トップウGP 6巻 読了
藤島康介/著 講談社/刊 20191223第1刷630円 アフタヌーンKC
バイクレースのマンガ。
著者買いで一応全巻購入してはいるが、もしかしてちゃんと読んだのは今巻がはじめてではなかろうか。積読どころかパッケージすら未開封かもしれない。だから登場人物の人間関係等は不明。主人公サイドは3人でおねえちゃん的なライダー先達と弟的キャラ2人のライバル関係っぽいのでチームを組んでレースに出場しているのだろう。誰かのお父さん二人がメカニックをしている。
そんなわけでどうしてレースをしているのか等はまったく分らないが、何が凄いって著者藤島康介の演出力が凄い。耐久バイクレースは同じコースを数時間に渡って延々とグルグル回って行くのである。TV放送を見れば分るとおりライブ映像だとずっと同じアングルや同じシーンばかりが続くのだ。だから解説者が一所懸命語り、途中にピットの状況をインサートしたり、画面的に飽きさせない工夫がいる。事故が起きようものなら画面が映えるから繰り返し繰り返し事故シーンを放送する。はっきり云って選手とかチームに思い入れがなければ面白くない。そして本書を見てみよう。ペラペラとページをめくると、同じ様な絵が続くことが無いのに気がつくだろう。これが素人のマンガだと同じような絵が何度も続くのだ。順位が入れ替わったり、アングルが微妙に変わるのだが、同じ様な絵である事には間違いない。それが本書においては手を変え品を変え、様々な人物の視点やモノローグ、思惑を絡めつつレースを進展ささていっている、この演出が凄いと云っているのだ。女神様とか逮捕とか好きだったから読んでいたけど、バイクレース物にはさして食指が動かんのだが著者買いをして読んで見て、この作品は買っておいて良かったと思った。興味の無い素材に興味を湧かす様に描いているのだからこそ素晴らしい手腕なのだ。
嗚呼、埋もれた書籍のなかからバックナンバーを探さねばならないのははっきり云って面倒臭い。探している内に別の本を読んでいるしね。ブックオフへ行って買ってきた方が早いのではなかろうか。
(以下アマゾンより引用)
内容紹介:少しのミスが命さえ奪うバイクレースの世界に魅せられていく少年・宇野突風。憧れの女性ライダー・真音、ライバル・高台少年とともに灼熱の耐久レースに挑む! 過酷な暑さのレースは、レーサーにもマシンにも高負荷。緻密な連携と長期的戦略が求められる中、突風は新しい能力に目覚める――!!
著者について:藤島 康介
1964年7月7日生まれ。漫画家、イラストレーター。
1986年、「モーニング」掲載の『Making BE FREE!』でデビュー。
代表作に『ああっ女神さまっ』『逮捕しちゃうぞ』『パラダイスレジデンス』。
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