これほどまで克明に堕ちる様を描いたマンガがあったろうか。妹を探しながら戦いに明け暮れる主人公の様は、まるで、そう、ドモン・カッシュ!機動武闘伝Gガンダムのようだ!!まあ、強いやつ決定戦的展開の根底は全て同じなんですけどね。
著者略歴
士貴智志:1970年11月20日愛知県生まれ。'91年コミックGENKi掲載の『罪と罰』でデビュー。代表作に『RIOT』『神・風』『アイ』(旧タイトル『アイ~光と水の ダフネ~』)『XBLADE』(原作/イダタツヒコ)等がある。
イダタツヒコ:1964年7月5日滋賀県生まれ。'86年、『霧の日』で第14回ちばてつや賞準優秀新人賞受賞、同作品にてヤングマガジンでデビュー。代表作に『外道の書』『BLADE』『HeLaLD』『ゴルディアス』『美女で野獣』、原作者として 『XBLADE』(漫画/士貴智志)がある。(アマゾンより引用)
(月刊少年シリウス掲載)
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